LINEを学習アプリのように構築できるのをご存知でしょうか?
昨今はLINEに学習コンテンツを集約し、講座の提供をする事業者も増えています。塾や英会話スクールの運営者にとっては、興味深いLINEの使い方ではないでしょうか。
今回はEveplus代表の大谷さんに、LINEの学習アプリ化および、販売や申し込み後の対応を自動化し工数削減をしつつ、前年比270%の売上を達成した「講師のLステップ導入事例」をご紹介いただきました。
【大谷伊吹】
Eveplus代表/株式会社REXLIディレクター/Lステップ正規代理店
トップクラスのLINEマーケティングカンパニーであり、Lステップの構築・運用実績を誇る株式会社REXLIでディレクターを務める。女性向け商品・サービスの支援を得意とし、実績の8〜9割は女性向け商材。美容サロンや女性起業家など、女性マーケティングに特化している。
Lステップのよりよい活用方法を模索していた
――さっそくですが、今回ご紹介いただく事例アカウントについて教えていただけますか。
大谷さん
公立中高一貫校合格アドバイザーのケイティ様です。
受検対策の教材販売や、保護者向けに公立中高一貫校合格を目指す情報共有サロン「ケイティサロン」の運営をされている方です。
――大谷さんが構築に入る前から、ケイティ様はLINE公式アカウントやLステップの運用をされていましたか?
大谷さん
はい、Lステップも導入済みで、ご自身で構築・運用をされていました。Lステップは2019年くらいからご利用されているようです。
――長くLステップをご利用いただいているんですね。今回大谷さんが構築を担当されることになった経緯をお聞かせいただけますか?
大谷さん
私は株式会社REXLI(レクセリ)という企業でディレクターをしているのですが、REXLIに構築の依頼が入り、私が担当させていただくことになりました。
REXLIに依頼が入った経緯は、REXLI代表の中村誠さんと、Nextepというオンライン英会話スクールを運営されている重森ちぐささんが、以前LINEで学習アプリ構築をテーマにしたセミナーを開催されて、そこにケイティさんが参加されたのがきっかけです。
セミナーをみて、こんな使い方もあるんだ、もっとよくできそうと思われたようで、私たちに今のアカウントを見てもらって、提案してもらいたいとご相談をいただきました。
「公立中高一貫校の受験対策」は主にお母さん向けの商材で、REXLIの中で女性で子どもが受験世代のディレクターは私しかいないため、担当に抜擢されたんだと思います。
――独学で学習アプリのような構築をしていくのはなかなか難しいですもんね。大谷さんが構築に入ったのはいつ頃でしょうか?
大谷さん
ちょうど1年前くらいです。
――当時ケイティ様は何か課題を抱えていましたか?
大谷さん
具体的な課題や要望があるわけではありませんでした。1度プロに見てもらって、よりよいアカウントにするための提案がほしいという感じです。
――大谷さんが構築に入る前、ケイティ様はLINEをどのように使われていたのでしょうか?
大谷さん
LINEは主に、教材の購入者向けに活用されていました。
教材はケイティさんが厳選した77問の問題集「ナナ特」と、グラフ問題に特化した問題集「グラ特」があり、購入ページから決済をすると、秘密のキーワードが記載されたメールが届きます。
秘密のキーワードをLINEに送ると自動応答が反応し、シナリオがスタート。毎朝5問ずつ問題が届く仕組みです。
シナリオの自動化や学習アプリ化を実現
――なるほど、主に購入者向けに活用されていたんですね。大谷さんが入って、どのようなご提案と構築をされたかお聞かせいただけますか。
大谷さん
はい、今回構築させていただいた内容は次の通りです。
- 販売シナリオの作成
- 受験準備の進捗管理を回答フォームへ変更
- 問題の配布を画像から回答フォームへ変更し、LINEを学習アプリ化
- 教材シナリオの自動化
- リッチメニューの作成
LINEは主に購入者向けに活用されていましたが、導線的には購入前の方も登録できるようになっています。
ただ、購入前の方向けのシナリオはなく、見込み客にアプローチできていない状態だったので、登録後から10日間の販売シナリオを作りました。
ケイティさんは教材販売の他にオンラインサロンの運営もされているので、前半はオンラインサロン、後半に教材訴求の流れで構成しています。
前半のシナリオ(オンラインサロン訴求)
後半のシナリオ(教材訴求)
今回リッチメニューも刷新しまして、以前はタブが上部に横並びになっていましたが、今回から縦並びに変えています。
ナナ特・グラ特のタブは、購入した人だけがその先のコンテンツをみれる鍵付きにして、興味をそそる見た目を意識しました。
購入すると自動的に鍵が外れ、ボタンがタップできるようになります。
次に、受験までの準備スケジュールの提供方法を変更しました。以前はPDFでお渡しされていたスケジュールを回答フォーム化し、ユーザーが自分で管理しやすい作りにしています。
項目ごとに期限と進み具合を入力できるようになっていて、最後に保存をすると、スケジュール一覧がメッセージで届きます。
――すごく見やすくて使いやすそうですね。販売シナリオは構成からライティングまでご対応されているのでしょうか?
大谷さん
そうですね、構成からライティングまで私たちで作成しました。
――友だち追加時にアンケートが届きますが、アンケートの回答者のみにシナリオが送られる設定にされていますか?
大谷さん
いえ、現時点では配信数に余裕があるため、アンケート回答の有無に関係なくシナリオは流れます。
――リッチメニューの形はめずらしいですよね。やりすぎ感がなくシンプルで見やすくて、学習アプリっぽさも表現されてる、絶妙なデザインだと思いました。
大谷さん
そうなんですよ、タブは上部に横並びになっている形が一般的ですが、その見た目を変えてみたいと思って、縦並びで依頼したらすごくいいものができたので採用しました。
大人が見ても子どもが見てもかわいいデザインですよね。私もこのデザインはすごく気に入っています。
――回答フォームのCSSも素敵ですね。
大谷さん
ケイティさんアカウントの回答フォームは、私がこれまで担当してきた案件の中でも特にいいものができたと思っています。
ー動きのある回答フォームー
――クリエイティブだけでも依頼した価値を十分感じてもらえそうですね。
大谷さん
そうですね、REXLIが依頼するデザイナーさんはかなりレベルが高いですし、私たちもデザイナーさんへの依頼にはこだわっています。同じデザイナーさんに依頼するにしても、依頼の仕方で納品物って変わるんですよね。
私たちはクリエイティブ制作にかなり強みがありますので、ターゲットが女性のアカウントで、デザインをこだわりたい方にREXLIはおすすめです。
――REXLIの強みがひとつよくわかりました。次に、LINEを学習アプリ化する上で工夫されたところや、こだわった部分についてお聞かせいただけますか。
大谷さん
はい、構築に入る前は教材を購入した後、LINEに秘密のキーワードを送ると自動応答が反応し、毎日5問ずつ問題が画像で送られるよう設定されていました。
ただ、問題を解く上で画像を印刷する必要があったり、問題を手動で送らなければならないケースがあったり、いくつか課題も見受けられました。
そこでまずは、送られてくる問題を見やすく解きやすくするために、問題を1つ1つ回答フォームで作り直しています。
問題数が多いため、どこまでやったかを忘れてしまう人もいるだろうと思い、リッチメニューに「続きの問題を解く」ボタンを設置し、スムーズに最後に解いた問題の次から再開できるようにしました。
また、過去に解いた問題の復習もしやすいように、すべてリッチメニューに反映しています。
ひとつ問題を解くごとに解答や解説と、カルーセルが送られるようになっています。
上図のカルーセルにはポイントが2つあり、ひとつは「この問題について質問する」をタップした上で質問をすると、運営側は何問目に関する質問なのかがわかるところです。
以前は質問がきても何問目に関する質問かがわからない仕様だったため、確認に時間がかかるケースもあったようですが、今はすぐに把握できるので時短につながっています。
もうひとつは、問題集を自分のペースで進められるようにしたところです。
以前は毎日5問送るやり方にしていたので、1日5問以上はできませんでした。でもペースはお子さんによって違って、例えば休みの日にまとめてやりたい人もいますよね。
そこで1日5問と制限せず、「次の問題に進む」をタップすればどんどん進められるようにしました。
その他、問題の配信の仕組みも変更しています。以前はシナリオ配信で毎朝問題が送られるよう設定されていましたが、シナリオ配信は1人につき1つしか流せません。
つまり「ナナ特」と「グラ特」を両方購入してくださった方には、片方はシナリオで自動配信、もう片方は毎日手動で問題を送る必要があったわけです。
購入のタイミングによって当然進捗は異なりますから、Aさんには1日目、Bさんには5日目といった具合で送り分けも必要なので、相当煩雑な作業だったと思います。
今回の構築でシナリオ配信からアクション管理機能に変更し、両方の講座のご案内が毎日自動で届くよう設定し直しました。
工数を削減しつつ、売上は前年比270%
――ユーザーにとっても運営側にとっても、かなり利便性が上がっていますね。今回の構築の成果をお聞かせいただけますか?
大谷さん
これまで手作業でしていた配信の自動化や、どの問題に関する質問なのかをわかりやすくできたことにより、運営側の工数はかなり削減できていると思います。
また、いつも売上がわりとよい8月の前年比で、約270%を達成されました。友だち登録後から始まるシナリオで自動的に販売されていますので、販売の労力が増えているわけではありません。
販売については登録後のシナリオの他、ナナ特だけ購入した人にグラ特のご案内をする、グラ特だけ購入した人にナナ特のご案内をする、クロスセルのシナリオも私たちで作成しました。
決済後にメールでLINEのご案内がいく流れは今もされていて、例えばナナ特の購入者には「ナナ特」のタグが付き、タグが付いていない教材のご案内が届くようになっているので、購入していない人にだけ配信されるようになっています。
その他、1日あたりの問題数の制限をなくしたり復習しやすくしたり、利便性も向上しているので、ユーザーの満足度も高まっていると思います。
――工数削減をしつつ売上を伸ばし、かつユーザーの利便性も上がっている、あらゆる成果が出ていますね。
大谷さん
そうですね、ケイティさんはもともとスタンダードプランで運用されていて、今回の構築を実現するためにプロプランへ引き上げていただいたので、ツールのコストは上がっていますが、しっかり成果につながっているので見合っているとは思います。
――現在、運用支援もされていますか?
大谷さん
いえ、運用支援はしていません。今回の構築は複雑な部分もありますが、ケイティさんはもともとご自身で構築と運用をされていて、問題なく操作できる方なので、運用はご自身でされています。
――ケイティさんは構築を依頼して、どのような感想を持たれていますか?
大谷さん
ケイティさんからは次のコメントをいただいています。
REXLIを通して、大谷さんにLステップの構築をして頂きました。
数年前から見様見真似でネット情報を参考に、Lステップを使って配信をしたりコンテンツ販売を行っており、基本的なところは理解しているつもりでした。
ただ、、今回、大谷さんはじめ、プロの方々に入って頂き、自分がLステップの機能の5%くらいしか使えていなかったことがよ~くわかりました(笑)
新しいフォロワーさんが登録した瞬間から、講座の購入、そのあとの運用にいたるまで、きれいに交通整理して頂き、管理が非常に楽になったことはもちろん、シナリオがLINE上で継続して自動的に営業(?)してくれるので、安定した収益につながっています。
私自身、あまりセールスをぐいぐいするタイプではなく、「良かったら購入してねという雰囲気で公式LINEも運用していますが、そのような空気感をしっかり汲み取ってくださって、強制感のない自然なトーク内容と可愛らしいリッチメニューで新しいフォロワーを迎え入れることができています。これは、女性だからこその感性で構築頂いたからではないかと思います。
構築中は、確認依頼でメニュー画像やテンプレ―トが大谷さんから届くたびに、「かわいい~!!」の連続でした(笑)
一人起業家なのでプレーヤーとして追われる毎日で、公式LINEの対応がどうしても後回しになっていたのですが、システムとして完成されたことで、精神的にもすごく楽になりました。
また、ときどき変更の仕方が分からず相談させていただくのですが、快くアドバイスを頂くことができ、フォロー体制にも感謝しきりです。これからもよろしくお願いします!
経理職からLステップ正規代理店に
――ここからは大谷さんのご経歴や、Lステップ構築を始めた経緯についてお伺いできればと思います。まずはプロフィールをご紹介いただけますか。
大谷さん
Lステップの仕事をする前は、8年ほど経理と総務の仕事をしていました。
当時スキルアップをしようと思い、勉強して簿記やFPの資格を取り、資格によって年収は上がりました。ただ、朝早くからプライベートの時間を犠牲にして勉強したわりに、そこまで収入に反映されたわけではなかったんです。
ここまで時間を犠牲にするなら、ダイレクトに収入につながることをやった方がいいのではと思うようになって、副業を探し始めました。
3年ちょっと前くらいにYouTubeを観ている中で、今年流行りの副業みたいな動画があって、そこでLステップが紹介されていてLステップの存在を知りました。
Lステップについて調べたら気になって、学ぶならきちんと学ぼうと思い、ワンダフルステップ(LINE構築を仕事にするためのスキルが学べる講座)で学び、REXLIでお仕事をもらうようになり、今に至ります。
――まったく別業界への転身ですね。
大谷さん
以前にWeb制作の仕事もしていたことがあって、最初はWeb制作で考えたんですよね。
ただ、Web制作をやっている人はめちゃくちゃ多いので、子育てもある中で今から突き抜けるのは難しいだろうなと思いました。
Lステップはブルーオーシャンで、まだまだこれからの市場だと思ったのと、Web制作をしていたのでパソコン操作に抵抗はなくて、私にもできそうかなと思って始めました。
――対応エリアは全国ですか?
大谷さん
はい、全国対応です。
――大谷さんが得意とする業種・業態はありますか?
大谷さん
美容業界にいたこともありママでもあるので、女性向け・ママ向けの商品やサービスの支援が得意です。
――大谷さんはREXLIから独立して、個人でやられていますか?
大谷さん
現在はREXLIの専属ディレクターのみで活動しています。
――REXLIでは構築のみと、構築後の運用代行や内製化までされるケースでいうと、どちらが多いですか?
大谷さん
いろんなパターンがありますが、最近は構築と運用代行込みで請け負うケースが多いです。
――LINE構築と運用以外の対応範囲をお聞かせください。
大谷さん
REXLIではライティング、動画編集、Web広告、LP制作、SNS集客のコンサルなど、さまざま対応しています。
その他にもプレゼント特典の中身を検討したり、ライブプロモーションの台本を作ったり、セミナー資料を作ったりもしていて、集客・教育・販売に必要なところは結構なんでも対応できます。
――ご自身の強みや、クライアントワークをする上で大切にしていることをお聞かせください。
大谷さん
私自身、女性でありママでもあり、携わらせていただいた案件の8〜9割は女性向け・ママ向けの商品・サービス案件で、女性マーケティングに特化しているところが強みです。
女性のディレクターは圧倒的に少なくて、需要に対しての供給が全然足りていない中で、女性案件に特化しているのはかなり強みになると思います。
また、構築をする上では自分たちがどうしたいかではなく、エンドユーザーの立場で考えることが重要です。
設計するときからエンドユーザー目線で考え、クライアントが言語化しづらいデザインや表現を汲み取り、できる限り先方の労力をかけない構築を心がけています。
どうしても男性担当者だと噛み合わないというお悩みも多く、女性ならではの目線でクライアントに寄り添うことを大切にしています。
――女性案件を男性が担当すると、結構ズレが生じるものなのでしょうか?
大谷さん
そうですね、うまくいかなかった話は結構聞いています。
例えば20代の男性が、30代・40代のママ向けアカウントを担当できるかというと、難しいだろうと思うんです。ライティングにしてもデザインにしても。なのでかなりヒアリングが必要になりますよね。
ただ、クライアントにとってLINEは仕事の一部なので、他にもやることはたくさんあります。
また、クライアントの要望は「オシャレにしてほしい」といったもので、デザインの細かな言語化ができる人はほとんどいません。
忙しいし、どうすればいいかがわからないから私たちに依頼をされているわけなので、意向を汲み取って、無駄なコミュニケーションコストを減らさないと、クライアントの負担がすごくなってしまうんですよね。
もちろん個人差はありますが、女性では29色に見えている色が、男性には7色にしか見えていないらしいんですよ。
女性からするとピンクひとつで何十色とあるんですけど、男性はピンクはピンクなんです。なので女性が男性に色味について説明しても、そもそも理解できないケースもあるんだと思います。
――確かに女性の意向を汲み取って、ライティングやデザインに落とし込むのはとても難しい印象です。色彩感覚はだいぶ違うんですね...。
大谷さん
私は汲み取る力は持っていると思っていて、こういうことが言いたいんだろうなと理解して、文章やデザインに反映するのは得意です。
最初に希望のイメージがわかる写真やサイト、LINE公式アカウントを教えていただければ、好みやこうしてほしいは大体わかるので、例えばこの人が言っているピンクはたぶんこのピンクだろうなとわかります。
デザイナーへの依頼の仕方がそもそも違うと思いますし、デザイナーから制作物があがってきた段階でクライアントが求めているデザインかわかるため、イメージと異なっていれば修正した上でクライアントに提出できる、ここがすごい差になるんだと思います。
――大谷さんはライティング力にも定評がありますよね。
大谷さん
そうですね、以前クライアントに「私より私の伝えたいことを伝えてくれる」と言っていただいたこともあります。
過去に祇園でNo.1のキャバ嬢をしていたんですが、夜の仕事はとにかく相手のことを考えて、喜んでいただけるよう行動するのが大切です。
どうやったらより相手に伝わり、喜んでもらえるかを考えるのが癖になっていて、その経験がコミュニケーションやライティングにも活きているんだと思います。
まとめ
今回はEveplus代表の大谷さんに、公立中高一貫校合格アドバイザーのLステップ導入事例をご紹介いただきました。
女性向け・ママ向けの商品やサービスを提供される方に、大谷さんはぴったりです。
ご相談を希望される方はぜひ、以下のLINEからご連絡してみてください。