
- 自社の制度を、もっとスムーズに活用できる仕組みにしたい。
- 提出物のやりとりを、できるだけ負担なく進められるようにしたい。
そんな課題を、Lステップの活用で解決できることをご存知でしょうか。
今回は、宮崎県三股町で介護・福祉サービス事業を手がけるハラケアシステム様の事例をご紹介します。
申請する側の「面倒」「わかりづらい」を解消しつつ、社内制度を「ちゃんと使ってもらえる仕組み」へと進化させました。
構築を担当した合同会社花菜の村山さんに、制度の運用がしっかり回るようになった背景と、Lステップの具体的な使い方について伺いました。
【村山 美佳】
合同会社花菜代表/Lステップ正規代理店
Lステップ正規代理店として、福祉業界の知見を活かし、事業者の課題に寄り添ったLINE構築・運用サポートを提供。PRプロデューサーとしても活動し、広報視点とLINE活用の二軸のサポートを得意としている。
目次
働きやすさを支える仕組みに潜む3つの課題
――さっそくですが、今回ご紹介いただく事例アカウントについて教えてください。

村山さん
ハラケアシステム様は、宮崎県三股町に拠点を構える企業で、高齢者向けの総合福祉サービスを提供しています。
住宅型有料老人ホームや、デイサービス、訪問介護事業所など、地域の高齢者が安心して暮らせるよう、地元に根ざした経営をされているのが特徴です。
【ハラケアシステム様のYoutubeチャンネル】
職員の方は、100名ほどいらっしゃいます。
私自身も高齢者施設で働いていた経験があるのですが、実は、医療的なケアが必要な方は受け入れを断られてしまうケースも少なくありません。
一方でハラケアシステム様では、どなたでも受け入れ、ともに暮らしを支えていこうという覚悟で事業に取り組んでおられます。
――村山さんが構築に入る前から、ハラケアシステム様はLINE公式アカウントやLステップの運用をされていましたか?

村山さん
LINE公式アカウントはすでに運用されていて、私が把握しているだけでも、2つのアカウントがありました。
ひとつは施設を利用されているご家族との連絡用で、「〇日に面会できます」といったお知らせなど、連絡の窓口として活用されていたんです。
もうひとつはスタッフ向けで、シフト連絡など、情報共有の手段として使われていたようです。
ご家族向けのアカウントについては、今も当時のまま運用が続いていると思います。
Lステップは、社内向けに新たに導入させていただきました。
――Lステップの導入時期はいつ頃でしょうか?

村山さん
2022年4月頃です。
――ハラケアシステム様がLステップを導入するきっかけや、村山さんが構築に携わることになった経緯をお聞かせください。

村山さん
私が所属している経営者団体で、社長様とご縁がありました。
もともとLINE公式アカウントだけでは機能が足りないと感じられていたようで、「LINEでこんなことできないの?」という相談が、Lステップ導入のきっかけです。
――ハラケアシステム様が抱えていた課題やご要望を詳しくお聞かせください。

村山さん
大きく3つの課題がありました。
ひとつめは、「しふく手当」の申請と集計作業についてです。
ハラケアシステム様では、「最も感謝したい」「お手本にしたい」方を、職員全員が毎月申請し、手紙とともに手当を贈る取り組みをされています。
ただ、申請に使っていたGoogleフォームでは、名前の表記ゆれ(たとえば同じ「さいとう」でも漢字が違うなど)が多く、Excelでの集計に手間がかかっていました。
さらに、全員分が月末までに揃わないこともあり、運用の負担が大きかったそうです。
ふたつめは、お弁当の予約運用です。
週に2回、福利厚生の一環として職員に300円でお弁当を提供されているのですが、予約数が読めず、余ってしまう日も多かったようです。
栄養士さんたちが丁寧に考えた、味にも自信のあるお弁当なのですが、注文するには事務所まで行って「お弁当ください」と声をかける必要がありました。
さらに1日20食限定なので、「まだ残っているかどうか」が分からず、注文を見送る方もいたそうです。
そうしたオペレーションの不便さが、食品ロスにもつながっていました。
そして最後は、「気づきメモ」という目安箱的な取り組みの復活です。
以前はアナログで運用されていたものの、うまく仕組みに落とし込めず、そのままやらなくなってしまったそうです。
職員の声を拾える場を、もう一度何らかの形でつくれないか、というのもご相談のひとつでした。
「申請・予約・気づきの見える化」を、回答フォームとカレンダー予約で実現
――課題に対して、どのようなご提案をされましたか?

村山さん
まず、すべての申請操作を、LINE上のリッチメニューから完結できるように整備しました。
毎月の「しふく手当」申請については、名前を選んで回答できるフォームを用意しています。
たとえば渡辺さんなら「わ行」を選択すると、そこに職員さんの名前がずらっと並んでいる仕組みです。
これにより、手入力の手間がなくなりました。
申請が完了した人には「今月回答済み」のタグが付き、「誰に申請したか」もすぐに分かるようになっています。
さらに、回答は毎月CSVでダウンロードでき、私が作成したExcel集計シートに貼り付けるだけで、「誰に対して何件申請があったか」が一覧で見られます。
実際に会計士さんへ「◯◯さんに◯円つけてください」と連絡する際にも使われているそうです。
もうひとつ好評なのが、自動リマインド機能です。
「今月回答済み」のタグが付いていない人には、リマインドメッセージが自動で届きます。
このリマインドは、タグが付く(=回答が完了する)まで自動で繰り返されるので、月末にはほぼ全員が提出してくれるようになりました。
月が変わると全員分のタグが自動でリセットされ、また次の月の申請受付が始まります。
シンプルな運用サイクルで、継続しやすい仕組みになっています。
――かなり改善につながっていますね。その他の課題に対してはどのような提案をされましたか?

村山さん
お弁当の予約には、カレンダー予約機能を導入しました。
週2回、時間帯を2つに分けて、各10食ずつ・合計20食を受け付けています。
カレンダーから日付を選ぶだけで予約でき、売り切れると×印が表示されるため、受付状況がひと目で分かります。
導入当初は、リッチメニューからカレンダー予約画面に飛ぶ仕組みでしたが、後に「◯月◯日のお弁当はこちら」と写真付きで配信し、そこからワンタップで予約できるよう改善しました。
この導線を提案したところ、ご担当の方自ら画像を作成し、リンクを埋め込んだ配信を行うなど、積極的に運用を工夫してくださいました。
予約までの流れがスムーズになり、社内でも好評を得ています。
予約はたとえば11時30分の枠であれば、締め切りは直前の11時29分に設定しています。
「できるだけギリギリまで受け付けたい」という社長様のご意向によるもので、「食べたかったのに…」という人を出さないための配慮でもあります。
また、「気づきメモ」については、自由記述式のシンプルな回答フォームを用意しました。
フォーム設置をきっかけに、社内から少しずつ声が届くようになり、日々のちょっとした気づきを拾う仕組みとして活用されています。
仕組み化と自動リマインドで「しふく手当」の提出忘れがゼロに
――構築の成果をお聞かせください。

村山さん
まず、「しふく手当」の提出忘れがゼロになりました。
回答フォームで簡単に申請できる仕組みを整え、リマインド配信も自動化したことで、毎月末には全員から提出が完了しています。
そのため、事務側から個別に声をかける機会が減り、データの集計もスムーズに進められるようになりました。
お弁当の予約についても、カレンダー予約の導入により利用率が大きく向上し、今ではほぼ完売に近い日も増えています。
食品ロスが減り、効率的な運用につながっていると伺っています。
「気づきメモ」の共有も少しずつ定着してきた印象です。
これまであまり挙がってこなかった声が、今では月に1〜3件ほど届くようになり、職員の方の気づきをもとにした職場環境づくりに役立てられているようです。
利用プランの制約の中で実現した自動リマインド
――提出忘れがなくなったとはすごいですね。他にも構築で工夫された点があれば教えてください。

村山さん
「しふく手当」の提出を促すリマインドを、自動で毎月送れるようにした点は、特に力を入れて構築しました。
こうした定期的なリマインドは、プロプランであれば「アクション管理のスケジュール設定」を使って比較的簡単に実装できます。
ただ今回はスタートプランでの運用だったため、少し工夫が必要でした。
具体的には「シナリオ配信のアクション設定」を使って、特定の日付になると自動でリマインドが送られるよう設計しています。
たとえば「今月回答済み」のタグがついていない人には、25日になると「しふく手当の提出をお願いします」というメッセージが自動で送られる仕組みです。
これは、「友だち情報欄」に登録された「本日の日付」との一致をもとに判断していて、回答済みのタグが付くまで、「26日」「27日」...とリマインドを繰り返します。
さらに、月が変わるタイミングでこれらのタグをリセットし、翌月のリマインドサイクルに備えるという流れです。
試行錯誤しながら組み立てていったものですが、事務側の負担を大きく減らすことができ、実際の運用にも役立っていると感じています。
――なるほど、そんな工夫があったんですね。他にも配信している内容があれば教えてください。

村山さん
Instagramの更新と連動した配信も行っています。
この取り組みは、ハラケアシステム様の広報担当の方が「やってみたい」とおっしゃって始まりました。
私からは「ボタンをつけると、見栄えがよくなってクリック率も上がるかもしれませんよ」といった提案をさせていただきました。
もともとは、ただリンクのURLが表示されているだけだったのですが、少しデザインを加えるだけでも印象が変わりますし、実際すぐに対応してくださいました。
担当の方が、こちらが3つ伝えたら10ぐらい吸収してくださるような方なんです。
本当に運用が上手で、こちらもいつも助けられています。
――構築にはどれくらいの時間を要しましたか?

村山さん
約1ヶ月です。
――本アカウントは、現在も運用支援に入られているのでしょうか。

村山さん
今は運用からは手を離していて、人事部の方が中心となって動かしてくださっています。
――構築後、どれくらいで成果が見え始めましたか?

村山さん
構築直後から、効果を実感していただいています。
――ハラケアシステム様はLステップを導入して、どのように感じていらっしゃいますか?

村山さん
人事部の担当者様から、次のようなコメントをいただいています。
Lステップを導入してから、日々の業務が劇的に改善されました!
お弁当の注文が簡単になり、写真から直接メニューを選べるようになったので、とてもスムーズです。
また、しふく手当の入力状況を自分で確認できるようになり、リマインド配信も追加されたおかげで提出忘れが減りました。
さらに、気づきメモを携帯から簡単に投稿できるようになったため、投稿数が増えています。
これらの変化は、管理側から職員への周知をより効果的にするのに大いに役立っています。今後ともよろしくお願いします。
Lステップとの出会いが転機に
――ここからは村山さんの経歴や、Lステップ構築を始めた経緯についてお伺いできればと思います。まずはプロフィールをご紹介いただけますか。

村山さん
LINEの仕事を始める前は、長く福祉の仕事をしていました。
祖母が交通事故に遭い、介護が必要になったのをきっかけに、大学で「社会福祉士」の資格を取り、障がいのある方の支援に携わっていました。
その後、結婚・離婚を経てシングルマザーになり、再婚を機に田舎への移住を決めたんです。
憧れていた暮らしでしたが、移住先には福祉の仕事がほとんどなくて。
「じゃあ、自分で仕事を作ろう」と思い、これまでの経験をもとにブログを書き始めました。
そのブログが広く読まれるようになって、並行してインスタのフォロワーも少しずつ増えていきました。
――ブログやインスタでの発信がきっかけで、LINEやLステップの活用につながったのでしょうか?

村山さん
そうですね。
発信を通じて出会った方とは、どうしても一期一会になりがちでした。
たとえば「この商品、この人に合いそう」と思っても、毎回DMでやりとりするのは手間も時間もかかるんです。
ブログも、検索で来てくれた人が商品を買ってくれても、リピートにはなかなかつながらなくて「もっと継続的に提案できたら」と感じていました。
そんな中でLINE公式アカウントを使い始め、最初は個別に「こういう商品どうですか?」と送っていたんですが、全員にやるのはさすがに無理がありました。
そこで、Lステップの「ステップ配信」という機能を知り「これなら効率よく、ちゃんと伝えたい人に届けられるかも」と思い、すぐ取り入れたんです。
――正規代理店になった経緯を教えていただけますか?

村山さん
Lステップを使いはじめてから売上がかなり伸びてきました。
同時に「こうしたLINEの運用技術を企業も求めているらしい」という情報を耳にしたんです。
まだ正規代理店制度を知らなかった頃でしたが、「じゃあ学んでみよう」と思い、Lステップ認定トレーナーの堤さんのコンサルタント講座を受講しました。
その後、マネクル主催の講座にサポーターとして参加し、正規代理店になったという流れです。
――村山さんはPRプロデューサーとしても活動されていますが、広報に携わる中で、LINEやLステップの役割や魅力はどう感じていますか?

村山さん
LステップやLINEは、お客さんとの「一対一」の関係性を深めていける点が大きな特徴だと思っています。
一方で広報は、企業からマスメディアに向けて、より広く認知を取っていくためのもの。
全体的な認知度を上げるには有効ですが、一対一のつながりはどうしても薄くなりがちです。
広報活動とLINEを組み合わせることで、伝えたい想いを、より確実に、そして丁寧に届けられるんじゃないかと感じています。
――対応エリアは全国ですか?

村山さん
オンラインで全国対応可能です。
宮崎県在住のため、県内では訪問対応も行っています。
――構築のみのケースと、運用サポートまで含めたケースでは、どちらのご依頼が多いでしょうか?

村山さん
ほとんどの場合、運用サポートもセットでご提案しています。
業務改善系のご相談では、構築後3〜4ヶ月ほどサポートし、ご自身で運用できるようになるケースが多いです。
リニューアルなどの場合は、別途ご相談のうえ対応させていただいています。
――得意とする業種・業態はありますか?

村山さん
福祉関係の案件では、自分の経験を活かせる場面が多いですね。
前職で福祉の現場にいて、事務的な業務も含めて幅広く担当していたので、現場の事務の方がどんなことで困るのか、どこに課題を感じているのかがよくわかるんです。
だからこそ、お手伝いできる部分があると思っています。
――乙房こども園様の事例からも、内製化研修に力を入れておられる印象を受けました。現場を見る中で「内製化を進めたほうがいい」と感じる場面が多かったからでしょうか?

村山さん
そうですね。
最初の頃は、内製化を目的とした研修は実施していなかったんですが、それだとなかなか活用まで進まないケースが多かったんです。
「箱だけ作って終わり」になるのは、やっぱりもったいないと感じていました。
そこから「きちんと使いこなしてもらうことが何より大事」だと考えるようになり、サポート体制を強化しました。
認定コンサルタントの安井さんから、研修の進め方を教わり、以降は納品時の説明を丁寧に行いながら、月次対応でも繰り返し操作をご案内しています。
【研修の様子】
Lステップの使い方などは、説明動画を撮って納品時にお渡ししています。
LINE上に直接送ると閲覧期限が切れて見れなくなる場合もあるので、再生リストにまとめて、いつでも見返せるようにしていますね。
実際に活用できる状態を目指し、一緒に進める形を大切にしています。
――最後にご自身の強みや、クライアントワークをする上で大切にしていることをお聞かせください。

村山さん
専門用語や横文字は、なるべく使わないようにしています。
たとえば「リスケ(リスケジュール)」のような言葉も、地元の工務店さんには伝わらない場合があるんですよね。
業界内では当たり前でも、相手に伝わらなければ意味がないので、わかりやすい伝え方を意識しています。
もう一つ意識しているのは、レスポンスの速さです。
私自身、待たされるのが苦手なので、お客様にもなるべく不安やストレスを感じさせたくなくて。
すぐに返せないときでも「〇日にお返事しますね」とひと言添えるようにしています。
何でも気軽に相談できる雰囲気をつくることが、自分の強みだと思っています。
まとめ
今回は、合同会社花菜代表の村山さんに、介護・福祉サービスを手がけるハラケアシステム様のLステップ導入事例についてお話を伺いました。
福利厚生申請の提出漏れや手続きの管理に悩む企業担当者の方に、ぜひ参考にしていただきたい内容です。
LINEを活用した業務改善や、広報とLINE活用の二軸でのサポートをご希望の方は、ぜひ下記より村山さんへお問い合わせください。