
働き方改革やデジタル化が進む中、従来の集合研修に代わり、注目を集めているのがオンデマンド研修です。
時間や場所の制約を受けずに学べるこの新しい研修手法について、メリットや具体的な活用方法を詳しく解説します。
目次
オンデマンド研修とは?
オンデマンド研修とは、受講者が好きな時間・場所で学習できる動画型の研修を指します。
従来の集合研修やリアルタイムのオンライン研修とは異なり、事前に録画された研修コンテンツを、受講者が必要なタイミングで視聴する仕組みです。
最近では、企業の人材育成や教育機関の学習プログラムにおいて、注目されています。
特に、リモートワークの普及により、企業研修の効率化やコスト削減の手段として導入が進んでいます。
オンライン研修との違い
オンライン研修との違いは以下の3つです。
- 配信形式オンライン
研修は、ZoomやMicrosoft Teamsなどを活用し、リアルタイムで講師と受講者がやり取りする形態が一般的です。一方、オンデマンド研修は、事前に録画・編集したコンテンツを配信するので、受講者が自分のペースで学習できるのが特徴です。 - 受講の自由度
ライブ型のオンライン研修では、決められた日時に参加する必要がありますが、オンデマンド研修では、受講者が空いた時間に学習可能です。そのため、業務の合間や移動時間を活用した学習も容易になるでしょう。 - 研修の質と均一性
オンライン研修は、講師の話し方や進行によって研修の質が左右される場合があります。一方、オンデマンド研修は事前に編集できるので、常に高品質な研修を提供できる点がメリットです。字幕や補足資料を加えると、より理解しやすい内容になるでしょう。
オンデマンド研修が注目されている理由
近年、企業の人材育成や教育の現場でオンデマンド研修の導入が加速しています。その背景には、働き方の変化やテクノロジーの進化が大きく関係しています。
①企業のDX化が進んでいる
調査会社のレポートによると、オンライン教育市場全体は2030年までに年平均成長率(CAGR)20.5%で成長すると予想されています。
特に企業研修の分野では、従来の集合研修からオンデマンド型へ移行する企業が増えています。
(ICT教育ニュース:https://ict-enews.net/2022/03/30reportocean/)
また、企業のDX化が進む中で、教育研修もデジタル化が求められています。
特に、クラウド型のオンデマンド研修プラットフォームの普及により、社内外の教育コンテンツを効率的に管理・提供できるようになりました。
②5G・AI技術が進化している
5G通信の普及により、高画質な動画配信がスムーズに行えるようになった点もオンデマンド研修が注目されている理由の1つです。
また、AIを活用した自動字幕生成・翻訳、学習データの解析などの機能が向上し、より効果的な研修が可能になっています。
③グローバル企業の導入が進んでいる
海外では、すでに多くの企業がオンデマンド研修を活用しており、日本企業もそれに追随する形で導入を進めています。
特に、多国籍企業では、言語や地域を問わず統一した研修を提供できる点が評価されています。
今後、人材育成のデジタル化が進む中で、オンデマンド研修の重要性はますます高まるでしょう。
オンデマンド研修のメリット
企業がオンデマンド研修を導入するメリットを解説します。
場所や時間を問わず受講できる
オンデマンド研修は、インターネット環境があれば いつでも・どこでも受講可能です。
受講者は自分のスケジュールに合わせて学習できるので、業務への影響を最小限に抑えながらスキルアップができます。
また、リアルタイム研修と違い、繰り返し復習できるのもメリットです。
自分のペースに合わせて学習できるので、理解度アップや苦手分野の克服にも向いています。
コストが削減できる
オンデマンド研修では、従来の対面研修に比べて、会場費・講師の交通費・資料印刷代などのコストを大幅に削減できます。
特に、全国展開している企業では、各拠点での集合研修をオンライン化することで、大幅なコストカットが可能でしょう。
また、一度作成した研修動画は何度でも活用できるため、追加の制作費がかかりません。
例えば、中小企業では外部講師を招く代わりに、自社の社員が動画を作成することで、コストを抑えながら効果的な研修が行えるでしょう。
研修担当者の負担が軽減できる
従来の対面研修では、研修担当者や講師が毎回同じ内容を説明する必要があり、大きな負担となっていました。
しかし、オンデマンド研修を導入すると、講師は説明業務が減り進捗管理や個別フォローに集中できるようになります。
例えば、毎月実施していた新入社員研修をオンデマンド研修にすると、研修担当者の業務負担を軽減できるでしょう。
さらに、動画の質問フォームを活用し、受講者の疑問点に対して個別に回答するなど、研修の質向上にもつながります。
研修の質が一定に保てる
対面研修では、講師のスキルや話し方によって研修の質にばらつきが出ることがあります。
特に、複数の講師が担当する場合、受講者ごとに理解度に差が生じることも少なくありません。
一方、オンデマンド研修なら、統一された教材を提供できるため、どの受講者も同じクオリティの研修を受講可能です。
例えば、営業研修をオンデマンド研修に切り替えると、トップセールスのノウハウを、新人からベテランまで一貫したカリキュラムで学べます。
これにより、全員が同じ基準のスキルを習得し、営業成績の底上げにつなげられるでしょう。
教材のアップデートが容易に行える
法律の改正や業務フローの変更に伴い、研修内容を定期的に更新する必要があります。
対面研修の場合、毎回新しい資料を印刷したり、講師が最新情報を把握したりする手間が発生しますが、オンデマンド研修なら簡単にアップデート可能です。
例えば、コンプライアンス研修を導入している企業では、法改正のたびに教材の一部を修正することで、常に最新の情報を提供できます。
これにより、受講者が古い情報のまま業務を行うリスクを防げるでしょう。
研修データの収集・分析が行える
オンデマンド研修では、受講履歴やテスト結果、視聴データを記録・分析することができます。
これにより、受講者の理解度を可視化し、より効果的な研修プログラムの提供が可能です。
例えば、受講者ごとの視聴時間やテスト結果を分析し、理解度の低いテーマを特定します。
その結果をもとに追加研修を実施することで、社員のスキルアップにつなげられるでしょう。
データを活用することで、受講者一人ひとりに最適な学習環境を提供できる点も、オンデマンド研修の大きなメリットです。
オンデマンド研修のデメリット
オンデマンド研修には多くのメリットがある一方で課題も存在します。導入時には、以下のデメリットを理解しておきましょう。
コンテンツ制作のコストがかかる
オンデマンド研修では、動画やテキストなどの教材を事前に準備する必要があります。
特に動画教材の制作には、撮影・編集・ナレーション録音などの工程があり、初期コストが高くなる場合も少なくありません。
受講者のモチベーション維持が難しい
オンデマンド研修では、 受講者自身で学習のペースを管理しなければならず、ゴールが見えにくくモチベーションの維持が困難です。
学習の成果を実感しにくく、「本当に理解できているのか」「成長しているのか」が分からず、やる気が低下するといったケースも珍しくありません。
また、対面研修のように決まったスケジュールがないため、「後でやろう」と先延ばしにしてしまい、そのまま学習を中断してしまう場合もあります。
疑問点がその場で解決しづらい
対面研修は講師に直接質問できる点が強みです。
オンデマンド研修では、対面研修のように講師や他の受講者との直接的なやり取りがないため、疑問をその場で解決できず、理解が追いつかなくなることも少なくありません。
そのため、その場で疑問点が解決できないのが課題として挙げられます。
オンデマンド研修の主な活用場面
オンデマンド研修が活用されている場面を紹介します。
企業研修
企業では、受講者のスキルアップや知識習得のためにオンデマンド研修が活用されています。
これまでの対面研修では、講師のスケジュール調整や会場の手配が必要でした。
オンデマンド研修なら時間や場所を選ばずに受講できるので、業務と両立しながらの学習が可能です。
新人研修
新人研修においても、オンデマンド研修の導入が進められています。
特にリモートワークが普及する中で、従来の集合研修の実施が難しくなった企業にとって、オンラインで研修を実施できる点は大きなメリットと言えるでしょう。
動画コンテンツを活用すれば、企業理念や業務の基本知識を分かりやすく伝えられるため、新入社員は自分のペースで学習可能です。
業務マニュアル研修
社内業務のマニュアルを動画化し、研修コンテンツとして提供する企業が増えています。
例えば、作業手順やソフトウェアの操作方法など、実際の動きを伴う業務は、動画解説でより効率的に伝えられるでしょう。
また、業務フローが変更された際にも、動画を更新するだけで最新のマニュアルを共有できるので、教育の質を一定に保てます。
資格取得支援研修
業務に必要な資格取得を支援する研修にも、オンデマンド研修が活用されています。
資格講座をオンラインで提供すると、受講者が好きな時間に学習を進められるため、無理のないペースで試験対策を行えます。
また、 企業側も資格取得を支援すると、業務の質を向上させられるので、長期的な成長につなげられるでしょう。
オンデマンド研修の実施手順
オンデマンド研修を導入する際の基本的な手順を、4つのステップに分けて解説します。
①学習の仕組みとガイドラインを整える
まず、研修の目的や対象者に応じた学習の仕組みを設計し、ガイドラインを整えましょう。
例えば、新入社員向けの基礎研修であれば、企業理念や業務の基本的な流れを学べるコンテンツを整備する必要があります。
また、研修の受講ルールや修了要件、評価方法なども明確にしておきましょう。
受講者がスムーズに学習できる環境の整備が重要です。
②教材コンテンツの収録と編集を行う
次に、研修用の教材を作成します。
オンデマンド研修では、動画コンテンツを活用するケースが多いので、研修内容を分かりやすく伝えられる映像やスライド資料を準備しましょう。
動画の収録後は、必要に応じてテロップを追加し、視聴者が理解しやすい形に編集しましょう。
③プラットフォームを通じて教材を受講者へ配信する
教材が完成したら、学習管理システム(LMS)や専用プラットフォームを活用して配信を行いましょう。
またLINE公式アカウントを活用すると、より効率的に情報を届けられます。
LINEは開封率が高いので、一斉配信機能を活用すると、受講者への周知漏れを防げます。
また、チャット機能を活用すれば、研修に関する質問対応もスムーズに行えるでしょう。
④運用状況を把握し、より良い研修へ改善する
研修を実施した後は、受講者の進捗状況や理解度を把握し、研修内容の改善を行いましょう。
学習データの分析を行い、受講者の習熟度や課題を可視化し、必要に応じてコンテンツの更新や補足教材を配信します。
また、アンケートやフィードバックを収集し、研修の満足度や効果を測定可能です。
オンデマンド研修ツールを選ぶ際のポイント
オンデマンド研修を効果的に実施するには、適切な研修ツールを選ぶのが重要です。
ツールによって機能やコストが異なるので、以下のポイントを考慮して選定するとよいでしょう。
必要な機能が備わっているか
研修ツールを選ぶ際は、必要な機能が搭載されているかを確認しましょう。
例えば、字幕対応機能があると、音声なしで視聴したい環境でも研修を受けやすくなります。
また、セキュリティ対策がしっかりしていることも重要です。
特に、機密情報を扱う研修では、アクセス制限やデータ暗号化機能が備わっているかを確認しましょう。
さらに、受講データの解析機能があると、受講者の進捗状況や理解度を把握し、研修内容の改善に役立てられます。
料金プランとコストは見合っているか
研修ツールの導入にあたっては、コスト面の検討も欠かせません。
無料プランが用意されているツールもありますが、企業向けの本格的なシステムでは月額料金が発生するケースが一般的です。
受講者数や必要な機能に応じて最適なプランを選び、コストパフォーマンスの高いツールを選びましょう。
サポート体制は充実しているか
ツールを導入した後に問題が発生した場合、サポート体制が充実しているかどうかが運用のスムーズさを左右します。
特に、初めてオンデマンド研修を導入する企業にとって、操作方法の説明やトラブル対応のサポートが手厚いツールは安心できるでしょう。
日本語対応のヘルプデスクがあるか、問い合わせ対応が早いかなども確認しておきましょう。
オンデマンド研修にはLステップ
より効果的にオンデマンド研修を進めるなら、Lステップもおすすめです。
Lステップとは、LINE公式アカウントと連携して利用するMAツールで、Lステップを活用し、オンデマンド研修を実施する企業も増えています。
実際に「医療法人社団ミライエ 緑町診療所」様では、約8時間の研修内容を動画化し、スタッフ教育を自動化しています。
具体的には、患者用とスタッフ用の2つのリッチメニューを構築し、スタッフ用のリッチメニューに研修動画を設置。
動画の視聴後には「回答フォーム」で作成したミニテストを実施して、スタッフの理解度やつまずくポイントを見える化しています。
結果、直近約1年で新しく入ってきたスタッフ約10人の研修時間は、ほぼ削減できたそうです。
効率的なオンデマンド研修を実施するならLキャストがおすすめ
「Lステップ」と連携して利用する、LINE専用のオートウェビナーツール「L-CAST(Lキャスト)」を利用すると、効率的にオンデマンド研修を実施できます。
「L-CAST(Lキャスト)」には、視聴者のコメントに対して即座にアクションを起こせる「コメントアクション機能」が搭載されています。
この機能により、受講者の疑問や関心に迅速に対応し、学習意欲の維持が可能です。
例えば、特定のキーワードをコメントした受講者に追加資料を配布したり、クイズの正解者に特典を提供したりできます。
こうしたインタラクティブな要素を取り入れると、受講者が研修に積極的に参加しやすくなるでしょう。
まとめ
今回はオンデマンド研修について解説しました。
オンデマンド研修は、時間や場所を問わず受講できるので、研修コスト削減や質の統一化のために注目されています。
LステップやLキャストなどのツールを活用して効果的に研修を実施しましょう。