
YouTubeを活用して集客する企業にとって、視聴者との接点をどう深め、問い合わせにつなげるかは大きな課題です。
今回は、法人向けにYouTube運用代行を行う企業のLステップ導入事例をご紹介します。
この企業では、YouTube視聴者をLINEで見込み顧客化し、電話フォローやシナリオ配信を組み合わせて、毎月5〜10%の友だちから安定して問い合わせを獲得しています。
構築を担当したLステップ認定コンサルタント・中上さんに、導入の背景や成果、toBビジネスに適した設計の工夫について詳しく伺いました。
【中上 雄翔】
FancyWebmate株式会社代表取締役 / Lステップ認定コンサルタント
システムエンジニアを経てWeb業界へ転身。LINEを軸にSNS運用設計から動画編集、Web広告まで幅広くマーケティング支援を展開する。これまでの構築実績は300件以上。教育事業にも注力し、「LステップCAMP」講座を立ち上げ全国の受講者にスキルを提供している。
目次
問い合わせ獲得の導線が整わず、反応が十分得られていなかった
――さっそくですが、今回ご紹介いただく事例アカウントについて教えてください。

中上さん
企業の売上向上や採用につなげる支援を目的に、YouTubeの運用代行を手がけている事業者様のアカウントです。
――中上さんが構築に入る前から、クライアント様はLINE公式アカウントやLステップの運用をされていましたか?

中上さん
LINE公式アカウントは開設済みでしたが、本格的な運用やコンテンツの作り込みはされていませんでした。
――Lステップの導入時期はいつ頃でしょうか?

中上さん
2024年1月です。
――クライアント様がLステップを導入するきっかけや、中上さんが構築に携わることになった経緯をお聞かせください。

中上さん
もともとクライアントとは、YouTubeとLINEを組み合わせた形での企業の支援をご一緒していました。
そうした取り組みの中で「運営している自社のYouTubeを活用して、事業への問い合わせをもっと増やしたい」とご相談をいただき、Lステップの導入をご提案しました。
――クライアント様が感じていた課題やご要望について、お聞かせいただけますか?

中上さん
お問い合わせの獲得を目的に、YouTubeとLINE公式アカウントを開設していましたが、LINEは十分に活用できておらず配信などの運用も行われていませんでした。
そのため、問い合わせを獲得する導線がうまく機能していない状況でした。
YouTube連携+電話フォロー+段階的シナリオ配信で効率的な問い合わせ導線を構築
――課題に対して、どのようなご提案をされましたか?

中上さん
具体的には、以下のような施策をご提案しました。
1. YouTubeからLINEにつなげる導線の設計
クライアントがすでにお持ちだった「YouTube運用に関する資料」を、友だち登録時の特典として活用しました。
特典は、アンケートに回答すると受け取れる仕組みにしています。
2. アンケート回答者への電話フォロー
アンケート内で電話番号を取得できるようにし、収集した情報をもとに、電話で丁寧にサービスをご案内できる体制を整えました。
3. 段階的なシナリオ配信を実施
自社の強みや他社との違いが伝わる内容を、LINEで段階的に配信。
電話での接触の有無にかかわらず、問い合わせにつながる最適なフローを構築しています。
――電話でのアプローチは、デジタル施策が主流の今でも効果があるのでしょうか?

中上さん
そうですね。
特典配布はLINE登録のきっかけとしては効果的ですが、受け取って終わりになってしまい、その後のアクションにつながらないことも少なくありません。
そこで重要になるのが、電話によるアプローチです。
特に今回のような、企業からの依頼を受けてサービスを提供するtoBビジネスでは、電話番号は非常に価値の高い営業リストとなります。
そのため、インサイドセールスチームが直接アプローチすることで高い成果が期待できます。
同様の手法で成果を上げているtoB事例も多く、今回もそれに近い形でご提案しました。
toBビジネスに最適化した配信と信頼感を高めるリッチメニュー設計
――シナリオ配信では、どのような内容を配信されているのでしょうか?設計上の工夫もあれば教えてください。

中上さん
基本的には非常にシンプルで、「選ばれる理由」や「他社との違い」など、自社の強みをストレートに伝える設計にしています。
また、実績やお客様の声など、信頼につながる情報も積極的に取り入れています。
特にtoBビジネスでは、長文のコラムのような構成は敬遠されがちなため、要点を端的に伝えることを重視していますね。
配信のタイミングや頻度にも配慮し、過度に営業色が出ないよう注意しています。
というのも、LINE上で売り込み感の強いアプローチを繰り返すと、かえって信頼を損なってしまう恐れがあるからです。
あくまで「お手伝いします」という立ち位置を保ちつつ、ユーザーが知りたい情報にすぐアクセスできる設計が重要だと考えています。
――その他に構築で工夫された点があれば教えてください。

中上さん
今回のような受託型ビジネスのクライアント様では、シナリオ配信によって即決を促すようなストレートな訴求が難しいケースもあります。
そのため、信頼感を高めることを重視しリッチメニューの設計に力を入れました。
「会社紹介」「サービス紹介」「強みの訴求」「お客様の声・実績」「ご提供までの流れ」など、信頼構築につながる基本的な情報を網羅しています。
タップ導線の設計は、最終的な成果にも直結する要素として特に意識して取り組んでいます。
友だち登録者の5〜10%が毎月安定して問い合わせに至る仕組みを実現
――構築の成果をお聞かせください。

中上さん
友だち登録者のうち、毎月5〜10%が安定して問い合わせに至っています。
導線を整備した結果、クライアントがYouTubeを更新するだけで自然と相談や反応が届くようになりました。
――構築後、どれくらいで成果が見えはじめましたか?

中上さん
翌月から、安定して問い合わせを獲得できるようになりました。
――早い段階で成果が出た要因として、特に効果が大きかったのはどの点だと思われますか?

中上さん
見込み顧客をLINE上でしっかり確保できた点が、大きな要因だったと思います。
YouTubeだけで集客すると、今すぐ問い合わせたい方にしかアプローチできません。
一方で、LINEにつなげることで、関心はあるものの検討中の方とも継続的に接点を持てます。
その結果、安定した成果につながりました。
――クライアント様はLステップを導入して、どのように感じていらっしゃいますか?

中上さん
実際に、次のような感想をいただいています。
Lステップ導入後、初月には早くも問い合わせがありました。
toBビジネスモデルでLINEが活用できるとは思っていなかったので、正直驚きました。
今では大事な営業導線の一つになっています。
その後も安定して問い合わせが続いており、導入して本当によかったと感じています。
豊富な実績と徹底した透明性でクライアントとの信頼を築く
――ここからは中上さんの経歴や、Lステップ構築をはじめた経緯についてお伺いできればと思います。まずは自己紹介をお願いします。

中上さん
「FancyWebmate株式会社」にて、LINEを中心としたWebマーケティング全般の支援を行っています。
もともとはNTTデータ関西で、システムエンジニアとして働いていました。
エンジニア時代に副業としてWeb制作を始めたことが、Web業界に足を踏み入れるきっかけです。
Web制作の支援をする中で、LINE構築にも取り組むようになり独立に至りました。
現在は「StockSun」のLINE分野における認定パートナーとしても活動しています。
さらに、LINEに関する教育事業にも力を入れており「LINEアカデミー」というサービスを立ち上げました。
これまでに200名以上の方に実践で活用いただいています。
――Lステップを知ったきっかけについてもお聞かせいただけますか?

中上さん
副業でWeb制作をしていた当時、「自分のスキルでは、見た目は整っても売上にはあまりつながらないな」と物足りなさを感じていました。
その点、LINEは売上に直結する施策に関われて、少し手を加えるだけでも大きな成果につながる実感がありました。
そこにおもしろさを感じ、自然とLINEにのめり込んでいったんです。
Lステップを知ったのも、そうした流れの中でのことでした。
基本的には独学でスキルを磨いていましたが、より実力を高めたいと思い、当時活躍されていた複数のディレクターのもとで経験を積ませてもらいました。
単価は低くてもいいからとにかく現場に入り、実績のある方々のやり方や考え方を学んでいったんです。
それぞれに得意分野やスタイルがありましたが、自分から積極的に飛び込むことで、実践的な知識やスキルを身につけられました。
――Lステップの代理店制度には3つの種別があります。中上さんは正規代理店から認定コンサルタントへと進まれましたが、認定コンサルタントになってから変化は感じますか?

中上さん
会社を立ち上げる前からフリーランスとして、Lステップ関連の案件を約200件ほど担当してきました。
「Lステップ認定コンサルタント」という肩書きは、発信の信頼性や説得力をさらに高めてくれていると感じています。
――起業前から豊富な実績を積まれていたのですね。具体的には、どのように案件を獲得されていたのでしょうか?

中上さん
LINEの仕事を始めた当初は、オフラインでの営業が中心でした。
たとえば経営者交流会などに顔を出して、そこで直接仕事を取っていました。
SNSでの発信もしていましたが、すでに実績のある方々と比較されることが多く、どうしても価格を下げざるを得ない場面がありました。
一方で、オフラインの場ではそういった有名な方を知らない方も少なくなく、むしろ顔を合わせて話せる自分のほうが信頼を得やすいと感じていました。
現場や実務に強いタイプとして、自分なりのポジションを築いていった感じですね。
――Lステップの魅力はどんなところにあると思いますか?

中上さん
一番の魅力は「痒いところに手が届く」点だと思います。
他の拡張ツールでは「これをやりたい」と思っても、実際には対応できないことが多いです。
一方で、Lステップはほぼすべて実現可能で、お客様からの要望に対し「それはできません」とお伝えする機会がほとんどありません。
また、よくお話ししているのですが、LINEは確かに重要な出口のひとつではあるものの、その効果を最大化するためには前後の設計も非常に大切です。
たとえばYouTubeやnote、TikTokなど多様な施策をつなぎ、効果的に連動させられる点も、Lステップの大きな魅力だと感じています。
導入経路の把握から反応の追跡、分析まで、マーケティング全体を俯瞰しながら管理・最適化できる点がポイントです。
――これまでの構築件数はどれくらいでしょうか?

中上さん
これまでに携わったアカウントは300件ほどです。
そのうち、現在も継続的にチャットが稼働しているものが約50件あります。
――対応エリアは全国ですか?

中上さん
はい。全国対応しています。
――得意とする業種・業態はありますか?

中上さん
多種多様な事例があるため、基本的にはどの業種でも安心してお任せいただけます。
なかでも最近は、不動産関係、オンラインスクール関係、人材関係のご依頼が増えてきています。
LINEをはじめとしたSNS運用の設計から、動画編集やデザイン制作などのクリエイティブ業務、さらにはWeb広告まわりの支援まで、トータルで対応可能です。
――中上さんのチームでは、何名ほどでLステップの構築、運用支援をされているのでしょうか?

中上さん
LINEに関しては約25名ほどで対応しています。
事業全体の体制は40名ほどです。
――最後になりますが、ご自身の強みや、クライアントワークの中で大切にしていることをお聞かせください。

中上さん
一番大切にしているのは「透明性」です。
具体的には以下の3点に重点を置いています。
- 進行の透明性
- 品質の透明性
- 業務の透明性
たとえば、タスクの進捗状況を整理し「今週もよろしくお願いします」といったご挨拶とともに共有するようにしています。
また、チャットワークの概要欄にはスケジュールや過去のアウトプットをまとめ、見ればすぐに状況が把握できる状態に整えています。
支援開始前に、キックオフの場を設けて業務内容や注意点を丁寧に説明することも欠かしません。
シンプルながらこうした姿勢を徹底し、お客様に安心してご依頼いただける関係性を築いています。
まとめ
今回は、YouTubeを活用して集客する法人向け運用代行企業のLステップ導入事例をご紹介しました。
視聴者との接点をLINEで確保し、電話フォローやシナリオ配信を組み合わせることで、毎月5〜10%の友だちから安定した問い合わせを獲得しています。
集客やLステップ運用にお悩みの方は、豊富な構築実績を持つ中上さんに、ぜひ一度ご相談ください。