セミナーやワークショップをオンラインで手軽に開催できるウェビナーは、ビジネスの可能性を大きく広げる存在です。
しかし、はじめて開催する場合、多くのプラットフォームのなかから自分に合うものを見つけ出すことは容易でありません。
この記事では、ウェビナープラットフォーム選びでよくある失敗や、初心者に使いやすい無料ツール、選定のポイントを解説します。
目次
ウェビナー配信とは?基本的な概念を解説
オンラインで開かれる講座や勉強会を「ウェビナー」といいます。
従来の教室やホールで行う対面式の講座とは異なり、参加者は場所を問わずパソコンやスマホから参加できるのが特徴です。
ウェビナーの開催方式には、リアルタイムに配信される「ライブ配信」と、録画したコンテンツを視聴する「オンデマンド配信」の2種類あります。
ライブ配信では、参加者との双方向のやりとりが可能で、質疑応答もスムーズにできる一方、オンデマンド配信は自分の都合の良い時間に、繰り返し視聴できるのが魅力です。
ウェビナーのプラットフォームとは?
ウェビナーのプラットフォームとは、オンラインセミナーを実施するためのシステムやツールのことです。
会場費や設営費、感染対策費用などの削減が可能で、世界中から参加者を募れるメリットがあります。
一方で、通信環境や機材の質に左右されやすく、事前の入念な準備と機器のチェックが欠かせません。
プラットフォームごとに使える機能は異なるため、目的や規模に合ったシステムを選ぶことが重要です。
ウェビナープラットフォーム選びの3つの落とし穴
ここでは、はじめてウェビナーを開催する方が陥りやすい課題を紹介します。
よくある失敗を事前に把握しておくことで、適切なプラットフォームを選べます。
目的とする開催規模に合っていない
ウェビナーのプラットフォームには、大人数向けのものから、少人数での開催に適したものまで、さまざまな種類があります。
参加予定人数や開催時間を考慮せずにプラットフォームを選ぶと、同時接続数の制限に達したり、利用料金が予想以上にかかったりする可能性があります。
また、開催頻度に合った料金プランを選ぶことも大切です。頻度が多い場合は「定額制」、少ない場合は「従量課金制」のプラットフォームを選びましょう。
機能を使いこなせない
高度な機能が豊富に備わっているプラットフォームでも、実際の運用時に十分に活用できないケースも多く見られます。
事前の操作確認が不十分だと、本番でのスムーズな進行は叶いません。
プラットフォームを選ぶ際は、必ず無料トライアルを利用し、基本的な操作方法や画面の使いやすさを確認しましょう。
本番と同じような環境で事前テストを行うことで、安心してウェビナーを開催できます。
その場限りになってしまう
ウェビナーの開催自体は成功しても、参加者との関係がその場限りで終わってしまうケースも少なくありません。
その場限りにならないようにするには、開催後も継続的なコミュニケーションが取れるしくみ作りが必要です。
参加者管理機能付き、もしくはSNSなどの外部ツールとの連携可能なプラットフォームを選ぶと、ウェビナー後も途切れることなくアプローチできます。
ビジネスに活かす場合、見込み客や顧客との長期的な関係構築を見据えたプラットフォーム選びが重要です。
初心者におすすめ!無料ウェビナープラットフォーム3選
まずは無料で利用できるプラットフォームから試したい方も多いでしょう。
機能面での制限はありますが、操作に慣れるまでの練習用として、あるいは小規模な開催であれば十分に活用可能です。
ここでは、とくに使いやすい3つのプラットフォームをご紹介します。
Zoom(ズーム)
Zoomは、分かりやすい画面構成と安定した配信品質が特徴です。
Zoomには以下の2種類のプランがあります。
Zoomミーティング | Zoomウェビナー | |
料金 | 無料版・プロ版・ビジネス版 | 参加者数によって変動 |
同時接続人数 | 最大300名 | 最大50,000名 |
配信時間 | 30時間(無料版は制限あり) | 無制限 |
特徴 | ・参加者との画面共有ができる | ・ストリーミング配信ができる
・Q&A機能が使える ・アンケート調査リンクが発行できる ・リマインダメールを配信できる |
Zoomウェビナーの配信時間は無制限ですが、Zoomミーティングの場合は無料版なら40分、有料プランなら30時間の制限がかかります。
Zoomは多くの人が利用経験を持っており、参加者の心理的なハードルの低さがメリットです。
Google Meet(グーグルミート)
Google Meetは、Googleが提供するビデオ通話サービスで、基本機能は無料で利用できます。ブラウザ上で動作するため、専用アプリのインストールが必要ありません。
無料版では最大100人まで参加可能で、1対1の通話なら24時間利用できますが、3人以上の場合は1回1時間の制限付きです。
より大規模な開催を望む場合は、最大150人まで参加でき、24時間まで会議が可能な「Business Standardプラン(月額¥1,360/ユーザー)」を検討しましょう。
画面共有や録画機能が備わっており、GoogleカレンダーなどのGoogleツールとシームレスに連携できるのが特徴です。
Skype(スカイプ)
Skypeは、Microsoftが提供する無料のビデオ通話ツールです。
1回のグループビデオ通話で最大100人まで参加可能で、HDビデオ品質での配信に対応しています。28言語対応の字幕表示があり、国際的なウェビナー開催にも活用できるのが魅力です。
また、「手を挙げる」機能を使って参加者との質疑応答がスムーズに行えるほか、画面共有や通話の録画、背景ぼかし機能なども搭載。
参加者が専用アプリをインストールせずとも、生成されたURLからブラウザ経由で参加できる点も特徴です。
無料のウェビナープラットフォームの問題点
無料のウェビナープラットフォームは、はじめての開催や小規模な運営には適していますが、いくつかの制限があります。
無料版の制限が自分のビジネスに支障が出ないかをあらかじめ確認しておくと、後悔が少なくなるでしょう。
時間や参加人数の制限
無料プランでは多くの場合、参加人数が100人程度、配信時間は1時間程度に制限されています。
制限を超える申し込みがあった場合、先着順での受付や複数回に分けての開催が必要です。
また、時間制限のなかで質疑応答の時間を確保するには、ウェビナーの内容を調整する必要もあるでしょう。
無料のプラットフォームを使用する場合は、事前に参加予定人数を把握し、時間配分を綿密に計画することが重要です。
機能面の不足
無料版では、基本的な配信機能は備わっているものの、ウェビナーの効果を高めるための機能が制限されているケースがほとんどです。
たとえば、参加者管理機能や視聴状況分析、アンケート機能が使えない場合があります。
ウェビナー中の離脱率や参加者の感想があると、次のウェビナーをより良くするための改善に役立ちます。
また、参加者の視聴時間やコメントの回数を記録しておくことで、参加者の興味の度合いがわかり、より踏み込んだセールス対象者を割り出しやすくなるでしょう。
ウェビナーをビジネスに活かす場合は、機能が充実した有料版の利用を検討することも必要です。
回線の不安定さ
無料のプラットフォームは不特定多数のユーザーが利用するため、回線が不安定になるリスクが高くなります。
音声や映像が途切れたり、遅延が発生したりすると、参加者の集中力が途切れ、内容の理解度も低くなるでしょう。
実際に、ライブ配信に関して改善して欲しい要望を集めたアンケートでは、画質や音質の向上を挙げる方が多くいました。※自社調べ
とくに有料セミナーの場合、通信トラブルは参加者の満足度を大きく下げる原因となります。
重要な内容や目的を持つウェビナーでは、安定した通信環境を確保できる有料プランの利用がおすすめです。
ウェビナープラットフォームの選び方のポイント
ウェビナーはプラットフォームの使いやすさや機能によって、参加者の満足度や参加率が大きく変わります。
ウェビナーのプラットフォーム選びで注目すべきポイントは、以下の5つです。
- 参加者の利便性
- 双方向のコミュニケーション機能
- 録音や録画などの保存機能
- 画面を共有する機能
- ほかのツールやSNSとのスムーズな連携機能
くわしく解説します!
参加者の利便性
ウェビナープラットフォーム選びで重要なのは、参加者が簡単に利用できるかどうかです。
アカウント作成や面倒な登録が必要な場合、途中で離脱する可能性が高まります。理想的なのは、リンクをクリックするだけで参加できるプラットフォームです。
また、ライブ配信の視聴に使うデバイスは、スマホがもっとも多いことがわかっています。※自社調べ
そのため、スマホやタブレットなど、どんなデバイスからでも参加できる「マルチデバイス対応」のプラットフォームを選びましょう。
さらに、広く認知されており、参加者が安全だと感じる信頼性の高いシステムであれば、より参加しやすくなります。
双方向のコミュニケーション機能
ウェビナーを効果的に進めるためには、参加者との双方向のコミュニケーションが欠かせません。
チャットや挙手機能があれば、リアルタイムで質問や意見交換ができ、参加者とのやり取りがスムーズです。
また、アンケート機能があると、ウェビナー終了後に感想を集められるため、参加者の意見を反映した改善がしやすくなるでしょう。
録音や録画などの保存機能
ウェビナーを録音・録画できる機能があれば、後からウェビナーを見返せるため、情報が正確に伝わりやすくなります。
また、当日参加できなかった人に録画を公開すると、日程が合わなかった場合の機会損失を防止できるでしょう。
録画を自社サイトやSNSにアップロードして、マーケティングやプロモーションへの活用も可能です。
保存機能は、ウェビナーの価値を長期間にわたって活かすための重要な要素といえます。
画面を共有する機能
画面共有は、資料や動画などを参加者全員に一斉に見せる際に便利に使える機能です。
全員が同じ情報をリアルタイムで確認できるため、イベントの進行がスムーズになります。
また、画面を拡大したり、複数の画面を簡単に切り替えたりできる機能があれば、より便利に活用できるでしょう。
視覚的な要素を取り入れながら話をすることで、参加者の理解度を向上させる効果が期待できます。
ほかのツールやSNSとのスムーズな連携機能
ウェビナープラットフォームをほかのツールやSNSと連携することで、ビジネスを効率的に進められます。
たとえば、決済システムと連携すれば、参加費の支払いや商品の購入がスムーズに行えます。メッセージ配信ツールと連携し、ウェビナーの日時をメールやLINEでリマインドすることも可能です。
InstagramやXでもリマインドできますが、調査結果では、ほぼすべてのメッセージや投稿を確認する割合はLINEがもっとも多いことがわかっています。※自社調べ
そのため、申し込み忘れを防ぐためには、LINEを活用した配信が効果的です。
外部ツールと連携できるプラットフォームを選ぶことで、ウェビナー運営の課題に柔軟に対応できます。
ウェビナーのプラットフォームは「Lキャスト」がおすすめ
L-CAST(Lキャスト)は、LINE公式アカウントの拡張ツール「Lステップ」の新サービスで、Lステップと連携して利用するLINE専用のオートウェビナーマーケティングツールです。
スマホとパソコンの両方に対応しているだけでなく、利用者の多いLINEを使用するため信頼性が高く、参加者のウェビナー参加へのハードルが低くなる点が特徴です。
また、Lキャストで収集した情報をLステップへ連動し、Lステップから参加者の一元管理やLINEでのメッセージ配信も自動化できます。
コメントへのアクションで双方のコミュニケーションを実現
ウェビナーを自動化しても、参加者のチャットコメントに応じてLINEでメッセージを自動送信できる機能があり、双方向のコミュニケーションが可能です。
たとえば、ウェビナー中にプレゼントがもらえるキーワードを発表し、参加者がそのキーワードをチャットで送信することで、LINE上でプレゼントを受け取れます。
このように、ウェビナー内でアクションを促しながら、自然にLINEでのやりとりへとつなげられるのが特徴です。
柔軟なカウントダウンタイマーで成約率アップ
カウントダウンタイマーは、緊急性を演出し、今すぐ購入する理由を作ることで成約率を高める効果があります。
しかし、ウェビナー開始時点でタイマーを作動させると、不自然に見えることがあり、購入意欲を弱めてしまう可能性もあります。
Lキャストでは、指定のタイミングで正確なカウントダウンタイマーを表示させられるため、より効果的な販売戦略を立てられるでしょう。
LINEを活用した参加者管理とマーケティング
LキャストはLステップと連携することで、参加者の一元管理が容易になり、マーケティングにも役立ちます。
参加者のウェビナー視聴時間に応じた「セグメント配信」やウェビナーに申し込んだ方への「リマインダ配信」で、参加者とのつながりを深められます。
ウェビナー後のフォローアップや次回イベントへの誘導も自動化できるため、より多くの顧客を継続的に獲得できるのが魅力です。
初心者でも安心!ウェビナープラットフォームの選び方
ウェビナープラットフォームは、開催規模や目的に合わせて選ぶことが大切です。
無料のプラットフォームは機能面に制限があるものの、小規模なイベントには十分に役立ちます。
安定した配信や参加者との継続的なやりとりを重視する場合は、有料プランも視野に入れてみてください。
目的に合ったプラットフォーム選びで、効果的にウェビナーを開催しましょう。