今回は、株式会社LFLOW代表取締役の米澤さんに「ペットショップのLステップ導入事例」をご紹介いただきました。
Lステップ導入前の課題
- 個別相談が増えすぎて返信が追いついていなかった
- スタッフの作業負担も増加していた
- 子猫の出産予約をした方の離脱率が5〜6割と高かった
Lステップ導入後の成果
- 個別相談を有料化し、件数の削減と売上につなげる
- 自動化による業務効率化で、スタッフの負担軽減に成功
- 出産待ちの期間にシナリオを配信し、離脱率は大幅に改善
店舗やECサイトの工数削減を行いたい方は、ぜひ参考にしてみてください。
【米澤 圭】
株式会社LFLOW 代表取締役/Lステップ認定コンサルタント
Web広告とLINEを掛け合わせたワンストップマーケティングが強み。レスリングで東京オリンピックの強化選手に選ばれた実績と、その過程での努力や挫折の経験をもとに、お客様に寄り添ったサービスを提供している。
業務負担を減らしたかった
――さっそくですが、今回ご紹介いただく事例アカウントについてお聞かせください。
米澤さん
猫専門のペットショップ「ビークラブ猫店」様です。
代表の沢辺さんは猫のブリーダーで、YouTubeで猫の飼育に関する情報発信もされており、チャンネル登録者数は10万人を超えています。
そのほか、ペットホテルの経営や猫のグッズを扱うオンラインショップなど、幅広い事業を展開されている方です。
――米澤さんが構築に入る前から、ビークラブ猫店様はLINE公式アカウントやLステップの運用をされていましたか?
米澤さん
LINE公式アカウントのみ運用されていました。すでにリッチメニューは設定されていましたが、お客様対応や情報発信などは、ほとんど手動で行われていたようです。
――Lステップの導入時期はいつ頃でしょうか。
米澤さん
1年ほど前です。
――ビークラブ猫店様がLステップを導入するきっかけや、米澤さんが構築を担当する経緯をお聞かせいただけますか?
米澤さん
当初からLステップの導入は検討されていたようで、複数社から相見積も取られていたと伺っています。
弊社にご依頼いただいた経緯としては、元々はデザイン面でご相談を受けたのがきっかけです。
お話の中で、弊社のデザイナーがLステップの構築もできる旨をお伝えしたところ、ご依頼いただく流れになりました。
ヒアリングの段階から、具体的なイメージや費用対効果、全体的なスケジュール感まで明確に提示させていただいたので、それが安心感につながったようです。
――現在も御社で運用支援をされていますか?
米澤さん
いいえ。先方で運用できるスタッフがいらっしゃるので、現在はそちらにお任せしています。
内製化研修まではいきませんが、最初の2〜3ヶ月程は運用に入らせていただいて、最低限押さえておくべきポイントなどはお伝えさせてもらいました。
――ビークラブ猫店様が抱えていた課題や要望をお聞かせください。
米澤さん
1番のご要望は工数削減です。YouTubeからLINE公式アカウントに登録したお客様から直接相談がきていたようで、当初はお1人で無料で個別に返信されていたと伺っています。
沢辺さんご自身、お客様に親身に向き合われる方なので、一件一件丁寧に返信されていたようですね。
ただ、LINEの友だち数が1,000~1,500人に増えてきた段階で、どうしても手作業での返信が難しくなってきたとお伺いしています。
途中からは、トリマーのスタッフにも作業を手伝ってもらっていたようですが、今度はスタッフの負担が増え、本業のトリミングに専念できない状況だったようです。
そこで業務負担の軽減を目的に、LINE構築に注目されたと伺っています。その他のご要望としては、
- 別サービスへの導線設計
- 出産から引き渡しまでの離脱防止
なども挙げられていました。
YouTubeをフロントに、多岐にわたる事業を運営されている方なので、LINE内に情報を集約できないか、というのもひとつです。
特にECは商品数も多いため、お客様からは何を選べばいいのかわからない、といったご相談も少なくなかったと伺っています。
また子猫の出産予約もされているのですが、お引渡しまでに数ヶ月のリードタイムがかかるので、出産まで待ちきれなくて、他店で購入されるケースも少なくなかったようです。
例えば10件の出産待ちがあったとしても、そのうちの5〜6割ほどは別の店舗に流れてしまう状態だったとお伺いしています。
構築面に関しても、やりたいことは何となく決められていましたね。先方からは、箇条書きのような形で大まかなイメージもいただいておりました。
――ビークラブ猫店様の方でも、何をしたいのかがある程度明確な状態だったのですね。
米澤さん
はい。例えば診断コンテンツに関しては、当初から5〜6個程ご用意されていました。
やりたい項目を列挙していただいた上で、実現可能かどうか、売上につながるコンテンツなのかなど、具体的にイメージを擦り合わせいった形です。
個別相談を有料化しスムーズな導線を構築
――課題に対するご提案をお聞かせいただけますか。
米澤さん
主なご提案は次の通りです。
- 無料相談の有料化
- 診断による導線設計
- 出産までのフォローアップ
まずは、子猫に対する知識や、お迎えされる前段階のサポートとして、これまで無料で行っていた飼育相談を「ニャンでも相談室」として有料化しました。
具体的には、リッチメニュー内に相談の項目を常設化し、タップをすると相談用の回答フォームが表示される仕組みです。
【リッチメニュー】
【ニャンでも相談室】
ネーミングやライティングの部分含め、弊社で巻き取らせていただいて、沢辺さんと擦り合わせながら作り上げていきました。ちなみに決済システムはStripeと連携しています。
次に診断ですが、当初複数案をお持ちでしたが、沢辺さんが1番やりたい内容と、売上につながる部分をピックアップして、2つに絞ることにしました。
沢辺さんのお話によると、どうやらサークルの売れ行きが好調とのことでしたので、1つ目の診断として「サークル診断」を構築しています。
【サークル診断】
飼い猫の性格や大きさによって、猫ちゃんに合ったサークルをご提案する流れです。
こちらの診断では、飼育を始める前準備として、用意しておいた方がよい商品をご案内させていただくイメージですね。
――ECショップへの導線として、とてもスムーズな印象です。2つ目の診断についてもお聞かせいただけますか?
米澤さん
はい。2つ目の「幸福度診断」に関しては、有料の飼育相談への導線として設計しています。
【幸福度診断】
それぞれの役割としては、
- サークル診断 → ECショップ
- 幸福度診断 → 有料の飼育相談
と、2つの診断ごとに、売上に直結する部分への導線として設置しています。
――あいさつメッセージでアンケートを配信し、その後回答を促すリマインドを設定されていますね。シナリオ配信も組まれていますか?
米澤さん
登録直後に関しては、アンケートへのリマインド以外に基本的に組んでいません。
【あいさつメッセージ】
ただ子猫の出産予約については別で、ご予約いただいたお客様には自動でリマインドが流れる設計にしています。
と言うのも、冒頭でもお伝えしましたが、予約からお引渡しまでの期間が空いてしまうと、どうしても途中離脱が多くなってしまうためです。
ですので例えば、子猫を飼うまでの準備や心構えなど、必要な情報を段階的にお伝えし、なるべくお客様の熱量を下げないような設計にしました。
元々、沢辺さんが精力的にYouTubeで情報発信もされているので、そういったコンテンツを再利用しつつ、お客様の段階に応じた配信を心がけています。
【通常配信】
お客様が求めている情報を、必要なタイミングで届けられるのがLINEの強みだと思うので、1対1のマーケティングは特にこだわったポイントです。
――子猫の予約はLINEからも受け付けているのでしょうか?
米澤さん
はい。流入経路とQRコードを作って、読み込むと出産の予約フォームが表示される設定です。そこから予約をしていただくと、シナリオが自動で発生します。
診断経由のEC送客率は60%超え
――構築の成果をお聞かせいただけますか。
米澤さん
今まで、手作業で行っていた配信や商品の宣伝など、煩雑な業務がほぼゼロになったとお伺いしています。
現在は運用から離れているので、具体的な数値は追えていませんが、沢辺さんからは「業務効率化もできたし、売上も上がりました」と大変喜んでいただけました。
中でも子猫の出産予約に関しては、離脱率が大幅に改善されたとお伺いしています。特に単価が大きい部分なので、直接的な売上アップにつながっているようです。
また飼育相談の有料化により、ちゃんとしたお悩みを持ったお客様だけが相談に来てくださるようになり、効率的に収益化できるようになったとも伺っています。
今回の成果は、沢辺さんご自身が、1対1のマーケティングを実践していただいたからこそでもありますね。
自動化できる部分は自動化し、お客様と向き合う部分は手動で行う、このような半自動化を実装できたのが大きかったです。
――工数削減と同時に、売上アップにもつながっているわけですね。診断に関してはいかがでしょうか?
米澤さん
運用初期の数値ではありますが、サークル診断を実施された方の60%がECへと遷移しています。広告効果としては、かなり高い数字ではないでしょうか。
幸福度診断に関しても、LINE公式アカウントから移行した人数が4129人いらっしゃって、そのうち診断を行った割合は38.4%と、まずまずの結果です。
――本当に興味のある層を送客できているイメージですね。既存リストのLステップへの移行は、どのようにして行われましたか?
米澤さん
特典のプレゼントと、リニューアルのご案内を行いました。
――友だち登録数が1万人を超えていますが、流入先としてはYouTubeが多いのでしょうか?
米澤さん
はい。YouTubeのチャンネル登録者数が10万人以上いらっしゃるので、そこからの登録が多いですね。あとはオフラインでも、LINE登録への導線は構築しています。
――トリミングとホテル予約への導線も構築されていますが、別アカウントへ遷移する設計ですね。こちらにはLステップを導入されていないのですか?
米澤さん
そうですね。トリミングやホテル予約のアカウントに関しては、先方で用意されていたものなので、LINE公式アカウントのみで運用されています。
――その他、米澤さんの中でこだわったポイントや、工夫した部分があれば教えていただけますか?
米澤さん
今回に関しては、沢辺さんの方でやりたいことがある程度固まっていたので、本当に必要な部分をピックアップしていく作業に注力しました。
当初から、ご提案いただいた内容がかなりオーバー気味で、すべて入れるとなるとそれなりに料金もかかりますし、使われそうにないコンテンツも多々見受けられたんです。
ですので僕の方では、クライアントのコストを下げつつ、成果に直結する部分だけを抽出するよう意識していました。
ストレートに、辞めた方がいいですよと言うのではなく、こういう意図があるならこうした方がいいですよ、と一緒に発掘作業をしながら進めていったイメージです。
「ちゃんと言ってくれる」といった安心感も、最終的な満足感へつながったとおっしゃっていただけました。
――ご希望されていた内容の中には、あまり効果が得られなさそうにないご要望も多かったのでしょうか?
米澤さん
そうですね。冒頭でも述べましたが、当初は診断に関しても、5〜6個ほど構築したいとおっしゃっていただいておりましたので。
お客様に楽しんでもらう、といった観点では悪くはないと思うのですが、全体最適で考えた場合、必ずしも正解とは言い切れないんですよね。
全員にコンテンツを楽しんでもらえるわけではありませんし、何より売上につながるかは別の話です。
反対に情報量を増やし過ぎると、本当に重要な内容が刺さりにくくなると思っています。
例えばリッチメニューはすごく高級感があっても、それが売上につながっているかというと、そうでもないケースもめずらしくありません。
なので構築はシンプルにして、配信面を強めていった方がよいんじゃないのかな、といった考えが僕の持論です。
――なるほど。ちなみに、配信数に関してはどれぐらいの頻度をベースにされていますか?
米澤さん
サービスの設計上は月4回までにしていますが、都度変更するようにしています。
例えばキャンペーンや重要な配信を行う際には、配信数を増やして一気に攻めるなど、メリハリをつけて行っているイメージです。
――ビークラブ猫店様はLステップを導入して、どのように感じていらっしゃいますか?
米澤さん
これまでの煩雑な作業が一切なくなり、良い意味で忙しくなったとおっしゃってくださいました。
不要な業務がなくなった分、今では本当に売上につながる部分に注力できるようになったとお伺いしています。
現在は新しいサービスや事業の展開も考えておられるようですね。
実業団選手からLステップ正規代理店へ
――ここからは米澤さんの経歴や、Lステップ構築を始めた経緯についてお伺いできればと思います。まずはプロフィールをご紹介いただけますか。
米澤さん
4年前まで実業団でレスリング選手をしていました。引退と同時に独立し、現在は株式会社LFLOWの代表取締役として活動しています。
選手時代から、いかに力を使わずに勝つか、といった部分を考えていたので、割と分析は得意とする分野でした。
この強みを活かせる仕事を考えたときに、マーケティングが向いているんじゃないのかな、とはざっくりと思っていましたね。
独立するとなったタイミングで、丁度LINEやLステップといったワードを耳にするようになり、これなら今から参入しても間に合うんじゃないか、と思ったのがきっかけです。
自分の強みである分析力と、LINEの時流みたいなところが重なり、Lステップ構築を始めさせてもらいました。
あとは、実業団自体にLINEを使った採用業務を任されていた部分も大きいですね。
当時からLINEの可能性を感じていたので、中小企業やマーケティングに使えるLステップに魅力を感じ、使い始めたのもひとつです。
――Lステップはどのように学ばれましたか?
米澤さん
設定など基本的な部分は、Lステップ認定トレーナーである堤さんのYouTubeを見ながら勉強させてもらいました。
ただ、マーケティングに関する知識はまったくない状態だったので、堤さんが運営するLステップの養成講座に入り、本格的に学んでいった経緯があります。
あとは実際の案件を通して、実践しながら勉強していったイメージですね。
――米澤さんのチームは何名ほどでしょうか?
米澤さん
私と役員が1名と、業務委託が5名ほどです。
――米澤さんの拠点はどちらですか?
米澤さん
都内です。
――運用をお願いする場合、最低期間などは設定されていますか?
米澤さん
基本的には、半年を最低期間とさせていただいております。ただ、6ヶ月以降も継続していただくお客様がほとんどですね。
費用が合えばですが、成果を出せば単純に任せた方が楽だよね、と思っていただけているみたいです。
――御社の対応範囲をお聞かせいただけますか。
米澤さん
Webデザインや動画編集、広告運用やSNS運用のほか、LPの制作・分析など、幅広く対応させてもらっています。
――ご自身の強みや、クライアントワークをする上で大切にしていることをお聞かせください。
米澤さん
基本的に、担当スタッフは正規代理店の方を入れさせてもらっているので、品質が高いのはもちろんですが、弊社の強みは運用支援です。
配信のクリエイティブやコピーなど、細かい粒度でA/Bテストを行いながら運用させていただいております。
LINEマーケティングのセンターピンとなるのは、集客と配信施策の2つだと思っているので、その辺りは特に力を入れているポイントです。
まとめ
今回は、株式会社LFLOW代表の米澤さんに、ペットショップの導入事例をご紹介いただきました。
Lステップの構築から運用支援まで、一貫したサポートをご希望されている方は、米澤さんにご相談されてみてはいかがでしょうか。
米澤さんにご相談をご希望される方は、以下のリンクよりご連絡をお願いいたします。