LINE公式アカウントが利用停止や凍結されると、今まで積み上げてきた努力が無駄になってしまいます。そうならないためにも、LINEヤフー社の利用規約を確認して、垢BAN対策をしなければなりません。
そこでこの記事では、 LINE公式アカウントが垢BANになる原因と対処法を解説します。
目次
垢BANの意味と由来
「垢BAN(アカバン)」とは、主にインターネット上で利用する表現のひとつ。意味は「オンラインサービスで、運営者からユーザーアカウントを削除され、利用を停止されること」です。
「垢BAN」の由来は、元々「アカウント」を意味する「垢」というネットスラングがあり、それに「禁止」や「追放」という意味を持つ英単語の「BAN」を組み合わせて「垢BAN」となりました。
LINE公式アカウントの利用停止についての規約
LINE公式アカウントを運用する場合、利用規約とガイドラインを確認しておくことが大切です。
利用停止に関しては次の項目が該当しますので、必ず確認を行ってください。
- 第17条 (アカウントの利用制限)
- 第18条 (禁止行為)
- 第19条 (利用停止・解除)
またLINE公式アカウントガイドラインでは、「ご利用いただけない業種・業態、商品・サービス」の記載があります。
まずはこの2つを確認し、LINE公式アカウントの運用を行ってください。
LINEヤフー社側から警告が表示されるように
一部の未認証アカウントで、トーク画面上部やアカウントプロフィール画面に警告が表示されるようになりました。
表示基準は公開されていませんが、未認証で要注意なアカウントとみなされた場合には表示されるかもしれません。
LINE公式アカウントが垢BANされる理由
利用規約やガイドラインを確認しても、どんな場面で垢BANになるのか分からないと思います。
そこでLINE公式アカウントが垢BANされる理由を解説します。
利用不可の業種での運用
LINE公式アカウントガイドラインでは「ご利用いただけない業種・業態、商品・サービス」が定められています。
以下に該当すると、アカウントの提供が認められない、もしくは利用停止になる場合があります。
- 医療
- 出会い
- アダルト
- ネット関連ビジネス
- 無限連鎖販売取引・連鎖販売取引
- 悪質商法
- クレジットカード現金化
- ギャンブル
- 個人情報
- 模倣品・海賊版
上記に該当しない業種でも、該当するとみなされる場合もあります。
例えばエステなどの美容関係で、ガイドラインでは問題のない業種でも、肌の露出が多い施術中の画像などは「アダルト」を連想させるので停止になるケースもあるようです。
同様にアイコンもチェックされているようなので、注意しましょう。
ただしLINEヤフー社は、アカウント停止の基準や理由を公表していません。
ガイドラインでは「あくまで一例であり、記載のないケースにおいても、本サービスの利用をお断りすることがあります。」と記載されていますので、禁止事項以外の発信にも注意が必要です。
運用上の注意事項
LINE公式アカウントガイドラインでは、運用上の注意事項が記載されており、LINEヤフー社にて配信時のモニタリングを行い、抵触した項目によっては投稿内容の削除、アカウントの停止等の対応を行う場合もあると明記されています。
これは配信だけではなく、LINE VOOM投稿、アカウントページ、自動応答、キーワード応答、リッチメニュー等すべての機能で該当します。
具体的な注意事項は以下です。
- スマートフォンで操作・閲覧できないページへのリンク
- テキストやクリエイティブと直接関係のないページへのリンク
- ユーザーが誤認や誤操作を行う可能性のある表現
- アプリのダウンロードに関する訴求
- アカウント名称の変更
- アイコン画像の変更
- 投稿内容の訂正
商用利用の場合は以下も気をつけましょう。
- 広告の主体者の明示
- ダブルスポンサー広告の禁止
- 商品、サービスの訴求
詳しくはLINE公式アカウントガイドラインの「アカウント運用時のルール」を確認しましょう。
アフィリエイト広告の掲載
LINE公式アカウント利用規約第18条では以下のように定められています。
第18条 (禁止行為)
(6) 当社の事前の承諾なくLINE公式アカウントを第三者のための広告媒体として使用する行為(第三者の商品、サービスについてLINE公式アカウントを利用して宣伝することを含みますが、これに限りません。)
これはアフィリエイト広告も該当します。LINE公式アカウントではアフィリエイト広告を出さず、自分の商品やサービスを宣伝しましょう。
認証済アカウントへの取得申請
認証済アカウントへ取得申請すると、LINEヤフー社の審査が入ります。
LINE公式アカウントを開設した時点では「未認証アカウント」です。「認証済アカウント」にするには審査が必要です。
審査は以下の基準に基づき実施されます。
- LINEユーザーの不利益につながる可能性がないか
- 法令における規制の有無と規制内容に抵触するものでないか
- 利用規約第18条「禁止行為」各号に該当するおそれがないか
- 当社が独自に定める審査基準を満たすか否か
- 当社の事業へ悪影響を及ぼす、あるいは当社の信用を損なうものでないか
引用:LINE公式アカウントの審査とは|認証済アカウント申請時の注意点
未認証アカウントで問題なく運用できていたとしても、認証済アカウントの審査で引っかかってしまう可能性もあります。
そのため、LINE公式アカウントを開設した時点で、認証済アカウントの審査を受けておくほうが良いでしょう。
ただし認証済アカウントになったからといって、その後の配信等がチェックされないわけではありませんので、その後の運用も規約に基づく必要があります。
友だちからの通報やブロック
健全な運営を行っていても、友だちからの通報で突然、垢BANされる場合もあります。
例えば、LINE公式アカウントの名前やアイコン画像を変えて発信を行った場合、「知らないアカウントからメッセージが来た」と思い、通報されてしまうかもしれません。
または一度に大量のメッセージを送信した場合、必要のない内容だとブロックされることもあるでしょう。
一気に多数の友だちにブロックされると、問題のあるアカウントとしてチェックされる可能性があります。
特にLINE VOOMは友だち以外の不特定多数にアカウントが見られるので、通報されるリスクが高まります。
いたずらや嫌がらせで通報する友だちがいた場合は対処方法はありませんが、友だちとの信頼関係を失わないためにも、アカウントの管理や配信内容は気をつけましょう。
垢BANされたLINE公式アカウントを復活させる方法はある?
LINE公式アカウントが停止されると「垢BANされたらどうなるだろう?」「いつまで続くの?」と不安になりますよね。
結論からお話しすると、垢BANされたLINE公式アカウントの復活方法や利用制限の解除方法はありません。
LINE公式アカウント 利用規約にも記載があるように、予告や催告なく突然アカウントが使えなくなります。
もちろん垢BANに対しての解除申請などは行うことができず、LINEヤフー社側としてはアカウントの利用制限について回答義務がないことが記載されているので、問い合わせをしても明確な回答はないでしょう。
アカウントの利用停止になった場合は、新しくアカウントを作り直せば問題なく運用できます。
LINE公式アカウントの垢BAN対策
LINE公式アカウントが垢BANになる前に、対策を打つことが大切です。
そこでLINE公式アカウントの垢BAN対策をご紹介します。
LINEヤフー社の利用規約・ガイドラインを確認しておく
まずは「LINE公式アカウント 利用規約」「LINE公式アカウントガイドライン」を確認しましょう。
全て読むのは大変ですが、アカウントが利用停止になり、一から作り直すよりいいはずです。健全な運営を行っている方も、今一度確認をしてみてください。
配信内容に気を付ける
LINEヤフー社では配信時にモニタリングを行っています。
配信時は以下のような点に気をつけて運用しましょう。
- 「稼ぐ/稼げる」「〇〇するだけ」といった言葉を使わない
- 「〇〇万円」といった金額表示をしない
- 過度な表現のある言葉や画像、LPなどを送らない
- 一度にリンクを何度も送らない
配信内容や画像には、金銭的利益や誇大な表現、強い勧誘表現は避けることをオススメします。
別の媒体(外部)やLINEに誘導する
別の媒体に誘導してセールスを行うと、利用停止リスクを下げられます。
LINE公式アカウントは、お知らせだけの運用にし、商品やサービスの紹介や販売はWebサイトなどに誘導しましょう。
また、メインで使っているLINE公式アカウントの他に、サブアカウントとしてもうひとつアカウントを作成し、そちらにも友だち追加してもらうのも手です。
LINE上での発信には細心の注意を払い、別媒体でのセールスも検討してみてください。
LINE公式アカウント以外で顧客リストを持っておく
LINE公式アカウントを健全に運営していても、利用停止のリスクはゼロではありません。だからこそ、LINE公式アカウント以外でも顧客リストを持っておくと良いでしょう。
以下は例です。
- LINE公式アカウントのサブアカウント
- メールマガジン
- Facebookグループ
- ChatWorkやSlack、Discordなどのチャットツール
- XやInstagramなどSNSのDM
- サブスクなどのコミュニティ
- LINEのオープンチャット
これらに友だちを誘導しておけば、LINE公式アカウントが利用停止になっても、顧客リストを完全に失うことはありません。
ただし、LINEのオープンチャットは凍結される場合もあるので、「つかい方ガイド」に従って利用する必要があります。
リスクを分散させて、仮に垢BANになった時でも対処できるようにしましょう。
AIを活用するのも有効
今はさまざまなAIツールがあり、質問をすればAIが返答してくれます。
例えば、OpenAI社の「ChatGPT」やGoogle社の「Bard」、Anthropic社の「Claude」などがあります。
文章生成・長文の要約・翻訳といったさまざまな作業を行ってくれますが、「規約チェッカー」としても活用できます。
ここでは「Claude(クロード)」を使った例をご紹介します。
Claudeで利用規約チェックしてもらう
Claudeを活用すると、LINE配信文の規約チェックをしてもらえます。
Claudeではレポートなどのナレッジ(学習させたい資料)をアップロードしてあらかじめ情報を読み込ませ、その情報に基づいた指示を出せます。
例えば、LINEで配信したい文章を作成し、その文章に対してLINE公式アカウントの利用規約に準拠しているかどうかを確認してくれます。
※上記AIの回答で「LINE公式アカウント規約チェッカー」と言っているのは、あらかじめ読み込ませたファイル名です
このように、もし規約に違反しそうな表現があれば変更後の文章を提案してくれるので、垢BANになるリスクを減らせるでしょう。
まとめ
今回は LINE公式アカウントが垢BANされる原因と対処法について解説しました。
LINE公式アカウントが使えなくなると、今までの努力が水の泡になります。LINEヤフー社の利用規約・ガイドラインをしっかり確認し、AIもうまく活用しながら健全な運営を心がけてください。