「メルマガは時代遅れ?」と感じる方は多いのではないでしょうか。
しかし実際には、メルマガは依然として効果の高いマーケティング手法として活用されています。
平日のネット利用時間に関する総務省の調査では、メールの利用は動画サービスに次いで2番目に長く、SNSよりも多い結果が出ています。
本記事では、メルマガが時代遅れと思われる理由を整理し、効果を高めるテクニックを解説。さらに、LINEとの違いや両者を効果的に組み合わせる方法もまとめました。
メルマガの強みを理解し、ターゲットに響くコミュニケーションを実現しましょう。
目次
メルマガが時代遅れと思われる3つの理由
メルマガが「時代遅れ」と言われる背景は、以下の3つです。
- SNSやLINEの利用者が増えている
- メールが届かないケースがある
- 開封してもらえない悩みがある
SNSやLINEの利用者が増えている
SNSやLINEの利用者が増え、メールの利用頻度が減少しています。企業でも新しいマーケティング施策を取り入れる動きが活発化している状況です。
特に、LINEのビジネス用アカウント「LINE公式アカウント」は、約60%※と高い開封率を誇り、プッシュ通知やチャット形式で即時に情報を届けられるのが特徴です。※当社調べ
このような利便性の高さがSNSやLINEの支持を集め、相対的にメルマガの役割が低下しています。
また、メルマガは10年以上前から使われている手法であるため、新しいツールと比較し、「一昔前の手法」と見なされる場面が多くなっています。
メールが届かないケースがある
メールが届かないリスクを伴うことも、メルマガの活用を妨げる要因のひとつです。
メールが届かない理由は、主に以下の2つです。
- 迷惑メールフィルターに引っかかっている
- 登録時に入力したメールアドレスが間違っている
このような状況では、情報が届かないだけでなく、今後の連絡手段が途絶えてしまう恐れもあります。
開封してもらえない悩みがある
たとえメルマガが届いても、必ず開封してもらえるわけではありません。メールボックスには大量のメールが届き、埋もれてしまうことが多いためです。
メルマガの平均開封率は約10〜30%程度※と低く、情報が読者に届きにくいのが現状です。※当社調べ
それでも、約71%の人は「ほぼ毎日」メールを確認しているとのデータもあります。
対して、「メールを利用していない」と回答したのはわずか2%程度です。つまり、メールが届いていれば、一定の読者に読まれる可能性は高くなります。
時代遅れではない!メルマガの5つのメリット
時代遅れと思われがちなメルマガには、以下の5つの強みがあります。
- コストがかからない
- 世代によってはSNSより効果的
- 細かくターゲットを絞って配信できる
- メールマーケティングが進化している
- 長文でしっかり魅力を伝えられる
①コストがかからない
メルマガは、低コストではじめられる手軽なマーケティング手法です。
「まぐまぐ」や「オレンジメール」など、無料で利用できる配信サービスもあり、小規模なビジネスにも導入しやすい点が特徴です。
印刷費や郵送費が必要な紙媒体と比べても、運用コストを大幅に削減できます。一度テンプレートを作成すれば繰り返し利用できるため、制作の手間も軽減可能です。
メルマガは、予算を抑えつつ効率的に多くの顧客へアプローチできる手法といえるでしょう。
②世代によってはSNSより効果的
メルマガは、ターゲットとなる年代によってSNS以上の効果を発揮します。
令和5年に行われた総務省の調査では、30代はメールとSNSの利用量に大差がないうえ、40代以上ではSNSよりメールの利用量が上回ることがわかりました。
特に、40代以上の世代では、今でもメールが主要な情報受信手段であり、信頼されるメディアと認識されています。
ターゲット層によっては、メルマガがもっとも効果的なマーケティング手法となるでしょう。
③細かくターゲットを絞って配信できる
メルマガの強みは、受信者の特性に合わせて内容をカスタマイズできる点にあります。
購買履歴や興味・関心をもとにターゲットを細かくセグメントすると、パーソナライズされた情報を届けられます。
たとえば、過去の購入履歴をもとに関連商品を提案したり、年齢層に合わせて商品の説明方法を変えたりする対応が有効です。
これにより、受信者が「自分のための情報だ」と感じやすくなり、開封率やクリック率の向上が期待できます。
④メールマーケティングが進化している
メールマーケティングは、技術の進化により、さらに使いやすく取り入れやすいマーケティング手法になりました。たとえば、以下の変化が見られます。
進化ポイント | 効果 |
HTMLメールの普及 | 従来のテキストメールに加え、画像や文字装飾を活用したデザイン性の高いメールで、視覚的な訴求力が高まった |
配信自動化ツールの充実 | ツールの進化により、配信の自動化やセグメント分けが簡単になり、効率的で戦略的な配信が可能になった |
データ分析ツールの充実 | A/Bテストや開封率・クリック率の分析ツールで、簡単に配信内容を改善できるようになった |
これらの技術を適切に活用すれば、ほかのマーケティング手法に劣らない結果が得られます。
⑤長文でしっかり魅力を伝えられる
SNSやLINEでは短文での情報発信が主流ですが、メルマガは長文で商品やサービスの魅力をじっくり伝えられる点が強みです。
さらに、テキストだけでなく画像やリンクを組み合わせることで、多角的に情報を届けられるのも特徴です。
これにより、専門的な情報や商品の使用方法など、詳細な内容を効果的に配信できます。
メルマガの特性を活かして読者の関心を引きつけることで、購買意欲を高めるきっかけが作れます。
時代遅れ脱却!メルマガの効果を上げる5つのテクニック
メルマガの効果を高めるテクニックは、以下の5つです。
- データを活かして改善する
- 配信日や時間を工夫する
- 思わず開きたくなる件名にする
- HTMLメールで目を引くデザインにする
- 顧客ごとに内容を変える
1.データを活かして改善する
メルマガ配信サービスを利用すれば、読者の行動を測定・分析できます。測定では、クリック数の多かったリンクや人気の記事などが一目でわかります。
測定したデータを活用し、読者が興味を持ちやすいテーマやコンテンツを次回の配信に反映させましょう。
たとえば、特定のリンクが頻繁にクリックされている場合、それに関連した新商品や特集記事を作成すると、さらに多くの関心を集められます。
データに基づいた改善を繰り返すことで、メルマガの精度が向上します。
2.配信日や時間を工夫する
メルマガの開封率は、配信する曜日や時間帯によっても異なります。ターゲットの年齢や性別、ライフスタイルに合わせた配信タイミングを選びましょう。
【読まれやすい時間帯の目安】
- ビジネスマン:出社前の7〜8時
- 主婦:家事や育児が落ち着いた11〜15時
- 学生:帰宅後の21時〜0時
- シニア:活発に活動する6〜11時
特に、平日がメルマガに適した曜日とされています。土日は家族や友人と過ごす時間が多く、メルマガに目を通す機会が減るためです。
さらに、定期的に同じ曜日や時間に配信すると、読者が「習慣」として受け入れやすくなります。
3.思わず開きたくなる件名にする
件名は読者が最初に目にする部分であり、メールを開くかどうかを左右する重要な要素です。
実際に、メルマガは「気になったものだけを確認している」と答えた方が多い傾向です。
商品の特徴やメリットを簡潔に伝えることはもちろん、「限定」「お得」「無料」などの魅力的なキーワードを盛り込むと、読者の興味を引きつけやすくなります。
たとえば、以下のような件名が効果的です。
緊急感や特別感を演出した件名 |
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ペルソナを意識した件名 |
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ターゲットに合わせた具体的な件名を心がけることで、読者が「自分ごと」と感じやすくなり、開封率アップが見込めます。
4.HTMLメールで目を引くデザインにする
HTMLメールは、視覚的なデザインで読者の目を引きつける効果があります。
冒頭にバナー画像を配置すると、セールやキャンペーン情報を直感的に伝えられます。
また、目立つ色のCTA(行動喚起)ボタンに「今すぐ購入」や「詳細を見る」といった文言を添えれば、読者の行動促進も可能です。
文字の大きさやフォントを工夫し、重要な情報が一目で伝わるレイアウトを心がけましょう。
ただし、派手すぎるデザインは逆効果になるため、読みやすさを保つことは欠かせません。
5.顧客ごとに内容を変える
読者の年齢や性別、購入履歴に合わせてメールの内容を変えると、信頼性が高まり、「有益な情報を届ける企業」と認識されやすくなります。
たとえば、過去の購入商品に関連する新商品を紹介したり、年齢層に合わせて文章のトーンを調整したりすることで、効果的にアプローチできます。
顧客情報を管理できるツールを活用してセグメント分けを行えば、簡単に個々に応じた内容を配信可能です。
個々のニーズに対応した情報の配信は、読者との関係を深め、リピーターの獲得につながります。
メルマガ配信を「うっとうしい」と思わせないポイント
多彩な強みを持つメルマガも、読者に「うっとうしい」と思われると、開封されなくなるどころか配信停止につながる恐れもあります。
ここでは、読者との関係を良好に保ちながら、効果的なメール配信を行うポイントを紹介します。
送りすぎない工夫をする
配信の頻度が高いと、読者に「また来た」と思われ、開封率の低下や配信停止につながりかねません。
たとえば、週に1回や月に2〜3回など、ターゲット層に合った配信頻度を選びましょう。
配信スケジュールの予告も効果的です。
「毎週火曜日に新商品情報をお届けします」と伝えておけば、読者はスムーズに受け入れられるでしょう。
売り込みすぎないバランスを取る
メルマガの目的が売上向上でも、過剰な売り込みは逆効果です。
商品紹介に加えて、役立つ豆知識やトレンド情報を織り交ぜると、読み応えのあるメルマガが作れます。
たとえば、「最新アイテムの使い方」「季節に合わせた活用術」などのコンテンツは、自然な形で商品の魅力を伝えるのに効果的です。
さらに、開封率やクリック率を分析し、読者の関心が高そうな話題を取り入れると、売り込み感を薄めつつ商品の価値を伝えられるでしょう。
時代遅れといわれるメルマガとLINE配信の違い
LINE配信は、開封率の高さや確実に届く到達率が魅力です。
通知機能によりタイムリーに読んでもらいやすい反面、規約違反によるアカウント停止(垢BAN)のリスクや、特定ツールへの依存が課題です。
一方、メルマガはBtoB向けや情報量の多い配信に適しており、詳細な説明や多彩なコンテンツを届けるのに向いています。
ただし、メールが埋もれやすいことや、登録のハードルが高い点がデメリットです。
これらの特徴を踏まえ、メルマガとLINE配信を組み合わせた、それぞれの弱点を補う使い方が効果的です。
メルマガとLINEの良いとこ取りなら「Lメール」
「Lメール」は、Lステップに蓄積された顧客の行動履歴やタグ情報を活用し、LINEとメールを連動した配信が可能なCRMツールです。
利用には、LINE公式アカウントの拡張ツール「Lステップ」の契約が必須ですが、Lステップとの連携で、メール配信の自動化や顧客データの一元管理、効果測定など、多彩な機能を活用できます。
ここでは、Lメールの主な特徴を2つ紹介します。
メールとLINEを使い分けられる
Lメールの魅力は、メールとLINEを状況に応じて柔軟に使い分けられる点にあります。
たとえば、以下の使い方が可能です。
- 商品やキャンペーン情報をメールでくわしく伝えたあと、LINEで簡潔なリマインドを送信
- メールで一斉配信を行い、反応がなかった顧客にLINEでフォローアップ
- LINEメッセージ内のリンククリックをきっかけに、追加情報をメールで送信
LINEの高い開封率とメールの詳細な情報伝達力の組み合わせで、顧客へのアプローチの幅が広がります。
顧客管理を一元化できる
もうひとつの強みは、顧客データを一元管理できる点です。
Lメールを利用すると、Lステップで収集・保存した性別や地域、悩みといった顧客情報を、LINEやメールのやり取りに活用できます。
これにより、顧客ごとの特性やニーズに応じたコミュニケーションが叶います。
たとえば、Lステップでアンケートを作成し、得られた情報をもとにセグメント配信を行えば、確度の高い顧客だけにメッセージを絞り込むことが可能です。
これにより、コスト削減が期待できるうえ、LINEに近い高い開封率でメールを届けられるのもメリットです。
時代遅れを卒業!メルマガとLINEで効果を最大化しよう
メルマガとLINEは、それぞれ異なる強みを持つマーケティングツールです。
メルマガでは詳細な情報をじっくり伝え、顧客の反応を分析できます。一方、LINEは高い開封率と即時性を活かし、素早くメッセージを届けるのに最適です。
これらを単独で使うのではなく、両方を組み合わせることで、それぞれの弱みを補い合い、より幅広いターゲットに効果的にアプローチできます。
両ツールの特徴を理解し、場面に応じて活用することで、顧客とのコミュニケーションを強化して成果につなげましょう。