昨今LINEを活用する飲食店は増えています。自社でもLINEを取り入れるべきか、興味を持たれている方は多いのではないでしょうか。
- LINEを導入したら具体的にどんなことができるの?
- 使い方は簡単?
- 導入コストはどれくらいかかる?
普段使うチャットや通話以外に、LINEでは何が、どのくらいの手間で、いくらでできるのか、当然気になりますよね。
そこで今回は、LINEでできることや、飲食店におけるLINEの活用事例を紹介します。
目次
個人の飲食店は細かい経営計画が必要
飲食店経営の難易度は高く、廃業率は3年以内で70%、10年以内で90%ともいわれる厳しい世界です。
よって細かい経営計画を立て、着実に実行していかなければなりません。
実際に個人経営の飲食店は年に1,000〜2,000万円程度の売上が必要といわれています。
これを1ヶ月に換算すると83〜167万円、1日で2.7〜5.5万円程度の売上が必要です。
現在、安定した売上を保っている飲食店であっても、気候変動やウイルスなどの影響で、売上の減少や廃業になるケースも少なくありません。
だからこそ、LINEなどのツールを活用して、集客や売上アップをしたい飲食店が増えているのです。
飲食店で使えるLINEサービス
まずは飲食店で使えるLINEサービスを紹介します。
LINE公式アカウント
飲食店に限らず、ビジネスでは事業者向けのLINEサービス「LINE公式アカウント」を使うのが一般的です。
LINE公式アカウントを開設すると、個人用のLINEにはないメッセージ配信機能や、クーポン、ショップカードといった、多彩な機能が使えます。
なお、アカウントの開設は無料なので、初期費用もかかりません。
LINEで予約
「LINEで予約」は文字通り、LINEで予約ができる機能です。現在は飲食店のみが対象で利用できるサービスとなります。
ぐるなび、Yahoo! JAPANなどのパートナー加盟飲食店と提携して、席のみ指定でのオンライン即予約に対応しているお店であれば利用可能です。「LINEで予約」実装方法については、各社にお問合せください。
「LINEで予約」の実装イメージは以下の通りです。
非常にシンプルで使いやすい設計になっています。
LINEミニアプリ
「LINEミニアプリ」とは、LINE上で店舗サービスが提供できるプラットフォームです。
- 予約受付
- テーブルオーダー
- 順番待ち受付/呼び出し
- デジタル会員証
など、さまざまな機能があります。
LINEミニアプリは、機能によって導入費用やランニングコストがかかるものもあるため、詳細は「LINEミニアプリ パッケージ一覧」をご確認ください。
飲食店で役立つLINE公式アカウントの機能
飲食店で役立つLINE公式アカウントの機能を紹介します。
メッセージ配信系機能
LINE公式アカウントを開設すると、以下のメッセージ配信系機能が利用できます。
- あいさつメッセージ
- 一斉配信
- セグメント配信
- ステップ配信
- LINEチャット
- 自動応答メッセージ
- リッチメッセージ/リッチビデオメッセージ
友だち全員に一斉にお知らせを送ったり、特定の条件に合う友だち限定にメッセージをしたり、営業時間外は自動応答にしたり、あらゆるアプローチが可能になります。
リッチメニュー
リッチメニューとは、トーク画面下部(赤枠部分)に表示される固定メニューのことです。
自社のHPやSNSのリンクを設置することもできますし、LINEクーポンやショップカード、問い合わせを表示するなど、自由にカスタマイズ可能です。
飲食店においては、席の予約やデリバリー予約につながるボタンを設置するお店も多くあります。
クーポン
LINE公式アカウントでは、LINE上でクーポンの発行・管理が可能です。
クーポンの種類は「割引・無料・キャッシュバック・プレゼント・その他」の5つから選べて、使用可能回数も設定可能です。
クーポンをフックに、友だち追加を増やす飲食店も多数あります。
ショップカード
ショップカードとは、LINE上で発行・管理できるポイントカードのことです。
ポイント数は1〜50ポイントの中から自由に設定でき、特典の設置場所や内容も自由に設定できます。
ショップカードを紙からLINEに移行すれば、印刷したり在庫管理したりする必要がなくなるので、コストカットにつながる点は大きなメリットといえるでしょう。
またユーザーからすると、いちいちカードを持ち歩かなくて済むのが単純に楽です。お店にとってもユーザーにとっても嬉しい機能といえます。
飲食店にLINE公式アカウントを導入する5つのメリット
飲食店でLINE公式アカウントを導入するメリットは以下の通りです。
- 無料でスタートできる
- 幅広い層にリーチできる
- メールより開封率が高く集客に効果的
- クーポンやショップカードを集客に使える
- 問い合わせの一部自動化ができる
それぞれについて、詳しく解説していきます。
無料でスタートできる
LINE公式アカウントには無料プランと有料プランがありますが、無料プランでも基本機能はすべて使えます。
コミュニケーションプラン(無料プラン)での配信は月に200通と少ないですが、導入直後は友だち数が少なく、配信数も多くないのであれば、気にする必要はありません。
あらゆる機能が無料で使えて、アカウント開設時に初期費用もかからないので、導入リスクはゼロです。
※「LINEで予約」と「LINEミニアプリ」は除きます。「LINEで予約」自体は無料ですが、パートナー加盟飲食店への加盟に際して、費用が発生する場合があります。
幅広い層にリーチできる
LINEの国内月間利用者数は約9,700万人。日本人口の約8割がLINEを利用している計算です。(2024年3月末時点)
LINEの認知度は非常に高いため、多くの飲食店でLINE公式アカウントが利用されています。
LINE公式アカウントであれば、新たにアプリのインストールや、サイトへ登録をしてもらう必要がなく、気軽に友だち追加してもらいやすくなります。
実際にLINE公式アカウントを友だち登録することに対して「抵抗がある」という人はそう多くありません。
※当社調べ
お客様の登録ハードルが下がるのも、LINE公式アカウントを利用するメリットです。
メールより開封率が高く集客に効果的
LINE公式アカウントでの配信は、メールよりも開封率が高いといわれています。
以下は、従来のメールとLINE公式アカウントを比較したものです。
LINE公式アカウント | メール | |
到達率 | 100% | 10~30% |
配信内容の気づきやすさ | 10分 | 5時間 |
開封率 | 60% | 10~30% |
クリック率 | 25% | 5~10% |
成約率 | 10% | 1~10% |
ステップシナリオ配信 | ◯ | ◯ |
細かなセグメント配信 | △ | ◯ |
ユーザー管理 | × | △ |
プッシュ通知 | ◯ | △ |
拡張性 | △ | ◯ |
スマホとの親和性 | ◯ | × |
※当社調べ
このように、LINE公式アカウントの方がメールよりもユーザーに届きやすいことがわかります。
またLINE公式アカウントからメッセージを受け取って見るまでの体感値は、「すぐ見る」が約2割、「3〜6時間以内」が過半数、「その日のうちに」は約8割という結果が出ています。
よってメールよりも、LINE公式アカウントで発信した方が、集客に効果的といえます。
クーポンやショップカードを集客に使える
LINE公式アカウントは友だちを集めやすいのが特徴です。
お得なクーポンやショップカードを用意すれば、来店者をどんどん取り込めるからです。
例えば、
- 「友だち追加してくれたらドリンク1杯無料」
- 「毎月デザートが無料になるクーポンを配信」
などの特典を用意すると、お客様も「友だちになるとお得に利用できる」と思ってくれます。
実際に友だち登録のきっかけは、「クーポンなどの登録特典があったから」という人が多いです。
※当社調べ
よってクーポンで特典を用意したり、ショップカードでポイントを貯められたりすれば、友だち追加のハードルが下がります。
ぜひこれらの機能を活用して、友だちを増やしていきましょう。
問い合わせの一部自動化ができる
機械的に回答できる問い合わせを減らしたい、と感じている方は多いのではないでしょうか。
自動応答メッセージ機能を使うと、問い合わせの一部自動化が可能です。
イレギュラーな質問への対応は難しいですが、営業時間や定休日、禁煙・喫煙の確認程度であれば、十分対応可能です。
飲食店のLINE公式アカウント活用事例
ここからは、飲食店のLINE公式アカウント活用事例を紹介します。
ごちそう村
「ごちそう村」をはじめ、複数の飲食ブランドを運営する株式会社入船では、ハガキやDMに代わる来店促進の施策として、LINE公式アカウントを導入しました。
インパクトのあるクリエイティブや、LINE限定のクーポンを巧みに使い、大幅に売上を伸ばしています。
来店促進をハガキ・DMからLINEに変えて、面白みのある訴求をした結果、売上はなんと約14倍もアップ。
※引用:LINE for Business【低コストで売上効果14倍。楽しくファンを増やす「ごちそう村」のLINE活用術】
また同社では、LINE経由の予約獲得にも注力しています。
LINEに予約導線を設置して1年、全体予約の約30%がLINE経由にまで伸び、今やLINE公式アカウントは同社の来店促進に欠かせないツールになっています。
ピザハット
宅配ピザチェーンでお馴染みのピザハットでは、ユーザー接点の多様化やコミュニケーションの強化を目的に、LINE公式アカウントを導入しました。
友だち登録するとLINE限定クーポンが受け取れたり、LINEから予約ができたり、お得で利便性の高い作りになっています。
ピザハットならではのLINEの使い方は、テイクアウトで注文したユーザーに焼き上がりのタイミングをLINEでお知らせしている点です。
ベストなタイミングで商品を渡せるような工夫も取り入れた結果、利用満足度が大幅に向上し、LINE経由の注文は前年比の3倍に。
即時性の高いLINEの特性をうまく活用している事例です。
参考:LINE for Business【LINE通知メッセージでピザハットの顧客満足度が上昇、LINE経由の注文が3倍に!】
ステーキのどん
ファミリーレストラン「ステーキのどん」を展開する株式会社アークミールでは、コロナ禍でユーザーの来店動向が変化したのを機に、LINE公式アカウントを導入しました。
新メニューや割引キャンペーンなどの情報発信のほか、テイクアウトの受付や予約機能を導入し、利便性を高めています。
全店のアカウントに予約機能を実装し、LINEから予約したユーザー限定でポテトフライを無料プレゼントにした結果、最初の5日間で650組もの予約を獲得。
「ステーキのどん」のメインユーザーは30~40代のファミリー層ですが、次世代ユーザーのファン化を進めるべく、今後もLINEをどんどん活用していく方針です。
参考:LINE for Business【導入から5日間で約650組が「LINEで予約」を利用!「ステーキのどん」が実感した「LINEで予約」の活用メリット】
飲食店でLINEを使うなら「Lステップ」もおすすめ
LINE公式アカウントの運用をより効率化したいなら「Lステップ」がおすすめです。
Lステップとは、LINE公式アカウントの機能を拡張したマーケティングツール。LINE公式アカウントよりも、さらに踏み込んだ機能が使えるため、飲食店の手助けになってくれるはずです。
特に飲食店運営においては、リピート率が売上を大きく左右することをご存知でしょうか?
飲食店では、初回来店した人が再来店する確率は、10%程度しかありません。しかし、2回来店した人が3回目の来店をする確率は約40%に上がり、3回来店した人が次に来店する確率は約60%にもなると言われています。
参照:ホリエモンが即採用。中小企業のDXを加速する「Lステップ」に“チャンスしかない”理由
つまり集客だけでなく、リピートしてもらう仕組みを作らなければ、売上アップにつながらないということです。
また、マーケティングの世界では
と言われています。
よってお客様に定着してもらう施策が必要です。
- 来店後にお礼のメッセージを送る
- 誕生日にバースデーメッセージorクーポンを送る
- 来店回数が多いお客様に特別クーポンを送る
このように来店いただいたお客様に対して、アプローチしなければなりません。
しかし飲食店の業務は多忙で、LINE公式アカウントの運用に手が回らないという方もいると思います。
そこで役立つのが「Lステップ」です。
例えば、来店後のお礼メッセージやバースデーメッセージなどの配信は、Lステップの活用ですべて自動化できます。
設定さえしておけば、業務量を増やすことなくリピート施策ができるようになるんです。
飲食店経営でLINEの活用を検討されている方は、Lステップも併せてチェックしてみてください。