LINE公式アカウントを活用する自治体が増えてきました。
連絡手段やコミュニケーションのインフラになりつつあるLINEは、自治体の情報発信におすすめです。
しかしLINE公式アカウントをどのように導入すればいいのか、わからない方も多いのではないでしょうか。
この記事では、LINEの導入を検討している自治体の担当者の方に向けて、LINEの活用方法や導入するメリット・デメリット、地方自治体の事例をまとめて紹介します。
目次
地方自治体はLINE公式アカウントの活用がおすすめ
LINE公式アカウントとは、コミュニケーションアプリ「LINE」を活用し、企業や店舗、自治体がユーザーとやり取りできるサービスです。ビジネスアカウントを開設し、友だち追加してくれたユーザーに対して情報発信ができます。
個人で利用するLINEとは異なり、友だち全員にメッセージを一斉配信したり、友だちからのメッセージに自動応答したりできる機能があります。
またトーク画面下部に固定表示できるリッチメニューの活用もおすすめです。
各ボタンにURL等を設置できるため、ホームページに誘導したり、大切な情報を記載したりなど、細やかな情報発信に役立ちます。
自治体のホームページは情報量が多く、利用者は必要な情報を探すまでに時間がかかりがちです。リッチメニューでシンプルにまとめておけば情報を探しやすく、利用者からも「便利で使いやすい」と感じてもらえます。
LINE公式アカウントには自治体向けの「地方公共団体プラン」がおすすめ
LINE公式アカウントには、「地方公共団体プラン」があります。
地方公共団体プランとは、各自治体(〇〇県、〇〇市、〇〇市役所など)に1つのみ、LINE公式アカウントを無償提供してくれるプランです。
※LINE公式アカウントのオプション/別メニューについては、別途費⽤が発⽣します。
地方公共団体プランの適用には条件があります。
- アカウントの名称が「地⽅公共団体名」になっていること
- アカウントが「認証済アカウント」であること
- アカウントの利⽤者が都道府県市区町村(区は23区のみ)であること
- 既に他のLINE公式アカウントで本プランが利⽤されていないこと
- 本プランの申込者が地⽅公共団体に所属しており、アカウントの利⽤者と合致すること
申し込みの際は、LINE公式アカウント 地⽅公共団体プランの詳細をご確認ください。
自治体がLINEを活用するメリット・デメリット
自治体がLINE公式アカウントを活用するメリット・デメリットを紹介します。
LINEを活用するメリット
自治体がLINEを活用するメリットは以下の通りです。
- 大切な情報をすぐに伝えられる
- 問い合わせ対応スタッフの人件費削減
それぞれについて、詳しく解説していきます。
大切な情報をすぐに伝えられる
LINE公式アカウントは、大切な情報をすぐに伝えられるのがメリットです。
実際にLINE公式アカウントからメッセージをすぐ見るが2割、3〜6時間以内で見るが5割、その日のうちに見ると回答した人は8割にもおよびます。
またLINEにメッセージがくると、スマホ画面にプッシュ通知が届きます。プッシュ通知は、通知オフやブロックしない限り、スマホ画面に表示されます。
特に自治体は、自然災害や事件・事故などの情報を迅速に伝えなければなりません。LINE公式アカウントなら、すぐに気づいてもらいやすく、素早い情報発信に役立ちます。
問い合わせ対応スタッフの削減
LINE公式アカウントを導入すると、問い合わせ対応スタッフの削減に役立ちます。
特に、友だちへの対応を自動化できる「自動応答メッセージ」がおすすめです。
その中のキーワード応答を活用すると、あらかじめキーワードを設定し友だちがキーワードを送信した時、伝えたい情報を自動で配信できます。
例えば、「水道」というキーワードを設定しておけば、上のように自動で返信することが可能です。
ちなみにキーワード応答は、設定したキーワードと完全一致するメッセージを受信したときに返信されます。そのため「水道局」「水道管」など、想定されるキーワードを複数設定しておくといいでしょう。
LINEを活用するデメリット
自治体がLINEを活用するデメリットは以下の通りです。
- 友だち追加してもらわないと情報が伝えられない
- ブロックされやすい
それぞれについて、詳しく解説していきます。
友だち追加してもらわないと情報が伝えられない
LINE公式アカウントは、ユーザーに友だち追加してもらわないと配信が届きません。
どんなに配信体制を整えても、友だち数が少なければ、自治体としての役割が果たせないでしょう。
まずはLINE公式アカウントの友だちを増やす施策を考えてみてください。
ブロックされやすい
LINE公式アカウントは、気軽に友だち追加しやすい反面、ブロックされやすいのがデメリットです。
ブロックされると配信が届かなくなり、本当に必要な情報を伝えられなくなります。
LINE公式アカウントがブロックされる原因は以下の通りです。
- 配信数が多い
- 不要な情報が多い
当社の調査においても、不要な情報や配信数の多さが、ブロックの原因になっていることがわかっています。
もちろん大切な情報は適時配信する必要があります。しかし1日に何通も配信したり、不必要な情報を配信したりすると、ブロックされる確率が上がるでしょう。
自治体は、本当に必要な情報を見極めて配信を行ってください。
自治体の主なLINEの活用方法
自治体の主なLINEの活用方法を紹介します。
市政の情報発信
市政の情報発信には以下のようなものがあります。
- 条例
- イベント
- 福祉
- ゴミ
- 観光
- 子育て
- 防犯
- 税金
- 防災、災害、復興
- まちづくり
例えば、防災や交通情報、子育て情報などは、各自治体が力を入れている部分です。そのほか、職員の採用情報をLINEで発信する自治体もあります。
問い合わせや相談の受付
LINE公式アカウントは、問い合わせや相談の受付にも活用できます。
- 行政サービス全般の問い合わせ
- 粗大ゴミ回収の受付
- いじめや虐待などの相談
最近ではSNSカウンセリングの需要が増しており、LINEを活用したメンタルケアを実施する自治体も増えています。
引用:かながわ子ども家庭110番相談LINE公式アカウント
そのほか、公共設備の破損の連絡や不法投棄の通報、移住の相談にLINEを活用する自治体もあります。
自治体のLINE公式アカウント活用事例5選
LINE公式アカウントを活用する自治体の事例を紹介します。
広島県
広島県のLINE公式アカウントでは、防災情報や行政申請の電子手続きなど、広島県民に向けて役立つ情報を発信しています。
例えば、防災タイムラインは住所や世帯構成を入力すると、自宅周辺の情報について知ることができます。
自治体は、地域ごとに災害情報を伝える役目を担っています。友だちの情報を管理することで、必要な情報を必要な人に伝えられるのがメリットです。
福岡市
福岡市のLINE公式アカウントは、市民の生活を支える情報発信に力を入れています。
例えば、友だち側が「ゴミ」とメッセージを送ると、自動応答でゴミ出しの情報が送られてきます。
さらに友だち側が受信情報を設定すれば、受け取れる情報を選べるのも特徴です。市民の生活に密着した配信は、参考になる部分がたくさんあります。
宇都宮市
宇都宮市のLINE公式アカウントは、防災・災害情報やゴミ出し、子育てなど、市民が生活しやすくなる情報を発信しています。
また自動応答にも対応し、キーワードを入れると必要な情報を受け取ることも可能です。
このように自動応答を設定すれば、対応スタッフを削減でき、業務効率化につながります。
米沢市
米沢市のLINE公式アカウントは、市民だけでなく市外の人へも情報発信を行っています。
リッチメニューを切り替えて、友だちが受け取る情報をまとめているのが特徴です。
市外の人へ発信し、移住や定住にも力を入れていることがわかるLINE公式アカウントです。
伊豆市ふるさと納税
伊豆市は、市の公式アカウントと、ふるさと納税に特化した公式アカウントの2つを運用しています。
「伊豆市ふるさと納税」のアカウントでは、返礼品のまとめページや、ふるさとチョイス・さとふる・楽天ふるさと納税といった、ふるさと納税を申し込める各サイトへの導線を設置。ふるさと納税をする人に向けた情報発信を行っています。
Lステップの活用でさらに連携を強化しよう
地域住民との連携を強化したいならLステップの活用がおすすめです。
Lステップとは、LINE公式アカウントの機能を拡張したマーケティングツールです。LINE公式アカウントよりも細やかな配信ができ、自治体からの発信を効率化できます。
例えば、以下のような配信も可能です。
- 最初にアンケートを取り、その情報を元にそれぞれの地域に合わせた情報を配信
- 年代や性別、居住地別にリッチメニューを出し分けて必要な情報をまとめる
- イベントの予約をLINE上で完結させ人件費の削減
特に人口の多い自治体や、面積の広い自治体は「友だちを絞り込んで配信する」ことが重要です。
Lステップは、そういった問題を解決できるツールですので、興味のある方はぜひご活用ください。