実店舗運営にLINE公式アカウントを導入している事業者は特に、ショップカード機能を活用したいと思われる方も多いでしょう。そこで今回は、LINEショップカードの作り方と活用事例を紹介します。
目次
LINE公式アカウントのショップカードの特徴
LINE公式アカウントのショップカードの特徴から解説します。
ポイントカードやスタンプカードのLINE版
LINEショップカードとは、LINE上で発行・管理できるポイントカードのことです。
店舗でポイントを付与するQRコードを用意し、それをユーザーが読み取ると、ポイントが加算される仕組みになっています。
1つのカードに設定できるポイント数は、1〜50ポイントの中から自由に選べます。
上のイメージでは5ポイントごとに特典を設定していますが、3ポイントに1つ特典を設けたり、10ポイントに1つ特典を設けたり、特典の設置場所や数も自由に選べます。
ユーザーは特典までポイントが貯まると、ショップカード下にある「獲得済みの特典」から、保有する特典の確認と利用が可能です。
なお特典には「使用済みにする」ボタンがあるので、1つの特典を複数回利用されてしまうことはありません。
リッチメニューに設置できる
LINEショップカードは、トーク画面下部に表示されるリッチメニューに設置可能です。
目につきやすい位置に表示することで利便性が上がり、ショップカード利用率の向上、ひいてはリピート率の向上につながるでしょう。
発行枚数に制限がない
LINEショップカードは、発行枚数に制限がありません。
友だちが増えた分新規作成されて、ポイントがすべて貯まった人には、自動的に次の新たなショップカードが表示されます。
紙やプラスチック製のポイントカードだと在庫切れになる可能性もありますが、LINEショップカードならその心配は不要です。
LINEショップカードを使うメリット
次に、LINEショップカードを使うメリットを解説します。
ショップカードを持ち歩く必要がなくなる
LINEショップカードを作れば、ユーザーは現物のショップカードを持ち歩く必要がなくなります。
できる限り持ち物を少なくしたい人は、高頻度で通うカフェやスーパーなどのショップカード以外、普段は持ち歩かない人もめずらしくありません。
一方でスマホはどんな時も大抵持っているので、想定外にお店を利用することになっても、ポイントを貯められます。新たな持ち物を増やしたくない人にも重宝されるでしょう。
また、ポイント獲得の機会損失が減ると、ポイントが貯まる人が必然的に増えます。
普段ポイントに関心がない人も、特典が目前に迫るとポイントを貯める意識になるため、リピート率アップも期待できます。
ショップカードの制作コストが不要になる
LINEショップカードの機能は、コミュニケーションプラン(無料プラン)で利用可能です。
テンプレートが決まっているため、デザインを依頼する必要はありませんし、印刷コストもかかりません。ショップカードの制作コストを丸々カットできるわけです。
現物より利便性の高いショップカードを無料で作れるのは、大きなメリットと言えます。
友だち追加を誘導しやすい
LINEショップカードがあると、友だち追加を誘導しやすいのもメリットです。
このような訴求なら友だちになるメリットがわかりやすいため、友だち追加につながる人は多いでしょう。
友だち数が増えれば、より多くの人にキャンペーンやイベント情報、緊急セールの案内などを配信できるので、リピート施策の反響アップも期待できます。
利用状況の確認ができる
LINEショップカードは、発行済みカードの枚数や有効期限切れになったポイント数、特典チケットの使用率など、利用状況の確認ができます。※確認方法は後述します。
つまり、ポイントカードがどの程度機能しているかを確認できるわけです。
紙のポイントカードでも、発行済みカードの枚数は管理できますし、特典までポイントを貯めた人のカードを回収して保管しておけば、使用率の算出は可能です。
しかし、それらを手作業でデータ化するのは時間的に難しかったり、カードの紛失等により正確なデータを出せなかったりするなど、課題もあります。
詳細なデータが無料で、クリックひとつで手に入るのも、LINEショップカードのメリットです。
LINEショップカードのデメリットや注意点
メリットが大きいLINEショップカードですが、いくつかデメリットや注意点もあります。
LINE利用者でなければ使えない
LINEショップカードは当然ですが、LINE利用者でなければ使えません。
LINEは2024年3月末現在、国内で9,700万人(人口の80%以上)が利用する、インフラと呼べるアプリです。
しかしながら、高齢者にはLINEを使わない人も多くいます。また、LINEを利用していたとしても、メッセージ以外のやりとりはよくわからず、受け付けない方も少なくありません。
自社の利用者属性によっては、LINEショップカードはあまり機能しないかもしれません。
ショップカードは公開後に有効期限の変更ができない
LINEショップカードは公開後に、有効期限の変更ができません。
公開後に有効期限を変更したい場合は、既存のショップカードを公開停止にして、新たなショップカードを作り直し、公開する流れになります。※なお、1度公開停止にしたショップカードの再公開はできません。
その際、公開前のショップカードで貯まっていたポイントを、新しいショップカードに引き継ぐことはできません。
上記を知らずにリニューアルを繰り返すと、ユーザーのポイントは何度もリセットされてしまうため、注意が必要です。
LINEショップカードの作り方
LINEショップカードの作り方を解説します。
PC版
LINE公式アカウントの管理画面にログインし、ホーム>ショップカードの順に進みます。
①背景画像
ショップカード上部の背景画像を設定できます。
②色
ポイント実績の表示箇所の色を変更できます。11種類の色から選択が可能です。
③ゴールまでのポイント数
ゴールまでのポイント数は、1〜50ポイントの中から自由に設定できます。上記例では20ポイントに設定しています。
④ゴール特典
ゴール特典は、ゴール(上記例で言うと20ポイント目)に到達した際にプレゼントする特典のことです。※特典の作り方は後述します。
⑤ポイント特典
ポイント特典は、ゴール到達前に付与される「中間ゴール特典」のイメージです。上記例では5ポイント到達ごとに特典を設定していますが、何個でも設定できるので、3ポイントごとに特典を設定することも可能です。※ポイント特典は必須ではありません。
⑥カード有効期限
カード有効期限は、以下3パターンから選べます。有効期限は最大9年11ヶ月後まで設定できます。
- 最終利用日から◯年◯ヶ月
- 初回利用日から◯年◯ヶ月
- 設定しない
⑦有効期限の通知
有効期限の通知は、ショップカードや特典の有効期限が迫ったら自動通知を送る機能で、以下7パターンから選べます。
- 有効期限の前日
- 有効期限から3日前
- 有効期限から1週間前
- 有効期限から2週間前
- 有効期限から3週間前
- 有効期限から1カ月前
- 通知しない
「⑥カード有効期限」と「⑦有効期限の通知」の2つは、ショップカード公開後に変更ができませんので、よく考えた上で設定・公開するようにしましょう。
⑧カード取得ボーナス
カード取得ボーナスとは、友だちがショップカードを取得した時に自動付与できるポイントのことで、初回特典のようなものです。
⑨ポイント取得制限
ポイント取得制限では、ポイント取得後、次のポイント加算までのタイミングを調整できます。設定は以下3つから選べます。
- 制限しない
- 同日中に同じお客さまへのポイント付与を許可しない(0:00にリセット)
- 指定時間内に同じお客さまへのポイント付与を許可しない
⑩利用ガイド
利用ガイドは、ショップカード最下部に表示される注意書きのことです。自由に文言を追記できるので、自社の運用ルールを明示しましょう。
⑩までの入力が完了したら、⑪保存してカードを公開をクリックすれば、設定完了です。
ポイントを付与するためのQRコードの発行や、カード取得用URLの確認は、ショップカード>カード設定からできます。
なお、公開後にカードの更新や公開停止をしたい場合は、同ページで修正後、最下部にあるカードを更新・カードの公開を停止をクリックすればOKです。
特典の作り方
「④ゴール特典」と「⑤ポイント特典」で必要な特典の作り方を解説します。
まず、ゴール特典の横にある「特典チケットを選択」をクリックします。
すると以下のような画面が表示されるので、最下部の「特典チケットを作成」をクリックします。
①特典チケット名
特典チケット名はユーザーに表示されるものなので、わかりやすい名称をつけましょう。
②利用ガイド
本特典の注意事項を明記します。
③特典チケット有効期限
特典チケットの有効期限は、特典取得から期限を設けるか、期限なしから選べます。
④特典画像
特典の画像の設定ができます。サンプル画像から選択もできます。
④まで設定・入力後、保存をクリックすると特典チケットは完成して、「特典チケットを選択」の中に表示されます。なお特典チケットは、上記の要領で複数作成可能です。
スマホアプリ版
次にスマホアプリ版ショップカードの作り方を解説します。
「ホーム」>「ショップカード」をタップします。
入力内容はPC版と同じで、諸々の設定ができたら、保存してカードを公開をタップすれば設定完了です。
ランクアップカードの作り方
ショップカードはポイントがすべて貯まると、自動的に新しいカードに表示が変わります。
もし2枚目以降のショップカードは、特典を変えたり特典の中身を少し豪華にしたり、仕様を変えたい場合は、ランクアップカードの設定がおすすめです。
ランクアップカードは、最初に作成したショップカードの編集ページ最下部にある「保存してランクアップカードを作成」から作成可能です。
作成の要領は前述した流れとまったく同じです。有効期限やポイント取得制限など、選択肢がないものは、最初に作ったカードの情報が反映されます。
「ランクアップカード」と表示されるわけではないので、前回と仕様が違っていることをアピールしたい場合は、色を変えたり特典を変えたりするといいでしょう。
LINEショップカードの運用方法
LINEショップカードを作ったら、まずその存在を認知してもらう必要があります。
リッチメニューに設置しても、トーク画面を開かなければユーザーの目に触れることはありませんので、メッセージ配信やLINE VOOMへの投稿、店内POPなどで周知を行いましょう。
ある程度活用が進んだら分析ツールをみて、ショップカードの利用状況を確認します。
ちなみに分析画面は、分析>ショップカードと進むと確認できます。
利用が進んでいないようであれば、特典の数や内容を調整するなど、改善を検討しましょう。
LINEショップカードの活用事例
主に東京や広島で展開するカフェチェーン、「SUZU CAFE」のLINEショップカード活用事例を紹介します。
同社ではリッチメニューに大きくショップカードを表示し、火曜日・木曜日・雨の日にはポイント2倍を実施しています。
ゴールまでのポイント数は20ポイントで、5ポイント到達ごとに特典が設定されています。
印象的なのは、個人で利用できる特典だけでなく、グループ全員に適用される特典もあることです。
SUZU CAFEのLINEショップカード発行枚数は2,387枚(2020年12月時点)に対して、利用率は約半数の44%。
LINEショップカードを上手に活用して、リピーター育成に成功しています。※引用:LINE for Business「SUZU CAFE」
より自由度の高いLINEショップカードを作るなら「Lステップ」
LINE公式アカウントのショップカードは、無料で手軽に作れるのが最大のメリットです。
一方で、以下のような難点もあります。
- デザインの自由度が低い
- 付与できる特典の選択肢が狭い
- 利用者情報の蓄積・活用ができない
デザインにはLINEキャラクターが表示されるので、自社の雰囲気が出せなかったり、ブランドイメージとそぐわなかったりして、使いづらいケースもあるでしょう。
そんな時は、LINE公式アカウントをより便利に使えるようにする「Lステップ」というマーケティングツールの導入がおすすめです。
Lステップを導入すると、デザインは自由に設定できるだけでなく、割引やクーポン以外、動画やPDFを特典に設定することも可能です。
また、ショップカードとユーザー情報を結びつけられるので、例えば「最後に利用した日から1ヶ月以上経過したユーザーにメッセージを送る」といった活用もできます。
Lステップによってやれることの幅が大きく広がりますので、ぜひ確認してみてください。
まとめ
今回は、LINEショップカードの作り方と活用事例を紹介しました。
実店舗で現物のショップカードを利用されている方は、これを機にLINEショップカードに移行されてはいかがでしょうか?
Lステップ活用すべきかお悩みの方は、ぜひ1度オンライン説明会にご参加ください。Lステップでできることや、LINE公式アカウントとの違いを1から詳しく解説しています。