AIに質問を投げかけたり会話したりできるAIチャット「ChatGPT」。回答の精度が高く利用者が増えているサービスです。
そして最近は、LINE上でChatGPTが使えるLINE公式アカウント「AIチャットくん」が注目を集めています。リリースから1ヶ月で100万人が登録し、今話題のサービスです。
そこでこの記事では、AIチャットくんの特徴や始め方、活用方法をまとめて紹介します。
目次
「AIチャットくん」とは
「AIチャットくん」とは、LINE上でChatGPTが使えるLINE公式アカウントです。
従来のChatGPTは、「使い方がわからない」「登録がめんどくさそう」など、馴染みのなかった人も多いのではないでしょうか。
そこで日本人が使い慣れたLINEを活用したサービスとして、AIチャットくんがリリースされました。面倒な登録は必要なく、友だち追加するだけでChatGPTを利用できます。
AIチャットくんは、LINEのトーク画面にメッセージを送るとAIが返答してくれる仕組みです。
データの通信速度を高速にできるターボ版を利用しているため、従来のChatGPTよりもスムーズに使えるのがメリットです。
「AIチャットくん」の特徴
AIチャットくんの特徴を解説します。
メッセージを送るとAIが質問に答えてくれる
AIチャットくんは、LINEのトークにメッセージを投げかけるだけで、すぐに回答してくれます。
アイデア出しや旅行の計画、ビジネス文章の作成など、あらゆる場面で活用できるのがポイント。プライベートだけでなく、ビジネスにも役立ちます。
日本語で利用できるのはもちろんのこと、英語でも会話・翻訳も可能です。
1日5通まで無料で使える
AIチャットくんは、1日5回まで無料でやりとりできます。
またチャット無制限の「プレミアムプラン」は月額980円、年額だと9,800円になります。
※ 自動で課金されることはありません。
音声入力にも対応
AIチャットくんは、OpenAIの音声認識モデル Whisper APIを活用しています。
人の発した声や会話をAIが解析し、その内容を元にChatGPTが回答をしてくれます。
テキストを入力しなくてもいいので、手が空いていない時や、日頃から音声入力している人におすすめです。
ただしAIチャットくんにどんな音声で伝わっているのか、文章ベースではわからないのが注意点です。例えば、「美容院(びよういん)」に関する質問をした場合、「病院(びょういん)」と間違えて認識されるケースがあるかもしれません。
また後ほど解説しますが、AIチャットくんで必ずしも正しい情報が得られるとは限りません。不安な場合は、インターネットなどで検索して正確な情報を調べてみてください。
画像認識も試せる
AIチャットくんは、OpenAIから公開された「GPT-4V」に対応しています。従来のChatGPTはテキストのみの対応でしたが、GPT-4Vは画像による対話もできます。高い精度で画像を認識でき、撮影した写真の説明をしたり、手書きの文字や図を読み取ったりすることも可能です。
こちらは公式のOpenAIでは、有料プラン(月20ドル)に加入すると使用できます。そしてなんと、AIチャットくんでは画像認識機能の先行テストをしているため、現在は毎日先着100名まで無料でお試しできます。※2024年1月現在。終了日は未定。
このように画像を認識し、丁寧に解説してくれます。さまざまな用途に使えますので、ぜひ試してみてください。
「AIチャットくん」の始め方
AIチャットくんの始め方は簡単です。
LINEホーム画面の検索窓で「「AIチャットくん」と検索して、友だち追加します。
AIへの質問は、キーボード入力か音声入力で行えます。
また「AIの変更」をタップすると、質問や会話内容に応じたキャラクターを選択できます。
なお右下の「GPT- 4 ver.AIチャットくん」は、チャット無制限の「プレミアムプラン」に加入したユーザーのみが使える機能です。従来のChatGPTより性能の高いAIを使用できます。より精度の高い回答を得たい人は、ぜひ活用してみてください。
「AIチャットくん」の活用方法
AIチャットくんの活用方法をいくつか紹介します。
ビジネスのアイデア出し
AIチャットくんは、ビジネスのアイデア出しや企画に役立ちます。
「AIチャットくん」へ相談
このようにセミナー集客の施策を考えてもらうことも可能です。集客に関する記事や本を読まなくても、サッと回答してくれるので時間短縮につながります。
お悩み相談
仕事や恋愛など、さまざまな悩みも相談できます。
悩みに関しては「心理カウンセラー」への相談がおすすめです。
「心理カウンセラー」へ相談
このように、今抱えている悩みを気軽に相談できます。心理カウンセラーは人間にしかできないと思われがちですが、悩みを明確に伝えると的確なアドバイスがもらえます。悩みをより具体的に書くと、良い回答が得られるかもしれません。
メール文章の作成
AIチャットくんは、ビジネスのメール作成にも役立ちます。
「AIチャットくん」へ相談
このようにテーマや文字数を与えると、それに沿ってメールを作成してくれます。
また回答後に「話題を変える」「新商品について質問です。」などの表示が出てきます。
「話題を変える」では、今まで話していた内容をリセットして、新しい質問を投げかけられます。
「新商品について質問です。」は、今まで話していた内容からAIチャットくんが独自に、質問や深掘りを提示してくれているものです。これはどの回答にも表示されますので、ぜひ活用してみてください。
英語で会話・翻訳
AIチャットくんでは、英語での会話や翻訳も行えます。
「英語の教師」へ相談
このように日本語の文章を英文に翻訳してくれます。ただし日本語の文法や微妙なニュアンスによって、正しい英文が作れない場合もあります。必ずしも正しい英文とは限らないため、ビジネスメールを送信する際は注意してください。
レシピ作成
AIチャットくんはレシピ作成にも役立ちます。
「物知りお婆ちゃん」へ相談
今回は簡単なダイエットレシピを教えてもらいました。自宅にある材料を伝えれば、その中で作れるレシピを提案してくれます。また回答でわからないことがあれば、追加で質問も可能です。
小説の創作
AIチャットくんでは、小説や物語などの創作物も作れます。
「AIチャットくん」へ相談
このように、主人公と簡単なストーリー、文字数を入力すればしっかりとした短編小説を作成してくれます。
また作品として公開したい場合は、「すでにWeb上で公開されている作品から引用はしないでください」などと指示しておくと安心です。
ちょっとした雑談
AIチャットくんは、雑談やたわいもない話をしたい時にも便利です。
「アイドルあい」と雑談
アイドルあいさんに、アイドル活動の話を聞くことができ、本当に会話をしている雰囲気を楽しめました。
アプリ版「AIチャットくん」の活用もおすすめ
AIチャットくんには、アプリ版(iOS/Android)もあります。アプリをインストール後は、すぐにチャットを始められます。
使い方はLINE版と同様で、会話や質問を投げかけるとAIチャットくんが返答してくれる仕様です。
やりとりは1日5通まで無料で、チャット無制限の有料プランは月額1,280円。LINE版より少し高い価格設定です。
3日間の無料お試しもありますので、LINE版とアプリ版の両方を活用してみて、使いやすい方を選んでみてください。
AIチャットくんを利用する時の注意点
最後にAIチャットくんを利用する時の注意点を解説します。
正しい情報が出るとは限らない
AIチャットくんは、2021年までの情報を学習しています。
※ChatGPTは2022年1月。それ以降の情報は順次更新されていく予定。
そのため、それ以降の最新情報は不正確なものになるようです。最新情報を知りたい場合は、GoogleやYahoo!など通常の検索エンジンを活用した方がいいでしょう。
著作権に引っかかる可能性がある
AIチャットくんが活用しているChatGPTは、インターネット上にある情報を集めて回答する傾向があります。回答によっては、特定のサイトや書籍に記載してある内容をそのまま持ってくる可能性も考えられるでしょう。
回答だけを見るのは問題ありませんが、それを自社サイトで公開したり書籍の一文として活用したりすると、著作権の侵害に該当する可能性が出てきます。
もし外部に公開したい場合は、コピーチェック等を必ず行ってください。
日本の地名・人名・店名などは得意ではない
AIチャットくんの公式情報には
「日本の地名・人名・店名などはあまり得意ではない」
と記載されています。
実際に特定の地域の飲食店を聞いてみると、実在しないお店を紹介されました。
AIチャットくんでは、雑談や創作、アイデア出しなど、検索ではない使い方が推奨されています。
それ以外の情報を得る場合は、検索エンジンで調べた方がいいかもしれません。
入力文字は2500文字以内、出力は数千文字程度まで
AIチャットくんは、システム上の制約で入力は2,500文字以内となっています。また出力も数千字程度までです。
実際に2,500文字以上を入力すると、認識されず「何か質問はありますか?」と振り出しに戻ります。
また1,000文字以上の回答を要求すると、800〜900文字しか返答がありませんでした。複数回試しましたが、一度に生成できる文章の長さに制限があるようです。
また10,000文字以上を要求すると「何回かに分けてお話しすることは可能です。」と回答してくれます。例えば、小説の場合「続きを書いて」とお願いすれば、それ以降の文章を生成してくれました。
長い回答がほしい場合は、複数回に分けて質問を投げかけてみてください。
情報流出の危険性がある
AIチャットくんに情報を入力すると、その情報が第三者に流出する可能性があります。ChatGPTは入力された情報を蓄積して、AIに学習させるからです。
個人情報やパスワードなどの機密情報を入力した場合、他のユーザーの回答に使用されるかもしれません。
実際に、10万以上のChatGPTアカウントの情報が盗まれる事件も起こっており、個人のリスク管理が重要視されています。
ちなみにChatGPTには「履歴OFF設定」があり、チャット内容がサーバーに保存されないように設定できます。
AIチャットくんにもメッセージとトークデータを削除する項目がありますが、サーバーへの保存は不明確なため、知られたくない情報は入力しない方がいいでしょう。
AIを活用した他のLINE公式アカウントやツール
AIチャットくん以外で、AIを活用したおすすめのアプリやツールを紹介します。
AI就活サポたくん
出典:AI就活サポたくん
AI就活サポたくんは、LINE採用の実績やノウハウを持つ株式会社アローリンクが提供しているLINE公式アカウントです。
就職活動の専門家がプログラムした就活支援特化型のAIを活用し、就職や転職をサポートしてくれます。
単なる就活相談だけでなく、
- エントリーシートの作成・添削
- AI適性診断機能
- 企業とのマッチング
などの機能が無料で使えます。
また今後は、キャリアアドバイザー相談サービス(人間版)も提供される予定なので、就活の大きな力となってくれるはずです。
ただしChatGPTと同様、必ずしも正確な回答が得られるとは限りませんので、最後の判断は自身で行ってください。
AIイラストくん
出典:AIイラストくん
AIイラストくんは、イラストを生成してくれるLINE公式アカウントです。
生成AI「StableDiffusion」の技術を活用し、LINE上にワードを送ると自動でイラストを作成してくれます。
機能は「人物モード」「イラストモード」「風景モード」の3つがあり、ジャンルに合わせたイラストを生成できます。
1日3回まで無料で利用でき、ライトプラン(月額1,980円)は30枚/日、プロプラン(月額6,980円)は枚数無制限で利用可能です。
ChatGPTで生活を豊かにしよう
今回は紹介した使い方以外にも、さまざまな活用方法があります。LINE上でChatGPTが使えるLINE公式アカウント「AIチャットくん」について解説してきました。この記事で紹介した使い方以外にも、さまざまな活用方法があります。ぜひAIチャットくんを友だち追加して、仕事やプライベートに活かしてみてください。