ライブ配信は配信コンテンツの1つで、成長を続けているジャンルです。ゲーム実況と雑談配信に人気が集まっていますが、ライブコマースや企業PRの広告媒体としても注目されています。
しかし配信サイトの数が多く、サイト選びに困っている人も多いのではないでしょうか。
- どこで売ればいいのか
- 成功するには何を意識すべきか
- どんなプラットフォームがあるのか
本記事では、配信サイトの選び方から必要な機材、特徴まで紹介します。
エンタメからビジネス利用まで、さまざまな目的に応じた配信サイトを厳選しましたので、ぜひ参考にしてください。
目次
ライブ配信はビジネスシーンの可能性を広げる
ライブ配信の普及によって、場所にとらわれない情報発信ができるようになりました。日本では個人のスマートフォン保有割合は78.9%(令和5年4月1日現在)であり、ライブ配信を視聴するハードルも下がっています。
ビジネスでもライブ配信を利用する機会が増え、さまざまなシーンで使われています。企業の会議や社員研修では、移動時間や大きな部屋を用意する必要がなくなりました。
商品やサービスの魅力を、消費者へダイレクトにアピールする手段として利用されています。
ライブ配信に適したサービスは今でも開発が続いており、ビジネスシーンの可能性を広げるツールとして発展を続けています。
引用:令和5年通信利用動向調査
ライブ配信のメリット
ライブ配信のメリットを3つ紹介します。
少ないコストでイベントを実施できる
リアルイベントと違い、コストを抑えたイベント運用ができます。ライブ配信は、大きな会場を用意する費用も運営スタッフの手配も削減可能です。
視聴者は開催場所へ移動することなく参加できるので、1つの会場を手配するだけで全世界へ情報を発信できます。スマートフォンさえあれば、どこでも参加できるハードルの低さもライブ配信の強みです。
スマートフォンだけで利用できるサービスも多く、専用の機材を用意する必要がありません。
小規模のイベントであれば、自室や企業の会議室でも情報発信できる手軽さが魅力の1つです。
最新情報を発信できる
編集せずに配信するので、情報発信の速さが特徴です。商品のPRやイベントの告知など、視聴者に最新情報を提供したいときに大きなアドバンテージを発揮します。
視聴者に伝えたいポイントを整理できれば発信の準備が済むので、配信開始までの手順が少ないのもメリットです。
リアルタイムで視聴者に直接伝えるライブ配信は、プロモーション動画とは違ったインパクトがある配信方法です。
視聴者の反応がリアルタイムで返ってくる
リアルタイムで視聴者と交流できるので、コミュニケーションが活発になります。チャットや拍手、スタンプなどツールの機能が充実しており、視聴者が参加しやすくなっています。
視聴者の反応を見ながらイベントを進行できるので、配信内容を調整しやすいのもメリットです。
講演会や企業説明会などでは、視聴者の反応を取り入れることで、参加者全体の理解が深まる効果が期待できます。
双方向のコミュニケーションによって、リアルな臨場感が生まれやすくなります。独特の一体感は、ライブ配信でしか味わえない体験です。
ライブ配信サイトの選び方
ライブ配信サイトを選ぶポイントを6つ紹介します。
目的を明確化する
発信したい情報や目的・ターゲットによって、適したサイトが変わります。明確な目的があれば、サイトに求める機能もイメージしやすくなります。
目的をはっきりさせないまま配信サイトを探しても、候補を絞りきれません。サイト選びを間違ったまま配信を続けても、狙った効果が得られない可能性があります。
配信のゴール設定は、以下のようにシンプルな内容で構いません。
- セミナーを開催して、新規顧客の開拓につなげたい
- 社内研修を実施して、仕事の効率を上げたい
- 新商品を宣伝して、販売促進させたい
まず自分の目的をはっきりさせることからスタートしましょう。
ユーザー数を調べる
サイト選びの基準の1つに、ユーザー数が挙げられます。目的に合ったサイトでもユーザー数が少なければ、情報を発信しても視聴する人がいない可能性があるからです。
規模の小さい配信サイトは競合が少なく有利に思えますが、情報発信では競合が多いことはデメリットではありません。
ユーザー数の多さは拡散力に影響するので、ユーザー数は多い方が発信した内容が多くの人に伝わります。
商品やサービスの訴求、知名度の向上が目的なら、ユーザー数は特に重要視したい要素です。
ユーザー数が分からない場合は、アプリのダウンロード数などが判断基準になります。
機能を調べる
配信サイトによって、利用できる機能に細かい違いがあります。有料契約しないと利用できない機能もあるので、注意が必要です。
社内研修やウェビナーなどで利用するなら、資料共有やアンケート機能が充実しているサービスが向いています。
画質や視聴者数など利用目的に合わせたツールを探してみましょう。
その他にも、ライブ配信のアーカイブや配信形式、外部システム連携など多様な機能が用意されています。情報発信やコミュニケーションツールとして、LINE公式アカウントの活用もおすすめです。
すぐに利用しない機能でも、将来的なビジネス像をイメージしたサイト選びが肝心です。
安全性を調べる
サイトの安全性は発信するターゲットに関わらず、必ず確認するべきです。配信のセキュリティチェックは、配信側の義務といえます。
セキュリティ対策が不十分なサービスを利用していると、視聴者に迷惑がかかる危険性があるだけでなく、自分自身の信頼性も疑われかねません。
企業で利用する場合は、機密情報を守るために以下のポイントを確認しておきましょう。
- アクセス制限機能があるか
- ユーザー管理機能があるか
- 暗号化されているか
機密情報を扱う配信の場合は、有料のサービスがおすすめです。費用をかけたくない場合は、配信中に極秘情報を扱わない方法もあります。
万が一を想定して、サポート体制まで調べておくと安心です。契約するコースによってサポート内容も変更になる場合があるので、契約内容は細部まで確認してください。
アプリの対応を調べる
配信サイトがアプリに対応しているか調べておきましょう。サービスによっては、Web版とアプリ版で利用できる機能が違う場合があります。
一般消費者をターゲットにしているなら、手軽に視聴できるアプリに対応しているサービスがおすすめです。
ビジネス目的で法人がターゲットに入る場合は、ダウンロードが必要なアプリは利用できない可能性があります。
多くの状況に利用しやすいマルチデバイス対応は、相手の環境に合わせた運用ができるメリットがあります。しかし、万能ではない点に注意しておきましょう。
利用金額を調べる
サイトによって利用金額はさまざまです。無料で利用できるサービスは、機能制限を解除するために有料契約が必要になるケースもあります。
有料契約でも優秀な機能が使えるとは限りません。発信する情報や環境に見合った利用金額のサイトを選びましょう。
初期費用が高くても、長期的なコストパフォーマンスに優れているサービスもあります。
先に予算を設定して、将来の負担が大きくならないような選び方もおすすめです。
ライブ配信に必要な機材
ライブ配信に必要な機材を紹介します。
配信用機材
スマートフォンさえあれば、ライブ配信できます。画質や音声にこだわるなら、配信用機材を用意する必要があります。
PCを利用した配信の場合は、以下の3つを用意しましょう。
- カメラ
- 三脚
- マイク
ワンランク上の配信環境を整えるのであれば、見栄えを良くする照明もおすすめです。配信映像をスムーズに切り替えるスイッチャーなどの専用機材もあります。
とはいえ、高価な機材がなくても問題はありません。配信を続けて必要な機材が出てきてから、購入を検討しましょう。
インターネット環境
リアルタイムの情報発信では、インターネット環境が重要です。
通信環境が悪いと、映像と音が乱れるだけでなく、配信が切断されるリスクがあります。
通信速度は回線の上り・下り速度が3Mbpsを目安にしてください。30Mbps以上あれば、ライブ配信する環境として十分です。
インターネット環境が良ければ配信の質が高まり、視聴者が集中しやすい環境を用意できます。
用意したコンテンツを無駄にしないように、通信速度も確認しましょう。
配信用PC
ライブ配信には、PCに一定以上のスペックが必要になります。CPUはIntel Core i5、Ryzen 5程度を用意しておきましょう。メインメモリは8GB以上が必要です。
セミナーなどで複数の登壇者がいたり、資料や動画を再生しながら進行させたりしたい場合は、配信用PCが2台以上あるとスムーズです。
1台でも配信できますが、画面の切り替えで遅れやノイズが入る可能性があります。
ライブ配信したい内容でPCに求められるスペックや台数が決まります。
配信の構成にこだわりたい人は、代行業者に依頼する方法も選択肢の1つです。
【アプリ不要】ライブ配信サイト9選
ライブ配信サイトを9つ厳選して紹介します。
YouTube
概要 | |
運営会社 | |
利用料金 | 無料 |
最大参加人数 | なし(モバイル版は登録者数により制限有) |
配信制限時間 | なし |
アーカイブ | 12時間まで |
アプリ対応 | 〇 |
アンケート機能 | ✕ |
特徴 | 幅広い年代層で利用されている。 |
YouTubeは日本国内でも幅広い世代で利用されている配信サイトです。情報発信のジャンルを選ばないので、多くの人にアプローチしたい人におすすめです。
スマートフォンでも配信できますが、チャンネル登録者が50人以上いないと配信できません。視聴者数もチャンネル登録者1,000未満では制限されています。
視聴者を限定したい場合は限定公開も設定できます。ただし、限定公開はURLを知っていれば誰でも視聴できるので、機密性の高い情報共有には不向きです。
知名度も高く無料で利用できるので、初めてのライブ配信でも利用しやすいツールです。
概要 | |
運営会社 | Meta |
利用料金 | 無料 |
最大参加人数 | なし(招待は500人まで) |
配信制限時間 | 8時間 |
アーカイブ | 〇 |
アプリ対応 | 〇 |
アンケート機能 | 〇 |
特徴 | 30代、40代のビジネス層が多い。有料会員だけの限定配信もできる。 |
Facebookはビジネスシーンで利用される機会が多いSNSです。実名が公開される特徴を利用して、信頼性の高い情報発信ができます。
交流が目的でスタートしたSNSなので、ライブ配信でもコミュニケーションに必要な機能が揃っています。
共有範囲の設定ではFacebook利用者をさらに限定して配信できたり、有料オンラインイベントを開催したりと、視聴者を自由に設定できます。
利用している世代が限られているので、発信したい情報のターゲットに合っているかが重要です。
TikTok
概要 | |
運営会社 | Bytedance |
利用料金 | 無料 |
最大参加人数 | なし(ライブ配信にはフォロワー1,000人必要)※地域によって異なる場合があります |
配信制限時間 | なし |
アーカイブ | 30日後に閲覧不可 |
アプリ対応 | 〇 |
アンケート機能 | 〇 |
特徴 | 10代、20代のユーザーに人気がある。 |
TikTokは10代~20代の若年層を中心に利用されています。若い世代をターゲットに情報発信をしたい人におすすめです。
アカウント開設直後は配信できない可能性があるので、ツール選定の際に配信できるか確認が必須です。アカウントを成長させるための施策も考えておかなくてはいけません。
リプレイが30日後に閲覧できなくなるので、ライブ配信の度にダウンロードやリプレイを投稿するコストが発生します。
Zoom
概要 | |
運営会社 | Zoom Communications |
利用料金 | 無料プラン有 |
最大参加人数 | 100名 ※有料プランで変更可 |
配信制限時間 | 40分(2名以上から)※有料プランで変更可 |
アーカイブ | 〇 |
アプリ対応 | 〇 |
アンケート機能 | 〇 |
特徴 | 社内会議、リモート研修での利用が中心。 |
ZoomはWeb会議やウェビナーで使用される機会が多いツールです。インストール不要で利用できるので、法人でも利用されています。
ライブ配信は無料プランでは制限時間があるので、ビジネスで利用される場合は有料契約が必要になる可能性があります。
データは暗号化して保護されているので、セキュリティが整っています。機密性が高い情報を扱う際には、情報流出のリスクを抑えられる「透かし機能」がおすすめです。
企業のWeb会議システムでは使用率が高く認知度もあります。Web会議が利用目的の場合は、無料でテスト運用してみましょう。
Twitch
概要 | |
運営会社 | Twitch Interactive |
利用料金 | 無料 |
最大参加人数 | なし |
配信制限時間 | 48時間 |
アーカイブ | 7日間保存(最長60日) |
アプリ対応 | 〇 |
アンケート機能 | 〇 |
特徴 | ゲーム配信や雑談配信に特化。 |
Twitchはゲーム配信や雑談配信で人気があります。運営の親会社はAmazonなので、信頼性の高いサイトです。
利用料金は無料で、制限配信時間も気にせずに利用できます。アーカイブは保存しないと削除されてしまうので、配信後はダウンロードして再アップが必要です。
会員登録なしでもサイト視聴できますが、コメントなどの機能は制限されています。アプリ版は無料の会員登録が必要です。
配信ジャンルが限定されているので、自分の配信目的を確認してから利用を検討してください。
17LIVE
概要 | |
運営会社 | 17LIVE |
利用料金 | 無料 |
最大参加人数 | なし |
配信制限時間 | なし |
アーカイブ | 8時間まで(7日間保存) |
アプリ対応 | 〇 |
アンケート機能 | 投票機能(2択) |
特徴 | ライブ配信に特化。運営はライブコマースにも強い。 |
17LIVEはライブ配信に特化したサービスです。雑談や音楽配信がメインで、配信者のトークスキルなどライブ配信ならではのセンスが要求されます。
全世界ユーザー数は5,000万人を超え、国内認証ライバー数も72,000人以上(2023年2月現在)が在籍中です。
17LIVEはアプリ内で商品を購入できる機能があり、運営会社もライブコマースの伴走サービスを展開しています。
ブラウザ版は視聴する場合に限り、会員登録がいりません。基本的な機能を利用するには会員登録が必須です。
Vimeo
概要 | |
運営会社 | Vimeo |
利用料金 | 無料 ※ライブ配信は有料契約必須 |
最大参加人数 | 100,000人(ウェビナーは100~500 ※契約プランで変動) |
配信制限時間 | 2~24時間 |
アーカイブ | 〇 |
アプリ対応 | 〇 |
アンケート機能 | 〇 |
特徴 | 日本ユーザーも多い。国内ではビジネス利用が中心。 |
Vimeoはビジネスシーンで利用されることが多い配信サイトです。ライブ配信するために有料契約が必要になります。
視聴する場合の利用料金は不要で、インストールも必要ありません。広告が表示されないことが強みで、企業でも使いやすくなっています。
公開範囲を細かく設定できるので、自分のコンテンツが転載されるリスクを下げられます。
講演会などの動画コンテンツを配信したい人におすすめの配信サイトです。
Live kit
概要 | |
運営会社 | BIPROGY |
利用料金 | 有料(要問合せ) |
最大参加人数 | 500名以上 |
配信制限時間 | - |
アーカイブ | 〇 |
アプリ対応 | 〇 |
アンケート機能 | - |
特徴 | ライブコマース特化。 |
Live kitはライブコマースに特化した配信プラットフォームです。自社サイト内で動画を埋め込み配信するなど、運用方法が多彩です。
運営会社のBIPROGYはECサイトの支援実績が豊富なので、自社ECサイトを運用している企業におすすめです。
契約料金は高額ですが、ライブコマースに特化したさまざまな機能が利用できます。投げ銭機能など、ライブ配信ならではの機能も揃っています。
ECサイトをすでに運営している企業向けのサービスです。資料などは公式サイトから請求できます。
楽天市場ショッピングチャンネル
概要 | |
運営会社 | 楽天グループ |
利用料金 | 有料(要問合せ) |
最大参加人数 | - |
配信制限時間 | - |
アーカイブ | 〇 |
アプリ対応 | 〇(楽天市場アプリ内) |
アンケート機能 | ✕ |
特徴 | ライブコマース特化。楽天市場のイベントを活用できる。 |
楽天市場ショッピングチャンネルは、楽天市場内の配信専用ページを利用したライブ配信サイトです。
楽天のイベントを活用して、販促効果の高いライブ配信が行えます。配信アーカイブも残るので、配信後もPR用として運用可能です。
楽天市場の登録が必要なので、配信機能だけの利用はできません。配信スケジュールも決まっており、自由に配信ができない点も注意が必要です。
限定されたマーケットですが、楽天市場のネームバリューを利用しながらライブコマースを展開できるサービスです。
疑似ライブ配信もおすすめ
ライブ配信は効果的な販促手法である一方で、急なトラブルや人的コストなどリスクがあります。リスクを抑えて情報発信したいときは、疑似ライブ配信がおすすめです。
録画した動画を生放送のように配信できるので、視聴者はライブ配信と変わらない一体感を体験できます。
リアルタイムの配信と同じ状況が再現され、アクションが起こりやすくなります。
ライブ配信はトラブルの対応が難しく、初回配信のハードルが高めの配信方法です。疑似ライブ配信は録画した動画を再生するので、準備を進めながら動画を公開できます。
LキャストならLINEで疑似ライブ配信ができる
「L-CAST(Lキャスト)」はLINEを活用した疑似ライブ配信ができるサービスです。
LキャストはLINE公式アカウントの拡張ツール「Lステップ」と連携して利用する、LINE専用のオートウェビナーマーケティングツールです。
録画した映像を配信しながら、コンテンツの視聴状況を把握したり、コメント内容を参加者ごとに紐づけて記録したり、高度な視聴者分析ができます。
LINEはほぼ誰もが利用しているアプリなので、新しくインストールする必要がありません。生活に密着したSNSなので、視聴者も参加しやすいメリットがあります。
リアルタイムの配信に抵抗がある人は、Lキャストの疑似ライブ配信がおすすめです。
まとめ
ライブ配信サイトをまとめて紹介しました。
サイトで視聴できる配信サービスは、アプリをインストールする必要がなく、セキュリティ面で安心です。
配信サイトで特徴に差があるので、使用目的に応じたサイトを選んでください。