



顧客とのコミュニケーション手段に、このままメルマガを使うか、それともビジネス用のLINEサービス「LINE公式アカウント(旧LINE@)」に移行するか、悩まれていませんか?
先に結論をお伝えすると、 LINE公式アカウントの利用が適している事業者は、すぐにでもアカウントを開設し、運用開始をおすすめします。
なぜならLINE公式アカウントは、メルマガの上位互換と呼べるツールだからです。
今回は LINE公式アカウントを使うべき理由を解説しますので、参考にしてみてください。
目次
LINE公式アカウントの利用が適している事業者の特徴
B to Cのビジネスモデルであれば、概ねLINE公式アカウントの利用は適しています。
実際以下のような幅広い業種・業態で、LINE公式アカウントは導入されています。
- 飲食店
- アパレル
- 美容室
- エステサロン
- 整体院
- EC通販
- オンラインサロン
- ガソリンスタンド
- 不動産業
- 小売業
- 観光業
- 保険業
- 学習塾
個人事業主から大手企業まで、規模感を問わず利用されているのも特徴です。
メルマガよりLINE公式アカウントを使うべき6つの理由
メルマガよりLINE公式アカウントを使うべき理由を紹介します。
1. 現代の連絡手段はLINEが基本
「LINEは若い人向けなのでは?」と思われる方もいますが、あなたの身の回りにメールでの連絡を基本としている人はどの程度いますか?
50〜60代の方を想像しても、トークだけでなく通話もLINEでやりとりする方がほとんどではないでしょうか。
それもそのはずで、現在LINEの月間アクティブユーザー数は、9,500万人以上です。※2023年3月末時点
パソコンやスマートフォンを利用していない子どもや超高齢者を除けば、ほぼすべての人が利用するインフラと呼べるアプリなので、年齢層や性別を考える必要はありません。
実際LINE公式アカウントの導入後、新たなユーザー層にリーチできるようになり、購買層が拡大した事例もあります。
参考:有限会社味源「LINE公式アカウントはメルマガの上位互換ー売り上げ5倍を実現したEC企業の活用術」
2. LINEはブロックされない限り到達率は100%
メルマガは以下のような理由により、ユーザーの目に触れることなく流れてしまう可能性もあります。
- 登録する際にメールアドレスの入力ミスがあった
- 迷惑メールフォルダに分類されてしまった
- そもそも捨てアドレス※で登録されてしまった
※捨てアドレスとは、メインで利用しているメールアドレスとは別のアドレスのこと。メインのアドレスで登録したくない時に、ダミーで使われるケースが多いです。
ですので、リストとしてカウントできないものが混在しがちです。
一方LINEの場合、QRコードから友だち追加してもらえばミスはありませんし、捨てアドレスのような概念はないので、ブロックされない限り配信は 100%到達します。
到達率が上がれば、その分アクションにつながる可能性も上がるのは言うまでもありません。
3. LINEの開封率はメルマガの6〜20倍
メルマガの開封率は3〜10%程度と言われていて、クリック率に至っては1%を下回るケースもめずらしくありません。
つまり、1万通配信をした場合、開封者は300〜1,000人程度、メッセージ内のリンクをクリックする人は、3〜10人以下の場合もあるわけです。
一方 LINEの開封率は60%程度、クリック率は高い企業では30%を超えます。
つまり、1万通配信をした場合、開封者は6,000人程度、メッセージ内のリンクをクリックする人は、2,000人程度見込める計算です。※開封率やクリック率は自社調べ
もちろん配信内容によっては、メルマガでももっと高い数値になる場合もあります。しかしながら、LINEの平均水準には遠く及びません。
同じ労力をかけるのであれば、断然LINEでしょう。
4. メルマガよりLINEの方が開封までのスピードが早い
メルマガとLINEでは、開封までのスピードにも大きな違いがあります。
メルマガは受信から開封まで、平均約5時間かかるとされていますが、 LINEは10分以内の開封が多いとされています。※自社調べ
つまりLINEの方が、タイムリーな配信もしやすいわけです。
実際LINE公式アカウントを運用する店舗では、帰宅直前を狙ってタイムセールを配信したり、雨の日イベントを企画・配信したり、開封スピードの早さを活かしたゲリラ配信を取り入れるところも多くあります。
配信内容の選択肢が増えるのも、LINEを使うメリットと言えるでしょう。
5. LINE公式アカウントならではの機能が魅力的
LINE公式アカウントを導入すると、配信系以外の機能も使えます。
例えば、トーク画面下部に固定表示できる「リッチメニュー」は特に人気の機能で、LINE公式アカウントを導入する事業者の大半が活用しています。
LINEで作成できるクーポンを設置したり、自社HPやSNSにつながるURLを設置したり、使い方やデザインは自由にアレンジ可能です。
あとは以下のような、ショップカードの作成や管理もLINEでできます。
配信機能ばかりではないのが、LINE公式アカウントの魅力です。
6. 無料でスタートできる
LINE公式アカウントの開設には、初期費用がかかりません。
また、月額料金が無料のコミュニケーションプランもあるので、一切コストをかけずに運用を開始できます。

と思われるかもしれませんが、月額料金の違いはメッセージの通数なので、 コミュニケーションプランでもすべての機能が利用できます。
友だち数が増えて、配信数の上限を上げたいと思ったタイミングで有料プランに移行できるので、無駄がありません。
リーチできる人の母数が多く、多彩な機能があり、無料で使えるとなれば、導入しない理由はないでしょう。
ただし、メルマガを使うべき場合もある
LINE公式アカウントを使うべき理由を解説してきましたが、ではメルマガは一切利用価値がないのかと言えば、決してそんなことはありません。
むしろ、LINE公式アカウントよりメルマガが向く業種・業態もあります。
ここでは、メルマガの利用がおすすめな事業者の特徴や、LINE公式アカウントの注意点を解説します。
B to B向けの商材を扱うならメルマガの方がいい
B to B向けの商材を扱う企業は、メルマガを利用した方がいいでしょう。
なぜなら企業間のやりとりは、まだメールが主流だからです。
ただ最近は、B to B商材を扱う企業でも、販促目的以外でLINE公式アカウントを導入するケースが増えています。
例えば、採用にLINEを活用する企業は多く、名刺管理サービスを提供するSansan株式会社などで導入されています。※参考:Sansan新卒採用
また企業だけでなく、警視庁の採用にもLINE公式アカウントが使われています。※参考:警視庁採用サイト
LINE公式アカウントを、求職者とのコミュニケーションに活用するのもひとつの手です。
情報量の多い配信にはメルマガが便利
情報量の多い配信にはメルマガが向いています。
LINE公式アカウントのメッセージの文字数は、1吹き出しにつき500文字が上限です。
文字数は絵文字や改行も含まれ、全角・半角、記号など関係なく、すべて1文字にカウントされます。
また通常のメッセージ配信は3吹き出しまで1配信、あいさつメッセージは5吹き出しまで1配信となります。
よってテキストのみの配信をする場合、通常のメッセージ配信なら1,500文字、あいさつメッセージなら2,500文字が上限です。
一方メルマガは数千文字〜数万文字の配信が行えます。大手メルマガサービスの「まぐまぐ」を例に挙げると、無料メルマガで「漢字 約25,000文字」もしくは「半角文字 約50,000文字相当」を送信できます。
よって情報量が多い場合や、読み物を発信したい時はメルマガの方が有利です。ただしメルマガに適切な文字数は800〜1,000字程度といわれているため、文字数が多すぎるのも問題です。
よって自社の配信がどのくらいのボリュームになるのか、確認しておいた方がいいでしょう。
LINE公式アカウントは利用できない業種やサービスがある
LINE公式アカウントは、利用できない業種やサービスがあります。
- 犯罪に使用されるおそれのある商品またはサービスの提供を行っている法人・団体・個人</li
- 不法行為または犯罪行為を構成しまたは助長するおそれのある法人・団体・個人
- 他人の個人情報、登録情報、利用履歴情報などの違法または不正な売買・仲介・斡旋等を行っている法人・団体・個人
- 法令または公序良俗に反する行為を行っている若しくは行うおそれのある法人・団体・個人
- 利用規約第18条に定める禁止行為を行っていると当社が判断する法人・団体・個人
- その他当社が本サービスの利用が不適当であると判断する法人・団体・個人
- 医療
- 出会い
- アダルト
- ネット関連ビジネス(例:情報商材)
- 連鎖販売取引(例:ネットワークビジネス)
- クレジットカード現金化
- ギャンブル
- 個人情報
- 模倣品/海賊版
※引用:LINE for Business「LINE公式アカウントガイドライン」
上記に該当、もしくは抵触するビジネスの場合、LINE公式アカウントの利用は避けるのが無難です。
LINE公式アカウントには垢BANのリスクがある
LINE公式アカウントには、垢BAN(強制的にアカウント削除)のリスクがあります。
もちろんガイドライン違反があった場合にのみ適用されるものですが、配信内容以外、プロフィール写真や文章など、あらゆるところが調査対象となるため、思いがけず垢BANになるケースも。
垢BANされてしまえば、せっせと集めたリストは当然ゼロになります。
ガイドラインに沿った運用をしていれば問題ないですが、垢BANはどのアカウントにも起こり得ることは知っておくべきでしょう。
メルマガとLINE公式アカウントは併用がおすすめ
LINE公式アカウントに移行するとしても、これまで積み上げたメルマガリストは大事に残しておきましょう。
前述した通り、 LINE公式アカウントには垢BANのリスクがあるからです。一方メルマガには垢BANの概念がないため、リストが突然ゼロになることはありません。
メルマガリストを大事に保管しておけば、いざという時の備えになりますからね。
メルマガからLINE公式アカウントに切り替えた企業の事例
メルマガからLINE公式アカウントに切り替えて、成果を上げた企業の事例をご紹介します。
LINE公式アカウントでクリック率が5.1倍になった通信販売会社
京都府にあるインナーウエアの通信販売会社「株式会社白鳩」では、自社ECサイトのLINE公式アカウントを導入しています。
今まではメルマガを活用していたものの、徐々に開封率が低下していたそうです。そこで普及率の高いLINEの活用を開始。
LINE公式アカウントは開封率が高いだけでなく、即時性に優れています。例えば、モールのイベント開始に合わせてメッセージ配信をすれば、ユーザーの購買意欲を高められます。
また自社サイトやECモールなど複数のアカウントを用意し、それぞれの配信内容を変更。メルマガではアプローチできなかった若年層の獲得にも成功しています。
参照:クリック率はメルマガの5.1倍!若年層を獲得したSHIROHATOのLINE公式アカウント活用戦略とは
LINE公式アカウントで売上5倍を達成したEC企業
香川県で食品系のEC事業を展開している有限会社味源。
同社ではYahoo!ショッピングを利用するユーザーにメルマガを配信していました。しかし開封率やクリック率の低下、メルマガ経由の売り上げの低迷に悩まされていたそうです。
そこでLINE公式アカウントを導入。当初はYahoo!ショッピングのキャンペーンが行われる日曜日のみ、お得情報やクーポンを配信していました。
そして、さらに効果を出すために、前日の土曜日に事前告知としてメッセージを配信し、当日の午前中にクーポンを配信。さらに午後にリマインド配信を行ったところ、売上が5倍以上に増加したそうです。
メルマガで配信を行っていた時より、大きな成果を上げた事例として役立ちます。
参照:LINE公式アカウントはメルマガの上位互換――売り上げ5倍を実現したEC企業の活用術
客単価や売り上げアップにつながったコーヒー専門店
鳥取県に本社を構える株式会社澤井珈琲。同社ではEC事業にも注力し、商品を販売しています。
EC事業においては、100万人を超えるリストのメルマガを運用をされていました。しかし、徐々に開封率が低下しているのが問題になっていたそうです。
そこでメルマガに代わる販促ツールとして、LINE公式アカウントを導入しました。
同社では「お客さまの一番身近なコーヒーになること」を掲げています。同じようにLINEも生活に密着したものなので、コーヒーとの相性も良いと考えたそうです。
その結果、メルマガと並ぶ販促ツールの柱となり、売上の底上げにつながりました。
参照:客単価や売り上げアップに貢献!澤井珈琲に聞く、ECモールにおけるLINE公式アカウント活用
LINE公式アカウントの運用効果を上げるにはLステップ
Lステップとは、LINE公式アカウントの機能を拡張したマーケティングツールです。LINE公式アカウントよりもさらに踏み込んだ機能が使え、配信の効率化に役立ちます。
例えば、Lステップのセグメント配信を活用すると、友だちの属性や行動を分けて、興味のある人だけに配信できます。
LINE公式アカウントにもセグメント配信がありますが、性別や年齢、居住地などの、LINE内のユーザー情報を分類した「みなし属性」のみです。またみなし属性を絞り込むには、対象となる友だちが100人以上必要となります。
一方Lステップは「30代男性」「Twitterから友だち追加した人」など、さらに細かく分類でき、友だち1人から絞り込めます。
株式会社LECの事例では、メルマガからLINE公式アカウントに移行し、Lステップを導入。セグメント配信で配信先を最適化した結果、売上を約10倍にまで増加させたそうです。
LINE公式アカウントの運用に興味がある方は、Lステップの活用もご検討ください。
まとめ
今回は LINE公式アカウントを使うべき理由を解説しました。
メルマガとLINEの到達率や開封率、クリック率を比較すると、LINEを利用すべきなのは一目瞭然です。
コストをかけずにスタートできるので、リスクはありません。ぜひこの機会にLINE公式アカウントの運用を始めてみてください。