

メルマガの運用を任されたけど、今どきメールって読まれるの?SNS全盛のこの時代に…
そんな印象を持っていませんか?
メルマガ(メールマガジン)とは、企業が顧客に向けて商品情報やキャンペーン、最新ニュースなどを定期的に届けるメールマーケティングの一種です。
メルマガは、SNSや動画広告が主流の今でも、効果的なマーケティング手法として多くの企業に活用されています。
低コストで費用対効果が高いのが魅力で、顧客との関係構築や販売促進にも有効です。
本記事では、独自調査と成功事例をもとに、メルマガの効果を最大化する7つの実践テクニックをわかりやすく解説します。
これからメルマガ運用をはじめる方、配信の成果を出したい方、ぜひヒントを見つけてください。
目次
【独自調査】今の時代のメール利用状況
「メルマガは古い」という印象が本当に正しいのか、まずはデータから確かめてみましょう。
弊社が行った、メールとSNSの利用実態調査の結果をご紹介します。
70.6%が「ほぼ毎日」メールをチェックしている
アンケート回答によると「ほぼ毎日メールをチェックする」と答えた人は、全体の70.6%にのぼりました。
SNSやチャットアプリが普及した今でも、多くの人が日常的にメールを確認しています。
特にビジネスの現場では、今もなおメールが主な連絡手段です。
業務連絡や取引先とのやり取りなど、重要な情報はメールでやりとりされることが多くあります。
メルマガはそうしたメールの特性を活かして、個別に直接情報を届けられるのが強みです。
つまり、メールは今も読まれるチャネルであり、メルマガにも十分な可能性があるといえます。
「メルマガは気になったものだけ確認している」が最多
「メルマガの内容をどれくらい確認しているか」という問いに対して、最も多かった回答は「気になったものだけ」でした。
受信者は、自分に関係があると感じる情報や、タイムリーな話題にだけ反応する傾向があります。
つまり、内容次第で読まれる一方、関心を引けなければスルーされてしまう可能性もあるということです。
メルマガは今も強力なツールですが「送るだけ」では不十分です。
読者の興味や行動に合わせて、適切な内容を届ける工夫が、効果を高める鍵となります。
メルマガ配信で得られる成果とは?
ここでは、メルマガ配信によって期待できる成果をご紹介します。
顧客との関係性が深まる
メルマガは、継続的な配信により、読者との関係性を築いていくメディアです。
SNSでは情報が流れやすい一方、メルマガは定期的な配信によって、個別のニーズに合わせた情報をタイムリーに届けられます。
そのため、読者にとって有益な情報を効果的に伝えることが可能です。
たとえば、ユーザーが抱える課題に寄り添った情報や、活用事例などの配信により「この会社は信頼できる」と感じてもらいやすくなります。
こうした信頼関係の構築が、商品の購入やサービスの利用といった、顧客の行動につながります。
一度の配信で大きな変化は期待できませんが、読み手の中に少しずつ「親しみ」や「安心感」を育てていけるのが、メルマガの強みといえるでしょう。
ブランド認知度が高まる
メルマガは、定期的に配信されるため、自然と読者の記憶に残りやすいメディアです。
SNSやWEB記事とは異なり、メルマガは「届く」タイミングや内容を細かく調整できます。
読者に企業の理念やサービス内容をより深く、詳細に伝えられる点が大きな強みです。
特に、業界やサービスがニッチだったり、競合が多かったりする場合、自社の特長や考え方の発信が重要です。
メルマガであれば、ブランドの世界観やサービスの背景、独自の取り組みを自分たちの言葉で伝え、「理解」や「共感」を得やすくなります。
SNSが瞬発的な効果を狙う一方、メルマガは定期的な接触を通じて、ブランドへの親しみや信頼感をじっくり育むことができます。
販売促進につながる
メルマガは、購買促進の手段として非常に効果的です。
ターゲットを絞り、パーソナライズされた内容を届けることで、限定キャンペーンや新商品の案内など、メルマガならではの「直接的なアプローチ」が可能になります。
こうした情報は、「ちょうど探していた」「この機会に試してみよう」といった前向きなアクションにつながりやすくなります。
また、商品の利用事例や顧客の声紹介も、読者に安心感を与え、購入の後押しをする役割を果たします。
顧客の行動を後押しするサポートとして、SNSや広告とは一味違う、自然な形での販売促進につなげられるでしょう。
メルマガを配信する5つのメリット
これまでメルマガ配信で期待できる成果を見てきました。
次に、施策としてのメリットを確認していきましょう。
- 費用対効果が高い
- 読者に合わせて内容を最適化できる
- 情報が保存・参照されやすい
- サイトやサービスへの導線がつくりやすい
- 配信後の効果測定と改善がしやすい
費用対効果が高い
メルマガは、少ないコストで広範囲にメッセージを届けられる、費用対効果が高いマーケティング施策です。
ダイレクトメールは印刷代や送付費用がかかり、広告は出稿のたびに費用が発生します。
一方メルマガは、配信ツールを使う場合でも月額数万円程度に抑えられ、多くの人にリーチできるのが魅力です。
さらに、特定の興味を持つ読者に向けて配信できるため、無駄なアプローチを減らし、ターゲットを絞った提案が可能になります。
そのため、問い合わせや商談、購入といった成果にもつながりやすいのが特長です。
読者に合わせて内容を最適化できる
メルマガは、読者のニーズに応じて配信内容を柔軟にカスタマイズできるのが強みです。
具体的には、性別・年齢・好み・購買履歴などのデータをもとに、最適化した内容を届ける「セグメント配信」が効果的です。
一斉配信では伝えきれない、関心に沿った情報を届けることで、読者に「自分向けの情報」として受け取ってもらいやすくなります。
さらに、業種や役職などで配信先を分ければ、より専門的で実用性の高い情報を届けられます。
こうしたアプローチは、開封率やクリック率の向上が期待できるだけでなく、継続的な購読や購買行動にもつながるでしょう。
情報が保存・参照されやすい
メールは基本的に受信箱に残るため、必要なときに情報を見返してもらえます。
たとえば、過去のキャンペーン情報や商品情報を後から確認して、再度購入を決める読者も少なくありません。
SNSにも検索機能はありますが、情報が流れやすい性質上、目的の投稿にたどり着きにくい場合もあります。
もちろん、メールも削除されたり、どのメールアドレスで受け取ったか忘れていたりと、見返すことが難しい場合もあります。
それでも、SNSのようにタイムラインに流れていく投稿と比べると、メルマガは情報が長く手元に残る点が魅力といえるでしょう。
幅広い層に情報を届けられる
メールは、年齢や職業を問わず、デジタルやSNSに不慣れな人にも届きやすい身近な手段のひとつです。
特に、日常的にメールを使うビジネスパーソンや、中高年層にとっては、SNSやチャットアプリよりも信頼性の高い連絡手段として根付いているチャネルといえます。
また、登録やログインが必要なく、メールアドレスだけで完結する手軽さもメールの魅力です。
LINEやSNSが普及した今でも、あえてメールを選ぶ人がいるのは、「使い慣れていて安心できる」というシンプルで根強い理由があるからです。
誰に対しても届けやすく、信頼性を保ちながら情報提供ができるメルマガは、他のチャネルにはない普遍的な価値を持ち続けています。
配信後の効果測定と改善がしやすい
メルマガ配信の効果を高めるには、効果測定と内容の改善が欠かせません。
メルマガ配信ツールを使えば、開封率やクリック率、コンバージョン率などのデータを確認できます。
また、同じ内容でもタイトルを変えて送ってみるなど、パターンを分けて反応を比べる「ABテスト」と呼ばれる手法も有効です。
データやテスト結果を参考に工夫を重ねていくことで、読者にとってもっと魅力的なメルマガへと育てていけます。
試行錯誤を重ねながら、少しずつ最適な形をつくっていけるのは、メルマガの大きな魅力です。
メルマガ配信に潜む5つのデメリット
メルマガの配信には、いくつかのデメリットも潜んでいます。
- メールが開封されない場合がある
- 迷惑メール扱いされるリスクがある
- 個人情報の取り扱いに注意が必要
- すぐに読者の反応がわからない
- 大量配信にはツール導入が必要
具体的に見ていきましょう。
メールが開封されない場合がある
メルマガのデメリットとしてまず挙げられるのが、「そもそも開封されない」点です。
一般的にメルマガの開封率は、10〜30%といわれています。※当社調べ
多くのメルマガは開かれずにスルーされているのが実情です。
開封されない理由としては、以下のような原因が考えられます。
- メリットがない内容と判断され開かない
- メールが迷惑メールに自動で振り分けられている
- キャンペーン登録用の“捨てアドレス”で受信されている
- Gmailの「プロモーションタブ」などで埋もれてしまっている
そのため、タイトルや配信タイミングの見直し、メールが迷惑メール扱いされないような工夫が重要になります。
また、メルマガの開封率を上げるためには、SNSとの連携も有効です。
たとえば、コミュニケーションアプリの「LINE」は開封率が非常に高いツールです。
メルマガの配信をLINEで事前に予告することで、「開封されない」リスクを減らせます。
さらに、LINEでメルマガ内の特定リンクをシェアするなど、LINEとメールを連動させて読者との接点を増やす工夫も有効です。
「読まれないことを前提にどう届けるか」が、メルマガ運用の第一歩です。
迷惑メール扱いされるリスクがある
どれだけ有益な情報を届けても、メルマガが迷惑メールと認識されると、その効果は大きく減少します。
配信頻度が多すぎたり、一方通行の情報ばかりが続いたりすると、読者の信頼を損ない、迷惑メールと判断され、最終的には登録解除につながる場合もあります。
読者との信頼関係を築くには、適切な内容と配信頻度の見極めが重要です。
コンテンツは「送りたい内容」ではなく、「読者が読みたい内容」を意識して作成しましょう。
最適な配信頻度がわからない場合は、一度多めに配信し、解約率などの反応を見ながら調整していく方法も効果的です。
また、解除方法がわかりにくい、解除してもメルマガが届き続けるといった状況は、ブランドに対する悪印象を与える可能性があります。
そのため、メルマガ内での解除方法の案内が重要です。
個人情報の取り扱いに注意が必要
メルマガは、読者の氏名やメールアドレスなどの個人情報を前提に運用するチャネルです。
そのため、取り扱いには十分な注意が求められます。
BCCとCCの誤使用によるアドレスの流出や、個人情報が記載されたファイルの誤送信など、些細なミスが信頼を大きく損なうこともあります。
さらに、配信ツールのアカウント管理やアクセス権限の見直しも重要です。
メルマガを安全に運用するには、運用ルールの整備とダブルチェック体制、データの保管方法などを見直し、「情報を守る」意識が必要です。
すぐに読者の反応がわからない
メルマガの反応は、SNSのように即座に「いいね」やコメントが返ってくるものではありません。
特に小規模なメルマガ配信で、GmailやOutlookなどの一般的なメールソフトを使う場合は、開封やクリックの状況を可視化しにくいのが実情です。
そのため、短期的な成果にとらわれすぎると、継続しづらくなってしまう場合もあります。
メルマガはじっくりと関係性を育てていく長期施策として活用すべきものです。
配信ごとに試行錯誤を重ねながら、少しずつ読み手の関心を高めていく視点が大切です。
運用の効果測定には、開封率やクリック率を追える専用ツールの導入も検討しましょう。
大量配信には専用ツールの導入が必要
一定数以上の読者にメルマガを届ける場合、通常のメールソフトでの配信は現実的ではありません。
手作業での配信は膨大な作業時間を要し、誤送信や「CC」と「BCC」の使い間違いなど人的ミスのリスクも増えます。
また、セキュリティ面での不安や、開封率やクリック率などの計測ができないデメリットも存在します。
大量配信を行う場合、専用ツールの導入が不可欠です。
専用ツールの活用は配信の効率化だけでなく、運用改善や成果向上にも役立ちます。
【業種別】メルマガ効果アップの成功事例
業種や目的に応じて、メルマガの活用法は多種多様です。
ここでは、配信を工夫することで効果を高めた企業の事例を紹介します。
【Amazon】パーソナライズ配信で顧客の購買意欲を向上
世界最大級のECサイトのamazonでは、メルマガの効果を高めるため、徹底したパーソナライズ配信を行っています。
購買履歴や閲覧データをもとに、関心が高そうな商品を個別に提案し、再訪問やリピート購入へつなげているのが特長です。
たとえば、過去にDyson製品を購入したユーザーには、最新のデバイスや関連商品の情報が優先的に送信されます。
また、商品をカートに入れたまま購入しなかったユーザーには、期間限定セールや割引クーポンなどを提示することで、購入を促しています。
読者が「自分ごと」として受け取れるメルマガの配信により、具体的なアクションにつなげているのがポイントです。
このようなアプローチは、大企業だから実現できる方法に見えるかもしれませんが、パーソナライズ配信機能が使えるツールを導入すれば、小規模事業者にも十分に実現可能です。
適切なツールを活用し、顧客一人ひとりに響くメルマガを届けていきましょう。
【スターバックス】新メニューやアレンジレシピ紹介でリピーター獲得に成功
世界最大のコーヒーチェーンのひとつスターバックスは、メルマガを重要なコミュニケーションツールとして活用し、顧客のブランドへの愛着を育んでいるのが特長です。
新メニューの案内では、商品の魅力を引き立てる写真やわかりやすい説明で、視覚的に購買意欲を刺激しています。
さらに、コーヒーアンバサダーによるアレンジレシピや、おすすめのカスタマイズ紹介など、読み物としても楽しめる内容を盛り込んでいます。
視覚的な要素と、読み物として楽しめるコンテンツを組み合わせたアプローチは、商品やサービスをより魅力的に伝える工夫です。
こうした手法は、事業規模に関わらず積極的に取り入れる価値があります。
さらに、会員向けの先行情報や特典を提供し、ロイヤリティ向上につなげている点も注目です。
メルマガ内のリンクからは、モバイルオーダーへの導線も設けています。
情報提供と来店促進を自然に両立させた、スターバックスならではのメルマガ施策です。
【PR TIMES】オウンドメディアと組み合わせて効果を最大化
PR TIMESは、国内シェアNo.1のプレスリリース配信サービスで、企業やメディアに向けて効果的な情報発信を行っています。
とくに力を入れているのが、オウンドメディアと組み合わせたメルマガ施策です。
メディア向けには、速報性や限定感のある情報を配信し、ニュース価値の高いネタをいち早く届けています。
一方、個人ユーザー向けには、公式配信情報を通じてサービスの魅力や取り組みを伝え、ブランド認知の向上につなげています。
ターゲットに応じたコンテンツ設計とオウンドメディアとの連携により、信頼関係を深めている好例といえるでしょう。
自社ブログやサイトと連携したメルマガは、小規模事業者でも実践しやすく、リピーターとの接点づくりに役立ちます。
メルマガの効果を引き出す7つの実践テクニック
メルマガ配信の効果を高めるには、戦略的な工夫が欠かせません。
具体的な7つの実践テクニックはこちらです。
テクニック①:開封率を上げるために件名を工夫する
テクニック②:HTML形式を活用して視覚的に訴求する
テクニック③:配信のタイミングと頻度を最適化する
テクニック④:ターゲット別に最適な配信戦略を設計する
テクニック⑤:コンテンツは読者ファーストで考える
テクニック⑥:効果測定と改善サイクルを導入する
テクニック⑦:自動化ツールで工数と時間を削減する
以下でひとつずつ詳しく紹介していきます。
テクニック①:開封率を上げるために件名を工夫する
メルマガの開封率を左右する最大の要素が「件名」です。
読者がメールボックスで最初に目にする情報だからこそ、関心を引き、かつ内容をイメージできるような工夫が重要です。
たとえば、Amazonのメルマガでは数字や限定性、読者に寄り添うような言葉を使って「思わず開きたくなる」心理を刺激しています。
ただし、煽りすぎたり、配信内容とズレのある表現は逆効果になる場合もあります。
内容との整合性を保ちながら、読み手が「今知りたい」「自分に関係がある」と感じる視点で考えるのがポイントです。
とはいえ、中小・個人事業者の場合、大手のように専任のマーケティング担当者がいないケースも多いでしょう。
効果測定ができるツールを使いながら、ABテストを重ねて、少しずつ自社に合った表現を見つけていくことをおすすめします。
テクニック②:HTML形式を活用して視覚的に訴求する
視覚的な訴求力を高めたいなら、HTML形式のメルマガがおすすめです。
HTMLとは、ウェブページのように画像や装飾、レイアウトを自由に組める形式で、テキストだけでは伝えきれない情報も、視覚的に伝えられます。
たとえばスターバックスでは、限定ドリンクやキャンペーン情報を、写真をふんだんに使ったビジュアルで紹介し、ブランドの世界観を表現しています。
また、開封率やクリック率といった数値の可視化がしやすいのもHTML形式のメリットです。
最近では、HTMLメールをテンプレート形式で作成できる無料ツールも多く登場しており、専門的な知識がなくても簡単に作成できます。
一方で、HTML形式は注意も必要です。
受信環境によってレイアウト崩れや、迷惑メールに分類されるおそれがあります。
特にスマホでの閲覧に最適化されていないレイアウトは、読みにくさから途中で読むのをやめてしまうこともあります。
視線の流れを意識したレイアウトや、スマホでも見やすいレスポンシブデザインを採用するなど、読みやすさに配慮した設計を心がけましょう。
テクニック③:配信のタイミングと頻度を最適化する
配信の効果を高めるには、内容だけでなく「いつ届けるか」も重要です。
読者のライフスタイルに合わせたタイミングを見極めることで、開封される可能性がぐっと高まります。
たとえば、以下のような傾向があります。
- ビジネスパーソン向け:通勤中(7時~9時)や昼休み(12時~13時)
- 主婦向け:家事や育児が落ち着いた時間帯(11〜15時)
- 学生向け:帰宅後の夜間(21時〜0時)
- シニア向け:朝の活動時間(6〜11時)
ビジネスパーソン向けのメルマガは、平日の朝や昼に送るのが効果的といわれています。
休日はメールを確認する時間が減る傾向にあるため、週の中日を中心に配信するのがベストです。
また、配信の頻度もメルマガの印象を左右する重要な要素です。
多すぎれば煩わしく、少なすぎれば忘れられてしまいます。
分析データをもとに最適な頻度・時間帯を調整しながら、信頼を積み重ねていきましょう。
テクニック④:ターゲット別に最適な配信戦略を設計する
メルマガを効果的に届けるためには、ただ一斉に配信するだけでは不十分です。
読者の属性や関心に基づいた、コンテンツや訴求ポイントの調整が、効果を高める近道です。
Amazonでは、購買履歴に応じておすすめ商品を出し分けたり、個々のニーズに応じたサービス情報を届けたりしています。
こうしたセグメントごとの最適化により、メルマガ配信の成果は大きく変わります。
さらに、CRM(顧客管理ツール)と連携すれば、より一人ひとりに合わせた内容の配信が可能です。
たとえば、過去の資料請求履歴をもとに、関心の高そうなセミナー案内を配信するなど、パーソナライズしたアプローチができます。
最近では、セグメント配信機能を備えたCRMツールが数多く登場し、中小規模の事業者でも導入しやすくなっています。
読者に「自分のために送られた情報だ」と感じてもらえれば、次のアクションを自然に引き出せるはずです。
テクニック⑤:コンテンツは読者ファーストで考える
読まれ、行動につながるメルマガを作るには「読者ファースト」の視点が不可欠です。
業界の最新情報や読者の悩み解決法など、役立つコンテンツを意識することで、継続して読まれる関係を築けます。
たとえばPR TIMESは、単なる情報提供にとどまらず、ターゲットの問題解決に直結する内容を配信しています。
業界動向や事例紹介など、読者が知りたい情報を届けてリピート読者を増やしている点は、企業規模に関わらず参考にしたいポイントです。
小規模な事業者でも、顧客の声を元に「○○業界で最近よくあるお悩みと対策まとめ」といった特集を組めば、専門性と親近感の両方を伝えられます。
また、理解しにくい表現や長すぎる文章、煩雑なレイアウトも敬遠されがちです。
読みやすさやレイアウトの工夫を重ね、読み手が手軽に情報を得られるように意識しましょう。
テクニック⑥:効果測定と改善サイクルを導入する
メルマガは「送って終わり」ではありません。
配信後の結果を分析し、改善サイクルを回していくことが効果を高める近道です。
効果測定では、以下の5項目に注目しましょう。
- 開封率:配信したメルマガがどれくらい開封されたかを示す指標
- クリック率:メルマガ内のリンクがどれくらいクリックされたかを示す指標
- コンバージョン率:商品購入や資料請求など、目標のアクションがどれくらい発生したかを示す指標
- エラーメール率:配信したメルマガが正常に届かなかった割合
- 解除率:配信停止(購読解除)された割合
重要なのは、測定した数値を次の施策にどう活かすかという視点です。
改善策として、件名や配信時間を変えてABテストを行い、反応の良いパターンを見極める方法があります。
さらに、クリックの多かったリンクから読者の関心を分析し、次回のコンテンツに反映させる手法も有効です。
短期で成果が出なくても、長期的に運用を継続する姿勢が成果につながります。
テクニック⑦:自動化ツールで工数と時間を削減する
メルマガ配信は、コンテンツ制作だけでなく、配信や分析、管理など多くの作業を伴います。
質の高いメルマガを継続的に配信するためには、自動化ツールの導入が非常に効果的です。
たとえば、配信予約機能や読者属性に応じたセグメント配信機能を活用し、配信業務の運用を自動化することで、より効果的な情報提供が可能になります。
また、開封率やクリック率のデータを自動集計し、レポート化する機能を活用すれば、効果測定の負担を大幅に減らせます。
重要なのは、業務のどこを自動化できるかを見極め、リソースの負担を抑えつつ質の高い運用を続けることです。
自動化ツールの活用が、業務効率と配信効果の向上につながるでしょう。
SNSの組み合わせがメルマガ戦略の鍵!注目は「LINE」
SNSは、多くの企業にとって欠かせないマーケティング手法として定着しています。
その特徴は情報拡散力の高さとリアルタイムのコミュニケーションにあり、幅広い層への瞬時のアプローチが可能です。
一方、メルマガは読者と長期的な信頼関係を築きながら、深く丁寧な情報を届けるのに適しています。
このように性質の異なる両者の強みを理解し、効果的に組み合わせることがメルマガ運用の成果を高めるポイントです。
SNSとの連携で特に注目したいのが「LINE」の活用です。
LINEは、多くのユーザーにとって日常的に使われているSNSであり、情報の到達率が非常に高い点が特長といえます。
当社の調査でも、約60%のユーザーが「ほぼすべて」のメッセージを確認していると回答しています。
この高い開封率は、メルマガの「読まれない」課題を補う有効な手段となるでしょう。
LINEとメルマガを連携する際は、企業・店舗向けの「LINE公式アカウント」を活用します。
LINE公式アカウントは、顧客へ直接メッセージを届けられるだけでなく、リアルタイムのやり取りも可能です。
こうした双方向コミュニケーションの仕組みにより、メルマガとの連携による配信効果がさらに高まります。
具体的には、LINE公式アカウントとメルマガの併用により、下記のような展開が考えられます。
- LINEでキャンペーン開始を告知し、メルマガで参加方法や注意点を丁寧にフォローする。
- LINEで限定クーポンを配信し、メルマガで商品の魅力や活用シーンを紹介する。
このように、LINEの即時性とメルマガの情報伝達力をかけ合わせた「クロスチャネル配信」は、メルマガ運用の効果を最大化するうえで非常に有効です。
「どう連携すれば効果的なのか?」そのヒントとなる具体的な仕組みを、次のパートでご紹介します。
メルマガ×LINEの効果を高めるならLメール
Lメールは、LINE公式アカウントの機能を拡張するマーケティングツール「Lステップ」の新機能です。
Lステップは、メッセージ配信や顧客管理を自動化し、ユーザーごとにパーソナライズされた、細やかなコミュニケーションを可能にします。
このLステップで取得したユーザーの行動履歴やタグなどの情報を活用して、LINEと連動したメール配信が行えるのがLメールの特長です。
ここでは、Lメールを活用した効果的なメルマガ運用例をご紹介します。
ユーザーごとに最適化したLINE×メール配信
Lメールの最大の特徴は、LINEとメールの強みを組み合わせた「クロスチャネル配信」ができる点です。
たとえば「LINEでイベント告知を行い、翌日にメールで詳しい案内を送る」といったシナリオを組み合わせて、自動で配信できます。
「特定のURLをタップしたらリマインダを開始する」や「LINE送信の30分後にメールを送信する」など、顧客のアクションや時間経過をトリガーにした設定も可能です。
さらに、1通目はLINE、2通目はメール、3通目で再びLINEといった流れも構築でき、開封率やコンバージョン率の向上にもつながります。
活用例として、次のようなストーリー設定が考えられます。
オンライン英会話スクールの場合
2通目:メールで体験レッスンの詳細や参加者の声、カリキュラム紹介を配信
3通目:LINEで「体験レッスンは明日まで受付中!」と締切をアラート
LINEとメール、それぞれの特性を活かしながら適切なタイミングで届けることで、ユーザーの行動を自然に後押しできます。
属性や行動に応じたセグメント配信
Lメールでは、Lステップに蓄積された友だち情報を活用し、細かな条件でセグメント配信が可能です。
購入履歴・流入経路・アンケート回答などをもとにユーザーをセグメントし、適切な情報を届けられます。
- 過去に特定の高額商品を購入したユーザーに、使い方のコツや活用事例、さらにアフターサポートや限定セールの案内を届ける。
- Web広告経由で登録した新規ユーザーに、初回限定の特典や人気商品のランキングを紹介し、購入への一歩を後押しする。
- 登録フォームで「寝つきが悪い」と回答したユーザーに、生活習慣の改善ポイントや快眠グッズ、成分別サプリの選び方を段階的に届ける。
関心に合った情報を届けることで、ユーザーとの関係性を深め、マーケティング効果を高められます。
また、Lメールでは、Lステップで取得した情報をメール本文に挿入できます。
ユーザーの名前や回答内容に触れるメッセージは、よりパーソナライズされ、「自分向けの情報」として受け取ってもらいやすくなります。
ユーザーの反応を次のアクションに活かす
Lメールでは、メール内に設置したリンクのクリック状況をもとに、次のアクションを組み立てられます。
たとえば、リンクをクリックしなかった人に対して、LINEで再通知を送るなど、より精度の高いフォローを自動化することが可能です。
さらに、回答フォームの送信やリンクをクリックした際のアクションは、Lステップ側で取得・蓄積されます。
長期間反応がないユーザーを除外したり、アクティブな層へのアプローチ頻度を調整したりと、リストの健全化にもつながります。
このような可視化と改善のサイクルが、Lメールの強みです。
まとめ
本記事では、メルマガの効果を最大化する具体的な手法を解説しました。
SNSや広告があふれる今、メルマガは「関心を持った相手に、確実に届く」数少ない手段として、あらためて注目されています。
配信の工夫次第で、読者との関係性を深め、購買や申込といった行動へとつなげることができます。
メルマガの効果を最大化するために、いま一度「届け方」を戦略的に見直してみましょう。