
電話やメールでの連絡対応に追われ、従業員の業務負担が増しているという声は多く耳にします。
そんなお悩みを抱える現場に、Lステップが役立ちます。
今回は、合同会社花菜の村山さんに、「乙房こども園」様のLステップ導入事例について伺いました。
遅刻・欠席連絡や土曜保育予約をLINEで一元管理し、3年間で1万件を超える電話対応削減を実現した取り組みをご紹介します。
【村山 美佳】
合同会社花菜代表/Lステップ正規代理店
Lステップ正規代理店として、福祉業界の知見を活かし、事業者の課題に寄り添ったLINE構築・運用サポートを提供。PRプロデューサーとしても活動し、広報視点とLINE活用の二軸のサポートを得意としている。
目次
現場の負担になっていた毎朝の遅刻・欠席電話
――さっそくですが、今回ご紹介いただく事例アカウントについて教えてください。

村山 さん
宮崎県都城市の「乙房こども園」様です。
都城市ではかなり人気のこども園で、自然や遊び、食を大切にし、子どもたちの個性や自主性を育む保育をされています。
園内には、大人から見ると危なそうな遊具もありますが、子どもが自分で登り降りできるならOK、という考え方です。
今の時代だと、もし落ちて怪我をしたら責任問題になるケースもあると思うんですけど、子どもたちが「危ない」と自分で判断する力を育てることが大切とされています。
こうした運営姿勢が、保護者の方からも高く評価されている園です。
――村山さんが構築に入る前から、乙房こども園様はLINE公式アカウントやLステップの運用をされていましたか?

村山さん
どちらも使われていませんでした。
以前はメール一斉配信サービスを利用し、緊急時のみ配信をしていたそうです。
――Lステップの導入時期はいつ頃でしょうか?

村山 さん
2022年4月からです。
――乙房こども園様がLステップを導入するきっかけや、村山さんが構築に携わることになった経緯をお聞かせください。

村山さん
もともと園長先生の奥様と私が友人で、私がLINEを活用した仕事をしているとご存じでした。
そこで、こども園の運営課題をLINEで解決できないかと相談を受けたのが始まりです。
保育園でよく使われる「連絡アプリ」もありますが、園長先生は「通知が保護者に届きにくいのでは」と考えていました。
私自身も、子どもが通っていた保育園で連絡アプリを使っていたのですが、通知を見逃すことが多く、使いにくさを感じていたんですよね。
その点、LINEは家族や友人との連絡に日常的に使っているため、通知が届きやすく連絡もスムーズです。
そうした理由で、園長先生も「LINEがいい」とおっしゃっていました。
――乙房こども園様が抱えていた課題やご要望を詳しくお聞かせください。

村山さん
乙房こども園様は2回に分けて構築を行っていて、まずは2022年の初期構築時の課題からお話ししますね。
当初、園長先生の奥様から伺っていたのは「おたよりの印刷にかかる経費を何とかしたい」というものでした。
そこで「LINEでおたよりを配布する方法もありますよ」と提案しました。
縦長のデザインにすれば、画面でも見やすく配信できるかもしれない、そんなやりとりから始まったんです。
ところが、その後さらにヒアリングを重ねるうちに、実はもっと大きな課題があるとわかってきました。
それが、「毎日の遅刻・欠席連絡対応の負担」でした。
具体的には
- 欠席・遅刻の連絡が毎日15件ほどあり、すべて電話で受けていた
- 連絡を受けた職員が、別の担当職員に伝える手間と時間がかかっていた
しかも、これらの電話は朝の忙しい時間帯に集中するため、子どもの受け渡しと重なって現場がかなりバタついていたそうです。
さらに、「◯◯くんがお休みです」といった情報を担任の先生や給食担当に伝える必要もあり、これもまた大きな負担となっていました。
こうした連絡の一元化と業務負担の軽減を目指して、Lステップの導入を進めていきました。
――おたよりをLINEで配布できないかというご相談から、ずいぶん展開が広がりましたね。

村山さん
そうなんです。
また初期構築の際には、「進級タグの更新」もあわせてご提案しました。
メールでは、卒園したご家庭にもメッセージが配信されていたようで、本来届ける必要のない人にまで届いていたという課題があったんです。
連絡は回答フォームで完結、タグで進級管理をスムーズに
――課題に対して、どのようなご提案をされましたか?

村山さん
遅刻・欠席の連絡については、リッチメニューに回答フォームへの導線を設けて、受け付ける仕組みにしました。
毎朝9時半にフォームの受付を締め切るようにしていて、先生方は園のスマホやタブレットで内容をそれぞれ確認できるようになっています。
これにより、伝達漏れがなくなりました。
また進級タグの更新に関しては、アクション管理の設定で、進級のタイミングに合わせて自動でタグが切り替わるようにしました。
卒園後は、そのまま併設の学童に通う子が多いので、卒園のタイミングで「学童」のタグが付くようにもしています。
春の一斉切り替えが自動化されたことで、先生方から「かなり楽になった」と仰っていただいていますね。
土曜保育予約の課題をきっかけに、リニューアルを実施
――2022年に初期構築を行い、2025年の春にはリニューアルも実施されたと伺いました。今回は、どのような課題があったのでしょうか?

村山さん
リニューアルのきっかけになったのは、「土曜保育の予約」に関することでした。
これまでは、保護者の方に紙で予約を記入してもらっていたのですが、どうしても記入を忘れてしまうケースが多かったようです。
その結果、予約はしていないけれど当日来られる方が一定数いらっしゃって、園としては給食を多めに発注しておく必要があったみたいです。
こうした背景から、きちんとした申し込みの仕組みを整え、事前に確実に申し込んでもらえるようにしたいという想いがあったと聞いています。
――そのような背景があったんですね。では、その課題に対してはどのようなご提案をされたのでしょうか?

村山さん
カレンダー予約機能を活用して、予約を受け付ける仕組みをつくりました。
ちょうどその設定を進めていたタイミングで、保護者総会が予定されていたんです。
そこで園から、「新しい予約システムを導入したので、今後土曜保育は、火曜日までに予約してください」とご案内いただきました。
あわせて、保護者の方がスムーズに操作できるよう、私の方でマニュアルを作成しました。
【村山さん作成の操作マニュアル】
そのマニュアルをもとに、先生方から保護者の皆さんへと使い方を伝えていただいたかたちです。
今では、「火曜日までに予約をする → 土曜日に登園する 」という流れが定着し、スムーズに運用できるようになっています。
――初期構築を経て、LINEの活用に手応えを感じられたからこそ、リニューアルのご相談につながったのでしょうか?

村山さん
そう思います。遅刻・欠席連絡の自動化に加え、2022年にLINEを導入した当時は、まだコロナの影響が大きく、園が急に休園になることもありました。
その際も、LINEを使って「○月○日に陽性者が出たため、本日からしばらく休園します」といった緊急連絡を配信できるようになりました。
やはりLINEは便利だという実感を持っていただけたと感じています。
3年で1万件超!毎朝の電話対応が激減
――構築の成果をお聞かせください。

村山さん
保護者のみなさまがLINEから連絡を送ってくださるようになり、毎朝の遅刻・欠席に関する電話対応は、1日15件から、緊急時のみの対応で済むようになりました。
回答フォームを使って連絡の仕組みを整えたことで、どのくらい使われているか、回答数も確認できるようになっています。
その結果、3年間の運用で1万件以上の回答があったとわかりました。
多くの方に活用されている様子が、数字にもはっきりと表れています。
また、土曜保育については、カレンダー予約機能を活用して、火曜日までに予約をする運用が定着しました。
利用人数が事前に把握できるようになり、当日の受け入れがスムーズになったほか、給食の手配ロスもなくなったと伺っています。
――3年間で1万回以上の削減というのは、本当に大きなインパクトですね。LINEを導入するにあたって、園の職員の方や保護者の方の理解や使い方の習得は、スムーズに進みましたか?

村山さん
全体的には、すんなり進んだ方だと思います。
保護者の方からは「電話連絡が少し面倒だったので助かります」という声が多く、LINEの導入にネガティブな反応は特にありませんでした。
園が開くのは朝7時頃からなので、それより早い時間だと電話がつながらないこともあります。
そもそも、子どもの体調不良に気づくのは前日の夜というケースが多いんですよね。
その時点で「明日は休みます」と回答フォームから送れるのは便利で、実際に連絡のし忘れも減ったようです。
これまで園側から「今日は来ないんですか?」と電話をかける場面もあったそうですが、今はそうした手間もなくなったと聞いています。
職員の先生方も比較的若い世代が多く、最初は少し戸惑いがあったものの、一度使い方を理解してもらえたらとてもスムーズでした。
「じゃあ私が他の先生に伝えますね」と、リレー式に教え合ってくれて。
勤務中は子どもたちの対応もあり、まとまった研修の時間が取れない中でも、「見るべきところ」はしっかり共有できるよう工夫しました。
職員向けには5時間ほどの内製化研修も行いましたが、「新しい仕組みはちょっと…」といった反応はなく、みなさまとても協力的でした。
――保護者の方には、LINEの友だち登録をどのようにご案内していますか?

村山さん
保護者の方には、QRコードを印刷した用紙を配布して、そこから友だち登録をしてもらっています。
最初の導入時には年度末の保護者総会があったので、その場で「今ここで登録をお願いします」と一斉にご案内しました。
その後に入園された方には、その都度ご案内するかたちで対応しています。
――その他に工夫された点はありますか?

村山さん
友だち追加後に、登録フォームで保護者の方とお子さんのお名前を入力いただかないと、リッチメニューのコンテンツが見られないように設定しています。
フォームを通すことで、「本当に園に関係のある方なのか」を見極めるステップにもなっています。
関係者だけが使えるようにし、みなさまが安心して利用できる環境を整えました。
意図的に設定したポイントのひとつですね。
――プライバシーが守られる環境づくりはとても大切ですよね。連絡ツールとしても、積極的に配信されているのでしょうか?

村山さん
はい、活用いただいています。
学年やクラスごとに案内内容が異なるため、そのあたりを柔軟に分けて配信できるのがLステップの強みです。
【配信例】
納品の際に、「セグメント分けて配信してくださいね」とお伝えしていて、積極的に配信されていますね。
――リッチメニューのデザインがWEBサイトと統一されていて、とても印象的です。このデザインは村山さんのチームで担当されたのでしょうか?

村山さん
基本的にはデザインはデザイナーさんにお願いしているのですが、今回のリッチメニューに関しては、私の方で担当させていただきました。
ホームページの世界観に合うようなイメージを意識して作っています。
【WEBサイト】
【リッチメニューのデザイン】
――構築にはどれくらいの時間を要しましたか?

村山さん
初期構築は、相談から約1ヶ月半で納品しました。
――本アカウントは、現在も運用支援に入られているのでしょうか。

村山さん
内製化研修を終えて、今は先生方が主体となって運用されています。
――構築後、どれくらいで成果が見え始めましたか?

村山さん
構築直後から、「導入してよかった」とお声をいただいています。
――乙房こども園様はLステップを導入して、どのように感じていらっしゃいますか?

村山さん
毎朝の電話対応や土曜保育の受付が自動化され、業務改善につながったとご好評をいただいています。
また、これまでは紙で行っていた集計作業も簡単にできるようになり、時間の大幅な削減にも役立っているとのことです。
乙房こども園様からは、次のコメントをいただいています。
LINEを導入して、欠席や遅刻の連絡がとてもスムーズになりました!
保護者の方も連絡を心がけてくださるようになり、連絡なしの欠席が減りました。
各クラスへの連絡も、以前は一人ひとり口頭で伝えていたものが、LINEで確実に伝えられるようになり、とても便利です。
今後も活用していきたいと思っています!
Lステップとの出会いが転機に
――ここからは村山さんの経歴や、Lステップ構築を始めた経緯についてお伺いできればと思います。まずはプロフィールをご紹介いただけますか。

村山さん
LINEの仕事を始める前は、長く福祉の仕事をしていました。
祖母が交通事故に遭い、介護が必要になったのをきっかけに、大学で「社会福祉士」の資格を取り、障がいのある方の支援に携わっていました。
その後、結婚・離婚を経てシングルマザーになり、再婚を機に田舎への移住を決めたんです。
憧れていた暮らしでしたが、移住先には福祉の仕事がほとんどなくて。
「じゃあ、自分で仕事を作ろう」と思い、これまでの経験をもとにブログを書き始めました。
そのブログが広く読まれるようになって、並行してインスタのフォロワーも少しずつ増えていきました。
――ブログやインスタでの発信がきっかけで、LINEやLステップの活用につながったのでしょうか?

村山さん
そうですね。発信を通じて出会った方とは、どうしても一期一会になりがちでした。
たとえば「この商品、この人に合いそう」と思っても、毎回DMでやりとりするのは手間も時間もかかるんです。
ブログも、検索で来てくれた人が商品を買ってくれても、リピートにはなかなかつながらなくて「もっと継続的に提案できたら」と感じていました。
そんな中でLINE公式アカウントを使い始め、最初は個別に「こういう商品どうですか?」と送っていたんですが、全員にやるのはさすがに無理がありました。
そこで、Lステップの「ステップ配信」という機能を知り「これなら効率よく、ちゃんと伝えたい人に届けられるかも」と思い、すぐ取り入れたんです。
――正規代理店になった経緯を教えていただけますか?

村山さん
Lステップを使いはじめてから売上がかなり伸びてきました。同時に「こうしたLINEの運用技術を企業も求めているらしい」という情報を耳にしたんです。
まだ正規代理店制度を知らなかった頃でしたが、「じゃあ学んでみよう」と思い、Lステップ認定トレーナーの堤さんのコンサルタント講座を受講しました。
その後、マネクル主催の講座にサポーターとして参加し、正規代理店になったという流れです。
――村山さんはPRプロデューサーとしても活動されていますが、広報に携わる中で、LINEやLステップの役割や魅力はどう感じていますか?

村山さん
LINEやLステップは、お客さんとの「一対一」の関係性を深めていける点が大きな特徴だと思っています。
一方で広報は、企業からマスメディアに向けて、より広く認知を取っていくためのもの。
全体的な認知度を上げるには有効ですが、一対一のつながりはどうしても薄くなりがちです。
広報活動とLINEを組み合わせることで、伝えたい想いを、より確実に、そして丁寧に届けられるんじゃないかと感じています。
――対応エリアは全国ですか?

村山さん
オンラインで全国対応可能です。
宮崎県在住のため、県内では訪問対応も行っています。
――構築のみのケースと、運用サポートまで含めたケースでは、どちらのご依頼が多いでしょうか?

村山さん
ほとんどの場合、運用サポートもセットでご提案しています。
業務改善系のご相談では、構築後3〜4ヶ月ほどサポートし、ご自身で運用できるようになるケースが多いです。
リニューアルなどの場合は、別途ご相談のうえ対応させていただいています。
――得意とする業種・業態はありますか?

村山さん
福祉関係の案件では、自分の経験を活かせる場面が多いですね。
前職で福祉の現場にいて、事務的な業務も含めて幅広く担当していたので、現場の事務の方がどんなことで困るのか、どこに課題を感じているのかがよくわかるんです。
だからこそ、お手伝いできる部分があると思っています。
――乙房こども園様の事例からも、内製化研修に力を入れておられる印象を受けました。現場を見る中で「内製化を進めたほうがいい」と感じる場面が多かったからでしょうか?

村山さん
そうですね。
最初の頃は、内製化を目的とした研修は実施していなかったんですが、それだとなかなか活用まで進まないケースが多かったんです。
「箱だけ作って終わり」になるのは、やっぱりもったいないと感じていました。
そこから「きちんと使いこなしてもらうことが何より大事」だと考えるようになり、サポート体制を強化しました。
認定コンサルタントの安井さんから、研修の進め方を教わり、以降は納品時の説明を丁寧に行いながら、月次対応でも繰り返し操作をご案内しています。
【研修の様子】
Lステップの使い方などは、説明動画を撮って納品時にお渡ししています。
LINE上に直接送ると閲覧期限が切れて見れなくなる場合もあるので、再生リストにまとめて、いつでも見返せるようにしていますね。
実際に活用できる状態を目指し、一緒に進める形を大切にしています。
――最後にご自身の強みや、クライアントワークをする上で大切にしていることをお聞かせください。

村山さん
専門用語や横文字は、なるべく使わないようにしています。
たとえば「リスケ(リスケジュール)」のような言葉も、地元の工務店さんには伝わらない場合があるんですよね。
業界内では当たり前でも、相手に伝わらなければ意味がないので、わかりやすい伝え方を意識しています。
もう一つ意識しているのは、レスポンスの速さです。
私自身、待たされるのが苦手なので、お客様にもなるべく不安やストレスを感じさせたくなくて。
すぐに返せないときでも「〇日にお返事しますね」とひと言添えるようにしています。
何でも気軽に相談できる雰囲気をつくることが、自分の強みだと思っています。
まとめ
今回は、合同会社花菜代表の村山さんに、こども園のLステップ導入事例についてお話を伺いました。
Lステップの導入により、遅刻・欠席連絡や土曜保育予約をLINEで一元管理し、3年間で1万件以上の電話対応削減を実現しています。
LINEを活用した業務改善や、広報とLINE活用の二軸でのサポートをご希望の方は、ぜひ下記より村山さんへお問い合わせください。