デジタルやITを/活用して業務効率化を行う「DX化」が注目されています。特に飲食店や小売業などの店舗は、多くの人件費がかかるため、DX化を進めてコスト削減に努めなければなりません。
しかし、どうやってDX化に取り組めばいいのか、分からない人も多いのではないでしょうか。
そこでこの記事では、店舗のDX化について企業事例を踏まえながら解説します。店舗運営を効率化したい方は、ぜひ参考にしてみてください。
目次
店舗DXとは
DXとは「デジタルトランスフォーメーション」の略で、デジタルやITを活用して業務効率化や売上アップを行う施策です。
その中でも店舗DXは、実店舗でデジタル化を進めていく取り組みです。例えば、セルフレジやキャッシュレス決済も店舗DX化といえます。
また店舗がオンラインで販売を始める動きも注目され始めました。LINE公式アカウントからECサイトに誘導し、ネットショッピングを楽しんでもらうのもDX化のひとつです。
このようにDX化を進めれば、人手不足解消だけでなく、売上アップにもつながります。
DX化が求められる理由とは?
店舗のDX化が求められる理由は、以下のようなものが挙げられます。
- 少子高齢化による働き手の不足
- 新型コロナウイルスによる非接触需要の高まり
- ECサイト利用者の増加
それぞれについて、詳しく解説していきます。
少子高齢化による働き手の不足
日本は少子高齢化により、働き手の不足が深刻化しています。
内閣府の調査では、2019年の65歳以上人口は3,589万人となり、総人口に占める割合(高齢化率)は28.4%にものぼります。
そして今後も高齢化率が上がるのは確実です。
また飲食業や小売業は賃金が低い傾向があり、人手が集まりにくいのも要因のひとつ。今後も労働人口が減少することを考えれば、店舗のDX化は必須といえるでしょう。
新型コロナウイルスによる非接触需要の高まり
新型コロナウイルスにより非接触需要が高まりました。
なるべく人と接触しないために、セルフレジやキャッシュレス決済などが増えています。最近では、スマホのモバイルオーダーやオンライン予約を導入する店舗も当たり前になりました。
キャッシュレスに関する調査によると、生活者の47.7%は「2020年3月の緊急事態宣言以降、支払いや買い物に占めるキャッシュレス決済の比率は増えた」と回答しています。
消費者はキャッシュレス決済など、非接触でのやり取りできる店舗を好んで使っている可能性があります。
よってDXを進めて、非接触需要の高まりに合わせていく必要があるでしょう。
ECサイト利用者の増加
家から注文し配達してもらうECサイトの需要が高まってきました。
店舗においても、ネットスーパーで注文できたり、お店の商品を冷凍販売したりと、ECサイトを使う場面が増えています。
最近はLINE公式アカウントなどのSNSで発信を行い、ECサイトに流入させるのも当たり前です。
今後は店舗のみの販売だけでなく、ネットからの注文にも対応していく必要があるでしょう。
店舗のDX化を推進するメリット3つ
店舗のDX化を推進するメリットを3つ紹介します。
- 人手不足の解消
- 業務効率化
- データの収集・分析ができる
それぞれについて、詳しく解説していきます。
①人手不足の解消
DX化は人手不足解消に効果的です。
以下のようなDX化を行えば人件費を大幅にカットできます。
- セルフレジの導入
- ECサイトの開設
- 電子クーポンの発行
今まで紙のクーポンを発行していた場合、デザインや印刷などにお金と時間がかかっていたはずです。しかし、それをLINE公式アカウントに切り替えれば、コストをかけず電子クーポンを発行できます。
このようにDX化は、人手不足が深刻化している店舗ビジネスの味方となってくれます。
②業務効率化
DX化は業務効率化をしたい店舗におすすめです。
店舗では対面の接客が多いため、お客様対応で多くの時間を取られてしまいます。また予約漏れや注文ミスなど、ヒューマンエラーが起こるケースも少なくありません。
そんな時にオンライン予約やスマホのモバイルオーダーを導入すれば、お客様対応の時間を大幅に削減できます。
その結果、スタッフの労働環境も改善され、働きやすい職場を保てるでしょう。
③データの収集・分析ができる
DX化は顧客データの収集・分析に役立ちます。
例えば、スマホのモバイルオーダーを導入すれば、商品ごとの注文数が明確になります。すると発注や仕込みがスムーズになり、業務効率化につながるはずです。
またシステムによっては、誰が何を注文したか記録でき、お客様にアプローチしやすくなります。
データの分析は店舗運営でも必須です。ぜひDX化を進めてデータ収集・分析を行ってみてください。
店舗DXを推進する時の注意点
店舗DXを推進する時の注意点は以下の通りです。
- 長期的な目線を持って取り組む
- 従業員の理解と育成が必要
- 店舗の業態によって施策が異なる
それぞれについて、詳しく解説していきます。
長期的な目線を持って取り組む
システムの導入には、人材育成や移行コストなどがかかります。よってすぐに結果を求めるのではなく、長期的な目線を持って取り組むことが大切です。
例えば、LINE公式アカウントを導入してクーポンやショップカード(ポイントカード)を発行するとします。しかし導入初期は友だちがいないため、まずは集客の施策を打ち出さなければなりません。
友だちを増やすにはある程度の時間がかかるので、いきなり成果を出すのは難しいでしょう。
従業員の理解と育成が必要
DX化を推進すれば、業務効率化になるのは間違いありません。
しかしITやデジタルを導入するのは人の手です。またDX化により働き方が変わるため、従業員への教育や理解も進める必要があります。
中には、今までのやり方にこだわる従業員がいるはずです。周りの声を無視してDX化を進めてもモチベーションの低下につながり、業務効率化の意味がなくなります。
まずは従業員に理解してもらい、スムーズな導入を心がけましょう。
店舗の業態によって施策が異なる
店舗DXといっても業態によって施策が異なります。
例えば、スーパーなどの小売業であればセルフレジに加えて、商品へのICタグ設置や電子ディスプレイの「デジタルサイネージ」の導入などが挙げられます。
一方、飲食店や美容院などの店舗では、Web予約システムやモバイルオーダーなどが役立つでしょう。
よって店舗の特性を理解した上でDX化を進めなければなりません。
もちろんオールマイティにDX化ができる、LINE公式アカウントという選択肢もありますので、十分に検討した上で導入をしてみてください。
店舗DXにはLINE公式アカウントがおすすめ
LINE公式アカウントとは、企業や店舗がLINEユーザーとコミュニケーションを取れるサービスです。LINEユーザーに対して情報発信をしたり、特定の業務を自動化したりできるため、DX化の手助けとなってくれます。
現在、LINEの国内月間利用者数は9,700万人(2024年3月末時点)以上。DX化においてLINE公式アカウントを使わない手はありません。
LINE公式アカウントは、DX化に適した機能を多く搭載しています。
- クーポン・ショップカード
- 自動応答メッセージ
- リッチメニュー
- 予約機能「LINEで予約」
例えば、自動応答メッセージの「応答メッセージ」では以下の応答が自動化できます。
あらかじめキーワードを設定しておき、ユーザーがキーワードを含むメッセージを送信した時に、どのような「内容」を返信するか設定できます。
もちろん必要に応じて、個別チャットで直接コミュニケーションを取ることも可能です。
このように電話対応などの人的コストを削減できるのが、LINE公式アカウントの強みといえるでしょう。
LINE公式アカウントでDX化に成功した店舗事例
LINE公式アカウントを活用して、DX化に成功した店舗事例をご紹介します。
月500件以上の電話対応が2分の1になった焼肉店
長崎県西海市の「やきにく倶楽部」では、LINE公式アカウントの活用により電話対応を削減しています。
店舗では開店当時から予約受付を電話で行っていました。しかし対応は店舗やメニューに詳しく、丁寧な言葉遣いができるスタッフのみが担当。その結果、忙しい時間帯に電話を待たせてしまったり、出られなかったりすることがあったそうです。
そこでLINE公式アカウントのチャットで予約受付を開始。主にLINE公式アカウントのチャットから「LINEで予約」に移行し、さらに電話についてもAIスタッフ※を活用して予約業務の自動化・機械化を推進しています。
※AIスタッフの詳細はコチラ
これらのDX化により電話対応が大幅に削減され、本来の業務に集中できるようになったそうです。
参照:月500件以上の電話対応が2分の1に!対応負荷を大幅削減したLINEで予約とAIスタッフの併用
LINE経由での注文数を増やした宅配寿司チェーン
全国に約360店舗を展開する宅配寿司「銀のさら」では、LINE公式アカウントの活用で注文数を増やしています。
同社では、LINE経由での注文数を増やすためにLINEログイン機能を導入。LINEログイン機能を使うと、ユーザーはLINE公式アカウントから公式サイトに遷移する際に、自動でログインできます。ユーザー情報の入力が必要ないため、スムーズに注文できるようになりました。
「お寿司を食べたい」と思っても、情報入力があると気持ちが落ち着いてしまいます。そのモチベーションを下げないまま注文できるようになったのは、大きな成果といえるでしょう。
参照:実売重視の「銀のさら」がデジタル施策としてLINEを活用する理由
新規顧客の再来店率60%を達成した美容室
香川県でサロンを展開する「storia.f (ストーリア)」では、LINE公式アカウントの活用により新規顧客の再来店率アップに成功しています。
まずは友だち集めのために、100円割引の特典POPをつけたポスターを設置。初回来店から2週間後に無料トリートメントが体験できることを伝えると、多くの人が友だち追加をしてくれたそうです。
これにより再来店率を高めることができ、次回予約率は70%を超え、新規顧客の再来店率も60%を維持しています。
参照:「LINEチャット」で新規顧客の再来店率60%!電話に邪魔されなくなった美容室のLINE活用方法とは
店舗のDX化を効率良く進めるならLステップ
LINE公式アカウントを活用すれば、DX化を推進できます。
そして、さらにDX化の効率を上げたいなら「Lステップ」がおすすめです。
Lステップとは、LINE公式アカウントの機能を拡張したマーケティングツールです。LINE公式アカウントよりもさらに踏み込んだ機能が使えるため、DX化に役立ちます。
そこで、Lステップを活用してどのようなDX化が実現できるかご紹介します。
予約管理機能で受付を自動化
Lステップの予約管理機能を使えば、今まで人の手で行っていた予約受付を自動化できます。
LINE公式アカウントにも飲食店の予約ができる「LINEで予約」が実装されていますが、Lステップは業種問わず使用でき、工数の削減にも役立ちます。
- 予約に申し込み期限を設定
- 予約の日時に合わせてリマインダ配信
- 人数制限を設けて定員に達したら自動で予約受付を終了
またカレンダー予約を活用すれば、空いている日付から日時指定の予約が可能です。
定休日や営業時間を設定すると、お客様が空いている時間に予約を入れてくれるので、日程確認などの手間を削減できます。
さらに予約時に担当者やコースを選べる機能もあるため、美容院や飲食店の予約で活躍してくれるはずです。例えば美容院であれば「16日15時に〇〇さんの担当でカット&カラー」という予約がLINE上で行えます。
そして予約フォームをLINEのトーク画面下に表示できる「リッチメニュー」に設置しておくと、お客様も予約しやすく、お店側の工数も減っていくでしょう。
自動応答機能で顧客対応を削減
自動応答機能とは、あらかじめキーワードを設定しておき、友だちがそのキーワードを送信した時に自動で返答してくれる機能です。
友だちが入力するキーワード | 自動応答メッセージ |
営業時間 | 営業時間は9時〜17時です。 |
予約 | 以下HPよりオンライン予約が可能です。 |
キャンセル | キャンセルは以下URLからお願いいたします。 |
このように指定したキーワードに反応し、メッセージなどを自動で送信してくれます。
ちなみにLINE公式アカウントにも自動応答機能はありますが、手動チャットか自動応答か、どちらか片方の状態でしか設定できません。
一方Lステップは、自動応答と1対1の個別トークを同時に利用できるのがメリット。完全なDX化を求めるなら、Lステップの自動応答機能の活用がおすすめです。
クーポンやショップカードでペーパーレス化
Lステップでは、クーポンやショップカードの発行もできます。今まで紙で配布していたものを無くせば、ペーパーレス化を実現でき、工数削減につながるはずです。
LINE公式アカウントにもクーポンとショップカードはありますが、Lステップを活用すればより自由度の高いデザインで作成できます。
【ショップカードの一例】
【クーポンの一例】
例えば、LINE公式アカウントのショップカードでは、割引や無料クーポンの付与しかできません。
一方Lステップであれば、クーポン以外にも動画やPDFのリンクなど、さまざまな形の特典を用意できます。
そしてLステップ最大の利点は、利用者のデータを活用できる点。どの友だちが「いつ」「どのくらい」ショップカードを利用しているのかデータを取れるのがメリットです。
そしてデータを活用すれば以下のような施策も打ち出せます。
- ショップカードの利用頻度が高い人には特別クーポンの付与
- スタンプをコンプリートした人にはおめでとうメッセージを配信
- 1ヶ月以上ショップカードの利用がない人には来店を促すメッセージを配信
このようにLステップは、友だち情報と紐付けられるためDX化に最適です。
回答フォームであらゆる機能を代用
回答フォームとは、アンケートやお申込みフォームを作成できる機能です。
主にお客様の情報を得るために使う機能ですが、活用方法によっては店舗DXに役立ちます。
- 初回アンケートを作成し顧客データを管理(美容院)
- 「安い賃貸を希望」と回答した人には「学生向け物件」のシナリオを配信(不動産)
- モバイルオーダーを作成(飲食店)
例えば、以下のようにスマホのモバイルオーダーの作成も可能です。
【回答フォームを活用した飲食店のモバイルオーダーの一例】
また回答フォームは友だち情報と紐付けられるため、「Aさんはビールの注文数が多い」「Bさんはお刺身と日本酒を注文した」など、個人の注文を把握できます。
この情報を活用すればビールの注文が多い友だちには「ビール1杯無料クーポンプレゼント」などの施策が打ち出せ、リピーター獲得にもつながるはずです。
このように、回答フォームはアンケートだけでなく、工夫次第でさまざまな活用方法があります。
一般的にモバイルオーダーの導入だけでもコストがかかりますが、Lステップであれば複数の機能をまとめてスタートできるのがメリットです。
ぜひLINE公式アカウントとLステップを掛け合わせてDX化を進めてみてください。