
LINEヤフー株式会社は、2025年7月1日にLINE公式アカウントでは初となる「LINE公式アカウントの品質に関する透明性レポート」を発表しました。
発表している内容は、2024年度下半期(2024年10月~2025年3月)の結果です。
この記事では、透明性レポートで紹介しているモニタリングや認証済アカウントの審査の結果について、一部内容を抜粋しながら概要を紹介します。
ぜひ参考に最後まで読んでください。
「LINE公式アカウントの品質に関する透明性レポート」はこちら
目次
透明性レポートとは
透明性レポートとは、企業や組織が自社の活動やデータ処理に関する情報を公開し、透明性を高めるためのレポートです。
簡単に言うと、
- 何をしているかを外部に見せる
- どんな問題があったかを数字で示す
- どう対処したかを説明する
といった内容が記載されています。
これらを具体的な数字と一緒に公開することで、「私たちはきちんと管理しています」とユーザーや社会に示すためのものです。
最近は法律でも透明性を求められるので、多くの企業が自主的に公開するようになっています。
LINEヤフー社の透明性レポートの背景
今回、LINEヤフー社が透明性レポートを発表した背景として、次のように説明しています。
昨今、インターネット業界では広告における取引透明化法(特定デジタルプラットフォームの透明性及び公正性の向上に関する法律)や、SNSにおける情報流通プラットフォーム対処法(特定デジタルプラットフォームの透明性及び公正性の向上に関する法律)のように、企業に対して運用状況の透明化を求める動きが加速しています。
LINE公式アカウントは上記の法律において指定は受けていないものの、昨今の状況を踏まえ、運用の透明化を目指したさまざまな取り組みを行っています。
その一例として、今回の透明性レポートを公表しています。
なお、LINE公式アカウントのモニタリングや認証審査は、以下の利用規約やガイドラインに基づいて実施されていますので、一度は目を通しておくことをオススメします。
LINE公式アカウントのモニタリング状況
LINE公式アカウントとは、店舗や企業側から情報を発信できるビジネス用のLINEアカウントで、大きく分けて「認証済アカウント」「未認証アカウント」の2種類があります。
認証済アカウントは、所定の審査を通過することで利用できるアカウントです。
どちらの種別のアカウントについても例外なく、アカウント運用中にモニタリングが実施されています。
LINEヤフー社は品質維持や向上のため、LINE公式アカウントから行われた以下の内容について「AIを活用したシステム」や「人の目」によるモニタリングを24時間365日実施しています。
モニタリングの監視対象は以下の通りです。
メッセージプロフィール :アカウントの基本情報
LINE VOOM投稿 :LINE公式アカウントからの投稿内容
【モニタリングの流れ】
LINEヤフー社が行うパトロールに加え、ユーザーからの通報の確認も実施しており、違反と判断した場合は、投稿やコンテンツの非表示、アカウント停止、またはその両方の対処が行われます。
LINE公式アカウントを運用する中でよく利用する、一斉配信メッセージも監視対象になっています。
配信文が心配な方は、LINEヤフー社の利用規約・ガイドラインをしっかり確認し、AIもうまく活用しながら健全な運営を心がけましょう。
2024年度下半期の措置実績
今回発表された、2024年10月~2025年3月の下半期の実績を紹介します。
「アカウント停止」と「コンテンツ非表示」の全措置件数のうち、ユーザー通報や問い合わせなどの第三者からの指摘があって措置されたものが約66%、パトロールをきっかけとした措置が約34%となっています。
アカウント停止数は137,813件
対象期間中にモニタリングにてアカウントが停止(垢BAN)された件数は、137,813件でした。
具体的な割合は記載されていませんが、半数以上が「第三者からの指摘アカウント停止」があり、違反が確認されてアカウント停止になっています。
主なアカウント停止理由は「不快または迷惑と思う内容の配信」「違法または違法行為を助長するような行為」が大多数を占めています。
「不快または迷惑と思う内容の配信」の例
- 複数アカウントから同一もしくは類似した出会い
- 繋がりを促す、またはわいせつな内容の投稿を行い、それをきっかけに出会いやアダルトサービスへの登録を促すスパム行為
- 暴言・誹謗中傷をするなどのユーザーに迷惑となるもの
「違法または違法行為を助長するような行為」の例
- 法律で厳しく取り締まられているような投資詐欺などの各種詐欺行為
- 仕事内容を明記せずに高額な報酬のみが提示されるような求人の配信(闇バイトと見なされる求人)
LINE公式アカウントが利用停止や凍結されると、今まで積み上げてきた努力が無駄になってしまいます。そうならないためにも、LINEヤフー社の利用規約をしっかりと確認して、アカウント停止(垢BAN)対策をしましょう。
コンテンツ非表示は27,626件
モニタリング対象のうちLINE VOOM投稿で違反が確認された場合、投稿が非表示になります。その件数は27,626件でした。
こちらはアカウント停止と比べると、LINEヤフー社のパトロールをきっかけに非表示となっているコンテンツが多いようです。
主なコンテンツ非表示理由は「わいせつ表現」「不快または迷惑と思う内容の配信」が目立ちます。
「不快または迷惑と思う内容の配信」の例
- ユーザーの意向を無視して、出会い系サイト等への登録を促す投稿
- ツールやbot等を使用して、自動的かつ短期間にメッセージやスタンプを不特定多数のユーザーに連投する投稿
その他にも「LINEヤフー社または他社のロゴやコンテンツを無断で使用する投稿」「偽造品販売サイトに誘導する投稿」なども禁止例としてあります。
LINEヤフー社の「配信コンテンツに関する禁止事項」のページにもいくつか禁止例が記載されておりますので、チェックしてみてください。
認証済アカウントの審査状況
「認証済アカウント」とは、LINEヤフー社の所定の審査を通過することで利用できるアカウントです。
LINEヤフー社の審査に通過すると、認証済アカウントとして運用できるようになります。認証済バッチが付いたり、検索結果に表示されたりなど、さまざまな恩恵を受けられるのがメリットです。
審査は以下の流れで行われます。
審査は無料ですので、認証済アカウントのメリットも考慮しながら申請してみてください。
非承認件数は57,365件
認証済アカウント審査における非承認件数は57,365件でした。
非承認の理由としては「実在確認」「情報が不足しているもの」が目立ちます。
「実在確認」とは、世の中に実際に存在している企業・店舗・サービス等であるかを確認する審査内容の一つです。
「情報が不足しているもの」では、企業・店舗、またはそのサービス内容に関する情報が不足していて、ユーザーが安全かつ確実にサービスを受けられるか不確かな場合が該当します。
その他は申請情報の虚偽や、利用規約に違反するものが多数を占めています。
また、LINE公式アカウントガイドラインで定められている「ご利用いただけない業種・業態、商品・サービス」に該当するアカウントも非承認となります。
「ご利用いただけない業種・業態、商品・サービス」」に関しては、LINE公式アカウントそのものが使えなくなる可能性も高いので、自社サービスが該当しないか、今一度確認することをオススメします。
詐欺対策の強化と機能改善
昨今、SNSを悪用した投資詐欺の被害が全国的に急増していることを受け、LINE公式アカウントでも詐欺対策を大幅に強化しています。
例えば、通報時に選択する通報理由に「なりすまし」「詐欺」の項目が追加されたのも、取り組みの一貫です。
また、以下のようにトークルームや未認証アカウントの友だち追加時に注意喚起の表示を見かけた方も多いでしょう。
このような機能面での対策も行われています。
他にも、LINE公式アカウント作成時にSMS認証が追加されるなど、今後も安心・安全な利用環境維持に向けた取り組みが行われます。
詐欺アカウントと間違われないように、正しいLINE公式アカウントの運用を実施しましょう。
まとめ
今回は、LINEヤフー社が発表した「LINE公式アカウントの品質に関する透明性レポート」についてまとめました。
LINE公式アカウントでは初となる透明性レポートですが、今後も継続してパトロールの強化や審査、機能改善が行われるでしょう。
ただし、過度に心配する必要はありません。規約を守って運営すれば安心して利用できます。
LINEは現代のビジネスにとって欠かせないコミュニケーションツール。自社のLINE公式アカウントをしっかりと運用するためにも、この記事を参考にアカウントの情報や日々の配信などを見直してみてください。