LINE公式アカウントの導入により、ユーザーとコミュニケーションが取りやすくなった一方で、対応にかかる工数が増加するなど課題が増えるケースも少なくありません。
- LINE名だと誰かわからなくて困る
- 質問や問い合わせが多すぎて対応が間に合わない
- 個別にユーザー情報を収集するのは大変
昨今はこのような課題を、Lステップの活用によって解決している事業者が増えているのをご存知でしょうか。
今回は株式会社NovoCor代表の下澤さんに、採用業務の工数が5分の1まで激減した「イベント会社のLステップ導入事例」をご紹介いただきました。ぜひ参考にしてみてください。
【下澤 一麻】
株式会社NovoCor 代表取締役社長/Lステップ正規代理店
医院や実店舗のある業態の構築実績が多数。実店舗を構えて来客がある業態で、友だちを増やす勝ち筋の検討から、ボトルネックを見つけて売上や業務効率化につながる解決策の提案を得意とする。
目次
LINE公式アカウントは導入済みだが、うまく活用できていなかった
――さっそくですが、今回ご紹介いただく事例アカウントについて教えていただけますか。
下澤さん
株式会社ライドエンターテイメント様です。企業や自治体から依頼を受け、熊本県を中心にイベントの企画・運営をするイベントマーケティングが主な事業の会社です。
――御社が構築に入る前から、ライドエンターテイメント様はLINE公式アカウントやLステップを導入・運用されていましたか?
下澤さん
LINE公式アカウントは導入していました。ただ、使いこなしていたわけではなく、ユーザーへの一方的な情報発信になっている状態でした。
――ライドエンターテイメント様がLステップを導入したきっかけや、御社が構築を担当されることになった経緯をお聞かせいただけますか。
下澤さん
熊本県でフリーランスをしている知人から、LINEを使っていて疲弊している人がいるので助けてあげてほしい、と相談されたのがライド様とつながるきっかけです。
ご担当者と話したところ、イベントの企画・運営だけでなく、イベントスタッフのアルバイトの募集と採用、管理もされていて、採用業務にLINEを使っていること、採用業務が煩雑で担当者の負担がかなり大きくなっていることがわかりました。
Lステップを使えば課題の解決が見込めて、かつIT導入補助金を活用すれば費用を抑えた構築もできるとご説明したところ、導入が決まりました。採用業務の効率化を目的にLステップを導入しています。
――本件はIT導入補助金を活用されているんですか?
下澤さん
はい、IT導入補助金を使いLステップを導入しました。
――ライドエンターテイメント様のアカウントはいつ頃から運用されていますか?
下澤さん
2023年の半ば頃だったので、運用開始から1年が経過したところです。
――運用も御社でされているのでしょうか?
下澤さん
いえ、基本的には社内で運用をされています。構築後の1〜2ヶ月で内製化をさせていただいた上で、お引き渡しいたしました。
――当時ライドエンターテイメント様が抱えていた課題や要望をお聞かせください。
下澤さん
あらゆることを個別対応していたため、採用業務全般に相当な時間と労力がかかっている点が大きな課題でした。
例えばアルバイトの募集をする際、求人情報は一斉配信でお知らせし、その後の参加希望の確認や詳細に関するやりとりは、1人1人個別に対応していました。イベントが多い月は集約するのが大変で、かなり苦労されていたようです。
ライド様では、イベントのアルバイトは基本的に大学生・大学院生のみを採用していて、イベントごとに学生の適性を判断しています。これらも採用担当者がイベントごとに行っていて、適材適所の採用にもかなり手間暇をかけていました。
例えば定員が10名のイベントに応募が50名入ったら、50名から10名を選ばなくてはいけないわけですが、LINE公式アカウントの場合、本名ではなくLINE名の表示なので誰かわからない人も多く、選別が難しかったとおっしゃっていました。
その他、学生に支払う報酬の年末調整する際の税務処理に必要な個人情報も、個別に連絡して取得していました。これらを担当者1人ですべて対応・管理していたので、だいぶ負担が偏っていました。
――イベントスタッフの募集人数は、大体どれくらいになるのでしょうか?
下澤さん
募集人数はイベントによってかなり差があります。3名〜5名程度のイベントもあれば、30名〜50名規模のイベントもあります。
自社でイベントを企画・運営する以外にも、企業や自治体から依頼を受けてアルバイト採用と派遣をするケースもあって、例えば導入した当時はコロナ禍で、ワクチン接種の会場で働くスタッフの募集もされていました。
また、イベントは多い月と少ない月があって、多い月になると2〜3日に1回くらいの頻度でイベントがあるようです。
――多い月は2〜3日に1回の頻度でイベントがあり、30名を超える規模もある中で、参加希望や仕事内容の連絡、給与の振込先、年末調整のために必要な情報の取得を個別にするのは、相当大変そうですね。
下澤さん
そうですね、イベントが多い月は学生とのやり取りだけで、朝から晩まで1日中LINE対応をされていたようです。休みの日もプライベートLINEも使って対応するくらい、ずっと対応に追われるときもあり、かなり疲弊していました。
個人情報の取得を自動化し、個別対応の手間を大幅にカット
――業務改善が急務の状態ですね。課題に対し、どのような構築をされましたか?
下澤さん
まず個人情報の登録フォームを用意し、友だち追加時に送っています。個人情報を入力した人だけが、アルバイトに応募できる仕組みにしました。
以前は都度確認していた学生の個人情報を、自動的に把握できるようになります。また途中で情報が変わっても、LINE上で簡単に情報変更ができるようにしました。
なお個人情報の登録フォームでは、税務処理に必要な情報や給与の振り込み口座情報などの項目も網羅しています。
次にアルバイトの募集をする際、一斉配信に求人情報を記載したメッセージとカルーセルを使い、ボタンひとつで各イベントの参加希望者を把握できるようにしました。
参加希望者には自動的にタグが付いて一覧でわかるため、個別に参加の意思を確認する手間が一切無くなります。
また、Lステップの管理画面には他のスタッフを入れて複数人で管理できるため、今まで担当者が1人で抱えていた業務を分担できるようにもなりました。
採用業務の工数が5分の1に激減
――構築の成果をお聞かせください。
下澤さん
これまで1人1人に確認していた個人情報の取得と、情報のデータベースへの保管は完全に自動化されています。
もちろん全員が全員、登録フォームに入力してくれるわけではありませんが、個人情報を入力していない人だけを抽出してメッセージを送り、入力を促すこともできるため、以前よりも多くの学生の情報を取得できているようです。
情報取得が自動化されたことにより、年末調整の準備にかかる手間も大幅に削減できたとおっしゃっていました。
また、イベントへの参加希望者はタグによって一覧でわかるため、選別の時間が大幅に短縮できるようになりました。採用者および不採用者への連絡も、タグでセグメントして一斉配信できるので、個別対応の手間は大幅に削減できています。
その他、Lステップから登録者のデータをCSVで出して、Excelでシフト作成をされているようで、データを取り出せるのもすごく便利だと喜んでいました。
Lステップを導入後、作業はすごく楽になり、体感として作業負担は5分の1になったとおっしゃっていました。
――作業負担が大幅に削減できていますね。ちなみに、イベントごとに学生の適性を判断しているというお話がありましたが、どのように判断されているのでしょうか?
下澤さん
アルバイトの参加経験がない人の場合は、免許証などの身分証明書をみて身なりを確認しているようです。例えば、派手な髪色の人は避けたいイベントでは、派手な髪色の人は避ける感じですね。
ライド様の採用担当者も現場に行かれるようなので、アルバイトに参加した人はある程度覚えているらしく、直接見た印象からの判断もあるとおっしゃっていました。
――LINEで求人情報を発信したら、応募は結構集まるのでしょうか?
下澤さん
そうですね、応募はかなりあって、すぐ定員に達するみたいです。
なので優秀な学生をぱっと見分けられるよう、スコアリングを取り入れましょうと提案しまして、スコアを入れられるよう設定はしています。
ただ、現状ではまだそこまで使いきれていないため、今後タイミングをみてフォローしていければと思っているところです。
――友だち追加はどこからが多いですか?
下澤さん
大学によっては構内にある掲示板に、LINEのQRコードを設置させてもらっているところもあるようですが、メインは学生さんたちの紹介です。
紹介で登録してもらった人の方が信用できるので、ホームページなどで大々的に友だち集めをするのではなく、紹介メインで広めていきたい考えです。
――アルバイトの募集に予約機能を使っていないのは、イベントごとに適性を判断したいからですよね?
下澤さん
おっしゃる通りです。イベント予約機能を実装すると、より効率化につながると思い最初にご提案はしたのですが、応募者の中から誰を採用するか厳選したいため、先着順にはしたくないとのことで予約機能は入れておりません。
――「採用」「不採用」はタグで分けて一斉配信するとおっしゃっていましたが、その他でもセグメント配信は活用されていますか?
下澤さん
男性・女性で分けて配信はしていますが、そこまで細かなセグメントはされていません。あとは、担当の方が優先して情報を送りたい人を絞り込んで送ることはあるようです。
――採用が決まった人には、仕事の前日などにリマインド配信をされていますか?
下澤さん
リマインドの設定はしていますが、まだ活用には至っていません。
現状では仕事当日の朝に、起床確認のメッセージを送ってもらうようにしていて、それをリマインドで送り、ボタンをタップしてもらえれば起床の確認ができる仕組みは用意しているので、今後活用できればと思っています。
――スコアリングやリマインドも活用できたら、一段と工数削減につながりそうですね。
下澤さん
そうですね、使いこなせればもっともっと有用になると思います。今も2〜3ヶ月に1回程度は、その後どうですか?と運用の具合を確認させていただいているので、またフォローできればと思っています。
――本事例の構築にはどれくらいの時間を要しましたか?
下澤さん
ヒアリングから設計、構築して納品まで、トータルで約1ヶ月です。
――構築後、どれくらいで成果が見え始めましたか?
下澤さん
LINE公式アカウントは運用されていてリストがありましたので、初回の一斉送信から業務効率化を感じていただくことができました。
――その他、今回の構築で工夫した点やこだわったポイントがありましたらお聞かせください。
下澤さん
リッチメニューに注意事項のボタンを設けていまして、勤務や扶養に関する注意事項をまとめて記載しています。注意事項を確認して、タグが付いた方のみ、仕事の依頼をさせていただく仕組みです。
以前はPDFで個別に注意事項を送り、後で直接サインをもらう流れにしていたんですよね。その流れも手間なので、LINEに注意事項を入れて、チェックしたらタグが付くようにして、データで確認できるようにしましょうと提案し、今の形になっています。
あとはリッチメニューにお問い合わせボタンを設置したところです。LINE公式アカウント単体での運用のときは、気軽にどんどん質問が送られてきて対応が大変でした。
本当に必要なお問い合わせしかこないように決まりを作って、フィルタリングしたことによって無駄を削減できています。また、お問い合わせが入ったらすぐにわかるようにしたいとおっしゃっていたので、通知が届くようにしています。
また今後は、登録してくれた学生と、新卒採用をしたい企業とをつなぐ取り組みができればと考えておられるようで、Lステップに蓄積したデータをさらに活用していく見込みです。
――ライドエンターテイメント様は、Lステップを導入してどのように感じていらっしゃいますか?
下澤さん
以前は付きっきりでLINEを見ていなければいけなかったけれど、今は見張る必要がなくなって、ものすごく楽になったと喜んでいただいています。まだ使いきれていない部分もありますが、今できる範囲だけでもかなり助かっていますとおっしゃっていました。
営業職からLステップ正規代理店に
――ここからは下澤さんのご経歴や、Lステップ構築を始めた経緯についてお伺いできればと思います。まずはプロフィールをご紹介いただけますか。
下澤さん
はい、ありがとうございます。株式会社NovoCor(ノボコル)の下澤と申します。
Lステップ代理店養成講座の第二期生として卒業し、2022年7月ごろからLステップ支援をスタートしました。
私は新卒から10年間、医療業界でお医者さんを相手に営業をしていました。ですが前職で働いていたベンチャー企業での売り上げが鳴かず飛ばずで、3年目あたりで給料遅れも発生し始めました。
社長との人間関係も崩壊しており、結婚して子供も生まれたばかりだったので、このままではまずい…と思い、副業でスタートしたブログアフィリエイトが独立のキッカケとなりました。
ブログアフィリエイトで少しうまくいったので、今度は僕と同じように副業でやりたい人たちに、ブログのやり方を教える講座をちょっと細々と、 今でも少しやってるんですけども、その事業用にLステップを自分で使い始めます。
ブログやWeb広告からLINEに誘導して、ステップ配信を流し、個別相談に誘導して販売する流れですね。
ただ、当時は全然Lステップを活用しきれていなくて、もう少し使いこなせるようになりたいと思っていたタイミングに、ちょうど御社からセミナーのご案内が届きました。
Lステップの使い方を学べるセミナーだと思ってすぐに申し込みをしたんですが、それが正規代理店の説明会だったんですよね。
話を聞いてみるとかなりしっかりとノウハウが学べることがわかり、自分の事業にも活かせますし、Lステップの構築も仕事にできるなら一石二鳥だと思い、迷わず正規代理店の養成講座への参加を申し込ませていただきました。
元々営業をしていたこともあり、お客さんのお困りごとをヒアリングして解決の提案をするのが得意かつ好きなことに、独立してしばらくしてから気づきました。
LステップやLINE公式アカウントの支援はまさに、「お客さんのお困りごとは何か?」を探すところから始めるので、かつての営業での経験を活かしながら、問題を解決してお客さんに喜んでいただくことができています。
――ご自身の事業用にLステップを活用されていたんですね、Lステップを使おうと思われたきっかけは何でしたか?
下澤さん
最初はメルマガで配信をしていたんですが、これからはLINEを使った方がいいという話をよく見かけて、いろいろ調べていく中でLステップがよさそうだと思ったのと、私の周りもにLステップ利用者がいたので、Lステップに決めました。
――対応エリアは全国ですか?
下澤さん
はい、全国対応しています。希望があれば現地に1度お伺いして、対面でヒアリングさせていただき、その後はオンラインでやり取りをしながら設計・構築を進めています。
――御社が得意とする業種・業態はありますか?
下澤さん
弊社は特定のジャンルに対応しているわけではなく、幅広く対応させていただいているため、ここがすごく得意ですと言える業種はありません。
ただ、飲食店や美容院、医院など、実店舗のある業態の構築は実績が多く、売上アップやリピート率の向上といった成果は出してきたので、友だちを増やす勝ち筋の検討から、ボトルネックを見つけて売上や業務効率化につながる解決策の提案には自信があります。
――御社では構築のみと、構築後の運用支援や内製化までされるケースでいうと、どちらが多いですか?
下澤さん
件数でいうと構築のみの方が多いですが、運用支援含めたサポートも全然させていただきます。
――御社の対応範囲をお聞かせいただけますか。
下澤さん
LINE構築に関わる部分は全般、ライティングやデザイン含め対応可能です。その他、集客用のチラシ作成、ホームページ制作、あとはWeb広告の運用ですね、LINEやInstagram、Google広告など幅広く対応可能です。
――最後に御社の強みや、クライアントワークをする上で大切にしていることをお聞かせください。
下澤さん
10年間の営業経験を活かして「9割は聴く」を徹底しているところです。
コンサルタントだからといって、あれやりましょう、こうしましょう、と押し付けるのではなくて、まずはしっかりと話を聞いて、クライアントの課題や悩みの発見に全集中することを一番大切にしています。
弊社にはLINEのことでご相談に来られる方が多いですが、全員にLステップを導入しましょうと提案するわけではありません。
Lステップはあくまで手段の1つであって、クライアントの状況によってはLINE公式アカウントだけの利用を提案する場合もありますし、そもそもLINEをまだ始めなくて良い段階の事業者へは、LINEの優先順位を後回しにしましょうと言う場合もあります。
「今この瞬間」に抱えている悩みや問題を見つけ、改善のご提案をできる余裕を持つことを常に意識しています。
まとめ
今回は株式会社NovoCor代表の下澤さんに、イベント会社のLステップ導入事例をご紹介いただきました。
実店舗を運営されていて、LINEだけでなく集客面含めたトータルサポートを求める方に同社は非常におすすめです。ご相談を希望される方はぜひ、以下のHPからご連絡してみてください。