
今回は、Zoomウェビナーの使い方や、おすすめの活用シーンなどを解説します。
ウェビナーの効果を高めるおすすめツールも解説しますので、ぜひ参考にしてくださいね。
目次
Zoom Webinars(Zoomウェビナー)とは
Zoom Webinars(Zoomウェビナー)とは、大規模なオンラインイベントに特化した、Zoomのオプション機能です。
プランによって数万人規模の視聴に対応しているため、ウェビナー以外にもコンサートやカンファレンスなど、さまざまなシーンで活用されています。
運営側で参加者の音声やビデオをコントロールできるので、よりプレゼンターにフォーカスした配信スタイルが特徴です。
現時点ではアメリカ国内に限られますが、2024年には参加者数が最大100万人にまで拡大されるなど、今後もさらなるアップデートが予測されています。
ZoomウェビナーとZoomミーティングの違い
Zoomウェビナーとミーティングの違いは、コミュニケーションの方向性です。
通常のミーティングでは、参加者も自由に交流できますが、Zoomウェビナーではホストが一方向で配信する「1:多」が基本になります。
イメージとしては、Zoomミーティングが会議スペースで行うワークショップなら、ウェビナーは講義ホールなどで行う講演会ですね。
また、ミーティングでは参加者とホストの2者なのに対し、ウェビナーではホストのサポート役を担う、パネリストの設定ができるのも特徴です。
大まかな機能の差は、以下をご確認ください。
Zoomミーティング | Zoomウェビナー | |
参加人数 | 100~1,000人 | 500~50,000人 |
主な用途 |
|
|
オーディオ
ビデオ画面共有 |
参加者全員 | ホストとパネリストのみ変更可 |
参加者リスト | すべての参加者に表示 | ホストとパネリストのみ閲覧可 |
ブレイクアウトルーム | あり | なし |
Q&A機能 | なし | あり |
Zoomウェビナーのメリット
Zoomウェビナーのメリットを解説します。
大規模なウェブセミナーを開催できる
最大50,000人まで参加できるため、規模の大きなイベントに適したツールです。
会社説明会やバーチャルサミットなど、多くのユーザーにアピールしたい団体や企業向けのサービスと言えるでしょう。
一般的に、規模が大きくなる程セミナーの進行は難しくなりがちですが、ウェビナーでは参加者の関与を抑えられるため、安定した配信を行えます。
ウェビナーに必要な機能が充実している
Zoomウェビナーには、チャットやレコーディングといった基本機能に加えて、
- Q&A機能
- 投票機能
- アンケート機能
- 登録ページの作成
など、ウェビナーに特化した機能が充実しています。
また、アンケートや投票の回答はレポートとしてもダウンロードできるため、情報収集の簡略化、およびコンテンツの改善にも有用です。
参加者に安心感を得られる
発言権を与えられない限り、参加者はカメラやマイクをオンにする必要がありません。
プライバシーが保護された状態で参加できるため、服装や背景などに気を配る必要がなく、よりコンテンツに集中しやすい環境を提供できます。
また利用者数の多さもポイントのひとつ。2023年に公表された日経クロステックの調査によると、Zoomは企業で最も利用されているWeb会議システムです。
多くのユーザーが直感的に操作できるだけでなく、新しくアプリをインストールしてもらう手間も省けます。
複数のチャネルでライブ配信ができる
YouTubeライブやFacebookなど、ストリーミングサービスへの同時配信が可能です。
複数のチャネルで配信を行えば、視聴率の向上だけでなく、特定のプラットフォームに偏ったユーザー層へのアプローチにもつながります。
また新サービスのローンチ時など、注目度が高まるタイミングで同時配信を行えば、販路拡大の起爆剤ともなり得るでしょう。
YouTubeであればアーカイブも残せるので、長期的にアピールできるのも利点です。
CRMやMAツールと連携ができる
HubSpotやMarketoなど、外部ツールと連携ができるので、メールの自動配信や顧客管理といった、アナログな業務をシステム化できます。
特にウェビナーにおいて、リマインドは欠かせません。ライブ配信に関する弊社の調査では、半数以上のユーザーがリマインドを希望している、との結果も出ています。
また各種ツールと併用して、LINEのビジネス用サービス、LINE公式アカウントを活用すれば、顧客の取りこぼしを最小限に抑えられるでしょう。
LINEをビジネスに活用するメリットは、大きくわけて以下の2つです。
- 月間アクティブユーザー数9,700万人以上※2024年9月末時点
- メッセージは約60%がほぼすべて確認※自社調べ
国内でビジネスを行うなら、マストで活用したいコミュニケーションツールと言えますね。
Zoomウェビナーの活用シーン
Zoomウェビナーは、セミナー以外にも幅広い分野で活用できるツールです。それぞれのシーンごとに、活用例を解説します。
活用例①:社内向け
時間や場所に縛りがないため、スムーズな社内コミュニケーションが実現します。例えば以下のようなシーン。
- 部門を超えた情報共有
- 全社員への方針説明会
- 店舗合同の研修会
上記のように、多くの社員が参加する全社的な情報発信の場として活用できます。
また、録画機能を利用すれば情報のシェアもスムーズになるため、伝達漏れによる人的トラブルを抑えられるでしょう。
活用例②:社外向け
社外向けのマーケティングにも効果的です。例えばウェビナー以外にも、
- 新商品のローンチ
- オンライン展示会
- 会社説明会
など、さまざまなシーンで活用できます。
また、世界中のユーザーに同時配信ができるので、国際交流イベントといったグローバルな場にも適したツールです。
活用例③:教育関係
教育や研修分野においても広く活用されています。具体的には、以下のような活用法が挙げられるでしょう。
- SaaSツールのオンボーディング
- オンライン試験会場として利用
- 学生用のeラーニング
Q&A機能などを活用すれば、理解度をチェックしながら配信ペースを調整できるため、参加者の満足度アップにもつながります。
Zoomウェビナーのプランと料金
Zoomウェビナーを導入するには、Zoom Workplaceの有料プランが必須です。
2025年2月時点で実装されているのは、無料のベーシックをのぞいて以下の2つ。
- プロ :月額2,399円
- ビジネス:月額3,299円
上記のいずれかを契約した上で、アドオン(拡張機能)としてZoom Webinarsを追加します。料金は参加人数の規模によって異なるので、自社にあったプランを選択しましょう。
参加人数 | 月額 |
500人 | 11,850円 |
1,000人 | 51,000円 |
3,000人 | 148,500円 |
5,000人 | 373,500円 |
10,000人 | 973,500円 |
10,000人+ | 要問い合わせ |
なお、支払い方法は月払い以外にも、年払いやサブスクリプションなども用意されています。詳細はこちらをチェックしてみてください。
【主催者】Zoomウェビナーの使い方
Zoomのライセンスとアドオンの準備ができたら、次に実際の開催手順に進みましょう。
スケジュール設定
- Zoomウェブポータルにサインイン
- ナビゲーションメニューの「ウェビナー」をクリック
- 「ウェビナーをスケジュールする」をクリック
- 基本情報の設定
- 「スケジュール」をクリック
基本情報ではトピック名や期間などの他、Q&A機能といったオプションを設定できます。
また「登録」にチェックを入れておけば、名前やメールアドレスの事前登録が必須となるため、リストの取得やセキュリティを強化したい場合におすすめです。
参加者・パネリストの招待
招待方法は下記の通り。
【参加者の招待方法】
- 「招待状」タブをクリック
- 「出席者を招待」から参加用リンク・招待状をコピー
- リンク・招待状を参加者に共有
【パネリストの招待方法】
- パネリストを追加するウェビナーをクリック
- 「招待状」タブをクリック
- 「パネリストの招待」で名前とメールアドレスを設定
- 「保存」をクリックし招待メールを送信
ウェビナー開始
- Zoomウェブポータルサイトにサインイン
- メニューから「ウェビナー」をクリック
- 該当のウェビナーを検索
- 開催時間に合わせて「開始」をクリック
【参加者】Zoomウェビナーへの参加方法
Zoomウェビナーへの参加方法は、大きく分けて以下の2つ。
- 招待リンクをクリック
- 「ウェビナーID」を入力
ホストが事前登録を必須にしている場合は、まずは登録リンクで必須事項を記入し、その後招待リンクが送信される仕様になっています。
リンクを経由せず、Zoomのブラウザで参加する方法は以下の通りです。
Zoomウェブポータルサイトにサインイン>右上の「参加」をクリック>招待リンクに添付されたウェビナーIDを下記のスペースに入力
Zoomウェビナーの注意点
Zoomウェビナーを行う際の、注意点やポイントを解説します。
顧客管理が煩雑になる場合もある
ツールや管理体制に乖離があると、かえって運用が難しくなるケースもあります。
例えば、MAツールと併用してLINE公式アカウントを運用している場合、LINE上の友だち情報とZoomに連携できるツールのデータは、別々に保管されている状態です。
そのため、情報を統合するために別途ツールを導入するなど、運用コストがかさんでしまう可能性もあるでしょう。
また、複数チャネルでの同時配信はメリットである一方、外部サイトで視聴されたデータは、レポートとして蓄積されない点にも注意が必要です。
上記のような難点から、メインとするツールやプラットフォームは、ある程度絞っておくのが無難と言えます。
運用方法を最適化する
業務プロセスを最適化し、作業効率を高めていきましょう。
例えば配信方法にしても、ライブやオンデマンドとさまざまです。研修用ならオンデマンド、販促ならライブで行うなど、目的ごとに適切なスタイルも異なります。
また、より業務を効率化するなら擬似ライブ配信もおすすめです。
擬似ライブとは、録画した動画をライブのように配信する形式で、ウェビナーを自動化したオートウェビナーを構築できます。
ちなみに、Zoomにもシミュライブ(疑似ライブ)が存在しますが、利用するにはウェビナーより上のプランである、Zoom Sessions以上の契約が必要です。
コンテンツの流出に気を付ける
セキュリティ対策は必須です。Zoomウェビナーでは、申し込み時に以下のような制限を設けられるので、必要な場合は設定しておくのをおすすめします。
- パスコードの設定
- 管理者による手動承認
- 登録ページに質問事項を設置
とは言え、パスコードや質問事項に関しては、シェアされてしまえば容易にセキュリティを突破されてしまうのも事実です。
また、登録時に手動で承認するにしても、規模が大きくなればなるほど、確認漏れが出る可能性も高まるでしょう。
いずれにしても懸念点は残されているので、保安性の観点から見た場合、手放しに安全とは言い切れないのが現状です。
コストがかかる
本格的にウェビナーを運用する場合、それなりのコストがかかります。
Zoomの有料ライセンスやアドオンの拡張費、高度なMAツールを導入するのであれば、ソフトウェアの購入・維持費も必要です。
またZoom上で疑似ライブ機能を利用する場合、さらに上のプランを契約しなければならないのは先述の通り。
諸々踏まえた上で、以下の例で試算してみましょう。
元手を回収できる目処があれば別ですが、新規で事業をはじめる方にとって、安い費用とは言えませんね。
ウェビナーには「Zoom×Lキャスト」がおすすめ
Zoomでウェビナーを開催するなら、L-CAST(Lキャスト)をおすすめします。
Lキャストとは、LINE公式アカウント専用のマーケティングツール「Lステップ」と連携して利用する、オートウェビナーツールです。
配信形式は録画ウェビナーですが、リアルタイムウェビナーのような臨場感を提供できます。
ここからは、ZoomとLキャストの組み合わせが最適な理由をみていきましょう。
自動化による工数削減
Lキャストは、ウェビナーを自動化できる豊富な機能を有しているため、運用負担の軽減に役立ちます。機能の一部は以下をご確認ください。
- 擬似LIVE機能 :生放送のような録画ウェビナーを配信
- 見逃し配信機能 :録画をスケジュールに従い自動で再配信
- 自動オファー機能 :ウェビナー画面内にオファーボタンを自動表示
- ステップコメント機能 :事前に設定したコメントを進行に合わせて自動投稿
- コメントアクション機能:視聴者からのチャットコメントに応じてアクションを実行
その他、Lステップ自体が精密なMAやCRMツールとして活用できるので、外部の管理ツールも不要です。
また、売上アップや業務効率化が目的なら、わざわざZoomの有料プランを契約する必要もないかもしれません。
例えばLキャストの「自動定期配信機能」は、指定したスケジュールに従い、自動でウェビナーを開催する機能です。
上記の機能を活用し、集客ウェビナーをオートで連日開催。オファーボタンをクリックしたユーザーをタグ付けし、週1のリアルウェビナーへ誘導する、などの施策を行えます。
オートで教育を行い、リアルで販売する。このような流れを仕組み化できれば、規模の大きなリアルウェビナーを開催しなくとも、少ない労力で売上を維持できます。
視聴制限の強化
Lキャストの強みのひとつが、LINEログイン認証です。ウェビナーに参加するには、LINEへの紐づけが前提となるため、コンテンツ流出の抑止となります。
簡単に言うと、スマホ自体を誰かに渡さない限り、不正視聴される心配はありません。
また「視聴条件設定」を活用すれば、より強固なセキュリティ対策も可能です。
例えば、商品を購入したユーザーをタグ付けし、購入者だけにコンテンツを提供するような設定も行えます。これにより、
- 有料ウェブセミナーの保護
- VIPコミュニティの構築
- PPVコンテンツの提供
など、より柔軟なライブマーケティングを行えます。
顧客管理の一元化
Lステップ連携により、さまざまなデータを一元化できます。ユーザーの行動履歴を追えるだけでなく、連携したデータをもとにパーソナライズされた配信も可能です。
また、Lステップの流入経路分析を活用すれば、「YouTube経由 :20人」「Facebook経由:10人」といったように、ユーザーがどこから友だち追加したのかを特定できます。
上記の結果をもとに、経路ごとに反応率の高いウェビナーを配信する、セグメントウェビナーを行えば、よりユーザーに刺さりやすい内容を提供できるようになるでしょう。
Zoom単体では外部サイトの視聴データは残らない仕様でしたが、Lステップ×Lキャストの活用により、さまざまな顧客データを集約できます。
オート×リアルで参加率アップ
Zoomセミナーへの誘導として、オートウェビナーを活用するのもおすすめです。
例えば、1度目の案内で参加に至らなったユーザーを抽出し、未参加者に絞って10〜15分程度のハイライトをオートで提供。
配信終了後にZoomの登録リンクを提示すれば、ユーザーの興味・関心が再加熱した状態で案内できるため、参加率アップが見込めます。
このとき役立つのが、Lキャストのリダイレクト機能。リダイレクト機能とは、放送終了後に好きなページに転送できる機能です。
オートウェビナーを視聴した、確度の高いユーザーを集められるため、成約率のアップにも期待が持てるでしょう。
まとめ
Zoomウェビナーの使い方や、ミーティングとの違いを解説しました。
本記事がウェビナー運営の参考になれば幸いです。