- One to Oneマーケティングとは?
- 従来のマーケティングとの違いは?
- 導入するメリットは?
このような疑問を抱く人は少なくありません。
そこで今回は、One to Oneマーケティングの具体的な手法や事例、実践する上でおすすめのツールをまとめて解説します。
目次
One to Oneマーケティングとは?
One to Oneマーケティングとは、顧客1人1人の属性や興味関心、行動履歴などに合わせてアプローチを行うマーケティング活動のことです。
身近なところで言うと、楽天やAmazonといったECサイトは、One to Oneマーケティングを取り入れています。
- あなたにおすすめの商品
- この商品を買った人はこんな商品も買っています
といった表示をよく見かけると思いますが、おすすめや関連に表示される商品は人によって異なります。
利用者の閲覧履歴や購買履歴からニーズを掴み、その時々で適切な商品が表示される仕組みだからです。
このように顧客1人1人の興味関心に合わせたアプローチが、One to Oneマーケティングです。
One to Oneマーケティングが注目される背景
One to Oneマーケティングが注目される背景には、インターネットの発達やスマホの普及など、時代の変化が影響しています。
ネットやスマホが普及する以前、情報はテレビや雑誌を通じて画一的に届けられるものでした。ところが現代は、誰もが自分のタイミングで欲しい情報を取得できます。
これまでは見る機会すらなかった商品にリーチできて、しかも大体のものはオンライン上で購入までできるようになりました。
消費者は選択肢がものすごく広がったため、より自分の価値観に合う商品選びをするのが当たり前になっています。
画一的な訴求では昔ほど影響力を与えられなくなっているため、One to Oneマーケティングが注目されているわけです。
One to Oneマーケティングとマスマーケティングの違い
マスマーケティングとは、マス(mass:大衆)に向けて同様のアプローチを行うマーケティング活動のことです。
もう少し具体的に言うと、テレビCMやラジオ、雑誌、新聞、街中の看板などを使い、不特定多数に画一的な情報発信をするのがマスマーケティングです。
- マスマーケティングの目的は、幅広い認知を獲得すること。
- One to Oneマーケティングの目的は、顧客1人1人とのコミュニケーションの最大化を図ること。
One to Oneマーケティングが注目される現代ですが、それぞれ目的が違うため、どちらが良い・悪いというものではありません。
One to Oneマーケティングを導入するメリット
One to Oneマーケティングを導入するメリットを紹介します。
情報の到達率が上がる
相手に必要な情報発信ができれば、当然情報の到達率は上がります。
- 自分に関係なさそうなメールは開かない
- 関係あると感じたメールは開く
このように、とてもシンプルな話です。
江戸時代の1年分の情報量をわずか1日で取得していると言われるほど情報過多の今、顧客は必要な情報のみの提供を求めています。
自分に関係のない情報が多いと思われれば、スルーされるだけでなくブロックされて、せっかくのリストを失うことになりかねません。
逆に「自分に必要な情報を届けてくれる」と信頼してもらえれば、よりきちんと情報が届くので、成約率も上がるでしょう。
集客コストの最適化ができる
One to Oneマーケティングは、集客コストの最適化にもつながります。
例えばスタッドレスタイヤの宣伝をする際に、沖縄まで含めた日本全国を対象にするのと、降雪のある地域のみを対象にするのでは、前者の方がコストがかかります。
コストをかけてより多くの認知を得たところで、不要な人には不要なわけですから、売上は変わりません。後者の方がより多くの利益を残せるでしょう。
企業規模や業種関係なく活用できる
One to Oneマーケティングは、企業規模や業種関係なく活用できるのも魅力です。
例えば広告で言うと、テレビCMは資金力のある限られた企業しかできません。ですので一昔前は、資金力のある企業が市場で圧倒的な強さを見せていました。
しかし今は、Web検索に連動したリスティング広告のように、数千円から出稿できるネット広告が多数あります。
媒体やターゲットを絞り、しっかり見込み客にリーチできれば、低予算でも着実に伸ばしていけるので、小規模事業者や個人事業主でも十分活用できます。
One to Oneマーケティングの主な手法
One to Oneマーケティングの主な手法を3つ紹介します。
レコメンデーション
レコメンデーションとは「おすすめ」のことで、閲覧履歴や行動履歴をもとに、顧客に最適な情報を提供する仕組みです。
ECサイトに表示される「あなたにおすすめの商品」がわかりやすい例でしょう。
その他、YouTubeを視聴している際に表示される次の動画なんかも、レコメンデーションのひとつです。
レコメンデーションはクロスセルを誘発し、売上アップにつなげやすいのがメリットです。
例えばECサイトは店舗と違い、視界に入る商品が限定的なため、ウインドウショッピングをしていたら掘り出し物を見つけるような、新たな出会いを得られない傾向があります。
そこにレコメンデーションの仕組みがあると、
といった発見のサポートができます。
検索力が乏しくても自分に必要な商品が次々に見つかるとなれば、またそこで買い物をしたいと思うため、顧客満足度およびLTVが上がるわけです。
リターゲティング広告
リターゲティング広告とは、自社サイトを訪れたことがあるユーザーに絞って配信できる広告です。
どこかで商品を閲覧した後にネットサーフィンをしていたら、全然関係ないページにその商品の広告が表示された経験はありませんか?これがリターゲティング広告です。
商品を見て即決しなかったユーザーに改めて訴求し、興味関心を抱いたことを思い出してもらい、購入の再検討を促すのに効果的です。
LPO
LPOとは「Landing Page Optimization」の略で、ランディングページ最適化を意味します。
もう少し簡単に言うと、ユーザーのニーズに合わせたLPを用意することです。
そもそもLP(ランディングページ)とは、広告などを介して「最初に着地するページ」を意味し、商品やサービスの購入・申し込みを目的に作られた縦長のページです。
※LPのイメージを見たい方はこちら
例えば、子どもから大人まで扱う英会話教室であれば、1つのLPであらゆる人に対応してますと表現するのではなく、以下のように作り分けるイメージです。
- 子ども向けLP
- 日常会話向けLP
- TOEIC対策向けLP
ニーズの他、属性に合った言葉やデザインを用いることで離脱が減り、成約率アップが期待できます。
セグメント配信
セグメント配信とは、年代・性別・居住地・商品購入の有無などの条件で配信対象を絞り込み、対象となるユーザーのニーズに合った情報提供をするメール配信方法のひとつです。
セグメント配信には以下のようなメリットがあります。
- 必要な人に必要な情報を届けられる
- 送信日時の指定ができる
- 無駄な配信コストがなくなる
また広告やLPと違い、文章を作ればすぐに情報提供できる手軽さも魅力です。
セグメント配信と言えばこれまではメールでしたが、最近は「LINE公式アカウント(ビジネス用のLINE)」を使うことで、LINEでもセグメント配信ができるようになりました。
LINEの開封率はメルマガの6〜20倍と言われており、ビジネスにLINEを導入する事業者が急増しています。
One to Oneマーケティングの導入事例
One to Oneマーケティングの導入事例を紹介します。
Amazon
Amazonは「あなたにおすすめの商品」や「この商品を買った人はこんな商品も買っています」といった、レコメンデーションを活用しています。
ちなみにECにレコメンデーションを取り入れたのは、Amazonと言われています。
またAmazonは、サイト内のおすすめに関連商品を表示するだけでなく、メール配信も行っています。
例えばインテリアグッズを閲覧したら、「インテリアグッズをお探しですか?」というメールが届くイメージです。当然メールには、おすすめ商品が数点掲載されています。
Amazonは能動的なレコメンデーションの活用により、売上を約30%伸ばした実績があります。
Spotify
Spotify(スポティファイ)とは、183の国と地域で月間4億5,600万人ものアクティブユーザーを有する、世界で最も人気のある音楽ストリーミングサービスです。
Spotifyもレコメンデーションを活用しています。
最も特徴的なのは、自分がこれまでに再生した楽曲をもとに、自分オリジナルのプレイリストを自動で作成してくれる点です。
おすすめ楽曲を集めたプレイリストだけでなく、好きそうな楽曲を集めたプレイリストも作成してくれます。
また、世界中の音楽ファンが作成したプレイリストを聴けるのも魅力です。新しいお気に入りに出会える機会が多く、世界中の音楽ファンから支持を集めています。
ソニーマーケティング株式会社
ソニーマーケティング株式会社では、ソニーの家電製品を中心に、One to Oneマーケティングを取り入れています。
国内の人口減少に伴う消費者減を見越し、継続的にソニー製品を利用してくれる「ソニーファン」を増やすための取り組みです。
レコメンデーションやリターゲティング広告、定期的なメール配信でコミュニケーションの最大化を図っています。
- 情報は必要とされる適切なタイミングに配信
- スコアリングを用いてユーザーの興味関心を把握
といったアプローチを行い、運用成果を上げています。
One to Oneマーケティングには「Lステップ」がおすすめ
One to Oneマーケティングの実践には、LINE公式アカウントに紐づけて使うマーケティングツール「Lステップ」の導入がおすすめです。
Lステップとは、友だち情報の取得・保管ができるCRM(顧客管理システム)と、MA(マーケティングオートメーション)の役割を併せ持つツールです。
具体的には、以下のようなことがLINEでできるようになります。
- 友だち追加された場所の特定
- 顧客ごとのスコアリング
- アンケートによる情報収集
- 顧客の行動分析
上記の他、アンケートで取得した情報や行動履歴に「タグ」をつけ、タグをもとにセグメント配信をしたり、スコアが高い人にだけ特別オファーを送るといった使い方ができます。
また、顧客の属性や興味関心に合わせたステップ配信をするなど、One to Oneマーケティングに欠かせない機能が備わっています。
LINEを使ったOne to Oneマーケティングを実践したい方は、ぜひLステップをチェックしてみてください。
まとめ
今回はOne to Oneマーケティングの手法や事例、実践する上でおすすめのツールをまとめて解説しました。
一昔前は手軽に使えるCRMやMAツールがなかったため、One to Oneマーケティングの実践には相当な労力が必要でした。
ところが現代は、Lステップのような個人事業主でも導入可能なMAツールがあるため、One to Oneマーケティングはとても身近なものになっています。
逆に言えば、One to Oneマーケティングができない理由はないわけです。ぜひ本記事を、自社のOne to Oneマーケティング導入にお役立てください。