

集客してもなかなか売上につながらない…
そんな悩みを感じたことはありませんか?
成果を上げるためには、単にアクセスを集めるだけでなく、商品やサービスに関心のある「見込み客」をしっかりつかむことが重要です。
そこで注目されているのが「リード獲得」という考え方。ユーザーとの最初の接点をつくり、その後のフォローや提案につなげることで、長期的な売上にも大きく影響します。
この記事では、リード獲得の基本から具体的な施策、登録率を上げるオファーの作り方、育成(ナーチャリング)との関係まで、実践的にわかりやすく解説します。
目次
リード獲得とは
リード獲得とは、かんたんに言えば「見込み客の連絡先を手に入れること」です。
たとえば、
- 申し込みフォームでメールアドレスを入力してもらう
- 展示会で名刺を受け取る
- 広告からLINE登録につなげる
これらのアクションを通じて連絡先を取得した人は、自社の商品やサービスに興味を示した顧客候補=リード(見込み客)にあたります。
最大のメリットは、「こちらから能動的にアプローチできる状態をつくれる」点です。連絡先がわかっていれば、商品案内やキャンペーン情報を自分のタイミングで届けられます。
一方、SNSのフォロワーは、投稿者に興味はあるが、そこが提供する商品やサービスにも興味があるかは不明の段階=リードの候補という認識を持っておきましょう。
よく似た言葉で「リスト」という表現がありますが、リードは「ひとりの顧客情報」を指し、リストはそれらをまとめた「顧客一覧」のこと。たとえば、LINEの友だち1人はリード、100人分をまとめたものがリストです。
まずは最初の一歩として、リード獲得の重要性をしっかり理解しておいてください。
なぜ今、リード獲得が注目されているのか?
リード獲得は、単なる「連絡先集め」にとどまらず、ビジネス全体の成長に直結する重要なプロセスです。
特に最近は、広告費の高騰や購入までの意思決定の長期化といった背景から、「見込み客との接点を早く持ち、継続的に育てる」ことの価値が高まっています。
ここでは、リード獲得が注目されている3つの理由を解説します。
顧客との「関係構築」を早い段階で始められる
リード獲得が注目されている理由のひとつに、見込み客との関係を早い段階で築ける点があります。
たとえば、LINE公式アカウントに登録してもらえれば、その瞬間から「こんにちは!私たちはこんなサービスを提供しています。」とメッセージを届けられます。
この「最初の接点」を早めに持てると、いきなり売り込むのではなく、「あなたにとって役立つ情報はこちらですよ」と、少しずつ関心や信頼を積み重ねていけるのがポイントです。
特に、検討期間が長くなりがちなBtoB商材や高額商品などでは、この「育てる関係づくり」が成果を大きく左右します。
集客コストを抑えられる
集客コストを抑えられるのもリード獲得のメリットです。
新しいお客様を集めるたびに広告を出すのは、費用も労力もかかります。近年ではWeb広告の競争が激しくなり、1件あたりの集客単価も高騰している状況です。
しかし、リードとして一度連絡先を獲得しておけば、その後は広告を出し続けなくても、自社のタイミングで再アプローチが可能になります。
たとえばLINEに登録してもらうと、商品の案内やキャンペーン情報を直接メッセージで届けられ、追加費用も低コストです。
さらに、初回の接点では購入に至らなかった相手にも、情報提供を重ねることで「今すぐ客」ではなかった層を「見込み客」に育てられます。
広告で単発の集客を繰り返すよりも、リードを蓄積して「つながりを育てる」ほうが、長期的にはコストパフォーマンスが高くなるでしょう。
長期的な売上・利益につながる
リードを獲得すると、長期的な売上・利益につながりやすくなります。
一度リード獲得しておけば、たとえ今すぐ購入に至らなくても、あとから何度でもアプローチできるからです。
たとえば、LINEに登録してくれたユーザーに定期的に情報を届けておくと、「今はまだ検討中」と思っていた人が、数週間〜数か月後に購入してくれるケースも珍しくありません。
信頼関係がしっかり築けていれば、お客様にリピート購入してもらったり、「こんな商品もありますよ」と別の商品を提案したりするのもスムーズです。
中には、「ここで買いたい」と思って何度も利用してくれるようなロイヤルカスタマーに育つ方も出てきます。
リードを丁寧に育てていけば、一度つながった人が何度も買ってくれるファンのような存在になってくれるんです。
売上を安定させたいなら、リードをただ集めるだけでなく、関係性を育てて長くつながる工夫が大切です。
リード獲得の種類【ホット/コールド】
ホットリード | コールドリード | |
特徴 | 購入・契約意欲が高く、すぐに動きそうな人 | 興味はあるが、今すぐ動く予定はない人 |
例 | 資料請求や相談を済ませている | とりあえず情報収集 |
成果までの期間 | 短期(すぐ成約の可能性あり) | 長期(育成が必要) |
優先度 | 高 | 中〜低 |
効果的な施策 | 個別連絡・提案・商談 | ステップ配信・事例紹介・情報提供 |
注意点 | 対応が遅れると他社に流れる | 売り込みすぎると離脱されやすい |
リードには、すぐに購入を検討している人もいれば、まだ情報収集段階の人もいます。
こうした違いを理解するために、「ホットリード」と「コールドリード」という2つの分類があります。
ホットリード
ホットリードとは、今すぐにでも購入や契約につながる可能性が高い「確度の高い見込み客」のことを指します。
たとえば、すでに商品に強い関心を持っていて、資料請求や無料相談を申し込んでくれた人などが該当します。
このようなリードは、タイミングや提案次第でスムーズに商談や成約に進むケースが多いため、優先的にアプローチすべき存在です。放っておくと他社に流れてしまう可能性もあるので、スピード感のある対応が求められます。
ホットリードを見逃さないためには、登録フォームで「導入時期」や「困っていること」などを確認し、関心度の高い人を見極める工夫が大切です。
少ないチャンスを確実に成果につなげるためにも、ホットリードへの対応は丁寧かつ迅速に行いましょう。
コールドリード
コールドリードとは、まだ購入意欲が低く、すぐに契約や購入につながる可能性が低い「確度の低い見込み客」を指します。
たとえば、「とりあえず資料だけ請求しておこう」「興味はあるけど今すぐ必要ではない」といったユーザーが代表例です。
こうした相手にいきなり売り込んでも、うまくいかないことがほとんど。むしろ、「面倒だな」と感じて離脱される可能性もあります。
そこで大切なのが、定期的に役立つ情報を届けたり、他社との違いや成功事例を紹介したりして、少しずつ信頼と興味を育てていくことです。
すぐに成果にならなくても、丁寧なナーチャリング(育成)によって「そのうち客」が「今すぐ客」へ変わることも。コールドリードは、将来の売上を生む「育てるリード」として、しっかりと向き合いたい存在です。
リード獲得〜育成の流れ!全体像をわかりやすく解説
リードは集めただけでは成果につながりません。大切なのは、集めたあとにどう育てて、どう顧客につなげるかという流れです。
ここでは、
- リードジェネレーション(リード獲得)
- リードナーチャリング(見込み客へ育成)
- リードクオリフィケーション(顧客化)
の3ステップに分けて、リード活用の全体像をわかりやすく解説します。
①リードジェネレーション(リード獲得)
リード活用の最初のステップが「リードジェネレーション(リード獲得)」です。
これは、将来的に顧客になる可能性のある人の連絡先を手に入れるプロセスのこと。たとえば、資料請求フォームでメールアドレスを取得したり、SNS広告からLINE登録につなげたり、セミナーでアンケートを取ったりと、さまざまな方法があります。
ただし、単に数を集めるだけでは意味がありません。大切なのは、その後のコミュニケーションや育成につなげられる「質の高いリード」を集めることです。
リードジェネレーションは、見込み客との信頼関係を築くための最初の接点。ここをしっかり設計しておけば、後のナーチャリングや顧客化がスムーズに進みます。
②リードナーチャリング(見込み客へ育成)
リードを獲得したあとに重要なのが、「リードナーチャリング(見込み客の育成)」です。
これは、まだ購入や申し込みに至っていない見込み客に対して、継続的に情報を届けたり、関心を高めたりして、将来の成約につなげていくプロセスです。
たとえば、LINEで「導入事例」や「よくある質問」の配信をしたり、定期的にお役立ちコラムを送ったりすることで、「このサービスは信頼できそう」と思ってもらえるきっかけをつくれます。
ナーチャリングの目的は、売り込むのではなく「この人(この会社)から買いたい」と思ってもらえる関係を育てること。検討期間が長い商品やサービスほど、この丁寧なフォローが成果に直結します。
③リードクオリフィケーション(顧客化)
リードを育てたあとは、いよいよ最後のステップ「リードクオリフィケーション(顧客化)」です。
これは、ナーチャリングによって関心度が高まった見込み客の中から「購入につながりそうな人」を見極め、アプローチをかけて顧客へと導くプロセスを指します。
たとえば、「資料請求のあとに個別相談を希望した」「サービス紹介ページを何度も閲覧している」といった行動をもとに、その人の本気度を判断します。
興味はあるけれど今すぐではない人と、今すぐ相談したい人では、対応の優先度が異なるため、見込み客の温度感を把握することが大切です。
このステップでは、提案やクロージングなど、営業的なアクションも含まれます。
オンラインでリードを獲得する方法
デジタルを活用したオンライン集客は、時間や場所にとらわれずリードを獲得できるのが大きな魅力です。
ここでは、特に成果につながりやすい4つの代表的な手法を紹介します。
SNSの活用
リードをオンラインで獲得する方法として、SNSの活用は非常に効果的です。
弊社の調査では、SNSの平均利用数は1人あたり約4種類。ほぼすべての人が複数のSNSを使い分けていることがわかっています。
中でも利用率が高いのは、男性「YouTube」、女性「LINE」という傾向があり、これらをうまく組み合わせた施策を行いましょう。
SNSの強みは、無料で始められ、継続的に自社の専門性や世界観を伝えられる点です。
リードを集めるだけでなく、信頼関係を築いたうえで育てていけるのも魅力。ただし、成果が出るまでに一定の時間がかかるため、継続的な発信と丁寧な導線設計がカギを握ります。
広告チャネルの活用
リードの獲得に、広告チャネルの活用も非常に有効です。
たとえば、Google広告なら「〇〇 比較」「〇〇 導入方法」など具体的なニーズで検索しているユーザーに対して、ピンポイントで広告を表示できます。
また、InstagramやFacebook(Meta広告)では、年齢・性別・興味関心などを細かく絞って、自社に合った層へアプローチできるのが魅力です。
広告はSNS投稿やブログと比べて即効性が高く、「今すぐ客」との接点づくりに向いています。たとえば、LINE登録を促す広告を出せば、1日で数十件の見込み客を集めることも可能です。
中でも注目なのが、LINE公式アカウントの友だち追加広告です。
友だち追加広告とは、「LINE広告」の一つのサービスで、LINEアプリ内に「友だち追加を増やすための広告」を出せる機能です。
広告を見た人を直接LINE登録に誘導できるため、LPを挟まずスムーズにリードを獲得できます。短期間で見込み客を集めたいときには特に有効です。
整体院の事例では、LINEの友だち追加広告の活用で広告費を1/3にし、集客効果が15倍になったそうです。
ただし、広告は出せば終わりではなく、LPやオファーの質も含めた改善の積み重ねが重要。適切に設計すれば、効率よく高品質なリードを獲得する強力な手段になります。
ブログやSEO記事の公開
検索経由で見込み客を集めたいときに効果的なのが、ブログやSEO記事の活用です。
検索エンジンからのアクセスを狙って、ユーザーが興味を持ちそうなテーマの記事を定期的に発信することで、見込み客との自然な接点を作れます。
たとえば、特定の検索ワードに対して、自社サービスの強みや活用方法を紹介する記事を公開。悩みを持った読者がたどり着き、そのまま資料請求やLINE登録につながる可能性があります。
ブログやSEO記事は、一度書けば継続的にアクセスを集められる「資産」になるのも大きなメリット。広告とは違い、予算をかけない運用も可能です。
記事の最後に資料のリンクやLINE登録ボタンを設置すれば、自然な流れでリードを獲得できます。
オンライン診断コンテンツの設置
ユーザーの興味を引きつけながらリードを獲得したいなら、オンライン診断コンテンツの設置がおすすめです。
たとえば、「あなたにぴったりのSNS運用タイプ診断」や「改善すべき集客ポイント診断」など、ユーザーが思わず試したくなる診断を用意し、診断結果をLINE登録後に見られる仕組みにすれば、自然とリードを集められます。
診断は「楽しみながら参加できる」「自分ごと化しやすい」という強みがあり、クイズ感覚で取り組めるためハードルが低いのも魅力です。
たとえば、LINE公式アカウントの拡張ツールを使うと、ノーコードで診断コンテンツを作成することもできます。
【LINE公式アカウントの拡張ツール「Lステップ」で作成】
LINE上での診断を通じてユーザーの属性や悩みを取得でき、その後のアプローチにも活用できるでしょう。
オフラインでリードを獲得する方法
対面でのコミュニケーションが可能なオフライン施策は、信頼関係を築きやすく、確度の高いリードを獲得できます。
ここでは、現場で活用できる具体的なリード獲得方法を3つ紹介します。
展示会・イベントで名刺やアンケートを通じて連絡先を取得する
オフラインでリードを獲得する手法として効果的なのが、展示会・イベントで名刺やアンケートを通じて連絡先を取得する方法です。
来場者はすでにテーマに興味を持って参加しているケースが多く、比較的温度感の高いリードが集まりやすいのが特徴です。
たとえば、自社ブースで「LINE登録でノベルティ進呈」「アンケート回答で無料相談チケット贈呈」といったオファーを用意すると、自然な形で連絡先を獲得できます。
名刺交換だけで終わらせず、QRコード付きのPOPや案内状を設置し、LINEやメルマガへの導線も作っておきましょう。
さらに、イベント後にお礼メールやLINEで情報提供を行えば、商談化やナーチャリングへの第一歩にもつながります。リアルの接点を活かして、継続的な関係を築くスタート地点として活用してみてください。
チラシやPOPにQRコードを載せ、LINE登録やLPへの誘導につなげる
店頭やイベント会場など、リアルな場でのリード獲得を後押ししてくれるのが、QRコードを活用した紙媒体からの導線づくりです。
たとえば、店舗のレジ横に「今だけLINE登録で割引クーポン進呈!」というPOPを設置し、QRコードを読み取ってもらうだけで、スムーズに見込み客を獲得できます。
出典:LINE キャンパス
QRコードは、紙からデジタルへの橋渡しをしてくれる便利なツール。チラシ、ショップカード、商品のパッケージなど、さまざまな場所に設置できるのが強みです。とくに美容室や飲食店、展示会など、リアルな接点がある場では高い効果を発揮します。
ポイントは、QRコードの先にある「登録したくなる理由」をしっかり提示すること。特典や診断、限定情報などを用意しておくと、より多くの人がアクションしてくれます。
店舗や商談の場でキャンペーンへの登録を促す
オフラインでのリード獲得には、店舗や商談の場でのキャンペーン登録の案内も効果的です。
たとえば、店頭で「LINE登録で次回使える割引クーポンをプレゼント中」と伝えれば、購入や来店のタイミングで自然に登録を促せます。
弊社の調査においても、店舗のPOPやポスター、店員からの声掛けでLINE公式アカウントの存在を知り、登録に至る人が多いようです。
商談の場では、相手が興味を持っている状態を活かし、「導入事例や活用ノウハウをLINEで配信しています」と軽めに案内するのがおすすめです。
無理なく価値を感じてもらえる形で誘導できれば、登録率も高くなります。対面だからこそ、相手の反応を見ながらタイミングよく提案できるのも強みです。
リードを獲得する3つのポイント
「リードをもっと増やしたいけど、何から手をつけていいかわからない…」という方も多いのではないでしょうか。
実は、リード獲得にはいくつか押さえておくべきポイントがあります。
ここでは、成果につながるリードを効率よく集めるために意識したい3つのポイントをわかりやすくご紹介します。
明確なターゲット・ペルソナ設定
効果的にリードを獲得するためには、ターゲットやペルソナを明確に設定することが欠かせません。
たとえば
- 「フリーランスになったばかりの30代女性」
- 「自社商品の売上を伸ばしたい中小企業のマーケティング担当者」
など、年齢・職業・悩み・生活スタイルまで細かくイメージすることで、どんな内容を、どの媒体で、どんな言葉で届ければいいかが明確になります。
この設定があいまいなままだと、SNS投稿やLPの訴求がバラバラになり、誰にも刺さらないコンテンツになりがちです。
逆に、ターゲットを絞って「あなたのための情報です」と伝えることで、「自分に関係ある」と感じた人が登録や反応をしてくれる確率がグッと高まります。
リードの「量だけでなく質を高める」うえでも、ペルソナ設定はリード獲得のスタートラインといえるでしょう。
魅力的なオファーを用意する
リードを獲得するには、「登録したくなる理由=オファー」がとても重要です。
ただ「登録してください」と伝えるだけでは、多くの人は行動してくれません。そこで効果的なのが、魅力的なオファーを用意することです。
LINEを例に挙げると「登録すると〇〇のチェックリストがもらえる」「LINE登録で初回限定クーポンをプレゼント」など、相手が「LINEの友だちになりたい」と感じる特典があると登録率が大きく変わります。
オファーは、資料、動画、診断、無料相談など、業種やターゲットによって工夫できます。
ポイントは「誰に、どんな価値を提供できるか」を考えて、相手の悩みや関心にフィットさせること。魅力的なオファーは、見込み客を「積極的なお客様」に変える、リード獲得の強力な武器です。
フォームの設計を最適化する
せっかく興味を持ってもらっても、登録フォームが使いづらいとリードを取りこぼしてしまいます。
そこで大切なのが、フォームの設計を最適化することです。
まず意識したいのは、入力項目の数を絞ること。名前、メールアドレス、電話番号など、3〜5項目程度が理想です。
入力項目の量 | 登録率 | 特徴 |
少ない(例:名前+メール) | ◎ 高い | 入力のハードルが低く、登録してもらいやすい。 |
適度(例:名前+メール+業種) | ○ 普通 | ユーザーの負担も少なく、ある程度の登録が集まりやすい。 |
多い(例:名前+メール+電話番号+住所+会社名など) | × 低い | ユーザーの負担が大きく、途中で離脱されやすい。 |
あれもこれも聞きたくなる気持ちはわかりますが、入力が面倒だと途中で離脱されてしまいます。
また、スマホでの入力のしやすさも重要なポイントです。画面に対してフォームが小さすぎたり、タップしづらい設計だったりするとストレスにつながります。項目ごとの余白やボタンの大きさなど、スマホユーザーの目線で見直してみましょう。
LP(ランディングページ)の用意
リードを獲得するには、専用のLP(ランディングページ)の用意が大切です。
LPとは、資料請求やLINE登録など、特定の行動に特化した「目的別のページ」のこと。アクセスがあったときに、必要な情報が1ページにまとまっていると、登録率が大きく変わります。
たとえば、
- 「得られるメリット」
- 「実際の事例」
- 「よくある質問」
などを整理し、最後に登録ボタンを設置することで、流れに沿って自然に行動してもらいやすくなります。
さらに、ファーストビュー(最初に見える範囲)で「何のページなのか」「登録すると何が得られるのか」が一目で伝わる設計にしておきましょう。
せっかく興味を持ってくれた人を逃さないためにも、LPは「リード獲得の着地地点」として、しっかり準備してください。
LINE公式アカウントの導入
今やリード獲得の定番となりつつあるのが、LINE公式アカウントの導入です。
なぜなら、最初の顧客接点では、相手との心理的な距離感を考慮した段階的なコミュニケーションが重要だからです。
特に初対面でいきなり住所や電話番号などの個人情報を求めるのは警戒心を招くため、段階的な信頼構築が欠かせません。
LINE公式アカウントは、その点で非常に効果的です。気軽に登録でき、かつ利用者も多いため、顧客との初期接点として理想的なツールといえます。
さらに、LINEはメッセージの即時性や開封率の高さから、より深いコミュニケーションへとつなぐ入口として優れています。関心度に応じたアプローチで、顧客との関係を育てていきましょう。
定期的に見直し・改善する
リード獲得の施策は、作って終わりではなく、定期的な見直しと改善が成功のカギです。
LINE登録を促すLPがある場合、
- 「見出しが伝わりづらい」
- 「フォームの項目が多い」
といった小さな要因で、せっかくの興味が離脱につながってしまうことがあります。
たとえば、フォームの入力項目を少なくしたり、オファーの言い回しを「無料資料」から「3分で読めるチェックリスト」に変えたりするだけでも、反応がよくなる場合があります。
ポイントは、感覚ではなく数字で改善すること。LINEの登録数、LPの離脱率、広告のクリック率などを定期的に確認し、「どこがネックになっているか?」を見極めましょう。
オファーの作り方|登録率が上がる鉄板ネタ3選
「登録してください」とお願いするだけでは、なかなかリードは集まりません。
大切なのは、ユーザーが「登録したくなる理由=魅力的なオファー」をしっかり用意することです。
とはいえ、どんなオファーが効果的なのか分からないという方も多いはず。そこで、登録率が上がりやすい鉄板ネタを3つご紹介します。
①成功事例・チェックリスト
まず取り入れたいのが「成功事例」や「チェックリスト」です。
たとえば、
- 「この方法で売上が〇〇%アップした実例」
- 「5分で分かるSNS集客のチェックリスト」
など、実践的な内容をコンパクトにまとめることで、登録する価値を感じてもらえます。
特に成功事例は、「自分にもできそう」と思われやすく、行動の後押しになるでしょう。
チェックリストも、ユーザーが自分の状況を確認できるので、「まずは登録してみよう」という心理につながりやすいです。
形式としてはPDFで配布したり、LINE登録後にすぐ閲覧できるように設定したりすると、ユーザーの満足度も高まります。
専門性をアピールしながら、押しつけ感なくリードを集められるのが、このオファーの大きな魅力です。
②無料相談・診断サービス
リード獲得に効果的なオファーとして人気なのが、無料相談や診断サービスの提供です。
- 「3分でわかる!あなたの集客がうまくいかない理由診断」
- 「LINE登録で無料!あなたに合ったダイエット方法をプロが提案」
- 「ECサイトの改善点、無料でチェックします」
診断は、ユーザー自身が課題に気づくきっかけになりやすく、自然な流れで「もう少し話を聞いてみたい」と思ってもらえるのが大きなメリット。相談形式であれば、ユーザーの悩みを直接聞くことができ、その後の提案にもつなげやすくなります。
特にBtoBや高単価商材では、いきなり売るのではなく「まずは相談」の方が安心感があり、信頼関係を築きやすいのもポイント。LINEや簡単なフォームで申し込めるようにすれば、気軽にリードを集められます。
③割引・クーポン(BtoC向け)
BtoC向けのリード獲得施策としておすすめなのが、割引やクーポンのオファーです。
たとえば、LINEの友だち登録のきっかけは「クーポンなどの登録特典があったから」が多い結果となっています。
「登録するだけで得をする」と感じてもらえる特典は、ユーザーの行動を大きく後押ししてくれます。
- 飲食店:LINE登録でドリンク1杯無料
- ネイルサロン:初回限定500円OFFクーポン配布中
- アパレルショップ:LINE登録で次回10%OFF
といったように、すぐに使える特典があると登録への心理的ハードルがグッと下がります。
また、使用期限や登録者限定といった条件をつけることで、緊急性や特別感も演出できます。シンプルで効果的なオファーとして、ぜひ活用してみてください。
リードを「見込み客」につなげるナーチャリングが重要
リードを獲得した後は、すぐに売り込むのではなく、信頼を築きながら関係を深めていく「ナーチャリング(育成)」が重要です。
ここでは、ナーチャリングの基本と、代表的な施策についてご紹介します。
ナーチャリングとは
ナーチャリングとは、リードを、商品やサービスに関心のある「見込み客」へと育てていくプロセスのことです。
たとえば、LINE登録や資料請求をしてくれた人に対して、すぐに売り込むのではなく、役立つ情報や成功事例を定期的に届けて、少しずつ信頼関係を築いていきます。
すべての人が最初から「今すぐ買いたい」わけではありません。丁寧に情報を届けて信頼を積み重ねていけば、数週間後や数ヶ月後に「買ってみようかな」と感じてもらえる可能性があります。
ナーチャリングで大切なのは、「売り込まずに関係を築く」こと。
ここで重要になるのが、DRM(ダイレクトレスポンスマーケティング)の本質ともいえる「コミュニケーションの生産性」です。
※ダイレクトレスポンスマーケティング(DRM)とは、「資料請求」や「LINE登録」など、見込み客から直接反応を得ることを目的としたマーケティング手法です。
コミュニケーションの生産性は「質 × 量」で決まります。
つまり、「誰に・どんな情報を・どれだけの頻度で届けるか」が成果を左右するのです。
見込み客に合わせて情報の内容やタイミングを工夫し、的確に接点を持ち続けることで、エンゲージメントが高まり、最終的には売上につながるようになります。
ナーチャリングは、ただ情報を送るのではなく、「相手の信頼を育てるコミュニケーションの積み重ね」だと考えて、丁寧に進めていきましょう。
ナーチャリングの代表的な施策
ナーチャリングを効果的に行うには、リードの状態や関心度に合わせて、段階的にアプローチしていくことが大切です。
ここでは、見込み客との関係を深めるために役立つ代表的な施策を3つご紹介します。
ステップ配信
ナーチャリング施策の中でも代表的なのが、ステップ配信です。
ステップ配信とは、あらかじめ設定したメッセージを順番に自動で届ける仕組みのこと。
たとえば
- 「登録直後にお礼」
- 「2日後に導入事例」
- 「5日後に無料相談の案内」
といったように、段階的に情報を届けていきます。
この方法の良いところは、ユーザーの関心や理解度に合わせて、押しつけ感なく自然な流れで信頼関係を築ける点です。毎回手動で配信する必要もなく、効率よくリードを育てられます。
「登録してもらったけど、その後の対応がバラバラ…」という方こそ、ステップ配信を活用してみてはいかがでしょうか。
ホワイトペーパーや事例資料の提供
ナーチャリング施策として有効なのが、ホワイトペーパーや事例資料の提供です。
ホワイトペーパーとは、あるテーマについて詳しく解説したレポート資料のこと。
たとえば
- 「初めてのLINEマーケティング入門」
- 「中小企業でもできる集客改善5つのコツ」
など、ユーザーが“知りたいけど調べきれていないことを丁寧にまとめると、非常に喜ばれます。
さらに、導入前後の変化や成果を紹介する事例資料は、「他社も使っている」「効果が出ている」という安心感を与え、検討中のユーザーの背中を押してくれます。
これらの資料は、LINEやメールのステップ配信の中で提供するのが効果的です。
単なる情報提供にとどまらず、「もっと詳しく知りたい」「相談してみたい」という気持ちを自然に引き出し、見込み客へと育てていきましょう。
ウェビナーの開催
ナーチャリング施策としておすすめなのが、ウェビナー(オンラインセミナー)の開催です。Zoomなどのツールを使えば、場所にとらわれず気軽にリードとの接点を持てます。
テーマは、「初心者向けに〇〇の基礎を解説」や「導入事例をもとに成果の出し方を紹介」など、リードの興味や不安に寄り添う内容が効果的です。
リアルタイム配信であれば、その場での質疑応答や個別相談への誘導もしやすく、関係構築にもつながります。
さらに、ウェビナーは視聴維持率が高い点も注目ポイントです。
特にオートウェビナー(録画配信型)は、ライブ配信とは異なりあらかじめ決められた配信スケジュールに沿って視聴できるため、ユーザーが予定を立てやすく、最後まで視聴される傾向があります。
実際、一般的なYouTube動画では平均視聴維持率が40%程度とされる一方で、オートウェビナーでは60%を超える結果が出ています。
【LINE上でオートウェビナーが開催できる「L-CAST(Lキャスト)」の数値】
さらに、「録画アーカイブの配布」「アンケートでの課題ヒアリング」といったフォローを組み合わせれば、より質の高いリードへと育てられるでしょう。
効率的にリード獲得を実現した事例
ここまで、リードを獲得・育成するためのさまざまな方法をご紹介してきました。
とはいえ「実際に効果があるの?」と感じた方もいるかもしれません。
そこで実際にリード獲得で成果を上げている事例を2つご紹介します。
3ヶ月で友だち登録7,200人超の飲食店
カレーハウス「CoCo壱番屋」の4店舗を運営する有限会社関谷様の事例です。
同社では、わずか3ヶ月で7,200人以上のLINE友だちを獲得しました。
驚くべきは、広告を一切使わず、店舗スタッフによる声かけだけでこの成果を出している点です。「友だち追加とアンケート回答で200円引き」と自然に伝えることで、高い反応率を実現しました。
また友だち追加時のアンケートの回答率もなんと97.8%と、質の高いリード情報を取得できています。
さらに、LINE公式アカウントの機能を拡張できるLステップも導入。LINE上で使えるポイントカードやガチャを作成し、再来店を促す仕組みも構築しました。
スタッフ全員が目的を理解し、現場で工夫を重ねた結果、費用をかけずに効率よくリードを獲得できています。
オープン前に友だち登録400人を達成したパン屋
パン屋がひしめく激戦区・横浜市青葉区で新規オープンしたパン屋さんの事例です。
こちらのお店では、LINE公式アカウントとLステップを活用し、開店前に友だち400人超を達成しています。
オープン前の工事中の時点で、外壁にQRコードを掲示し、登録者にはオープン日までのシナリオ配信で期待感を演出。その結果、オープン当日は行列ができ、パンが完売するほどの大反響でした。
さらに、Lステップを活用した診断やクイズなどの参加型コンテンツを設け、LINEを通じたお店とのつながりを強化。クーポンや新商品の告知も積極的に行い、リピート促進にも成功しています。
LINE公式アカウントとLステップの導入により、オープン前からリードを獲得し、ファンづくりまで実現した好事例といえるでしょう。
リード獲得〜育成を自動化するならLステップ
リード獲得を効率よく進めたいなら、Lステップの活用がおすすめです。
LステップはLINE公式アカウントの機能を拡張できるツールで、リード獲得から育成を自動で行えます。
特にLステップのセグメント配信を活用すれば、配信やフォローアップを自動化でき、限られた時間でも効率よくリードを育てるナーチャリングが可能になります。
LINE公式アカウントでも、性別・年齢・地域などの属性をもとに配信は可能です。
ただし、これらはLINE側が独自に調査した「みなし属性」。ユーザー一人ひとりの興味関心に合わせた精度の高い配信には不向きです。
一方Lステップでは、ユーザーの行動やアンケート回答などのデータに基づいてセグメントができます。
たとえば「便秘が気になる」と回答した人には食物繊維のサプリを、「代謝が悪い」と答えた人には代謝改善の漢方を案内するなど、自動でニーズに合った情報提供が可能です。
【エステサロンのアンケート例】
このように、興味・悩みごとにセグメントした配信を行えば、ただリードを集めて終わりではなく、その後もユーザー一人ひとりに最適な情報を届けながら購買意欲を高められます。
Lステップはリードを獲得してからの「関係性の構築」「購入・予約への後押し」までを、一貫したシナリオで自動化できるツールといえるでしょう。