日本の中小企業の課題として「人手不足」が挙げられます。
人口減少や資金不足により、人材を確保できない企業が増えてきたからです。
- 要員不足で業務が回らない
- 会社の今後が不安
- 人手不足を解消するには?
このような悩みを持っている企業も多いのではないでしょうか。
この記事では、中小企業が人手不足に陥る原因と対策、解消した企業の事例をご紹介します。スタッフが不足して仕事が回らない、という経営者や人事部の方は、ぜひ参考にしてみてください。
人手不足になる原因や背景
なぜ中小企業では人手が足りていないのでしょうか?
人手不足になる原因や背景をまとめてみました。
少子高齢化による労働人口の減少
日本は少子高齢化により労働人口が減少しています。
総務省の調査によると、令和18年には65歳以上の割合が33.3%、国民の3人に1人が65歳以上になると予想されています。
特に中小企業は、大企業に比べて優秀な人材の確保が難しいのが現状です。実際に、株式会社帝国データバンクが調査した「人手不足に対する企業の動向調査」によると、正社員の人手不足割合は50.1%にものぼっています。
このように中小企業は少子高齢化の影響を受けやすく、人手不足が深刻化しているのです。
採用のミスマッチで離職率が高い
中小企業では、採用のミスマッチにより離職する人が少なくありません。
では、なぜ就職や転職をしても離職する人が多いのでしょうか。
厚生労働省の調査「令和2年雇用動向調査結果の概況」の「転職入職者が前職を辞めた理由」では、以下のような離職理由が挙げられています。(その他や期間満了等は除く)
- 給料等収入が少なかった
- 職場の人間関係が好ましくなかった
- 仕事の内容に興味をもてなかった
中でも人間関係や仕事内容は、入社して初めて分かることばかり。採用情報をみても、実際の仕事内容とは大きく異なる場合も珍しくありません。
よって企業側が仕事内容や職場の雰囲気を伝えなければ、ミスマッチが発生しやすくなるでしょう。
非正規雇用者が増えている
働き方が多様化し、非正規雇用者が増えています。もちろん働き手の確保にはなりますが、正社員の負担が増えるデメリットも。残業や休日出勤など、働き方への不満が募り、離職につながるケースもあります。
厚生労働省の「令和元年就業形態の多様化調査」によると、正社員以外の就業形態を選んだ理由は、
「自分の都合のよい時間に働けるから」が 36.1%と最も高く、次いで
「家庭の事情(家事・育児・介護等)と両立しやすいから」が 29.2%、
「家計の補助、学費等を得たいから」が 27.5%という結果に。
労働者側としては、正社員にこだわらない働き方が当たり前になってきました。しかし企業側からすれば、フルタイムで働いてくれる正社員が減り、人材確保に課題が残っています。
採用にかける資金がない
中小企業は、採用活動にかける資金を多く持っていません。資金が潤沢な大企業に比べると採用にコストはかけられず、ハローワークや地域の求人誌がいいところ。その結果、優秀な人材が集まりにくく、人手不足の解消には至りません。
最近は景気の低迷により、さまざまな業務や事業がコストカットされています。採用活動も大きな影響を受け、中小企業の大きな課題となっているのです。
人手不足を解消する5つの対策
では人手不足を解消するには、どんな対策をすればいいのでしょうか。
人材を確保するために必要な施策を5つまとめてみました。
- 給与や労働環境を見直す
- 人材育成の仕組みを強化
- ダイバーシティの導入
- ロボットやアウトソーシングの導入
- LINE公式アカウントの活用
それぞれについて解説していきます。
給与や労働環境を見直す
労働者は、給与や働く環境をシビアに判断しています。どれだけ仕事内容が良くても、給料が低かったり、残業が多かったりすると、働きたいと思ってもらえません。
今は働き方改革により、労働環境を重視する人が増えました。業務に見合った給料と、働きやすい職場を作らなければ求職者は応募してくれないでしょう。
ぜひ社内の現状を把握して、少しずつ改善に取り組んでみてください。
人材育成の仕組みを強化
採用だけでなく、今いる人材の強化も人手不足解消に効果的です。社員のスキルを伸ばせば、生産性がアップし業務効率化につながるからです。その結果、売上が伸びて給与に反映する未来も見えてきます。
- 組織の課題を明確にする
- 必要な業務や技術を洗い出す
- スキルアップの研修を実施
これらのステップを踏めば、社員の能力も上がってきます。またスキルに応じて昇給などを用意するとモチベーションが上がり、定着率もアップするでしょう。
ダイバーシティの導入
ダイバーシティ(Diversity)とは「多様性」を意味する言葉です。企業においても多様性のある人材を確保し、競争力を上げていく取り組みが重要視されています。
多様性のある人材とは、
- 子育て中で短時間勤務しかできない主婦
- キャリアを積んで引退した65歳以上の高齢者
- スキルはあるが遠方に住んでいる人
などを指します。
例えば、キャリアはあるものの育児で正社員ができない主婦を採用。短時間勤務をしてもらえば、正社員の負担を軽減できます。
フルタイムで働く正社員だけでなく、時短勤務やリモートワークなど、あらゆる人材を採用することで、人手不足の解消につながります。
ロボットやアウトソーシングの導入
現代ではインターネットやデジタル技術が進歩しています。それを活かして、ロボットやアウトソーシングの活用を始めてみてはいかがでしょうか。
例えば製造業の場合、生産ラインでロボットを導入すれば、今まで人間の手で行っていた作業を自動で行えます。
また業務の一部を外部に依頼する、アウトソーシングもおすすめです。経費計算や資料作成などの事務作業は、外務のワーカーに依頼すれば社員の時間も増え、業務改善につながります。
LINE公式アカウントの活用
LINE公式アカウントとは、企業がLINEユーザーとコミュニケーションを取れるサービスです。LINEユーザーに対して情報発信ができるため、採用活動の手助けとなってくれます。
現在、LINEの国内月間利用者数は9,700万人(2024年3月末時点)以上。採用においてLINE公式アカウントを使わない手はありません。
LINE公式アカウントは、採用におけるフローの効率化に適した機能を数多く搭載しています。
- メッセージ配信
- チャット
- リッチメニュー
- 自動応答メッセージ
- LINEコール
例えば、HPや店頭、SNSなどに友だち追加のQRコードを設置。友だち追加してくれた人に対し、あいさつメッセージなどで募集要項の詳細を配信できます。必要に応じて、個別チャットで直接コミュニケーションを取ることも可能です。
一般的に求人を出す際は、広告費がかかります。しかしLINE公式アカウントであれば、広告費を抑えながら求職者にアプローチできます。
コストを抑えつつ採用フローを効率化したい方は、LINE公式アカウントの活用を検討してみてください。
LINE公式アカウントで人手不足の解消に成功した企業事例
LINE公式アカウントで人手不足の解消に成功した企業事例を紹介します。
最小限の人員で運営する検診センター
人間ドックや健康診断を運営している、一般社団法人山口総合健診センター。新型コロナウイルスの感染が広がった2020年春以降、来館者への検温や感染対策の声がけなどにより、受付を担当するスタッフの業務量が増えていました。
そこで業務効率化のためにLINE公式アカウントを開設。チャットで予約管理をしたり、DM送付をメッセージ配信に切り替えたりすることで、大幅な業務改善につながっています。
結果的に、コロナ禍の前と変わらない人員数でスムーズな運営が行えています。
LINEのチャットボットを活用した転職支援
第二新卒向けの転職支援を行っている株式会社UZUZ。同社では、LINE公式アカウントを活用したチャットボットで、求人紹介や面談予約などを効率化しています。
LINE公式アカウントを開設後は、オウンドメディアに友だち追加用のQRコードを掲載。友だち追加したユーザーに対して、チャットボットでやり取りをし、転職サポートの面談予約までの手順を効率化しています。
※チャットボットの実装にはLINEのTechnology Partnerであるhachidori株式会社のサービス「hachidori」が活用されています。
同社には1ヶ月あたり平均約2,500件ほどの問い合わせがあります。そのうちLINE経由の問い合わせは全体の3割。面談予約率は55%と他のチャネルと比較しても高い数値を叩き出しています。
申し込みから入居までLINEで完結させる不動産仲介業
株式会社縁蔵ホールディングスが運営する「お部屋探しのハートサポート」。同社ではLINE公式アカウントを活用し、申し込みから入居まで、LINE上で手続きが完結する仕組みを作り上げています。
部屋探しをしている友だちに対して、LINEチャットで希望する部屋の条件のヒアリング、各種書類のデータを送付などを実施。賃貸借契約での、重要事項説明の「IT重説」においても、担当者がユーザーとLINEアプリのビデオ通話機能でやり取りをしています。
その結果、物件の内見以外はほとんどオンライン上でやり取りができ、業務効率化につながっています。
人手不足を解消したいならLステップの活用もおすすめ
Lステップとは、LINE公式アカウントに紐付けて使うマーケティングツールです。LINE公式アカウントの運用を効率化し、人手不足の解消に役立ちます。
特に中小企業で課題となっているのが「採用」と「業務効率化」。これらの課題は、Lステップの活用で大幅に改善できるかもしれません。
Lステップで解決できる採用の課題
中小企業で大きな課題となっているのが人材の確保です。
大手企業であれば、給与や福利厚生が充実しているため「待ち」の採用で問題ありません。
一方、中小企業は自社を知ってくれた求職者に対して、入社の動機付けをしてあげる必要があります。要するに、自社で採用したいペルソナを設定して、該当する人に対してアプローチすれば、応募者を増やせるということです。
そこで役立つのが「ダイレクト採用」です。簡単に説明すると、求職者と直接関わりを持って「攻め」の採用を行うことを指します。
ダイレクト採用は、間に求人媒体を挟まないので、マッチング精度が高くなるのがメリット。直接的にアプローチができ、求職者への動機付けもスムーズになります。
そしてダイレクト採用に役立つのがLステップです。
Lステップは、採用活動の際に必要となる求職者の情報収集や管理に向いています。
例えば、上記のようにLINE上に採用のエントリーフォームを作成。「新卒採用」と「中途採用」で入口を分け、その上で性別や年齢、生年月日などを入力してもらえば、求職者の情報を細かく分類して保存できます。その情報を元に、求職者に合わせたメッセージ配信も可能です。
またエントリーフォーム上でPDFやExcelの添付もできるため、履歴書や職務経歴書が必要な場面でも役立ちます。
【データを元に発信した例】
「新卒と中途で配信内容を切り替える」
「第二新卒の20代男性に若手が活躍している現場を紹介」
「転職が初めての人に仕事内容や職場の雰囲気を配信」
上記のように求職者の属性を絞って配信できます。これにより求職者と直接関わりの持てるダイレクト採用が実現でき、入社への動機付けもスムーズになります。
またこれらの配信は全て自動化できるのもメリット。採用担当者の工数が減り、人手不足の解消にもつながります。
Lステップで解決できる業務効率化の課題
業務効率化を行えば、人手不足を解消できるだけでなく、コストを抑えて売上を最大化できます。
資金力の弱い中小企業は、業務効率化を行って人手不足を補わなければなりません。
特に直接人とコミュニケーションを取る業務は、多くの人手が必要になります。例えば、求職者とのやり取りの多い人事部は、採用案内を配信したり、個別で面接を行ったりと、人的コストがかかる部門です。
そこで活躍するのがLステップです。
【面接までのフローを自動化】
例えば、Lステップで作成したエントリーフォームから応募してくれた人に対して、面接までのシナリオ配信を組みます。これらの配信は全て自動で行えるため、面接までのフローを簡略化できます。
LINE公式アカウントだと、全ての友だちに同一のメッセージを送ることしかできません。
しかしLステップであれば、求職者の属性に合わせて配信が行えるだけでなく、どのタイミングでエントリーフォームに回答してくれたとしても、1から順番に配信できます。
このようにLステップを活用することで採用の業務を簡略化し、人手不足解消につながります。