
医療やクリニックでは「電話での問い合わせが多く、緊急性の高い診療に集中できない」といった課題も少なくありません。
今回は、Lステップを活用した問い合わせの自動振り分けにより、電話対応を1/3に減らしたペットクリニックの事例をご紹介します。
診断コンテンツで症状の緊急度をスクリーニングし、適切な対応へ自動誘導。
さらに、フードの注文もLINEを起点に完結できる導線を整えたことで、事務処理はほぼゼロになりました。
構築を担当したLステップ担当者に、構築のポイントを伺いました。
目次
電話対応の多さが診療の妨げに。フード注文の事務処理も課題
――まずは、今回の事例アカウントについて教えてください。
――Lステップの導入時期はいつ頃ですか?

Lステップ担当者
2023年8月頃です。
――今回の構築前から、アイビーペットクリニック様はLINE公式アカウントやLステップの運用をされていましたか?
――構築前は、どのようにLINE公式アカウントやLステップを使われていましたか?

Lステップ担当者
LINE公式アカウントを2つお持ちで、1つは「全体のお知らせ用」、もう1つは手術や宿泊時の「個別連絡用」として運用されていました。
お知らせ用のアカウントは、休診日などのお知らせ配信が中心でした。今回は、「お知らせ用LINE」を中心に再構築を担当しています。
――アイビーペットクリニック様が抱えていた課題やお悩みをお聞かせください。

Lステップ担当者
主な課題は次の2点です。
1. 電話問い合わせの多さ
電話での問い合わせが非常に多く、緊急性の高い手術や診療に集中しづらい状況が続いていました。
中には、「緊急ではない内容」や「案内を見ればわかる内容」の問い合わせも少なくありませんでした。
「Lステップをもっと活用して電話対応を減らしたい」というご要望が特に強かったです。
2. フード注文の事務負担
毎朝ダンボール15箱〜20箱の注文品が届き、院内で整理、在庫管理、販売といった作業が発生していました。
飼い主さまが受け取りに来られた際の待ち時間も課題となっていました。
診断コンテンツで緊急度を判定。フード注文はLINEを起点にした導線を構築
――課題に対して、どのような構築を提案をしましたか?

Lステップ担当者
3つの提案をさせていただきました。
- 診断コンテンツによる緊急度のスクリーニング
- フード注文導線の整備
- 友だち追加施策の効率化
まずは、電話対応の負荷を減らすために、LINE上で症状の緊急度を判定できる「診断コンテンツ」を構築しました。
飼い主さまが自己診断でき、緊急性の高いケースだけを電話対応へ振り分ける仕組みです。
院長先生にさまざまな症状を整理していただき、それをもとにリッチメニューを使った診断コンテンツを設計しています。


診断結果に応じて、案内は次の3つに分岐します。
急度が高い場合:電話での予約を案内
急度が低い場合:Webフォームでの予約を案内
夜間の場合:夜間緊急病院への誘導
構築当初は、営業時間外はすべて夜間緊急病院へ案内する設計にしていました。
ただ、運用を始めると「微妙な時間帯にクリニックへ問い合わせてもいいのか分からない」という声が寄せられました。
そこで営業時間外は電話での問い合わせと夜間緊急病院への案内、どちらにもアクセスできるよう導線を整理し、時間帯にあわせて柔軟に選べる構成へとアップデートしています。

――フード注文についても、構築のポイントを教えてください。

Lステップ担当者
フードの注文は、LINEを起点にスムーズに完結できる導線を整備しました。

カルーセルを活用して各メーカーの注文サイトへ直接アクセスできるようにし、飼い主さまが迷わず注文できる仕組みです。
――友だち追加施策では、どのような運用を提案しましたか?

Lステップ担当者
自動化を効果的に機能させるには、まず友だち登録数を増やすことが欠かせません。
そこで、新規の飼い主さまには初診のタイミングでLINEを登録し、そのまま回答フォームで必要情報を入力いただく運用をご提案しました。

さらに、初診登録後の待ち時間に届くようシナリオ配信を設定しています。
内容は「LINE公式アカウントでできること」など、使い方を分かりやすく説明するもので、登録後すぐに利用イメージを持てる構成にしました。

また、このシナリオの流れの中で「個別連絡用」のLINEへの登録も自然にご案内できるよう設計しています。
こうした一連の仕組みにより、受付の方の案内負担が大幅に軽減され、利用者さまも迷わず登録を進められる流れが整いました。
――リッチメニューの設計で、特に工夫した点を教えてください。

Lステップ担当者
既存のリッチメニューは、1つのボタンからさらに細かい項目が分岐する構成で、文字量も多く、少し見づらい状態でした。
そこで、タブを分けて「ペットケア」「Q&A」「注文」といったカテゴリごとに整理し、必要な情報にすぐアクセスできる形へと再設計しています。
【ペットケアのタブ】

【Q&Aのタブ】

また、飼い主さまは50代以上の方が多いことから、ボタンの押しやすさや色分けにも気を配りました。
「青色のボタンを押してください」といった案内ができるように、各メニューに明確な色を設定しています。

これは、従来のリッチメニューでも「青色を押す」といった説明がよく使われていたため、その認識をそのまま引き継ぐようにしたものです。
リッチメニューの色分けを活かしつつ、シナリオ配信の中でも「◯色のボタンを押す」という説明を添え、操作に不慣れな方でも迷わず進められるよう工夫しています。

加えて、休診日や診療時間は問い合わせが多い情報のため、リッチメニューの上部に固定表示させています。
飲食店などでは「タップすると表示される」形式が多いですが、固定表示にすることで一目で確認できるようになり、みなさまからも好評です。
電話対応は1/3減、フード注文の事務処理はほぼゼロに
――構築の成果を聞かせてください。

Lステップ担当者
今回の構築により、電話対応はおよそ1/3に減少しました。
さらに、フード注文に関する事務処理もほぼゼロになっています。
構築後は「自宅への郵送」を選ぶ方が圧倒的に多く、院内での確認の手間がなくなり、クライアント様に大変喜ばれました。
飼い主さまにとっても来院せずにフードを受け取れるため利便性が向上し、双方にとって負担の少ない運用が実現しています。
――構築後、どれくらいで成果が見え始めましたか?

Lステップ担当者
2ヶ月目くらいから、問い合わせが減ったと伺っています。
――構築にはどれくらいの時間がかかりましたか?

Lステップ担当者
約1ヶ月半です。
――現在も運用支援を行っていますか?

Lステップ担当者
構築後は一旦サポートを終了しましたが、その後新しいサービスリリースに向けて再度ご相談をいただき、現在は第二期の構築を進めています。
――第二期ではどのような構築を行っていますか?

Lステップ担当者
12月後半に、サブスクリプション型のオーナーズクラブサービスをリリース予定です。
これにあわせ、これまで院長先生がオフラインで開催していたセミナーを、「Lキャスト」を活用してオンラインで自動配信する仕組みを構築中です。
セミナー内容はペットケアやフードの選び方、歯磨き教室など多岐にわたり、ペットの種類や年齢に合わせて参加できるよう整備しています。

決済はStripeで行える設計で、加入状況や契約管理もすべてLステップで完結するよう構築を進めています。
――アイビーペットクリニック様はLステップを導入して、どのように感じていらっしゃいますか?

Lステップ担当者
業務負担が大きく減ったことを、非常に喜んでいらっしゃいます。
特にフード注文の事務処理がほぼゼロになった点は大きな成果として実感されており、診療に集中できる環境が整ったとおっしゃっていました。
また、Lステップの活用範囲が広がったことで、今後のオーナーズクラブの展開にも期待を寄せていただいています。
まとめ
今回は、ペットクリニックのLステップ導入事例をご紹介しました。
診断コンテンツで症状の緊急度をスクリーニングし、適切な対応へ自動誘導することで電話対応を1/3に削減。
さらにフード注文導線を整備し、事務処理をほぼゼロにすることで、診療に集中できる環境を実現しています。
以下のような課題をお持ちの医療機関やクリニックには、Lステップの活用がおすすめです。
- 電話や窓口対応をLINEでの問い合わせに集約したい
- 予約や注文など、日常業務の導線を効率化したい
導入に関するご相談は、以下からお気軽にお問い合わせください。








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