
あなたのビジネスに、何度も利用してくれる「リピーター」はどれくらいいるでしょうか?
実は、新規顧客を獲得するより、リピーターを増やす方が何倍もコスト効率がよく、売上も安定して伸びることがわかっています。
この記事では、リピーター獲得の重要性や、リピーターが生まれない原因をわかりやすく整理したうえで、すぐに実践できる具体的な施策を業種別に紹介します。
飲食店、ECサイト、美容室など、それぞれに最適な方法を網羅していますので、今日から使えるアイデアをぜひ実践してみてください。
目次
リピーターとは
リピーターとは、一度サービスや商品を利用したあと、再び購入や来店をしてくれるお客様のことを指します。
ビジネスにおいては、こうしたリピーターこそが「売上の安定化」や「広告コストの削減」に直結する重要な存在です。
また、リピーターは新しい顧客を紹介してくれるケースもあり、自然と口コミによる集客にもつながります。
ビジネスを長く続けるうえでは、常に新規顧客を追い求めるだけでなく、今いるお客様に「また来たい」「また買いたい」と思ってもらう流れを作るのも大切です。
リピーターを育てる意識を持つだけで、売上と信頼の両方を着実に積み上げていけます。
なぜリピーター獲得が重要なのか?
ビジネスを成長させるには、新しいお客様を集めるだけでなく、既存のお客様に「また利用したい」と思ってもらう仕組みが欠かせません。
ここでは、リピーター獲得がなぜ重要なのか、わかりやすく解説していきます。
リピート率が5%上がるだけで利益は最大25%増える
ビジネスの世界には「5:25の法則」と呼ばれる考え方があります。
これは、リピート率がわずか5%向上するだけで、利益が最大25%も増えるというものです。
購入・利用してくれたお客様が、商品やサービスに満足すると、次回も利用する可能性が高くなります。新規顧客を集めるには、広告費や営業コストがかかりますが、リピーターは追加のコストをかけずに再度購入してくれるため、利益率が大きく向上するのです。
たとえば、カフェでは「週に1〜2回必ず来店する常連さん」が10人いるだけで、月に40〜80杯分の売上が安定して見込めます。
ビジネスを伸ばしたいなら、新規ばかりを追うのではなく、今いるお客様に満足してもらい、もう一度選んでもらう仕組みづくりが大切です。
新規獲得は高コスト&低確率だから
新しいお客様を集めるには、広告を出したり、SNSを運用したり、キャンペーンを実施したりと多くの時間とお金、スタッフが必要です。
たとえば、広告に10万円かけても、実際に来店してくれるのはほんの数人、というケースも珍しくありません。
さらに、新規のお客様はまだお店やサービスに愛着がないため、1回きりで離れてしまう場合もあります。
だからこそ、一度つながったお客様との関係を育て、「また行きたい」「また買いたい」と思ってもらう仕組みづくりが、売上アップへの近道です。
LTV(顧客生涯価値)を上げてくれる
LTV(顧客生涯価値)とは、一人のお客様が生涯にわたってもたらす売上の総額を表します。
たとえば、美容室で月に1回5,000円のカットを受ける人が3年間通えば、合計で18万円の売上になります。これが、そのお客様のLTVです。
リピーターが増えると、LTVが自然に伸びていきます。一度だけの利用で終わるお客様よりも、何度も足を運んでくれるお客様のほうが、売上への貢献度が圧倒的に高くなるのです。
さらに、リピーターは信頼度も高く、オプションサービスや新商品も利用してもらいやすいため、単価アップにもつながります。
だからこそ、「一度買って終わり」ではなく、長く通い続けてもらえる関係性づくりが、LTVの最大化には欠かせません。
リピーターが生まれない5つの致命的ミス
せっかく新しいお客様が来てくれたのに、次につながらず一度きりで終わってしまう。
そんな経験はありませんか?
実は、リピーターが定着しない原因には、共通する「見落とし」があります。
ここでは、多くの事業者が陥りがちな「リピーターが生まれない5つの致命的ミス」を紹介します。
商品・サービス自体に「差別化」がない
どこにでもある味、誰にでも提供できそうなサービスでは、お客様の記憶に残りません。
たとえば、駅前に並ぶ3軒のカフェがどこも似たようなメニューと雰囲気なら、「どこでもいいから入ろう」と感じられるでしょう。
ただし、差別化は斬新なアイデアや大きな投資がなくても十分可能です。
たとえば、
- 注文後に「〇〇さん、いつもありがとうございます」と名前を呼ぶ
- 手書きのメッセージカードを添える
- 季節限定メニューに店主のこだわりを添える
こうした小さな工夫が差別化になります。
選ばれるお店やサービスは、小さな積み重ねによって記憶に残り、自然とリピーターが増えていきます。
まずは自社の魅力を明確にし、お客様が他と比べたときに選びたくなるポイントを磨いていきましょう。
購入・来店後の導線設計がされていない
お客様が購入や来店をしても、その後の案内や提案がなければ、自然と気持ちは離れていきます。
飲食店で食事を終えて満足して帰ったとしても、その後に次回来店を促すクーポンやイベントの案内がなければ、日常に埋もれて忘れられるかもしれません。
導線設計とは、次の行動を自然に促す流れを作ることです。
たとえば、購入後に「次回使えるクーポン」を渡す、LINE登録を勧めて新メニュー情報を届ける、アフターサービスの案内を送るなど、小さなアプローチが次の来店・購入へつながります。
ゴールを意識した導線を作っておけば、お客様は迷わず次のアクションを起こしやすくなります。
初回利用後の人的フォローがない
仕組みだけでなく、「人の温かさ」や「心配り」もリピーターを生むうえでは欠かせません。
たとえば、初めて整体院に訪れて施術に満足しても、スタッフが「お疲れさまでした」と終わるだけでは、記憶に残りづらいでしょう。
逆に、数日後に「その後お身体の調子はいかがでしょうか?張っていた肩まわりが楽になっていれば幸いです」といったメッセージが届けば、「ちゃんと覚えてくれていたんだ」と感じてもらえ、再来院のきっかけになります。
また、施術中に「このあたりが硬くなってますね」「次は2〜3週間後に来られるといい状態が保てますよ」といった具体的な声かけがあると、信頼感や安心感がぐっと高まります。
リピーターを増やすには、施術技術だけでなく「気にかけてもらえた」という実感を持ってもらえるような人的フォローが欠かせません。
価値ではなく「価格」で勝負している
「安いから選んだ」だけでは、お客様の心に残りません。
たとえば、2,000円でカットできる美容室があったとしても、施術後に特に会話もなく、流れ作業のように終わってしまえば、「次もお願いしたい」とは感じにくいでしょう。
また、ネット通販で安い商品を見つけても、届いた品に愛着が湧かなければ、次の購入にはつながりません。
価格だけで勝負していると、少しでも安い店やサービスが現れた時点で、選ばれなくなる可能性が高まります。
大切なのは、金額以上の満足感を与えること。丁寧なカウンセリング、仕上がりに合わせたスタイリングの提案、ちょっとした気配りなど、小さな価値の積み重ねが「またお願いしたい」という気持ちにつながります。
提供タイミングや頻度が悪い
どれだけ満足度の高いサービスを提供しても、アプローチのタイミングがずれていると、お客様の心には響かないでしょう。
たとえば、サロンでフェイシャルケアを受けた直後に「次回のご予約もどうぞ」と案内されたとします。
しかし、肌の変化をまだ実感していない段階では、「また今度にしようかな」と思われるかもしれません。
一方で、施術から数日後に「お肌の調子はいかがですか?◯日以内のケアでより効果を実感していただけます」といったメッセージが届けば、「肌のハリも出てきたし、続けて行こうかな?」と感じて、再来店につながる可能性が高まります。
このように、タイミングの良い声かけは、お客様の行動を後押しします。
適切な時期に必要な情報を届ける。この心がけが、自然なリピートを引き出すカギとなるはずです。
リピーターを獲得するための3大原則
一度きりの利用で終わらせず、「また来たい」「また買いたい」と思ってもらうには、やみくもな施策ではなく、土台となる考え方が必要です。
ここでは、リピーター育成に欠かせない3つの基本原則を、具体例を交えて解説します。
【記憶】まず覚えてもらう工夫を入れる
リピーターを増やす第一歩は、「あのお店、良かったな」と思い出してもらうことです。
商品やサービスの質が高くても、印象が薄ければ忘れられてしまいます。
たとえば、飲食店で2回目の来店時に「また来てもらえて嬉しいです」と声をかけられれば、特別扱いされた気持ちになれます。
ネットショップなら、商品と一緒に「〇〇様へ」と名前入りの手書きカードを添えるだけで親しみやすさが増すでしょう。
記憶に残る工夫は、高額な広告よりもリピーターを生み出す近道です。
まずは、お客様一人ひとりに「思い出される存在」になれるように、努力してみてください。
【感情】「また利用したい」と思う感情設計
「美味しかった」「便利だった」だけでは、再訪の決め手にはなりません。
リピーターを生み出すには、体験に感情が乗る瞬間を設計する必要があります。
たとえば、カフェで注文を迷っているときに

今日は少し肌寒いので、あったかいチャイラテなんかいかがですか?香りも良くて、ゆったりできますよ
と笑顔で提案されると、「ここ、感じがいいな」と印象が残ります。
ネットショップでは、発送完了メールに「楽しんでいただけたら嬉しいです」という一文があるだけで、あたたかさを感じるかもしれません。
感情が動いた体験は、記憶に残りやすく、次の利用につながります。単に商品やサービスを提供するのではなく、「気遣いが感じられる」と思ってもらいましょう。
【行動】次回の再訪・再購入を自然に誘導する導線
満足してもらえたとしても、次回の行動につながる仕掛けがなければ、リピートには発展しません。
大切なのは、サービス提供後に「次どう動いてもらうか」です。
たとえば、ネット通販で商品を発送した2日後に「相性の良いアイテムはこちら」と案内すれば、届いたタイミングと重なって再購入につながりやすくなります。
飲食店では、来店翌日に「来週まで使えるドリンククーポン」をLINEで配信するだけでも、再訪の後押しになります。
大切なのは、次の一歩を自然に誘導する流れを作っておくこと。タイミングと導線を意識すれば、「また行こうかな」という行動が生まれやすくなります。
今すぐできる!リピーター獲得施策15選
ここからは、飲食店・ECサイト・美容サービスなど、すぐに実践できる15の具体策を紹介します。
飲食店・カフェなどの実店舗向け施策
飲食店やカフェでは、ちょっとした接客や仕組みの工夫がリピーターづくりに直結します。そこで、常連を増やすための実践的なアイデアを紹介します。
来店スタンプカード・デジタルポイント制度
飲食店やカフェでリピーターを増やす定番の方法といえば、来店スタンプカードやポイント制度です。
紙のカードも根強い人気はありますが、最近はLINE公式アカウントの「ショップカード」を使うお店が増えています。
LINE上でポイントが貯められるので、カードを忘れる心配もなく、ポイント付与や特典の案内もスムーズです。
また来店回数に応じて「コーヒー1杯無料」「お会計から500円OFF」などの特典を用意しておくと、次の来店動機にもつながります。
LINEならクーポン配信や新メニューのお知らせも一緒にできるので、関係性の構築にも最適です。
名前や好みを覚えて常連対応
お客様の名前や好みを覚えて接客する「常連対応」は、リピーターづくりに効果的です。
たとえば、「〇〇さん、いつものアイスコーヒーでよろしいですか?」と声をかけるだけで、お客様は「覚えてくれてたんだ」と嬉しくなり、自然とそのお店に愛着がわきます。
デール・カーネギー著『人を動かす』の中でも、「名前はその人にとって最も甘美な音である」と述べられており、名前を覚えて呼びかけることは、相手の自己重要感を満たす有効な手段だとわかります。
お客様の情報はノートやメモ帳に書き留めておくだけでも構いません。ただ、人数が多くなれば管理が難しくなるため、Excelやスマホのメモアプリなど、デジタルツールの活用もおすすめです。
雨の日特典・曜日限定割引など変化をつける
お客様に「また来たい」と思ってもらうには、ちょっとした特別感を演出することが大切です。
その手段として有効なのが、「雨の日特典」や「曜日限定割引」など、日によって内容が変わる仕掛けです。
たとえば、
- 雨の日は温かいスープを無料サービス
- 水曜はランチセット100円引き
- 18時までの来店でビール1杯190円
といった企画は来店の背中を押します。
マーケティングの観点では、「フレーミング効果(条件によって価値の感じ方が変わる)」を活用した施策でもあります。
人は「今だけお得」に強く反応する傾向があるため、集客に波をつくる手段として非常に有効です。
客足が減りがちな曜日や天候に合わせて特典を設計すれば、売上の底上げにもつながります。
SNSフォローで次回来店クーポン発行
お店のSNSをフォローしてもらう代わりに「次回使えるクーポン」を配布すると、2回目の来店のきっかけになります。
たとえば「Instagramフォローでドリンク1杯無料」「Xの投稿をリポストで次回10%オフ」などの特典を用意すれば、フォロワーを増やしながら来店のきっかけもつくれます。
ただし、フォロー画面を見せて割引という施策だと、あとでフォローを外す人も多く、何度も繰り返し利用されてしまうリスクがあります。
その点でもおすすめなのがLINE公式アカウントです。
友だち追加と同時にクーポンを自動で配布でき、使用回数や有効期限も設定可能。何度も使われる心配がなく、クーポンの発行・管理もスムーズです。
さらに、登録後は新メニューやキャンペーン情報を定期的に配信できるため、一度きりの来店で終わらせず、継続的な関係づくりにもつながります。
利便性を上げる
リピーターを増やすには、「利便性」を高めていきましょう。
予約が電話のみだと営業時間外に連絡できなかったり、混雑時に繋がらなかったりして、利用しづらくなります。
一方で、ネット予約やLINEなどから気軽に予約・変更・キャンセルができるお店のほうが、利用のハードルはぐっと下がります。
たとえば、LINE公式アカウントでは「LINEで予約」という機能が活用できます。
これは、飲食店をメインにした店舗向けのサービスで、LINE公式アカウントのプロフィールやトークルームなどから、オンライン予約やトークでの予約が可能です。
ユーザーはアプリを切り替えることなく、LINE上だけでスムーズに予約を完結できるため、利便性が高く、再来店のハードルも下がります。
実際に、LINEを導入した整骨院では「今週だけ日曜営業します」と前日に告知したところ、一気に予約が埋まったそうです。
※予約機能はMAツールを使用
このように、オンライン予約などを活用し、お客様が利用しやすい環境を整えてみてください。
会員ランク制度で「特別感」を演出
会員ランク制度は、リピーターに「このお店を使い続ける価値がある」と感じてもらうための有効な施策です。
来店回数や累計購入金額に応じて「シルバー」「ゴールド」「プラチナ」などのランクを設定し、それぞれに特典をつけることで、継続利用のモチベーションを高められます。
たとえば、
- シルバー会員:来店毎にドリンク1杯無料
- ゴールド会員:ランチセット500円引き
- プラチナ会員:予約優先+限定メニューの提供
といったように、ランクが上がるごとに特典を段階的に強化していくと、お客様は「自分は優遇されている」と感じてくれるはずです。
このように「自分は特別扱いされている」と感じられる体験が、リピーターの心をつかむ大きなカギとなります。
ECサイト・ネットショップ向け施策
ECサイトやネットショップでは、顔が見えない分、お客様との関係づくりが重要です。ここでは、リピートにつながる5つの具体策を紹介します。
会員限定セールの告知
「会員限定セール」は、リピーターを増やすうえで非常に効果的な施策です。
たとえば、

- LINE登録者限定で全商品10%オフ
- メルマガ会員限定で3日間の先行セール開催
といった案内は、お得感だけでなく「自分だけが招待された特別な機会」という心理的な満足感を与えます。
これは「限定性(スカーシティ)」を活用したマーケティングのアプローチです。人は「今だけ」「あなただけ」といった言葉に反応しやすい傾向があります。
単なる値引きではなく、「この店は自分を知ってくれている」感覚を持ってもらうことが、継続購入につながるはずです。
レビュー投稿者にクーポン配布
レビューを書いてくれたお客様にクーポンを配布する施策は、次回の購入を促すだけでなく、信頼関係を深めるうえでも効果的です。
たとえば、商品が届いたタイミングで「レビュー投稿で次回使える300円OFFクーポンをプレゼント」と案内すれば、投稿のきっかけになりやすく、次の購入へと自然につながります。
さらに、レビューを書くという行動を通して「この商品に満足している」と自分の選択を再確認し、その体験がポジティブな記憶として定着しやすくなります。
実際にGoogleの調査でも、現代の消費者はあふれる選択肢の中で「自分の判断に自信を持ちたい」という心理が強く、選んだ商品に納得感や安心感を得られる体験を重視していることが明らかになっています。
レビュー投稿は、そうした「納得感の強化」につながる行動であり、結果として継続購入を後押しする効果が期待できます。
商品ごとの「使い切り時期」に合わせたリマインド
化粧品やサプリ、日用品など、使い切りタイプの商品を扱う場合は、商品の使用タイミングに合わせたリマインドメッセージが効果的です。
たとえば「そろそろ使い切るころかと思い、ご案内させていただきました!」という連絡を送れば、自然に再購入を促せます。
これは、忘れていたお客様の記憶を呼び起こすシンプルで有効な手法です。
このように、商品ごとの使用サイクルを把握し、ぴったりのタイミングで声をかければ、「このショップは気が利くな」と感じてもらいやすくなります。
購入から数日後にお礼の連絡
商品を発送して終わりにするのではなく、数日後にあらためてお礼のメッセージを届けると、お客様との信頼関係はぐっと深まります。
たとえば、「その後、商品は無事に届きましたか?気になることがあればいつでもご相談ください」といった一言を送るだけで、「気にかけてくれている」と感じてもらえるでしょう。
このひと手間には、心理学でいう「返報性の原理」が働きます。
人は何か親切にされたとき、自然とお返しをしたくなるもの。つまり、丁寧なフォローは、「またここで買いたい」という気持ちにつながるのです。
購入の余韻が残るこのタイミングで、もう一度やさしく声をかけておくと、一度の購入を長期的な関係へと育てていけます。
美容室・整体・パーソナルサービス向け施策
美容室や整体、パーソナルトレーニングなどのサービス業では、お客様との会話や接点の中にリピートのヒントがたくさんあります。
ここでは、信頼関係を深めながら自然と再来店につなげていくための具体的な施策を紹介します。
施術中の会話で「次回提案」
美容室や整体、パーソナルジムなどでは、施術中の何気ない会話の中に、次回利用につながるチャンスがあります。
たとえば、

- 次は2〜3週間後くらいにメンテナンスすると理想的ですよ
- 次回はこんなメニューもおすすめです
といった自然な声かけなら、押しつけがましくなく再来店を促せます。
特に初回利用時は、お店側から何も言わなければ「次はいつ行けばいいんだろう?」と迷ってしまう人も多いため、タイミングや内容の提案はとても大切です。
さらに、このような施術中の提案は、Googleが提唱する「マイクロモーメント」の考え方が参考になります。
マイクロモーメントとは、人が何かを「したい」「知りたい」「買いたい」と思った瞬間に適切な情報を受け取り、行動に移しやすくなるタイミングです。
施術中のリラックスした時間は、次回来店を決めやすい絶好のチャンスといえます。この瞬間に自然な提案をすることで、再来店のハードルがグッと下がるはずです。
お誕生日メルマガ・LINEで特典配信
お誕生日のタイミングでメルマガやLINEを通じて特典を届けると、お客様との距離がぐっと縮まり、再来店のきっかけにもつながります。
たとえば、「お誕生日おめでとうございます。感謝の気持ちとして、誕生日月に使える500円OFFクーポンをプレゼントします」といったお祝いは、特別感や嬉しさを感じてもらえます。
特に美容室や整体など、「自分へのご褒美」として利用されやすいサービスでは、こうした誕生日特典が非常に有効です。
たとえばLINEなら、クーポンの配信や管理も簡単なので、手間なく継続しやすいのも魅力です。
お客様に「気にかけてくれている」と感じてもらえる温かい接点は、長く通ってもらう信頼関係の第一歩になります。
カウンセリング後に「今後の来店頻度」提案
美容室や整体、パーソナルジムなどでは、初回カウンセリング後に「次はいつ頃来ると効果的か」を明確に伝えるだけで、リピート率が大きく変わります。
たとえば、「今の状態だと、3週間後にもう一度お手入れすると理想的ですよ」や「月に1回のペースで通うと、より早く改善しやすいです」といった専門家としてのアドバイスは、お客様にとって安心材料になります。
多くの人は「また来たい」と思っていても、ベストなタイミングがわからず、そのまま間が空いてしまいがちです。だからこそ、プロの視点から「効果が出やすい通い方」を教えることも、サービスの一部といえるでしょう。
フィードバック付きのメッセージを配信
施術やサービスの後に、「今日の状態」や「今後のケア方法」を添えたフィードバック付きのメッセージを送ると、お客様との信頼関係が深まり、リピートにもつながります。
たとえば整体では、「今日は肩まわりの筋肉がかなり張っていました。湯船でしっかり温めると緩みやすくなりますよ」といった具体的なアドバイスを伝えるだけで、「自分のことをしっかり見てくれていた」と感じてもらえます。
美容室なら「毛先が少し乾燥気味だったので、週に1〜2回のトリートメントがおすすめです」といった内容でもOKです。
こうしたフォローは、より印象に残りやすく、次回の来店を前向きに検討してもらうきっかけになります。
定期購入(回数券)の販売
リピートにつなげるうえで効果的なのが、定期購入や回数券の販売です。
たとえば整体なら「5回分まとめて購入すると1回分無料」、美容室なら「3回分のカットを事前にまとめて予約するとトリートメント特典付き」など、通う予定があるお客様にとってお得な点を打ち出しましょう。
特に身体のメンテナンスや美容ケアは、継続で効果が出やすいため、「通う理由」があるだけでモチベーションが保ちやすくなります。また、先の予定が決まっていると「行くきっかけ」を失いにくくなるのもメリットです。
さらに、ポイントカードなどと組み合わせれば、「あと◯回で特典がもらえる」といった楽しみも生まれ、自然と来店頻度が上がります。
リピーターの上位互換“ロイヤルカスタマー”を目指そう
リピーターが「また利用したい人」だとすれば、ロイヤルカスタマーは「ずっとここを選び続けたい人」です。
ただ何度も来てくれるだけでなく、周りにも積極的におすすめしてくれたり、新商品にも高い関心を持ってくれたりと、お店にとって理想的な存在です。
実際、売上の多くはこうしたロイヤルカスタマーが支えているとも言われています。だからこそ、単に「もう一度来てもらう」だけで満足せず、「このお店が好き」と思ってもらえる関係づくりを目指すべきです。
たとえば、九州北部を中心に展開するホームセンター「グッデイ」では、LINE公式アカウントを活用して3年弱で友だち数30万人を獲得。アンケートやデジタル会員証の活用によりLINEの友だちからの購買単価・来店頻度が大幅にアップし、高LTVのロイヤルカスタマーとして機能していることがわかっています。
このように、リピーター育成の先にあるロイヤルカスタマー化を意識すると、顧客との関係は一段と深まり、ビジネスも安定して伸びていきます。
参照:LINEヤフー for Business 友だちは「高LTVのロイヤルカスタマー」。友だち30万人を集めたグッデイのLINE広告活用
特にBtoCビジネスはLINEの活用がおすすめ
BtoCビジネスでは、「いかにお客様と継続的に接点を持ち、関係を深められるか」がリピーター獲得のカギになります。
そんな中で特に効果を発揮するのが、LINE公式アカウントの活用です。
LINEはメールやSNSよりも開封率・即時性が高く、多くの人が日常的に使っているツールのため、自然な形で情報を届けることができます。
また、「1対1」のような距離感でやり取りできるため、メッセージに対する心理的ハードルも低く、信頼関係の構築にも効果的です。
ここでは、BtoCビジネスでLINEを活用する具体的な方法をご紹介します。
定期的な情報提供
LINEを活用した定期的な情報提供は、リピーターづくりに効果的です。
新商品の案内やキャンペーン情報はもちろん、

- スタッフで店内の模様替えをしました
- 地元の〇〇マルシェに出店します
- 地域の清掃活動に参加しました
といった、日々のちょっとした出来事を発信するだけでも、お客様に親しみを持ってもらえます。
こうした取り組みには、心理学でいう「単純接触効果(ザイアンス効果)」が働いています。これは、人は繰り返し接するものに対して自然と好感や親近感を抱きやすくなるという心理現象です。
とくに売り込み感のない日常的な投稿は、お店の裏側や人となりが伝わりやすく、「応援したい」という気持ちを育てるきっかけになります。
リッチメニューで情報提供
LINE公式アカウントの「リッチメニュー」は、トーク画面の下部に常に表示されるボタン型メニューで、お客様が知りたい情報へワンタップでアクセスできる便利な機能です。
たとえば、「ショップカード」「クーポン」など、よく使われるものを配置すれば、利用のハードルがぐっと下がります。
特に最近は「毎日使いたくなる仕掛け」として活用されるケースが急増しています。
たとえばアイラッシュサロンの事例では、リッチメニュー内にある「毎日ガチャ」のタップ率が最も高いという結果が出ています。
※リッチメニューとガチャはMAツール「Lステップ」で構築。
リッチメニューは単なる情報の入り口ではなく、「行動したくなる導線」として設計することが大切です。
クーポンの配布
LINE公式アカウントでは、来店や購入の後押しになるデジタルクーポンを簡単に発行できます。
「友だち追加で10%OFF」など、すぐに使える特典を設定することで、登録のハードルも下がり、効果的な導線になります。
また、LINEは通知の開封率が高いため、「本日限定クーポン」「キャンセル枠出ました!」など即時性のある販促にも最適です。
さらに注目すべきは「クーポンQRコード」機能。
作成したクーポンはQRコードでシェアでき、SNSやチラシ、POPなどに活用可能です。
しかも、まだ友だちになっていないユーザーがQRコードを読み取ると、その場で友だち追加とクーポン取得が同時に完了します。
これにより、新規の友だち獲得と集客の両方を一度に実現できるのが大きな魅力です。
ショップカードの発行
紙のスタンプカードは忘れたり失くしたりしがちです。
一方で、LINE公式アカウントの「ショップカード」機能を使えば、スマホの中でスタンプを貯められるので、お客様にとっても管理がラクになります。
店舗でポイントを付与するQRコードを用意し、それをユーザーが読み取ると、ポイントが加算される仕組みになっています。
さらに、スタンプを貯めると自動で特典が配布されるため、お店側の運用も簡単です。
たとえば飲食店なら「10回来店でお好きなコーヒーとケーキのチケット」、整体なら「5回来店で施術10分延長」といった特典を用意すると、お客様の再来店につながります。
LINEのショップカードは、来店習慣を作るツールとして、ぜひ取り入れたい施策のひとつです。
来店チャンスを逃さない!Lステップで予約からリピート導線を自動化
どれだけサービスや商品に満足してもらえても「予約が面倒」「空き状況がわかりにくい」といった理由で再来店のチャンスを逃してしまうケースも少なくありません。
実際に、リピーターを増やすうえで最も重要なのは、「また行きたい」と思った瞬間に、すぐに行動に移せる環境を整えておくことです。
その意味で「予約のしやすさ」は、リピート施策の成否を左右する大きな要因になります。
そしてLステップを使えば、LINE上での予約導線をシンプルかつスムーズに構築でき、再来店のハードルを大幅に下げられます。
ここでは、Lステップを活用した「予約しやすいお店」をつくるためのポイントをご紹介します。
Lステップとは
Lステップは、LINE公式アカウントの機能を拡張できる高機能なMAツールです。
たとえば、
- 「前回の来店から3週間経った方にだけ来店促進メッセージを送る」
- 「誕生日の方にクーポンを自動で配信する」
など、一人ひとりに合わせたメッセージ配信が可能です。
さらに、Lステップにはさまざまな業種に活用できる予約機能があります。予約内容に応じてリマインド通知を自動送信することもでき、ドタキャン防止にも効果的です。
一度来てくれたお客様と、無理なくつながり続ける仕組みを作れるのがLステップの強みです。
「予約しやすいお店づくり」がリピーター獲得のカギ
店舗ビジネスにおいては、「行きたい時に、すぐ予約できる」仕組みが、リピーター獲得のカギになります。
LINE公式アカウントにも「LINEで予約」という機能がありますが、現状では飲食店に限られた機能であり、整体・美容室・サロンなどでは活用できません。
もちろん手動で対応すれば予約受付はできますが、美容室や整体、パーソナルジムのように複数のスタッフや施術メニュー、細かな時間調整が必要な業種にはやや不向きです。
一方でLステップの「カレンダー予約機能」を使えば、予約サイトのような本格的な予約システムを、LINE上に構築できます。
お客様は、LINEからカレンダー形式で空いている日付を確認し、スムーズに日時を指定して予約を完了。ストレスなく使え、来店のハードルを下げられます。
さらに、以下のような細やかな予約設定にも対応しており、業種や業態に合わせた柔軟な運用が可能です。
- 担当者ごとに予約枠の設定が可能
- 施術内容に応じて、所要時間を5分単位で細かく調整
- 営業日・定休日・シフト制などの営業スケジュールに対応
- 予約・変更・キャンセルを「承認制」にできる
- Googleカレンダーと連携
- 複数のカレンダーが作成できる
このように、LINEだけでは実現できない細かな予約管理が、Lステップを使えば簡単に組み込めます。
イベント予約機能でお客様との関係を強化
イベント予約機能は、特定の日に開催するイベント(セミナーやオフ会など)の予約を受け付けるのに適した機能です。
たとえば、飲食店の常連さん限定でBBQイベントを開催する場合、「来店3回以上の方だけ」「ゴールドランク以上の方のみ」など、予約できる友だちを絞り込むプラン設定も可能です。
【飲食店の常連さん向けBBQイベント】
リピーターに特別感を演出し、関係を深める仕掛けとして有効といえます。
また「苦手な食材」「参加人数」などイベントごとに必要な情報も自由に設定でき、承認制・リマインド配信・キャンセル期限などの細かな設定にも柔軟に対応できます。
さらに、予約完了後には自動でお礼メッセージや次回イベントの案内を送るなど、継続的な接点づくりも自動化できるのがメリット。ただ予約を取るだけでなく、関係構築までの導線を組めるのがLステップの強みです。
まとめ
リピーターは、安定した売上と信頼を生み出すビジネスの要です。
大切なのは、一度きりで終わらせず「また来たい」と思ってもらえる体験を届けること。
本記事で紹介した施策を参考に、できることから実践し、長く愛されるお店・サービスを目指していきましょう。