ビジネスにセグメントマーケティングを取り入れれば、ユーザーに刺さりやすいアクションが行えます。
しかし、セグメントマーケティングの具体的な手法を理解していない人も多いのではないでしょうか。
そこでこの記事では、セグメントマーケティングの特徴や必要性、企業の成功事例をご紹介します。
目次
セグメントマーケティングとは
セグメントマーケティングとは、ユーザーをグループ分けし、そのグループごとに適切なマーケティング活動を行うことです。
セグメントには「区分」という意味合いがあります。マーケティングの分野では、ユーザーを分類して、アプローチすることをセグメンテーションと呼びます。
例えば、LINE公式アカウントの友だちの中から「30代女性」だけをピックアップし、美容商品を宣伝するのもセグメントマーケティングのひとつです。
セグメントマーケティングは、ユーザーの特性や興味・関心に合わせたアクションを行うことで、より刺さりやすいアプローチができるのがメリット。やみくもに宣伝するより、高い効果が期待できます。
ターゲティングとの違い
セグメントと似た言葉にターゲティングがあります。同じように聞こえる言葉ですが、少し意味合いが異なります。
ターゲティングとは、グループ分けされた中で、自社がターゲットとするセグメントを指すものです。
例えば、LINE公式アカウントの中で「男性」と「女性」にグループ分けするのがセグメント、その中から「ダイエットに興味がある30代女性」に絞り込むのがターゲティングです。
セグメントよりも、さらに細分化されたものをターゲティングと覚えておくといいでしょう。
なぜマーケティングでセグメントが必要なのか?
なぜマーケティングでセグメントが重視されるのか?
その理由は「ニーズの多様化」にあります。
今までは、ターゲットを決めずに、全ての消費者にアプローチする「マスマーケティング」が主流でした。
しかし近年は、インターネットの普及により、あらゆる情報にアクセスできるようになっています。そのため、消費者のニーズは多様化し、マスマーケティングの効果が薄まってきたのです。
そこで役立つのがセグメントマーケティングです。多様化したニーズを細分化し、ターゲットに合わせたアプローチを行うことで、より効率の良いマーケティングを実現できます。
このような背景もあり、セグメントマーケティングの重要性は高まり続けています。
セグメンテーションは「4R」が重要
セグメンテーションを行う際、「4R」と呼ばれる指標が重要視されています。
- Rank(優先度)
- Realistic(市場規模の有効性)
- Reach(到達可能性)
- Response(測定可能性)
これらを意識してセグメンテーションをすれば、より効果的なマーケティングが行えます。
そこで、それぞれについて詳しく解説していきます。
Rank(優先度)
Rank(優先度)は、セグメントによって分けられたグループに優先順位をつけることです。簡単に説明すると、反応率が良く、利益につながりやすいセグメントからアプローチするイメージです。優先順位を決めれば、より効率的に売上を立てられるでしょう。
Realistic(市場規模の有効性)
Realistic(市場規模の有効性)とは、セグメントにアプローチしたい場合、市場規模からどのくらいの売上や利益につながるかを把握するものです。良い商品やサービスを持っていても、セグメントしたユーザーが少ないと赤字になります。よって市場規模の有用性を調査し、本当に売り込むべきか判断することが大切です。
Reach(到達可能性)
Reach(到達可能性)とは、セグメント分けして十分なユーザーがいると確認した後、それに対して十分なメッセージが届けられるか判断することです。ユーザーの興味と自社の商品がマッチしていても、アプローチする手段がなければ意味がありません。従来のメルマガだけでなく、LINE公式アカウントを導入するなど、適切なアプローチ方法を模索する必要があります。
Response(測定可能性)
Response(測定可能性)とは、セグメントマーケティングの効果を測定できるか判断することです。どんなに商品やサービスが売れても、データがなければ次のマーケティングに活かせません。よってマーケティングを実施した際に、効果測定が行えるかも重要な指標です。
セグメントマーケティングにはLINE公式アカウントがおすすめ
LINE公式アカウントとは、コミュニケーションアプリ「LINE」を活用し、企業や店舗がユーザーとやり取りできるサービスです。企業向けのビジネスアカウントを開設し、友だち追加してくれたユーザーに対して情報発信ができます。
LINEの国内月間利用者数は9,700万人(2024年3月末時点)以上。日本人口の約80%以上がLINEを利用している計算です。参照:LINEヤフー for Business
例えば、「4R」の「Realistic(市場規模の有効性)」では、市場規模やユーザーの数が重要です。LINEのユーザーは9,700万人を超えているため、十分なユーザーにアプローチできます。
そしてLINE公式アカウントには、絞り込み配信(セグメント配信)があります。
選択できる属性項目は以下の5つです。
- 友だち期間
- 性別
- 年齢
- OS
- 地域
これらは、LINE公式アカウントが独自に調査した「みなし属性」です。大まかな分類ではありますが、年齢や性別でセグメントしたい方には最適な機能といえます。
ただし、みなし属性で絞り込むには、ターゲットリーチ数(属性がわかっていて、ブロックしていない友だち数)が100人以上必要となりますので注意してください。
LINE公式アカウントのセグメント配信を活用している企業事例
LINE公式アカウントのセグメント配信を活用している企業の事例を紹介します。
銀のさら
宅配寿司「銀のさら」を全国に約360店舗を展開している、株式会社ライドオンエクスプレス。
同社では、売上拡大を目的にLINE公式アカウントを活用。LINEは生活に密着しているため、「メッセージを読んでもらいやすい」という点に着目しました。
そこでメッセージの一斉配信とセグメント配信を使い分け、ユーザーに適切なアプローチを行っています。
セグメント配信は、店舗ごとの地域限定商品の訴求に活用。その店舗が管轄するエリアのユーザー限定でメッセージを配信しています。特に親戚が集まる長期休暇に注文が増加しているそうです。
このように、地域に合わせた配信を行うことにより、売上アップを図っています。
参照:実売重視の「銀のさら」がデジタル施策としてLINEを活用する理由
ロクシタンジャポン株式会社
コスメティックブランド「L'OCCITANE(ロクシタン)」を展開する化粧品メーカー、ロクシタンジャポン株式会社。同社では、LINE公式アカウントのメッセージ配信を活用して、効率的なマーケティングを行っています。
Messaging APIを活用し、ユーザー情報を獲得したり、メッセージの幅を広げたりして、さまざまな訴求を行っています。
セグメント配信も活用し、新規や購入が少ないライトユーザーに対しては、商品のストーリーを説明、逆に商品の購入が多いロイヤルユーザーに対しては、数量限定の商品をおすすめし、売上アップにつなげています。
さらに属性を絞り込んだ配信をしたいならLステップ
LINE公式アカウントの絞り込み配信(セグメント配信)を活用すれば、ユーザーに刺さりやすい配信が行えます。そしてLINE公式アカウントのセグメントを、さらに細かくしたいならLステップの活用がおすすめです。
Lステップとは、LINE公式アカウントの機能を拡張したマーケティングツールです。LINE公式アカウントよりも細かくセグメントできるため、反応率アップや売上アップが期待できます。
LINE公式アカウントで絞り込める属性は、性別や年齢、地域などに限られます。しかもLINE公式アカウントが独自で調査した「みなし属性」なので、情報が100%正確とはいえません。
一方Lステップでは、友だち1人からでも属性を絞り込み、配信が行えます。「みなし属性」ではなく、友だちのアクションによって得たデータから絞り込めるのがメリットです。
このようにLステップは、細かい条件でセグメントできます。
またLステップでは、テンプレート(カルーセル)などを活用してアンケートを作成できます。
【エステサロンのアンケート例】
このように、選択肢を設定し回答すると、次の設問が配信されるアンケートも作成可能。アンケートの結果を元に、興味関心のある人にだけセグメント配信をすれば、反応率アップが期待できます。
またアンケートの回答によって、その後の配信内容を変えることも可能です。
このようにLステップを活用すれば、友だちを細かく管理できるだけでなく、今後の情報発信の効率化にもつながるでしょう。