時代の変化により、不特定多数の人に広告を打つよりも、ひとりひとりに合わせたマーケティングが重要視されています。
そこで役立つのがダイレクトマーケティングです。
ダイレクトマーケティングを取り入れれば、ユーザーに合わせた訴求ができ、反応率や成約率アップにつながります。
この記事では、ダイレクトマーケティングの特徴やメリット、企業の事例を紹介いたします。
目次
ダイレクトマーケティングとは
ダイレクトマーケティングとは、
ユーザーと直接コミュニケーションを取るマーケティング手法
です。
企業と顧客が直接コミュニケーションを取るため、データ分析がしやすく、成約の可能性も高まります。
テレビCMやチラシなどの広告は、不特定多数に向けて発信されるものです。しかし現代は広告に溢れているため、通常の広告では反応されない可能性があります。
一方ダイレクトマーケティングは、直接広告を届けられるため、ユーザーの目に留まりやすいのがメリット。さらにユーザーのデータを分析し、好みの配信を行えるので、反応率もアップします。
そのため今後は、よりダイレクトマーケティングが重要視される時代に突入していくでしょう。
ダイレクトレスポンスマーケティングとの違い
ダイレクトマーケティングと似た言葉に「ダイレクトレスポンスマーケティング」があります。同じような言葉ですが、少しだけ意味合いが違います。
ダイレクトレスポンスマーケティングとは、広告やWebサイト、SNSなどの発信を通じて、ユーザーから直接反応もらい、より興味のある人を選別するマーケティング手法です。自社の商品に興味を持っている人にだけアプローチできるため、成約率が高く、クレームを受けにくいのが特徴です。
一方ダイレクトマーケティングは、ユーザーと直接コミュニケーションを取るマーケティング手法。ダイレクトレスポンスマーケティングの上流にある位置付けで、ターゲットを決めて配信を行うイメージです。
要するにダイレクトレスポンスマーケティングは、ダイレクトマーケティングの一部であり、反応してくれるユーザーの選別が目的です。
ダイレクトマーケティングのメリット3つ
企業がダイレクトマーケティングを取り入れるメリットは以下の3つです。
- 費用対効果が高い
- ユーザーを分析しやすい
- 低コストで始められる
それぞれについて、詳しく解説していきます。
①費用対効果が高い
ダイレクトマーケティング最大のメリットは、費用対効果の高さです。
ターゲットを絞り込んで直接的なコミュニケーションを行うため、費用を抑えてアプローチできます。
一般的な広告だと、不特定多数の人に向けて多くの発信をしなければなりません。すると広告費がかさむだけでなく、費用に見合った成果が得られない可能性があります。
一方ダイレクトマーケティングなら、商品やサービスに興味を持っている人にだけ配信でき、必然的に費用対効果も高くなるのです。
特に広告費を抑えたい中小企業におすすめのマーケティング手法といえます。
②ユーザーを分析しやすい
ダイレクトマーケティングは、ひとりひとりとコミュニケーションを取るため、詳細なデータを蓄積できます。ユーザーの反応を分析し、次の配信に活かせるのがメリットです。
例えば、LINE公式アカウントのチャットタグを活用すると、友だちの特徴を記録しておけます。
※友だちからアクション(メッセージやスタンプなど)をもらい、チャットが可能となった友だちにだけチャットタグが使えます。タグは20文字以内で1ユーザーに複数付与できます。
タグをつけておけば、セグメント配信(絞り込み配信)ができ、ダイレクトマーケティングの効果をより高められます。
マーケティングにおいてユーザーの分析は必要不可欠です。ひとりひとりの情報をデータ化し、効率的なマーケティングを行いましょう。
③低コストで始められる
ダイレクトマーケティングは、低コストで始められるマーケティング手法です。
店舗を持ったり、大量の広告を打ち出したりする必要がないため、コストを抑えたい中小企業や小規模事業者におすすめ。
例えば、ダイレクトマーケティングで主流になりつつあるSNSは無料で始められます。顧客の増加に合わせてコストを調整できるため、少額からでも取り組めるでしょう。
ダイレクトマーケティングにデメリットはある?
ダイレクトマーケティングのデメリットは、ターゲットに合わせたマーケティング手法を考え続ける必要がある点です。
ひとりひとりに合わせたアプローチを考えたり、顧客データをまとめたりする作業が発生し、人件費や時間的なコストがかかる場合も。
さらにダイレクトマーケティングで主流のメールやSNSでは、ユーザーの詳細な情報を得るには、何度もアプローチしなければなりません。
そのため、ダイレクトマーケティングで成果を得るには、ある程度の時間がかかります。
ダイレクトマーケティングの具体的な手法
ダイレクトマーケティングの具体的な手法をまとめて紹介します。
ダイレクトメール(DM)
ダイレクトメールとは、個人に向けて送られるメールや印刷物を指します。問い合わせや資料請求などのデータに基づき、あらかじめ取得しておいた顧客リストに対してアクションできるのが特徴です。
またポスティング会社に依頼すれば、地域やエリアを指定してDMを配ってもらえます。例えば飲食店をオープンする場合、半径1km範囲の家にDMをポスティングするのもダイレクトメールのひとつです。
ある程度の費用と時間はかかりますが、ダイレクトマーケティングの代表的な手法として確立されています。
テレマーケティング
テレマーケティングとは、電話を通じて顧客にアプローチするマーケティング手法です。
取得済みの顧客リストに電話をかけ、商品やサービスの案内を行います。直接顧客と会話ができるのが強みで、密なコミュニケーションが可能。訪問営業と比べると、大幅な時間コスト削減にもつながります。
ただし電話越しでの会話になるため、顧客の信頼を得にくいのがデメリットです。顧客側もいきなり電話がかかってくるため、わずらわしさを感じてしまう場合も。顧客との信頼関係をどう築いていくかがポイントとなります。
レコメンデーション
レコメンデーションとは、ユーザーの訪問履歴や購入履歴に基づいて、商品やサービスをおすすめする仕組みです。
例えばAmazonで商品を購入すると、関連した商品がいくつも表示されます。これもレコメンデーションのひとつで、ユーザーが興味を持ちやすい商品を表示することで、購買を促進します。ちなみにレコメンデーションを初めて取り入れたのはAmazonだといわれています。
また実店舗を例に挙げると、焼肉屋さんでカルビを注文したお客様に対して「カルビに合うビビンバはいかがですか?」とおすすめするのもレコメンデーションです。
顧客の情報を基に、他の商品をおすすめするのもダイレクトマーケティングの強みです。
メールマーケティング
メールマーケティングとは、メールを通じてコミュニケーションを取り、商品やサービスをおすすめするマーケティング手法です。ステップメールやセグメントメールなど、見込み客を育てたり顧客の属性に合わせて配信をしたりなど、さまざまなアプローチ方法があります。
似た言葉に「メルマガ」がありますが、メルマガは読者登録した人に対してメールを送信する仕組みです。そのためメルマガの配信の先に、メールマーケティングという手法があると考えてみてください。
SNSマーケティング
SNSマーケティングとは、自社のSNSアカウントを作成し、ユーザーとコミュニケーションを取るマーケティング手法です。
【主流のSNS】
- X(旧Twitter)
- LINE公式アカウント
SNSはユーザーからの反応がわかりやすく、コミュニケーションに最適です。
特に最近は、LINE公式アカウントを活用し、ユーザーと直接コミュニケーションを取る企業が増えています。
LINE公式アカウントは情報発信だけでなく、友だちのデータを取ったり、次回の利用につながるクーポンやショップカードを配信したりできます。
LINE公式アカウントを友だち追加してもらい、リスト化すればダイレクトマーケティングを有利に進められるはずです。
ダイレクトマーケティングのコツ
ダイレクトマーケティングを成功させるためのコツを紹介します。
ターゲットを明確にする
まずはターゲットを明確にします。ダイレクトマーケティングは、自社の商品やサービスに興味を持っている人にアプローチして、はじめて効果を発揮するからです。
ターゲットが決まれば、どんな発信をすればよいのか明確になり、効果的な発信活動を行えます。
できれば1人に絞り込むくらい細かく設定すると、発信の精度も上がっていくでしょう。
ユーザーとの関係を深める
ダイレクトマーケティングでは、ユーザーとのコミュニケーションを通じて交流を深めていきます。
ユーザーひとりひとりの情報や購入履歴、問い合わせなどを管理し、適切なアプローチをすることが大切です。
例えば、化粧水を購入した人に対して
- あれからお肌の調子はいかがですか?
- 新しい化粧水を開発したのでお試ししてみませんか?
など、寄り添ったコミュニケーションが重要になってきます。
適切なコミュニケーションができれば、ユーザーから信頼され、成約率やLTV(顧客生涯価値)も上がっていくでしょう。
※LTV:自社の商品を利用し始めてから終了するまでの期間にどれだけの利益を生んでくれたか表す指標
データを活用してPDCAを回す
ダイレクトマーケティングで重要なのがデータの活用です。
ユーザーごとにデータを蓄積し、ユーザーひとりひとりに合わせた配信を行います。
そして配信によって得たデータから、改善点を見つけてPDCAを回していきましょう。
- Plan(計画)
- Do(実行)
- Check(評価)
- Action(改善)
PDCAを実行すると、やるべきことが明確になり、改善へのアクションが実行しやすくなるはずです。
マーケティングでは、常に問題や課題が浮かんできます。それをPDCAではっきりさせ、具体的なアクションに切り替えていく必要があるでしょう。
ダイレクトマーケティングの成功事例
ダイレクトマーケティングを行っている企業の成功事例を紹介します。
Amazon
Amazonはダイレクトマーケティングにより、大きな成果を上げています。
【Amazonの施策】
- メールでセールやイベントの告知
- 会員限定のセールを開催
- 購入履歴からおすすめ商品をレコメンド
Amazon利用者なら、上記のオファーを体験したことがある人も多いのではないでしょうか。
ユーザーひとりひとりのデータを分析し、レコメンデーションしているAmazonから学ぶ点は多いはずです。
ZOZOTOWN
アパレルのECサイト「ZOZOTOWN」では、ダイレクトマーケティングを活用して、効率的な販売を行っています。
ZOZOTOWNで買い物をしたことがある人なら、一度は「〇〇円分の割引クーポンが発行されました」というメールが届いたことがあるのではないでしょうか。
過去に購入したショップやブランドの商品を割引で購入できるので、興味を掻き立てられますよね。
ユーザー全員ではなく、個人の購買履歴を元にアプローチし、特別感を持たせているのがZOZOTOWNのマーケティングの良い点です。
DHC
化粧品や健康食品の通販事業を行っているDHCでは、会員獲得のためにダイレクトマーケティングを採用しています。
代表的なものを挙げると「無料サンプル」です。
まずは無料サンプルでお試ししてもらい、商品への興味を持ってもらいます。すると、商品の良さを感じた人は定期購入してくれます。
DHCは、商品のおまけに無料サンプルをつけるなど、積極的にアプローチしているのが特徴。無料サンプルをもらって嫌な人は少ないため、ユーザーに不信感を抱かれることなく、効率的な販売促進が行えています。
ダイレクトマーケティングにはLステップ
ダイレクトマーケティングのために、LINE公式アカウントを導入する企業が増えています。LINE公式アカウントは、SNSの中でも特にコミュニケーションが取りやすく、ダイレクトマーケティングにおすすめです。
そしてLINE公式アカウントをより効率よく活用したいなら、Lステップがおすすめです。
Lステップとは、LINE公式アカウントの機能を拡張したマーケティングツール。LINE公式アカウントよりも細やかなコミュニケーションがとれ、ダイレクトマーケティングに効果的です。
ちなみにLINE公式アカウントでも、友だちを絞り込んでセグメント配信が行えます。
しかしLINE公式アカウントで絞り込める属性は、性別や年齢、地域などに限られます。しかもLINE公式アカウントが独自で調査した「みなし属性」なので、情報が100%正確とはいえません。
一方Lステップでは、友だち1人からでも属性を絞り込み、配信が行えます。「みなし属性」ではなく、友だちのアクションによって得たデータから絞り込めるため、効率的なダイレクトマーケティングが可能です。
さらにアンケートを作成し、回答によってその後の配信内容を変えることもできます。
通信講座の事例では、友だち追加後に簡単なアンケートを実施。興味のある講座や、受講に対してどれくらいの熱量かがわかるような質問を投げかけて、友だちの属性を分類しています。
【PBアカデミーのLステップ活用事例】
友だちの属性分けは自動で行ってくれるため、わざわざ手動でデータをまとめる必要もありません。
その後は、友だちごとにシナリオ配信を実施しています。シナリオ配信とは、登録しておいた複数のメッセージを、指定したタイミングで順番に自動配信する機能です。最初に設定しておけば自動で配信を行ってくれるため、ダイレクトマーケティングのデメリットである「ひとりひとりに合わせた配信を考える」という作業も効率化できます。
- アンケート回答者向け
- ①のシナリオが終了した人向け
- アンケート未回答者向け
同講座では、熱量の高い友だちにはセールスをし、逆に熱量が高くない友だちに対しては、講座でどんなことが得られるのかを配信。友だちひとりひとりに合わせた配信をすることで、反応率が改善しました。その結果、Lステップの構築からわずか2ヶ月で売上が20倍にまでアップしたそうです。
このように、Lステップはダイレクトマーケティングに最適なツールです。LINE公式アカウントの活用を考えている方は、ぜひLステップもご検討ください。