
地震や大雨などの災害が起きたとき、自治会にとって最初に直面する課題が「誰が無事で、誰が助けを必要としているか」をいかに早く把握するかです。

- 電話で一軒一軒確認するには人手が足りない
- 高齢化が進み、班長・役員の負担が大きい
- 本当に手助けが必要な人を迅速に見つけられるか不安
このような課題を抱える自治会は少なくありません。
実は、多くの人が普段使っているLINEと外部サービスを組み合わせることで、災害時の安否確認から手助けが必要な住民の把握までを自動化する仕組みの構築が可能です。
気象庁の情報を自動で検知し、住民への一斉通知、回答の収集、位置情報を伴う手助け要請の転送まで、人の手を介さずに動かすこともできます。
本記事では、災害時安否確認システムの活用例をもとに、LINEを使ってどのような仕組みが実現できるのか、その考え方と設計のポイントをわかりやすく解説します。
目次
なぜ自治会に「災害時の安否確認」の仕組みが必要か
災害時の安否確認を、電話や訪問による人力だけで行うのには限界があるからです。
- 時間がかかる
1つの班に数十世帯が含まれることもめずらしくなく、確認には時間を要します。道路の寸断や停電で訪問自体が困難な場合も。 - 担い手の負担が大きい
班長や役員の高齢化が進むなか、一軒一軒を回るのは身体的負担も少なくありません。また、担当者自身が被災している可能性もあります。 - 緊急性の高い人の把握が遅れやすい
対応の順番が連絡がつきやすい人から進みがちで、要支援者(高齢者や小さな子どものいる家庭など)への対応が後回しになるリスクがあります。
だからこそ、災害発生の検知から住民への一斉確認、回答の集約、手助けが必要な人の特定までを自動化する仕組みが求められています。
普段から使い慣れているLINEなら、特別な操作説明も不要で、高齢者を含む幅広い世代に浸透させやすいのが魅力です。
LINE×API連携で実現する安否確認システムの全体像
安否確認システムの全体像は、以下のとおりです。

このシステムの特徴は、災害の検知から手助けが必要な住民への対応まで、一連の流れがすべて自動で動く点です。
班長や役員が電話をかけたり訪問したりする必要はなく、住民自身のワンタップ操作と、裏側で動くシステムの連携だけで、安否確認から手助け要請の把握までが完了します。
システムの仕組み
このシステムは、LINE公式アカウントの拡張ツール「Lステップ」と、Google Apps Script(GAS)を組み合わせて動いています。

裏側の処理は主に4つのステップに分かれます。
- 事前準備:住民の登録と班タグ付け
- 災害検知と一斉送信
- 住民の回答と自動記録
- 手助け要請時の位置情報連携
ひとつずつ詳細を解説します。
①事前準備:住民の登録と班タグ付け
友だち追加時に自動で送られるよう設定できるメッセージから、住民に「名前」と「自治会の班番号」を登録してもらいます。

回答いただいた情報はLステップのシステムに自動で保存され、後の一斉送信や手助け要請の対応に活用できます。
②災害検知と一斉送信
GASが気象庁のAPIを1分ごとに監視し、震度5弱以上または警戒レベル4以上を検知すると、LステップのAPIを使って全住民の名前・班タグを一括取得。取得した情報をもとに、LINEで安否確認メッセージが自動送信されます。

③住民の回答と自動記録
住民が4択のボタン(無事です・手助けが必要・自宅待機中・自宅浸水中)をタップすると、回答内容がスプレッドシートとLステップに自動で保存されます。
④手助け要請時の位置情報連携
「手助けが必要」がタップされると、Lステップから「現在地を送ってください」と自動で返信されます。

住民が位置情報を送ると、GASがそれを受け取り、名前・住所・地図リンクをスプレッドシートに自動で記録。

同時に、役員のグループLINEへ「名前・班・位置情報」がまとめて自動通知されます。
災害時安否確認システムの導入メリット
このような仕組みを導入するメリットは、次のとおりです。
- 役員・班長の負担を軽減できる
電話や訪問による確認が不要になり、災害時の対応にかかる時間と労力を大幅に減らせます。 - 初動対応を迅速化できる
災害検知から住民への通知、回答の集約までが自動で進むため、人力での確認よりも早く状況を把握できるようになります。 - 手助けが必要な人を見落としにくくなる
回答が自動で集約されるため、「連絡がつきやすい人」を優先してしまうような偏りが起きにくく、要支援者の早期把握につなげやすくなります。 - 普段使っているLINEだからこそ浸透しやすい
新しいアプリのインストールや操作方法の説明が不要なため、高齢者を含む幅広い世代に無理なく使ってもらいやすいのもポイントです。
まとめ
災害時の安否確認は、これまで班長・役員による電話や訪問が中心でしたが、LINEとAPI連携を組み合わせることで、検知から回答の集約、手助けが必要な人への対応まで自動化できます。
- 気象庁の情報を自動検知し、住民へLINEで一斉通知
- 住民はボタン1つで回答、内容は自動で集計
- 手助けが必要な人には位置情報を自動連携し、役員へ迅速に通知
普段使っているLINEをそのまま活用できるため、新しい操作を覚える必要もなく、高齢者を含めた自治会全体に浸透させやすいのも大きな特徴です。
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