アナログな予約管理で効率が悪い、遅刻や無断キャンセルが多いなどの悩みを抱える歯科医院は少なくありません。
また、リスティングなどのWeb広告やYouTube・InstagramなどのSNSに力を入れるものの、コストの割になかなか集客に繋がらないなどの課題を抱える歯科医院も多いでしょう。
昨今はこのような歯科医院の課題をLINEで解消できることはご存知でしょうか。
今回は、株式会社ジャパンパシフィックマネージメント代表の冨田さんに、LINEを活用した予約管理の効率化とキャンセル率の改善だけではなく、成約率や広告費の最適化などにも成功し、平均月商を約1,500万円アップさせた「歯科医院のLステップ導入事例」をご紹介いただきました。
株式会社ジャパンパシフィックマネージメント代表取締役。
Lステップ認定コンサルタント。ハウスメーカーや医療サービス、税理士や専門性の高いサービスを販売している企業のLINE構築・運用支援が得意。「クライアントと一生のパートナーになる」をモットーに、働く皆様の想いや歴史的背景を何よりも大切にしたコンサルティングを行っている。
目次
Lステップでできることが多過ぎて構築が難しいと感じた
――さっそくですが、今回ご紹介いただく事例アカウントについて教えていただけますか。
――構築をされたのはいつ頃でしょうか?
冨田さん
2023年8月頃です。
――現在まで運用支援もされていますか?
冨田さん
基本的にはクライアント自身で運用されていますが、何かあった時には随時サポートさせていただいてます。
――冨田さんが構築に携わる前から、ザ・ホワイトデンタルクリニック様ではLINE公式アカウントやLステップの導入・運用はされていましたか?
冨田さん
はい、どちらも導入していました。
もともと顧問指導医の永山先生がLステップのタクシーCMを見たことをきっかけにご自身でLステップを契約し、チャットサポートを受けながら独学で構築されていたと伺っています。
――その他のSNSは活用されていましたか?
冨田さん
YouTube、Instagram、X、TikTok、Facebookなどかなり積極的にSNS運用されていました。
特にYouTubeはチャンネル登録者50万人を超えていて、業界トップの発信力を持っています。
――ザ・ホワイトデンタルクリニック様がLステップを導入するきっかけや、冨田さんが構築に携わることになった経緯をお聞かせいただけますか。
冨田さん
元々は予約管理を効率化するためのツールを探している中でLステップを知り、まず試しに永山先生ご自身で初期設定はしたものの、Lステップを知れば知るほどできることがたくさんあるとわかり、一人で構築していくのは難しいと感じられたそうです。
その後、弊社に構築代行や施策の提案をしてほしいという旨の問い合わせをいただき、即決でお任せいただけることになりました。
予約管理を効率化したい
――ザ・ホワイトデンタルクリニック様が抱えていた課題やお悩みをお聞かせください。
冨田さん
問い合わせをいただいた当初に伺った課題としては、とにかく予約の受付や予約内容の変更・キャンセルなどの管理を効率化したいことでした。
Lステップ導入前は、全国8院分の予約管理を一つのコールセンターで対応されていましたが、予約フォームで受け付けし、予約内容の確認や来院前のリマインドなどはすべてメールや電話など手作業で行っていました。また、変更やキャンセルもアナログで管理していました。
一件一件リマインドしてもメールは見ていただけず、電話はほとんど繋がらないことが多く、無断キャンセルが多い課題もあったそうです。
ここを改善したいことが一番の悩みでした。
――課題に対する冨田さんのご提案をお聞かせいただけますか。
冨田さん
Lステップのカレンダー予約機能を使い、予約受付から変更・キャンセル対応、予約当日まで複数のリマインドを送り、注意事項や事前にお伝えしておきたい情報を送るなど、従来コールセンターで行っていた業務の大半を自動で管理しませんか、と提案をしました。
また、相談いただいた内容としては予約管理の効率化でしたが、ヒアリングをするうちに友だち追加後の無料カウンセリングへのCV率や過去に予約をキャンセルした方、無料カウンセリング時に成約にならなかった失注客に対して適切な再アプローチをすることで最終的な成果に繋げられる部分が多くあるなと感じたので、成約数をあげるための施策も提案をしました。
具体的には、見込み客がLINE公式アカウントに流入してくる経路ごとにリッチメニューやシナリオ配信を変えること、友だち追加後に複数回に渡ってさまざまなアンケートなどの接触点を作り、双方向のコミュニケーションを取りながら無料カウンセリングに誘導する施策です。
もともとザ・ホワイトデンタルクリニックでは大きく2つの属性の患者様がいらっしゃったのでリッチメニューは「虫歯治療」向けと「審美治療」向けでタブ分けしています。
こちらは、見込み客がどの流入経路からLINE公式アカウントに友だち追加していただいたかで、自動で初期表示メニューが変わるように設計をしています。
「虫歯治療」向けリッチメニュー
「審美治療」向けリッチメニュー
――LINE公式アカウントへの友だち集めはどのようにされていますか?
冨田さん
リスティング広告やMeta広告などWeb広告からの友だち追加が多いですね。その他SNS経由もあります。
予約管理の工数は40%削減、キャンセル率は20%改善に成功
――Lステップ導入後の成果をお聞かせいただけますか。
冨田さん
カレンダー予約を使って、予約受付や変更・キャンセルをすべて自動で管理できるように構築した結果、予約管理にかかる工数を約40%程度削減できました。
また、予約日の1週間前・3日前・前日・当日の3時間前に、予約内容を確認するリマインドメッセージを配信しました。
――4回リマインドがあれば予約忘れはなさそうですね。
冨田さん
そうですね。特に今回のケースは根深いコンプレックスに関わる内容なので、夜中に広告経由で予約をして、予約した事自体を忘れられてしまったり、数日経って気が変わって来院するのが面倒になってしまったりしていた方なども多くいたと思います。
ですが、こまめなリマインドを送るだけではなく、機械的ではない人間味があるライティングで訴求をしたことで、予約忘れの防止や行けなくなったとしてもきちんとキャンセルの連絡を入れていただけることに繋がったと感じています。
元々キャンセル率が高く、ひどい時は全体の半数ほどあったそうですが、今では約20%ほど改善し無断キャンセルはほぼゼロになりました。
仮にキャンセルになったとしてもきちんと連絡を入れてくれるようになったことで、その時間に患者様を待つ必要もなくなり、これまで無駄にしていた時間を他の業務に当てられるようになったことも良かったと伺っています。
――全体の予約数に変化はありましたか?
冨田さん
はい、予約数は月間30〜50件程度増加しました。
もともとリスティング広告などのWeb広告やYouTube・Instagramからの予約もありましたが、事前にザ・ホワイトデンタルクリニックの強みを訴求しきれていなかったり、無料カウンセリングを受けるにあたっての不安や心配事が拭えていなかったりなど、様々な理由で予約までたどり着かない方が多くいました。
今回、Lステップ構築にあたって事前に見込み客がどんなことに不安を感じるのか、何が原因で治療を決断できないのかなど詳しくリサーチを行い、それらの不安の解決に繋がるザ・ホワイトデンタルクリニックならではの強みや競合との違いなどを明確化しました。
お悩みに応じて、約2ヶ月間かけて無料カウンセリング予約へ誘導した点が、一番成果に直結したと思います。
医院で行っているキャンペーンやモニターを募集するために作成した、LP風回答フォームも非常に反応が良かったです。
また、配信の精読数やリッチメニューのタップ数に応じて興味度を点数化して見える化することで、見込み度の高い友だちを炙り出せるよう、スコアリングを入れました。
このスコアリングやアンケートの回答内容に応じて細かくセグメント分けした最適な配信を送ったり、チャット機能を使って個別にお悩みを伺ったりしたうえで、無料カウンセリングに誘導するなどの細かな施策を積み重ねた結果、平均月商が約1,500万円アップしました。
その他、流入経路分析を活用してどの広告から誰が流入し、最終的に予約・契約に至っているのかを炙り出せるように設計を行った結果、友だち追加や無料カウンセリング予約ベースではなく、成約ベースで広告運用の費用対効果を見える化できました。
今回の事例のように既にWeb広告を運用している場合、ただHPに飛ばしたり、資料請求や問い合わせフォームに誘導している導線をLINE公式アカウントへの友だち追加に促す導線に切り替えたりするだけで、かなり成果が上がると思います。
――素晴らしい成果ですね。2回目以降の予約はどうされてますか?
冨田さん
2回目以降の予約に関しては、もともと別のツールを使って管理されていたので、それぞれの医院で管理していただいています。
今回僕たちに与えられたミッションは、いかに見込み客を集め、無料カウンセリングに誘導し、患者様に安心して契約していただくためのシステムを作り、そこにかかる手間やコストをどれだけ最適化できるかという点でした。
なので、無料カウンセリングへの誘導に特化したアカウントに設計しています。
――なるほど。よくある構築では2回目以降もLINEから予約が取れたり、成約した人としてない人でリッチメニューのタブ分けをしたりしますけど、そういった施策はされてないんですね?
冨田さん
はい、していません。僕たちは施策を考案・提案する際に大切にしている考え方として、「施策の取捨選択」があります。
何をやるかも大切ですが、何をやらないかも同じぐらい大切だと考えています。
今回は既存のシステムやこれまでのオペレーションなど総合的に判断して、そこはやらない選択をしました。
施策の取捨選択に関しては、実施にかかるコストや費用対効果の検証はもちろんですが、オペレーションが変わることによる現場スタッフへの負担や労力など、施策を行ううえでのメリットとデメリットをそれぞれ計算して精査しています。
そこはプロとして、時にはクライアントから依頼をされた内容でも依頼を鵜呑みにせずに、これまでの経験と知識の中から依頼内容とは別の、自身が最も最適だと考える施策を提案をすることもあります。
自分の大切な友人や家族、恋人やお世話になった先輩や可愛がっている後輩などに相談された場合でも、胸を張って同じような提案をするか?といった視点で施策を提案しています。
見込み客からの反応も圧倒的に改善
――見込み客からの返信や反応はいかがですか?
冨田さん
僕たちが構築をお手伝いさせていただいく前と後だと圧倒的に反応が良くなりました。永山先生からは反応がありすぎて対応が大変、といった嬉しい悲鳴もいただいています。
特に反応が良かった例として、初回友だち追加後に実施しているアンケートに回答してくださった方に「治療事例集」をプレゼントする導線になっているのですが、これをタップしてくれた方に対して時間差で治療事例集の感想を聞くための回答フォームを送っています。
この回答フォームの回答率自体も高いですが、それ以上にアンケートに記載いただいた内容に対して個別返信を行った後の無料カウンセリングへの予約率が非常に高いです。
アンケートの中で参考になったことや今後知りたいことを聞いていて 「こんなことが知りたい」や「こういう場合はどうなりますか」など、自身が感じている疑問や不安を言語化して教えてくれます。
ここで記載いただいた内容に対して、永山先生やコールセンターの方から丁寧に回答いただくことで、安心感に繋がり、結果として予約に繋がっていると感じています。
一方通行ではない双方向のコミュニケーションや、見込み客と自然にやり取りできる接触ポイントを作ることを大切にしています。
――個別のやり取りが成果に繋がっているんですね。
冨田さん
はい、かなり成果に直結していると思います。アンケートの回答に対する返信の他にも、定期的に接触ポイントを作っています。
その返信からカウンセリングに誘導する導線で、永山先生へ返信をくれた人たちの一定数が予約してくれます。
例えば、友だち追加後に一定の日数が経っても無料カウンセリング予約に繋がっていない方に向けて、永山先生が個別に送ってる風の配信を行っています。
ここでの目的は現在感じているお悩みや不安を聞くことですが、あえて回答フォームには飛ばさずにチャットでの返信を求めています。
返信をくれた方に対して、丁寧なメッセージのやり取りを行うことで予約に繋がっている方もかなり多いです。
――その他、配信面で工夫された部分はありますか?
冨田さん
何度も繰り返し「自費診療専門」を訴求していることです。
ザ・ホワイトデンタルクリニックは自費治療専門の歯科医院ですが、一般的に「虫歯治療=保険適応」の認識を持っている方がほとんどです。
Lステップ導入前は自費診療だと知らずにカウンセリングに来られる人が多く、カウンセリングで自費診療だと分かってすぐに帰ってしまう方が一定数いました。
そこでシナリオ配信やリマインドの中など、ありとあらゆる箇所に「自費診療」の訴求を入れるようにしました。
どんなアカウントにも共通しますが、こちらが伝えたつもりでも伝わってないことは多々あって、情報が正しく伝わっていないせいで誰も得しない状況になっているケースをよく見かけます。
なので配信を提案する際は、伝えるべき訴求は何かしっかり整理し、優先順位を付けて、大切なことは繰り返しあらゆる方法で伝えるようにしています。
――確かに訴求が多いと、流し読みしてしまいますね。
冨田さん
そうですね。やっぱり読む側も情報が薄いものがいっぱい送られてくると読まなくなってしまうので、伝える情報の取捨選択は大切だと思います。
ブログのような長文の配信や1回の配信に伝えたい内容が盛り盛りで、1つ1つの訴求が薄まってしまうような配信は極力しないように気を付けています。
――無料カウンセリングに来て、決まらなかった見込み客に対して何かアプローチはされていますか?
冨田さん
はい、かなり細かくセグメントを切って配信しています。
年代や性別、悩み別はもちろん、一度予約したもののキャンセルした方、来院後成約に至っていない方など属性を細かくセグメントして配信をすることでブロック対策にもなりますし、成約率アップにも繋がっています。
絵に描いた餅で終わらせない「実行力」
――冨田さんの拠点はどちらですか?
冨田さん
会社は大阪府です。
――対応エリアは全国ですか?
冨田さん
はい、全国対応しています。
――得意とする業種・業態はありますか?
冨田さん
ハウスメーカーや不動産など単価の高い商品を取り扱う企業や、整形外科や美容外科などの自費診療の医療サービスで、特にリスティング広告などWeb広告を活用している企業を得意としています。
あとは、会計士や税理士のような契約期間が長い商品を扱っている事業者や、講師・著者など専門性の高い業種が得意です。
――構築後、運用まで担当するケースが多いですか?
冨田さん
基本的に構築単発の依頼は受けていなくて、コンサルティング契約とセットで受けています。
Lステップを構築してそのまま納品しても、きちんと運用できるクライアントは少ないので、基本的には継続的にお付き合いさせていただくクライアントが大半です。
――どういう経緯でご依頼がくるケースが多いですか?
冨田さん
既存クライアントのつながりで連絡いただくことが多いです。
法人のクライアントを持つ会計士、弁護士などの士業や別領域のコンサルティング会社など各種専門家の方々からご紹介をいただくことも多いです。
その他、僕がYouTubeチャンネルをやっているので、YouTubeなどのSNS経由やセミナー経由もあります。
最近では、LINE公式アカウント/Lステップに関する書籍も出版したので、書籍経由でのお問い合わせも増えてきました。
――冨田さんのYouTubeチャンネルも好評ですよね。
冨田さん
ありがとうございます。やっぱり、クライアントとの生の声はとてもリアリティがあるので見込み客やクライアントからはもちろん、同業者の方々からも評価をいただいています。
――冨田さんの強みや、クライアントワークをする上で大切にしていることをお聞かせいただけますか。
冨田さん
まとめ
今回は株式会社ジャパンパシフィックマネージメント代表の冨田さんに、歯科医院のLステップ導入事例をご紹介いただきました。
Lステップの構築だけでなく運用込みでご依頼したい方、二人三脚でしっかりと寄り添ってもらいたい方に、冨田さんはぴったりです。ご相談を希望される方は、以下のHPからご連絡してみてください。