アナログな情報発信で効率が悪く、適切な顧客管理やコミュニケーションができていない、予約のキャンセルが多いなどの悩みを抱えるサロンは少なくありません。
昨今はこのようなサロンの課題をLINEで解消できることはご存知でしょうか。
今回は、株式会社ジャパンパシフィックマネージメント代表の冨田さんに、LINEを活用して客単価や回転率をアップ、キャンセル率の改善などを行い、サロンの売上を倍増させた「ヘアカラー専門店のLステップ導入事例」をご紹介いただきました。
株式会社ジャパンパシフィックマネージメント代表取締役。
Lステップ認定コンサルタント。ハウスメーカーや医療サービス、税理士や専門性の高いサービスを販売している企業のLINE構築・運用支援が得意。「クライアントと一生のパートナーになる」をモットーに、働く皆様の想いや歴史的背景を何よりも大切にしたコンサルティングを行っている。
目次
他店との差別化や教育に課題を感じていた
――さっそくですが、今回ご紹介いただく事例アカウントについて教えていただけますか。
――構築をされたのはいつ頃でしょうか?
冨田さん
2023年6月頃です。
――現在まで運用支援もされていますか?
冨田さん
はい、しています。
――冨田さんが構築に携わる前から、ベイコローレ様ではLINE公式アカウントやLステップの導入・運用はされていましたか?
冨田さん
どちらも導入していませんでした。
――ベイコローレ様がLステップを導入するきっかけや、冨田さんが構築に携わることになった経緯をお聞かせいただけますか。
冨田さん
ベイコローレ代表の魚住さんからは、ある経営者コミュニティ経由でお問い合わせをいただきました。
魚住さんは元々競合の多いヘアカラー専門店を展開していた中で、お客様に似合った髪色を提案するパーソナルカラー診断を差別化ポイントとして、集客を行っていました。
当時から集客に成功していて、日々忙しくされていましたが、このパーソナルカラー診断のスタッフ教育に苦労をされていたり、そもそも利益率の低い薄利多売なビジネスモデルを改善したいと試行錯誤をされていました。
そんな時にLINEを使った情報発信に関して興味を持たれて、LINEを使った施策提案の機会をいただきました。
――いろいろ悩まれていたんですね。ご依頼いただいた決定的な理由はどのようなものでしたでしょうか?
冨田さん
一番は当時ものすごく労力がかかっていたパーソナルカラー診断を自動化できるようになる点ですね。
また、自社アプリなどではなく、これだけ普及しているLINEで完結できるという点も決め手になったと思います。
その他、Lステップのカレンダー予約機能を活用して予約前日や当日にリマインドメッセージを送ってキャンセル率を改善したり、休眠顧客に対してDMをお送りして、LINEに誘導することで一定数の掘り起こしを狙う施策など、プラスアルファーの提案にも価値を感じていただけたと思います。
【お送りしたDM】
LINE上でパーソナルカラー診断をしたい
――ベイコローレ様が抱えていた課題や要望をお聞かせください。
冨田さん
やはり、一番は他店との差別化を図るために行っていたパーソナルカラー診断の自動化が一番の要望でした。
元々、お客様に合った最適なヘアカラーを提案するためのヒアリングやカラーの提案まですべて紙のヒアリングシートを使ってアナログで行っており、担当できるスタッフも限られていました。
【今まで使用していた診断表】
他店との差別化を図るために行っていたサービスですが、どうしても対応工数がかかってしまうため新規のお客様が来店した際にパーソナルカラー診断を希望されると回転率が下がり、売上が下がってしまうという課題もありました。
――課題に対する冨田さんのご提案をお聞かせいただけますか。
冨田さん
LINE公式アカウント内のリッチメニューに診断コンテンツを構築し、お客様ご自身のスマートフォンから直接質問にお答えいただくことで、簡単にパーソナルカラー診断を行えるようになる施策を提案しました。
【リッチメニュー】
【パーソナルカラー診断】
診断コンテンツは、極力文章を使わずにビジュアルで分かりやすくするためにカルーセルを使わずに、すべてリッチメッセージで作成しています。
このようにLINE上でお客様がご自身で質問に回答することで最終的な診断結果まで自動で進めるように構築した結果、新人スタッフでもパーソナルカラー診断の対応がスムーズにできるようになり、初回来店時のお客様にかかる対応時間の削減にも繋がりました。
――画像がとてもわかりやすいので、お客様も回答しやすそうですね。
冨田さん
色の組み合わせが無限にあるので、大変だった部分ではありますが、クライアントや来店したお客様からもとても好評です。
――診断をLINEにしたことにより、どんな成果がありましたか?
冨田さん
これまで1時間に3人のお客様しか対応出来なかったところが、4人埋められるようになり、回転率が上がることで、その分売上も上がりました。
――LINE公式アカウントへの友だち集めはどのようにされていますか?
冨田さん
友だち追加施策としては、店頭での受付、ベイコローレに来店された方のカウンセリングシートに記載された住所に対するダイレクトメールの発送、LINE友だち追加広告、HPやSNS経由も多少あります。
友だち追加特典として、友だち追加時のアンケートに回答いただいた方へ『頭皮を痛めるNG習慣11選』のPDFを用意しました。
『頭皮を痛めるNG習慣11選』PDF
――シナリオ配信はされていますか?
冨田さん
はい、友だち追加後に約1ヶ月間にわたり、頭皮の悩みに関するシナリオ配信を行い、顧客教育を行ったうえで無料の頭皮診断に誘導しています。
元々利益率の低いビジネスモデルからの脱却を目指されていたので、根本的な髪のトラブルを解決するための育毛に関する高額バックエンド商品の開発を一緒に行い、髪質改善ヘアケアセットと無料頭皮相談をオファーとして店舗への来店を促しました。
サービスを訴求するために簡易的なLP風回答フォームも作成しましたが、薬機法に関わる部分でしたので、クライアントや顧問弁護士とも関係法令に反しないよう注意しました。
【回答フォームで作成した新メニュー紹介用LP】
リマインダ配信で予約のドタキャンがほぼゼロに
――Lステップ導入後の成果をお聞かせいただけますか。
冨田さん
客単価は約1.8倍、回転率は約1.3倍、一緒に開発した20〜60万円の高額バックエンド商品も1年で30件以上販売することができました。
要因としては、本来人ではなくても出来る業務をシステムで行ったことにより、付加価値の高い高額商品の訴求や個々のヒアリングなど人がすべき業務にリソースを当てられたことやこれまで放置していた既存顧客リストに対してアプローチを行ったことがあげられます。
また、数十万円のバックエンド商品の購入に対して足踏みをしてしまうお客様に向けた数万円程度のミドルエンド商品を開発したことで、ミドルエンド商品の購入後にサービスの価値を理解し、最終的にバックエンド商品を購入してくださるお客様も続出し、結果として成果に繋がったと思います。
――具体的に客単価はいくらからいくらになりましたか?
冨田さん
LINE導入前は2,700円前後だったのが、今は4,800円前後、5,000円を超える月もあるそうです。
――素晴らしい成果ですね。バックエンド商品の販売にあたって工夫した点はありますか?
冨田さん
先ほどお伝えしたミドルエンド商品を開発したことに加えて工夫した点として、動画を使ったプロダクトローンチを行いました。
やはり、1人1人のお客様に直接対面で情報を届けられるのが一番の理想ですが、現実的に不可能ですし、中には『売り込まれた』『押し売りされた』と感じてしまうお客様もいらっしゃいます。
なので、バックエンド商品開発にあたっての魚住さんご自身の想いを込めた台本に書き上げていただき、僕が添削しながら魚住さんご自身にお客様に向けた動画を撮影していただき、LINEから配信をする施策を行い反応を見ました。
動画を活用した訴求に対しては、当初魚住さんもかなり抵抗を感じていましたが、いざ配信してみると想像以上に反応がよく、魚住さんにもチャレンジして本当に良かったと言ってくださっています。
【ローンチ動画】
――ゼロから台本を考えたり、撮影や編集したり、いろいろ大変だったのではないですか?
冨田さん
僕もYouTubeをやってるので気持ちはわかりますが、本当に大変だったと思います。
魚住さんも動画作成にあたっては、撮影しては消してを繰り返して、朝から夜まで何十回も撮り直しをしたり、時間があれば家事の途中やお風呂の中でも独り言のように台本を読みながら暗記したりと、本当に頑張ってくださいました。
――予約もLステップで構築されて、成果はいかがでしたでしょうか?
冨田さん
予約管理は元々別の予約プラットフォームを使っていましたが、Lステップのカレンダー予約に一本化しました。
元々使っていた予約プラットフォームでは細かな時間設定ができなかったり、メニューを増やせなかったり、やりたいことができなくて限界を感じられていたそうです。
今回予約管理をLステップのカレンダー予約に変えたことで、元々2店舗合計で月に約8万円かかっていた経費を削減できました。
――別のツールから変えたことにより大変だったことはありますか?
冨田さん
大変だったこととしては、これまで使い慣れていた予約プラットフォームからLステップのカレンダー予約に切り替える際の現場との調整や指導が大変でした。
いつの予約から何がどのように変わるのかなど、細かい運用面も含めて、現場の方々にも本当に頑張っていただいたと思います。
――予約フォームが変わったことでお客様からのお声はいかがでしょうか?
冨田さん
予約の前日や直前にリマインドメッセージが届くことでうっかり予約を忘れてしまうようなことがなくなったと喜んでいただいてるそうです。
中には予約30分前に送られるリマインドメッセージを見て徒歩圏内にお住まいのお客様が急いで店に向かってくれたり、予約変更の連絡を入れてくれるようになったことでドタキャンがほとんどなくなりました。
手書きで管理していたカルテをデジタル化
――他にLステップを活用して良かったことはありますか?
冨田さん
元々手書きで管理していたカルテをLステップ内で管理するようになって、管理が楽になったと言っていただいています。
例えば、施術中の会話の中であったお客様の情報や個別のメモなどを全てLステップに記載することでスタッフ間の情報共有がスムーズになったそうです。
――そういった細かな工夫も素晴らしいですね。ベイコローレ様はLステップを導入してどのように感じていらっしゃいますか?
冨田さん
元々要望としていただいていたパーソナルカラー診断をLINE上で自動化できたことは、もちろん喜んでくださっていますが、一生懸命作成した動画配信を通じて高額バックエンド商品が売れるようになったり、予約管理を効率化出来たり、LINEを通じてあらゆる課題解決の成功体験を積み重ねていったことで、1つのLINEがスタッフ全員の真ん中にあるような気持ちで日々運用してくださっていると言ってくださっています。
まさにコンサルタントとして、冥利に尽きるなと感じています。
絵に描いた餅で終わらせない「実行力」
――冨田さんの拠点はどちらですか?
冨田さん
会社は大阪府です。
――対応エリアは全国ですか?
冨田さん
はい、全国対応しています。
――得意とする業種・業態はありますか?
冨田さん
ハウスメーカーや不動産など単価の高い商品を取り扱う企業や、整形外科や美容外科などの自費診療の医療サービスで、特にリスティング広告などWeb広告を活用している企業を得意としています。
あとは、会計士や税理士のような契約期間が長い商品を扱っている事業者や、講師・著者など専門性の高い業種が得意です。
――構築後、運用まで担当するケースが多いですか?
冨田さん
基本的に構築単発の依頼は受けていなくて、コンサルティング契約とセットで受けています。
Lステップを構築してそのまま納品しても、きちんと運用できるクライアントは少ないので、基本的には継続的にお付き合いさせていただくクライアントが大半です。
――どういう経緯でご依頼がくるケースが多いですか?
冨田さん
既存クライアントのつながりで連絡いただくことが多いですが、法人のクライアントを持つ会計士、弁護士などの士業や別領域のコンサルティング会社など各種専門家の方々からご紹介をいただくことも多いです。
その他、僕がYouTubeチャンネルをやっているので、YouTubeなどのSNS経由やセミナー経由もあります。
最近では、LINE公式アカウント/Lステップに関する書籍も出版したので、書籍経由でのお問い合わせも増えてきました。
――冨田さんのYouTubeチャンネルや書籍も好評ですよね。
冨田さん
ありがとうございます。やっぱり、クライアントとの生の声はとてもリアリティがあるので見込み客やクライアントからはもちろん、同業者の方々からも評価をいただいています。
――冨田さんの強みや、クライアントワークをする上で大切にしていることをお聞かせいただけますか。
冨田さん
まとめ
今回は株式会社ジャパンパシフィックマネージメント代表の冨田さんに、ヘアカラー専門店のLステップ導入事例をご紹介いただきました。
Lステップの構築だけでなく運用込みでご依頼したい方、二人三脚でしっかりと寄り添ってもらいたい方に、冨田さんはぴったりです。ご相談を希望される方は、以下のHPからご連絡してみてください。