LINE広告とは、LINE上に広告を出稿できるサービスです。現在は多くの企業が広告を出稿し、マーケティング戦略を行っています。
- LINE広告の仕組みを知りたい
- 料金はどのくらいかかる?
- 個人でも利用できる?
このような疑問を持った人もいるのではないでしょうか。
この記事では、LINE広告の特徴や仕組み、導入事例を紹介します。
目次
LINE広告とは?
LINE広告とは、LINE上に広告を出稿するためのプラットフォームです。オンラインから配信設定ができ、企業だけでなく個人の利用もできます。
LINE広告は、運用型の広告で純広告とは異なり出稿後に効果測定しながら、オーディエンスや入札価格、クリエイティブなどを調整可能です。
LINEは月間9,700万人(2024年3月末時点)が利用するSNS。リーチできる層も幅広く、認知度向上から顧客獲得まで、さまざまな施策を打ち出せるのが魅力です。
LINE広告には審査が必要
LINE広告のアカウントの開設は、LINEヤフー社が定める基準を満たす必要があります。
広告アカウント開設には以下の基準を総合的に判断されます。
- LINEユーザーの不利益につながる可能性はないか
- 法令に抵触する可能性はないか
- 利用規約に抵触していないか、あるいは抵触する恐れはないか
- 当社が独自に定める審査基準を満たしているか
- 当社の事業へ悪影響を及ぼす、あるいは当社の信用を損なうものでないか
引用:LINEヤフー for Business LINE広告審査ガイドライン
上記の基準を満たした広告を配信できるか判断してから、アカウントの開設を行いましょう。
またLINE広告には、さまざまなガイドラインが設定されていますので、詳しくはLINE広告審査ガイドラインをご参照ください。
LINE広告のメリット
LINE広告のメリットは以下の通りです。
- LINEユーザーへリーチできる
- 精度の高いターゲティングができる
- マーケティングの目的に合わせた配信ができる
- 少額から出稿できる
それぞれについて解説していきます。
LINEユーザーへリーチできる
LINE広告は、月間ユーザー利用者数9,700万人が利用するSNSです。幅広い年齢層に利用されているため、老若男女問わずアプローチできます。
毎日LINEを使うユーザーの割合は80%にものぼりますので、アクティブ率の高さも大きな魅力といえるでしょう。
参照:LINEヤフー for Business LINE広告
精度の高いターゲティングができる
LINE広告では精度の高いターゲティングが行えます。
ユーザーの⾏動履歴やLINE内コンテンツの閲覧傾向、LINE内の広告接触情報などを元にした「みなし属性」、実購買の発⽣した購買場所を「購買経験」からユーザーの属性を絞り込んで、広告を出稿できます。
興味の高いLINEユーザーにリーチできるため、効率的な広告配信をしたい人におすすめです。ターゲティング機能については、後ほど詳しく解説します。
マーケティングの目的に合わせた配信
LINE広告は、マーケティングの目的に合わせて配信できます。
LINE公式アカウントの友だちを増やすだけでなく、
- Webサイトに誘導してアクセス数を増やす
- アプリのインストールにつなげる
- 動画の再生数を伸ばす
などの施策も可能です。
例えば、友だち追加広告を活用すれば、友だち追加を促す広告を出稿できます。まずはマーケティングの目的を明確にして、どのような広告を打ち出すのか考えてみてください。
少額から出稿できる
LINE広告には、初期費用や最低出稿金額はなく、低予算で広告を出すことができます。
予算が少ない個人でも気軽に広告を出稿できるのがメリットです。例えば、1日1,000円からでも配信できます。
まずは少額から始めて、広告の効果を確認してみるのもおすすめです。
LINE広告の配信面の種類
LINE広告は、LINE内のさまざまな場所に配信できます。トークリストやLINE VOOMだけでなく、LINE NEWS、LINEマンガ、LINE BLOGなどにも出稿可能です。
また「LINE広告ネットワーク」を活用して、提携している外部アプリへの広告配信もできます。
そこで LINE広告の配信面の代表的なものを紹介します。
参照:LINEヤフー for Business 【公式】LINE広告とは丨ターゲティング、配信面、費用、事例のまとめ
トークリスト
LINEアプリの中で、最もユーザーのアクティブ率が高いのがトークリストです。トーク画面の最上部に広告が表示されるため、ユーザーの目に入りやすいのがメリット。大規模なプロモーションや、商品やサービスの認知度アップに効果的です。広告をタップすると、商品やサービスのランディングページに移動します。
LINE NEWS
LINE NEWSは、MAU7,700万人(2021年8月時点)を超えるコンテンツに成長しています。
※MAUとは、特定の月に1回以上利用があったユーザー数を指すもの。
LINEアプリ内のニュースタブの「トップページ」「記事一覧ページ」だけでなく、370媒体(2021年11月時点)のアカウントメディアの記事一覧ページに広告を配信できます。
新商品やお知らせなど、旬な情報を伝えたい時におすすめです。
LINE VOOM(旧タイムライン)
LINE VOOM(旧タイムライン)の投稿画面にも広告を配信できます。
LINE VOOMは、ショート動画などの配信を楽しめるプラットフォーム。フォローしているアカウントの動画やレコメンドされた動画が流れてきます。自社のLINE公式アカウントのブロック状況を問わず、全ユーザーに広告を表示できるのがメリットです。
動画を活用した広告を配信したい時に適しています。
LINEマンガ
LINEマンガは、スマートフォン向けの電子コミックサービスです。アプリのダウンロード数は2,800万件(2020年8月時点)を超えており、多くのユーザーに利用されています。
男女比は半々で、15〜19歳が27%、20〜30代が60%と、若年層が多い傾向にあります。若者向けの広告や、漫画好きな人向けの広告の配信に向いているでしょう。
LINE BLOG
LINE BLOGは、情報発信ができるブログサービスです。個人だけでなく、アーティストやタレントなどの著名人が公式ブロガーとして活動しています。ユーザー属性は男女比率3:7の割合で、20〜40代の女性を中心とした年齢層に利用されています。化粧品やファッションなど、女性向けの広告におすすめです。
LINEポイントクラブ
LINEポイントクラブとは、ミッションのクリアやLINEサービスの利用などでポイントを貯められるサービスです。貯めたポイントは、スタンプや着せ替え、LINE Payなどで利用できます。
※2025年4月30日にLINE Payサービス終了予定
LINEポイントのサービスページのPV数は月間2.6億(2021年7月〜2021年9月平均値)。40〜50代の年齢層が高めのユーザーに多く利用されています。中高年層向けの商品やサービスの広告と相性が良いでしょう。
LINEショッピング
LINEショッピングは、LINEアプリ上で買い物を楽しめるサービスで、約3,500万人(2020年9月時点)の登録会員がいます。ユーザーの約7割が女性なので、女性向けの広告に適した媒体です。
LINE広告ネットワーク
LINE広告ネットワークとは、提携する外部アプリメディアに広告を配信できる機能です。ライフスタイルやマンガアプリなど、さまざまなジャンルのメディアに対応。LINEのデータを活用したターゲティング配信も可能です。
LINE広告の費用・料金
LINE広告は運用型広告のため、決まった費用や利用料金はありません。入札金額を元に枠に表示される広告が自動決定され、オークションで決定された広告が表示されます。
LINE広告の課金方式
LINE広告の課金は大きく分けて「クリック課金」と「インプレッション課金」に分けられます。
クリック課金とは、ユーザーが広告をクリックしてリンク先のページに遷移すると課金される方式です。広告が表示されただけでは費用は発生しないので、コストを抑えた配信ができます。
インプレッション課金とは、ユーザーが閲覧している画面上で広告が完全表示されると料金が発生する仕組みです。多くのユーザーに広告を表示させたい場合に適しています。
これらの課金形式から費用や利用料金が算出されます。
LINE広告の入札方法
LINE広告の入札方法は大きく分けて「自動入札」と「手動入札」の2種類があります。それぞれ配信するターゲットや、得たい効果に合わせて使い分けることが大切です。
自動入札とは、あらかじめ設定したイベント単価や予算内で、入札額が自動で調整される仕組みです。LINE広告では自動最適化が働いているため、運用が初めての方は自動入札をおすすめします。
手動入札とは、運用状況によって担当者が手動で入札額を変更できる入札方法です。経験は必要となりますが、確実性を求めた運用をしたい方におすすめです。
LINE広告のターゲティング機能
LINE広告では、ターゲットや目的に応じたターゲティングや配信機能が活用できます。
オーディエンスセグメント配信
オーディエンスセグメント配信とは、年齢、性別、地域、興味関心などでターゲットを指定して配信できる機能です。
例えば、地域セグメントでは市町村単位での指定配信ができ、特定エリアの半径1km以上からのターゲティングも可能です。細かくセグメントを行えば、ターゲットに刺さりやすい広告を配信できます。
オーディエンス配信
オーディエンス配信とは、ユーザー情報を利用して配信対象のユーザーをセグメントできる機能です。
例えば、ユーザーが初回購入をしたデータを活用して、同じユーザーに購入を促す広告を配信することもできます。
友だち追加
友だち追加とは、LINE公式アカウントの友だちの追加を促すために、LINEアプリ内に広告を出せる機能です。友だちが追加された数だけ課金される仕組みなので、少額からでも広告を運用できます。設定した費用で友だちを獲得できるため、費用が決まっている場合におすすめです。
LINE公式アカウントの友だちオーディエンス配信
LINE公式アカウントの友だちのデータを元にして、オーディエンス(配信するターゲット)を作成し配信ができます。
オーディエンスは以下の2つを作成できます。
- ブロックされていない友だち(ターゲットリーチ)
- ブロック中の友だち
これらのオーディエンスから類似オーディエンスも作成できますので、友だちでないユーザーへの広告配信も可能です。
類似配信
類似配信とは、購入に至ったユーザーや類似したユーザーを、LINE内で新たに探して配信できる機能です。
類似性が高いほど反応率は上がりますが、リーチできる人数が限られます。逆に類似性が低いほど反応率は下がるものの、リーチできる人数は増えていきます。
リエンゲージメント配信
リエンゲージメント配信とは、LINEアプリをインストール後に、休眠状態となっているユーザーを対象に再起動を促す広告を配信できる機能です。ユーザーのLINEアプリの使用履歴や行動に応じてターゲティングできます。
自動最適化配信
引用:LINEヤフー for Business 【公式】LINE広告とは丨ターゲティング、配信面、費用、事例のまとめ
自動最適化配信とは、目標CPA(顧客獲得単価)を達成するために自動で入札調整してくれる配信です。機械学習を利用しているため、自動的に広告入札の最適化を行ってくれます。効率化や運用工数の削減ができるのが大きなメリットです。
予約型広告
予約型広告とは、配信面や期間などが定められている広告です。あらかじめ出稿内容が決まっているため、調整可能な運用型広告のように、配信後の調整ができません。
リーチ&フリークエンシーの配信詳細
引用:LINEヤフー for Business 【公式】LINE広告とは丨ターゲティング、配信面、費用、事例のまとめ
LINE広告における予約型広告は、「リーチ&フリークエンシー」を採用しています。リーチ&フリークエンシーとは、月に1回以上LINE VOOMの広告に接触しているユーザー4,900万人に、優先的に広告を配信できる機能です。
また広告への接触の有無でユーザーを分類するブランドリフト調査「ブランドリフトサーベイ」の機能もあります。
LINE広告の活用事例
LINE広告の活用事例をいくつか紹介します。
「友だち追加」で800人を集客したフィットネスジム
東急線沿線を中心にスポーツ施設を運営・管理している東急スポーツシステム株式会社。東京都と神奈川県を中心に、フィットネスジムやゴルフ練習場などを展開しています。
同社では、新規会員獲得のためにLINE広告の「友だち追加」を活用し、800人の友だちの集客に成功しました。施策としては、友だち追加したユーザーに対して「入会割引」を実施。ユーザーは広告をタップするだけでLINE公式アカウントを友だち追加できるので、反応するハードルの低さも成功の要因といえるでしょう。
参照:LINEヤフー for Business LINE広告の「友だち追加」で800人を集客! LINEを活用したフィットネスジムの新店舗オープンの舞台裏
LINE広告で友だち数が7倍になったラーメン屋
熊本県内に4店舗(2020年8月時点)を展開するラーメン店「黒亭」。店舗とECショップを分けて、複数のLINE公式アカウントを運用しています。
店舗のLINE公式アカウントは、声がけやPOPなどで友だち数を増やしていましたが、ECショップのLINE公式アカウントは伸び悩んでいました。
そこでLINE広告の「友だち追加」を出稿。月2〜3万円程の予算で運用をした結果、約500名だった友だちが3,700名(2020年8月時点)と7倍以上に増加しました。
参照:LINEヤフー for Business LINE広告で友だち数7倍!顧客メリットを訴求する店舗とECでのLINE公式アカウント活用
まとめ
今回はLINE広告について解説してきました。LINE広告を活用すれば、効率的に友だち数を増やしたり、自社サイトへの流入をスムーズにしたりできます。ぜひ本記事を参考に、商品やサービスに合わせた広告を設定してみてください。