飲食店のLINE活用事例が知りたい方は多いのではないでしょうか。
- どうやって友だちを増やしてる?
- 普段どんな配信をしている?
- 運用成果はどれくらい?
など、気になるところはさまざまあると思います。
そこで今回、株式会社MARKELINE代表の藤原さんに、広告を一切使わず、わずか3ヶ月で7,200人超の友だち集めに成功した「飲食店のLステップ導入事例」をご紹介いただきました。ぜひ参考にしてみてください。
【藤原一輝】
株式会社MARKELINE代表取締役。Lステップ認定コンサルタント。インフルエンサー、整体院、自動車販売店、京都のお寺など、構築・運用実績は多岐にわたる。
目次
グループで初めてLステップを導入
――さっそくですが、今回ご紹介いただく事例アカウントについて教えていただけますか。
――本アカウントはいつから運用を開始されましたか?
藤原さん
2024年の2月からです。
――4店舗を1つのアカウントで管理されているのでしょうか?
藤原さん
はい、その通りです。
――Q.御社で運用支援もされていますか?
藤原さん
はい、させていただいています。
――藤原さんが構築に携わる前から、有限会社関谷様ではLINE公式アカウントやLステップの導入・運用をされていましたか?
藤原さん
いえ、どちらも導入していませんでした。
――有限会社関谷様がLステップを導入するきっかけや、藤原さんが構築に携わることになった経緯をお聞かせいただけますか。
藤原さん
きっかけはご紹介です。有限会社関谷代表の平澤社長にご提案させていただく機会をいただき、弊社で構築を担当させていただくことになりました。
――ちなみに、LINE公式アカウントやLステップを導入するといった施策は、フランチャイズの加盟店が独自に決定できるのでしょうか?
藤原さん
いえ、導入には本部の承認が必要です。作成したクリエイティブや配信文なども内容によっては1度本部に確認いただいて、OKが出てから使っています。
今回CoCo壱番屋のグループで初めてのLステップ導入のため、本部からも注目されているようです。
――成果によっては、本部やその他加盟店への普及もありそうですね。
藤原さん
そうですね、中長期の話にはなると思いますが、成果を本部やその他フランチャイズ店向けに共有する機会があれば、広がる可能性はあると思います。
LINE導入前は顧客リストを持っていなかった
――有限会社関谷様が抱えていた課題や要望をお聞かせください。
藤原さん
主なご要望は次の通りです。
- お客様とコミュニケーションが取れるようにしたい
- LINEでアプローチをしてリピート促進、売上アップにつなげたい
お客様とつながるための情報を持っていなかったので、顧客情報を取得しアプローチできるようにして、リピート促進、売上アップにつなげたいのがひとつですね。
その他、来店回数や頻度などのデータを取得し、各店舗ごとの分析に役立てたいとおっしゃっていました。
――ご要望に対し、どのような構築をされましたか?
藤原さん
リッチメニューの部分からご説明しますと、店舗情報やテイクアウト注文の導線、Q&Aといった基本的な情報を設置しつつ、1日1回引けるガチャや、ココイチの楽しみ方というコンテンツを用意しました。
「ココイチのメニュー」には、期間限定メニューや店舗限定メニューを掲載しています。
「ココイチの楽しみ方」では、ココイチの店員が教える激うまカスタマイズベスト3を掲載しています。
また、配信がないタイミングにもアカウントを開いてもらい、「ココイチ食べたいな」と思ってもらう回数を増やす狙いで、1日1回引けるガチャ機能をつけています。
ポイントが一定数貯まると、店舗でトッピングと交換できます。
LINE公式アカウントって基本的に、メッセージが届いた時に開きますよね。店舗アカウントでは週1回の配信がベースなので、配信のみではなかなかアカウントを開いていただけません。
普段開いているアカウントからの配信は読んでもらいやすくもなるので、新メニューが出たから行ってみようとか、より来店につながりやすくなる施策だと思っています。
その他、ポイントカードもリッチメニューに設置しました。
3回来店いただくごとに特典をゲットできる設計で、来店時にQRコードを読み込んでいただくと、来店日や来店回数が記録されるようになっています。
――充実したコンテンツに加えて、ココイチにポイントカードがあるっていいですね。ポイントカードはランク制になってるのでしょうか?
藤原さん
はい、「ブロンズ、シルバー、ゴールド」の3ランクです。ランクが上がるにつれて、特典もより魅力的なものになっていくよう想定しています。
運用開始3ヶ月で友だち数は7,200人超
――構築の成果をお聞かせいただけますか。
藤原さん
はい、まず友だち数が運用開始3ヶ月時点で、7,200人を超えました。
弊社も数多くの構築・運用に携わらせていただいていますが、集客力があるとは言え、短期間でここまで登録者を増やせた例はそうありません。
――運用3ヶ月で友だち数7,200人超はかなり多いですよね、友だち追加施策はどのようなことをされているのでしょうか?
藤原さん
店舗でのお声がけのみです。広告は一切使っていません。
「友だち追加とアンケートに回答したら1端末200円引き」を、友だち追加特典として用意し、1人1人に訴求しておられます。
例えば家族4人で来店して、全員が友だち追加してアンケートに回答したら、合計800円引きになります。ここは登録者を集めるための広告宣伝費と位置付けて、クライアントと相談して1端末200円引きにしました。
――家族4人で登録して800円引きになったら1人分無料ですから、かなりお得感がありますね。
藤原さん
特典が強いことに加え、しっかりとお客様にご案内するフローを整えていただいたおかげで、短期間で友だち数を伸ばせています。
また、友だち追加時のアンケート回答率も非常に高く、97.8%です。7,200人のうち、7,000人以上が回答してる計算です。
友だち追加時アンケート
――アンケート回答率が97.8%は、かなり高いのではないでしょうか?
藤原さん
はい、弊社では友だち追加時アンケートの回答率は70%を基準としているので、かなりよい数字です。これまで担当させていただいた中で、過去最高のアンケート回答率になりました。
――3ヶ月のお声がけのみで7,000人も増やせるんですね。
藤原さん
平澤社長をはじめ、店舗スタッフが一丸となって取り組まれた成果です。
いくら集客力があっても、現場で働くスタッフに動いてもらえなければ、結果はついてこないんですよね。
平澤社長はスタッフ全員を集めて、
- なぜLINEをやるのか
- LINE登録はお客様にとってどんなメリットがあるのか
- ご案内をしなければお客様の機会損失になる理由
これらをきちんと伝えて、かつ、どうお声がけをすればお客様に受け入れてもらいやすいか、運用当初に検証もされていました。
- 友だち追加とアンケート回答で200円引きになる訴求
- LINEに登録したらガチャができるといったコンテンツ訴求
- 定期的にお得な情報がもらえる訴求
など、複数のパターンのお声がけを試して、最も反応がよかったお声がけ内容で全店統一しようと考えておられました。結果「友だち追加とアンケート回答で200円引き」が最も反応がよかったので、全店で展開されています。
また、お客様にいつどのようにLINEをご案内するかも重要です。例えばお会計のとき、お客様が急いでいそうな中でLINEの話はしづらいですよね。タイミングによってはスタッフが遠慮してしまい、お声がけが進まない可能性があります。
そこでお会計のときではなく、メニューとお水を席に持っていくタイミングでLINE登録を促すようにしました。接客フローの中で、自然とご案内しやすいところにLINEの話を配置するのもポイントです。
現場への落とし込みを徹底して、社内で認識を合わせて取り組まれているのが、成果につながった大きな要因です。
――どう運用するかが大事ですよね。
藤原さん
おっしゃる通りです。LINE公式アカウントやLステップは、構築したら自然と友だちが増えたり売上が上がったりするような、魔法のツールではないですからね。
平澤社長が実践された、スタッフ全員を集めて、LINEを導入する理由を説明したり、施策を考えて試行錯誤したりされるなどって、やった方がいいとわかっていても、意外とできないんですよ。他にもたくさんやることがあってみなさんお忙しいですから。
それでも平澤社長は、自分たちでしっかり運用していこうという意識で行動されるのが本当に素晴らしくて、私も学ぶことがとても多いです。
声かけもやりようでこれだけリストを集められるわけですから、広告はいらないですよね。すでに一定の集客ができている店舗という前提はありますが、このあたりは店舗でLINE運用をされる方には、参考にしていただけるポイントだと思います。
――多くの店舗で再現可能な取り組みですから、非常に参考になると思います。
藤原さん
そうですね、あとひとつ運用している中で興味深いと思ったのが、客単価です。
多くの方に200円引きをしていたら当然、客単価は下がりそうですよね。でも客単価は意外と下がってないとのことです。
200円引きになる分、何かトッピングを足す、ということも多いそうです。なので顧客単価は大きな変化はないとのことです。最初のうちは広告宣伝費としてマイナスになると思っていましたが、ここはいい意味で想定外のことでした。
――なるほど、200円の割引をもらっていつもより安く食べようではなく、いつもより贅沢しようという発想になるんですね。
藤原さん
そうなんですよ、ここはちょっと面白いデータだと思いました。
――確かに面白い傾向ですね。ちなみに、リピートや売上の変化は見えていますか?
藤原さん
4月の売上は、LINE以外の施策も影響していますが前年同月比でプラス5%でした。
ただ、他の施策を差し引いても、今後、十分売上や利益に貢献しうる可能性ができているのではないかと思っています。
配信、来店、ポイントを貯める、再来する、というサイクルが出来つつあります。
――今後まだまだ伸びていきそうですね。
藤原さん
そうですね、運用開始から半年で友だち数を1万人にする目標で取り組んでいます。配信も今はメニュー紹介やお誕生日配信のような、オーソドックスな配信をして配信サイクルを定着させている段階です。
今後は各店舗のスタッフが選ぶおすすめのトッピングとか、スタッフにコラムを書いてもらって配信もしてみたいですし、お客様にこだわりの食べ方を聞いて取り上げるとか、コミュニケーションツールらしい使い方もしていけたらと思っています。
――お誕生日配信の反響はいかがですか?
藤原さん
まだ開始して間もないですが、10%以上の方がお誕生日クーポンを使ってくださっています。
――リピートにつながっていますね。
藤原さん
そうですね、成果がみえてきています。
――ガチャの利用率はどれくらいですか?
藤原さん
現在34%です。ここはまだまだ伸び代がある部分ですね。ガチャをやるメリット訴求の配信などの施策を繰り返す中で、今後伸びてくると思います。
――確かにガチャがあるよって訴求しないと気づかない方もおられますよね。配信は週に1回のペースでされていますか?
藤原さん
はい。週1回配信を目指して運用を行なっています。
初めて送る配信文は本部に1度確認していただく必要があることも多く、最初はどうしても確認や調整で少し時間がかかります。
1度チェックを通った内容は2回目以降送る際のチェックは不要になるので、徐々にスムーズになっていくと思います。
――有限会社関谷様はLステップを導入して、どのような感想を持たれていますか?
藤原さん
お客様とコミュニケーションが取れるようになり、LINEの施策による成果が見え始めていて、今後の未来に期待いただけていると思います。
小学校の教師から起業
――ここからは藤原さんの経歴や、Lステップ構築を始めた経緯についてお伺いできればと思います。まずはプロフィールをご紹介いただけますか。
藤原さん
はい、ありがとうございます。現在の事業を始める前は、小学校の教師を11年間やっていました。
――ちょっとめずらしいご経歴ですよね。LINEやLステップの構築を始めたきっかけは何でしたか?
藤原さん
みなさんに言われます(笑)
教師を辞めた後は、東京のInstagramのマーケティング会社に業務委託で入り、Instagramの運用から始めて、京都の上場企業のアカウントをトータルディレクションしながら、半年でフォロワーを7,000人まで伸ばすといったことをやっていました。
クライアントを複数担当させていただく中で、みなさんから一律で言われていたのが「フォロワーはいい感じで伸びているけど、売上はいつから立つんですか?」という質問でした。
今もですが、売上の上がっていない万垢ってたくさんありますよね。当時は特にInstagramだけで売上を立てるのは難しい状況でした。
Instagramに1万人のフォロワーがいたとしても、商品やサービスを買いたい熱量の方とそうでない方、いろんな属性が混在しているので、お客様になり得る方だけに関係構築をして商品のご案内ができたら売上につながるのではないか、と考えていく中でLINE公式アカウントに行き着きました。
――InstagramからのLINEだったんですね。
藤原さん
そうですね。実際にInstagramからLINE公式アカウントへの導線を作って試行錯誤する中で、売上が立っていく事例が続きました。
InstagramからLINEの導線設計は大事だなと実感していく一方で、LINE公式アカウントだと1:1のチャット対応か一斉配信か、という大味なコミュニケーションしかできないのが難点に感じていました。
例えば、新規の見込み客と既存のリピートしていただきたいお客様に届けたい情報って違いますよね。LINE公式アカウントだと属性ごとのニーズに合った情報を届けることができず、うまくできる何かがないかなと探している中で出会ったのがLステップです。
最初はLステップを独学で学んで、クライアントのアカウントを構築していたんですけど、もっとうまく構築できるだろうな、うまく構築できたらもっと成果を上げられるだろうなと感じていました。
そんな時にタイミングよく、Lステップ正規代理店の養成講座の説明会を見つけたので参加して、話を聞いてこれならやろうと思って講座を受講し、正規代理店になりました。
Lステップは構築してからがスタート
――藤原さんの拠点はどちらですか?
藤原さん
京都です。
――対応エリアは全国ですか?
藤原さん
はい、全国対応しています。
――御社では構築のみと構築後の運用サポートまでされるケースでいうと、どちらが多いですか?
藤原さん
当社では構築するだけで終わりのケースはほぼなくて、基本的に内製化研修か運用サポートを行っています。
なぜなら、LINE公式アカウントやLステップは、中長期的に事業課題を解決するためのツールなので、構築した時点で事業課題の解決はされていないからです。
「Lステップは構築が完了した時からがスタートです」と提案段階からクライアントには説明しています。
構築後、クライアントに運用を担当できる人がいれば内製化研修をする、担当できる人がいなければ運用サポートに入る、どちらかを選択してもらっています。
――運用サポートに入る場合、サポート期間はどれくらいですか?
藤原さん
短くて半年程度、長いと3年以上のところもあります。
特に期間の縛りは設けていなくて、僕らと一緒にやっていて成果が出ないと感じたら、いつでも終了してくださいねと伝えています。
LINE公式アカウントやLステップは顧客との関係構築ツールなので、中長期の施策ということが前提です。だから、1〜2ヶ月で成果が見えるものばかりではないため、運用開始から半年程度は見ていただきたいと説明はしています。
――内製化研修もされているんですね。
藤原さん
当社としては内製化できるなら内製化研修をした上でLINEをお渡しして、困ったことがあればいつでも聞いてください、という形でサポートするのが1番いいのかなと思っています。
自社運用ができるようになった方がノウハウも蓄積しますので、長期的な運用もしやすくなるからです。長期的なクライアントの課題解決という成果につなげるためには、自走できる組織づくりまでサポートすることがとても重要だと考えています。
LINE公式アカウントやLステップを導入したけど、全然活用できていないアカウントってたくさんありますよね。自走できる組織づくりができるようサポートをしないと、ツールを導入しただけの状態になってしまいがちです。
当社が運用サポートから離れた後に運用が止まってしまうケースが過去にあったので、しっかり自社で運用できる状態までの組織づくりをサポートすべきだと考えています。
今は社内に運用を担当できる人がいないけれど、内製化が理想とおっしゃるのであれば、当社では人材採用からサポートもします。
採用業務を巻き取り、採用した人に内製化研修するなど、採用から内製化まで一気通貫でサポートすることも可能です。
――採用の巻き取りもされているんですね、その他にもLINE構築・運用以外のサポートもされていますか?
藤原さん
HP制作やLP作成に加え、SNS運用、広告運用、動画編集なども対応可能です。
また、業務効率化システムの開発部署やオンライン秘書の事業部があって、LINE周り以外にもさまざまな事業を展開しています。
最近では決済システムの厳格化に伴い、決済審査サポートコンサルティングのサービスの需要も高いです。
――LINE周りのサポート以外にも、さまざまされているんですね。
藤原さん
最初はLINE公式アカウントやLステップの構築依頼に対応するスタンスでやっていましたが、LINEを導入したら事業課題がまるっと解決するケースの方が稀なんですよね。
例えば整体院だったら、LINEを構築したら次にどうやってLINEに誘導するかを考える必要があります。
来店されたお客様はもちろんですが、仮に広告で集客するとなれば、LP制作や広告運用をしてくれる先を探さなければいけません。
「藤原さんのところで広告もお願いできる?全部お願いできたら楽なんだけど」と言われることが過去に何度もありました。
当社はLINE構築と運用を事業の軸にしていますが、クライアントの事業課題をワンストップでサポートできる体制を整えるために、365日人材採用を進め、さまざまな事業部を増やしてきました。
――最後になりますが、藤原さんの強みや、クライアントワークをする上で大切にしていることをお聞かせください。
藤原さん
自走できる組織づくりまでサポートして、クライアントの事業課題を解決することを第一に考えています。
僕らがサポートしている間はうまくいって、僕らが離れた途端回らなくなるようだと、クライアントにとってあまりプラスにならないからです。
もちろん初期設定や構築、LPを作るなど、技術的な部分は僕らでまるっと引き受けますが、その後の運用は自社でできるようになるのが理想だと思っています。
別件ですが、島根県で6店舗運営されているギフトショップに、毎週Instagram運用のコンサルティングをしています。現地での研修もこれまで3回くらいしています。
20代の若い女性スタッフがInstagramを運用していて、最初は1から教えるところからスタートしましたが、今はスタッフのみなさんが持ち回りで毎月の企画を提案・実行して、来店につなげられるようになってきています。
LINE公式アカウントやLステップの構築・運用に限らず、コンサルティングや内製化ができるのが当社の強みだと思います。
まとめ
今回は株式会社MARKELINE代表の藤原さんに、飲食店のLステップ導入事例をご紹介いただきました。
LINEの構築・運用サポートに限らず、SNS運用や採用業務など、幅広いサポートを求める方、また運用の内製化を希望する方に藤原さんはぴったりです。
ご相談を希望される方はぜひ、以下のHPからご連絡してみてください。