セミナーのライブ配信は、会場を準備するリアルセミナーよりも低コストで実施できます。
そのため、開催までのハードルが下がり、ライブで配信するセミナーが年々増加しています。
しかし、実際に開催しようとしても方法がよく分からず、企画段階で止まっている人も多いのではないでしょうか。
- ライブ配信できる手順を知りたい
- セミナーをライブ配信するメリットってなに?
- セミナーをオンラインで開催して集客したい
この記事では、上記のようにお困りの人に向けて、ライブ配信の方法を解説しています。
セミナーをライブ配信できるようになれば、個人でも低予算で開催できるようになります。
実施までの手順を参考にして、ぜひライブ配信を活用してください。
目次
セミナーとウェビナーの違い
セミナーは各地の会場で開催されるのに対し、ウェビナーはオンライン上で開催されます。
ウェビナーは「ウェブ」と「セミナー」を組み合わせた造語です。情報提供の形が変わっても、それぞれの目的は同じといっていいでしょう。
ウェビナーには、インターネットを利用しているからこそ受けられるメリットがあります。
例えば、自宅から参加できるので、リアルセミナーよりも時間の制限が緩い点が挙げられます。
ウェビナーを開催できるWeb会議システムの市場が拡大していることから、今後もオンラインセミナーは注目のコンテンツです。
しかし30代以下では、42.6%がウェビナーよりもセミナーに参加したいと考えている調査結果もあります。
引用:30代以下で「ウェビナー」より「セミナー」に参加したい人は4割超、ウェビナーを実施する企業との間で発生するギャップとは
オンラインセミナーを成功させるためには、アナログ傾向にある視聴者とのギャップを埋める施策が必要です。
セミナーをライブ配信する5つのメリット
セミナーをライブ配信するメリットを5つ紹介します。
開催コストを削減できる
セミナーはイベント会場や会議室など、来場者を収容できる広いスペースが必要です。
ライブ配信では、運営スタッフや機材が入る最小限の広さがあれば問題ありません。
オンラインセミナーは会場や設備、資料の用意など、さまざまなコストダウンが可能です。
参加者側も移動時間や交通費が最小限になるので、参加する負担が軽減できます。
セミナーを録画した動画を再利用すれば、1回の会場手配で何度でも使いまわせる資産が完成します。
さらに、データを自動で集計するセミナーツールもあり、アンケート結果の記録などにかかる時間も必要ありません。
1度に多くの顧客にアプローチできる
インターネットを利用して情報発信するので、1つの会場から全世界の顧客へアプローチできます。
会場の収容人数も気にする必要がありません。契約内容しだいで、視聴者数に制限なくセミナーを開催することも可能です。
申し込みからセミナー終了までオンラインで完結します。忙しく時間がない人や、地方に住んでいる人でも、情報の格差がなくなりました。
インターネット上で開催されるセミナーは、顔出し不要など匿名性が高いものもあります。実際の会場参加に抵抗感があった人も参加しやすくなるでしょう。
アンケートが実施しやすい
オンラインセミナーは、リアルセミナーに比べてアンケートの実施がしやすくなっています。
アンケートの配布や回収する手順を簡易化できるので、複数回の実施でもスケジュールの邪魔になりません。
集計結果がすぐに出るので、セミナーの内容にアンケート結果を反映できるスピード感が魅力です。
即興のアンケートでもチャット機能やスタンプ機能、挙手機能を利用して実施できます。
リアルタイムでコミュニケーションを取ることによって、聴講者がライブ感を感じやすくなり、コンテンツ全体の質が上がるメリットもあります。
配信内容を再利用できる
セミナーの内容を録画した動画を、コンテンツとして再利用できます。
編集することによって、新しい付加価値を加えるのも有効です。
視聴者の反応が良かったセミナーは、有料コンテンツとして提供する方法もあります。
セミナーを録画するメリットは、質の高いコンテンツを何度も利用できることです。動画が増えれば、セットにまとめた講習動画が完成します。
また近年では、録画した動画をリアルタイムで発信しているように見せる擬似ライブが注目されています。
セミナー動画はますます価値が高まっているコンテンツといえるでしょう。
PDCAが回しやすい
セミナーツールには集計・分析機能が搭載されているものがあります。リアルセミナーでは難しい高度な分析が可能です。
分析できる内容は、視聴者の離席率や視聴時間、資料を見た時間などです。ひとりひとりのデータが集計できます。
見込み客の分別や改善目標が判断しやすく、セミナーの品質向上に効果的です。
ツールの分析機能だけでなく、LINEなどの外部ツールを併用する方法もあります。
例えば、LINE公式アカウントでも簡単なアンケートが実施できます。LINEは幅広い世代が使用しているため、回答率アップが期待できるツールです。
オンラインセミナーは開催するコストが少なく、リスクを抑えながら定期的に実施できます。そのため、集計結果の鮮度が低くなる前に、PDCAを効率的に回せるようになります。
セミナーをライブ配信する手順
セミナーをライブ配信する方法を紹介します。
1.企画を立てる
目的に沿った企画が組めれば、視聴者のニーズを満たすセミナーに必要なものがイメージしやすくなります。
そのため、企画を立てるときは、まずターゲットや目的を明確にする必要があります。
達成したいゴールの設定は、セミナーの予算や規模を決めるためにも重要な要素です。
予算内で収まるように貸スタジオや会議室、講演を依頼する講師など、開催にあたって必要な物や人の手配方法を決めます。
聴講者が満足できるセミナー開催に向けて、しっかりとした企画づくりを行ないましょう。
2.配信の日程を調整する
セミナーの参加率を上げるためには、ターゲットが来場しやすいタイミングで開催する必要があります。
ビジネスマンなら、四半期末や月末などは避けた方が良いでしょう。
運動会シーズンや行楽シーズンは家庭の影響を受けやすく、参加率が下がりやすいタイミングです。
時間帯も重要で、「平日の20時~22時」や「土日の14時~16時」、「土日の10時~12時」が参加しやすいという結果があります。
引用:調査レポート「オンラインイベント・ウェビナーの参加しやすい時間帯についてのアンケート」
ターゲットの生活サイクルをイメージして、日程を調整するとよいでしょう。
3.配信ツールを決める
企画したセミナーに対応したツールを選びます。
有料プランの契約内容によって、機能に制限がかかる場合があるので注意が必要です。
配信ツールの注目ポイントは以下のとおりです。
- 利用料金
- 参加人数
- チャットコメント機能の有無
- アンケート機能の有無
- 録画機能の有無
配信ツール決定後は、操作方法を確認しておきましょう。ウェビナーを登録して参加URLを発行することも重要です。
4.資料の準備を始める
セミナーをスムーズに進めるために、コンテンツの内容にあった資料が必要になります。
聴講者のためにつくる資料と、進行に必要なスケジュール表、台本などが挙げられます。
セミナーを成功させるには、聴講者の視点に立った資料が必要です。運営側には基本的な内容でも、参加者全員が理解しているとは限りません。
オンラインセミナーは参加者の反応が見えにくいデメリットがあります。
しかし、分かりやすい資料があれば聴講者の理解度が上がり、コミュニケーションも成立しやすくなります。
講演者や司会など複数の人が登壇する場合は、正確な台本で細かいスケジュールを事前に共有して、スムーズに運営できる準備も大切です。
5.機材の準備を進める
ライブ配信の質には配信する会場と機材が影響しています。
セミナーの配信はスマートフォンだけでもできます。しかし、見やすく聞き取りやすいライブ配信を目指すなら、機材や安定したインターネット環境が必要不可欠です。
インターネット回線が高速で安定していれば、音声に乱れがなく資料の共有もスピーディです。
雑音が入りにくい静かな会場なら、クリアな音声を視聴者に届けられます。
社内や自室などから配信する場合は、背景にも注意が必要です。プライバシーに関わるものや機密情報などが配信されてしまうと、トラブルの原因になりかねません。
規模の大きいセミナーは、ライブ配信の工程が複雑になる場合があるので、外部業者への委託も検討しましょう。
6.イベントの告知をする
セミナー開催日に合わせて、イベント内容を告知します。ターゲットによって反応しやすい告知方法が異なるので、以下のような手段を複数利用しましょう。
- Webサイト
- SNS
- メール
- 無料のセミナーポータルサイト
- Web広告
オンライン上の申し込みは、午前8時から午前10時までの時間帯に集中しているという調査結果があります。告知する時間帯も重要です。
引用:10 Webinar Benchmarks Every Marketer Should Know - GoToWebinar
告知はセミナー開催日の1ヶ月前程度がよいといわれています。余裕を持ったスケジュールが大切です。
7.リハーサルで当日の流れを確認する
ライブ配信はやり直しができないので、リハーサルは重要です。
配信画面の映りや音声の聞こえ方など、会場でしかわからないことは多くあります。
資料や動画を切り替えるポイントや、アンケートを実施する手順など、本番と同じ流れでリハーサルします。
進行上の問題は、やってみて初めて気付くケースが多くあります。
配信を動画化したいと考えている人は、配信が録画できるかどうかも確認しておきましょう。
綺麗な状態で録画できなければ、再利用できなくなります。
インターネットの回線速度や情報の受送信など、オンライン環境は目に見えません。ライブ配信は簡単な内容でも、リハーサルは必ずしておきましょう。
8.再告知で離脱を防ぐ
すでに申し込んでいる人が必ずセミナーに参加するとは限りません。
再告知は参加者のリマインドをしながら、参加意欲を高める目的があります。
特に、ライブ配信はリマインドを希望している人が多いという調査結果もあるので、積極的に実施しましょう。
リマインドのタイミングは、1週間前と前日、当日の3回は送信しましょう。
リマインドに使われるツールはメールが一般的ですが、セミナーツールやLINEのようなSNSも効果的です。
LINE公式アカウントなら、一斉配信機能を利用して短時間で告知できます。クーポンなどの配信と組み合わせれば、参加者の期待値をさらに高められるでしょう。
セミナーに関する情報で、事前公開してもいいものがあれば、告知内容もアップデートが必要です。
セミナー内容がイメージしやすくなり、参加を迷っていた人を後押しする効果も期待できます。
9.ライブ配信を開催する
セミナー当日は、配信時間の 15分~30分ほど前から配信を始めます。
開始前からスライドや音楽を流しておけば、視聴者が不安にならずに待機できます。
セミナーを録画する場合は、待機時間から録画しておくと安心です。配信前は全員が緊張している状態なので、配信直前に録画開始しようと思っても忘れてしまう可能性があります。
運営側のパソコンやスマホの通知音を、サイレントモードやマナーモードにしておきましょう。配信中に着信音が入ると、視聴者の集中が途切れかねません。
当日まで入念に準備を進めてきたはずです。ケアレスミスで配信を台無しにしないように、配信開始まで余裕の持ったスケジュール管理を心がけましょう。
セミナーのライブ配信向けプラットフォーム5選
ライブ配信向けのプラットフォームを紹介します。
Zoom
出典:Zoom
ズームはオンラインセミナーに特化した「Zoom Webinars」を搭載しています。セミナー向けの機能を使うためには、有料プランの契約が必要です。
画面共有やアンケート機能を使いながら、視聴者も自主的に参加しやすいセミナーが開催できます。
アプリをインストールしていなくても、URLを共有するだけで誰でも参加できる使いやすさが魅力です。
YouTubeなどと連携すれば、連携先でライブ配信もできます。
本格的にセミナーをリアルタイムで開催してみたい人におすすめのツールです。
YouTube
出典:YouTube ライブ
YouTubeは知名度や普及率が高く、不特定多数の人に対して訴求しやすいツールです。
無料のセミナーをアーカイブで公開し続ければ、宣伝効果も期待できるでしょう。
拡散力の高さから、PR発表会や商品サービス紹介などに適しています。
セミナー向けのサービスではないので、聴講者に発言権がありません。チャットのみでコミュニケーションを取るための工夫が必要です。
定期的にセミナーを開催するなら、アーカイブが残るYouTubeはおすすめのツールです。
アーカイブにはサムネイルが設定できるので、視覚的な訴求力もあります。
Google Meet
出典:Google Meet
Google Meetは、Googleアカウントを持っている人であれば、誰でも無料で利用できるツールです。無料プランでもチャットや画面共有ができます。
Googleカレンダーやドキュメント、スプレッドシートと連携できる使いやすさがメリットです。
大規模なセミナーや、1時間以上の開催時間が必要な場合は有料のプラン契約が必要になります。
Googleのサービスを利用しながらビジネスをしている方に、おすすめのサービスです。
Microsoft Teams
Microsoft Teamsには、ライブ配信に適したウェビナー機能が搭載されています。Microsoftのサービスだけでも、セミナー実施に必要な機能が一通りそろいます。
Microsoftのライセンスが必須ですが、セミナー参加者のライセンスアカウントは不要です。
プレゼンの資料をパワーポイントで作成している人におすすめのツールです。
パワーポイントライブと連携することで、魅力的なプレゼンテーションができます。
Microsoft 365 business StandardやビジネスでMicrosoftを利用している人は、使い慣れたソフトを利用したライブ配信が開催しやすいでしょう。
Vimeo
出典:Vimeo
動画の配信を目的としたプラットフォームで、Zoomと並んで日本国内でも人気があります。
ライブ配信するためには有料プランの契約が必要です。視聴者数の制限がないので、はじめから大規模なセミナーを開催できます。
録画したセミナーを販売する機能が特徴的です。講演者を招待した希少性の高い講義や、ノウハウの提供を目的としたセミナーと相性がよいツールといえます。
広告が再生されないこともメリットの1つで、セミナー動画の再利用を検討している人におすすめのツールです。
セミナーのライブ配信に必要な機材
セミナーのライブ配信は、カメラとマイクが内蔵されたPCや、スマートフォンがあればできます。
ここでは質の高いライブ配信に必要な機材を紹介します。
見やすい配信に必要な機材
見やすい配信に必要な機材は、以下の3つです。
- 登壇者の声を聞き取りやすくする「外部マイク」
- 登壇者の状況をリアルに伝える「外部カメラ」
- 安定した映像を撮影出来る「三脚」
これらがあれば、聞きやすく綺麗な映像のセミナー配信ができます。
登壇者が一人だけであったり、小規模なセミナーを開催したりするときは、映像と音声を視聴者に正確に提供できる機材を準備しましょう。
質の高い配信に使われる機材
複数の登壇者やさまざまな資料を共有するセミナーでは、セミナーの内容に合わせた機材が必要です。
- 高音質な音声を届ける「音声ミキサー」
- 顔色をきれいに見せる「照明」
- 配信画面と連携する「システム連動型ポインター」
- 複数のビデオカメラを使い分ける「映像スイッチャー」
- パフォーマンスしやすくなる「登壇者用ビデオモニター」
マイクの数やPCの台数など、複数必要になる機材もあります。
高額な機材も含まれているので、機材をレンタルしたり業者に依頼したりするなど、購入以外の方法も検討しましょう。
セミナーのライブ配信を成功させるには
ライブ配信を成功させるポイントを紹介します。
視聴者のニーズを確認する
コンテンツはターゲットが求めるニーズに沿った内容であるべきです。
視聴者が求めていなければ、セミナーの内容が良くても満足度の低い結果になります。
聴講者の印象に残りやすいセミナーにするには、感情移入できるストーリーが効果的です。ニーズが把握できれば、視聴者感情を刺激するトークも思いつきやすくなります。
視聴者のニーズに合ったコンテンツは、視聴者も意識的に参加してくれるようになり、セミナー自体の質が上がりやすくなります。
セミナーを通して収集したい情報があるときも、ターゲット層のニーズを確認しましょう。必要な価値を提供すれば、情報も自然に集まってくるはずです。
双方向のコミュニケーションを意識する
オンラインセミナーはリアルで開催しているセミナーと比較して、参加者の反応が掴みにくい点が課題になっています。
そのため、双方向のコミュニケーションを意識しないと、一方的な説明で終わってしまうかもしれません。
コミュニケーションが難しい人は、以下のポイントを意識してみてください。
- 答えやすい質問から話し始めて、回答のハードルを下げる
- チャットや投票機能を積極的に利用し、質問の機会を増やす
- ウェビナー終了後の個別相談会を実施する
オンライン上でも双方向性のやり取りが成立すると、参加者の理解度や満足度が上がりやすくなります。
セミナー全体の臨場感も高まるので、コンテンツ全体の質が向上する効果も期待できます。
事後アンケートを実施して、アフターフォローする
セミナー終了後は参加者や欠席者へのフォローが大切です。
開催後のなるべく早いタイミングでアンケートを実施すれば回答率も上がります。
お礼メールを送る場合は次回予定などもプラスして送ると、リピーターになってくれる可能性があります。
欠席になってしまった人は、セミナー資料を送る方法が有効です。セミナーの内容自体には興味を持っていたはずなので、次回参加のきっかけになるかもしれません。
アンケート結果が良かった人には、別コンテンツの案内を提案するなど、ニーズを深掘りしたフォローをしましょう。
録画したセミナーを利用して擬似ライブ配信を行う
ライブ配信は講演者と聴講者の一体感が出やすく、集中して視聴できるメリットがあります。
一方で、配信中のトラブルや運営負担がデメリットです。
そこでおすすめなのが、擬似ライブ配信。
擬似ライブ配信とは録画映像をライブ配信のように提供する技術で、視聴者はリアルタイムで参加しているような臨場感を体感できます。
コメント内容やサービスの紹介もリアルタイムの様子が再現されるので、離脱率が低く最後まで視聴される可能性が高まります。
擬似ライブ配信はセミナーやライブコマースのような、臨場感が必要とされるコンテンツ内容向けの配信方法です。
セミナーの擬似ライブ配信はLキャストがおすすめ
擬似ライブ配信には、Lステップの新サービス「L-CAST(Lキャスト)」がおすすめです。
Lキャストは、LINE専用のオートウェビナーマーケティングツールです。
LINE公式アカウントの拡張ツール「Lステップ」と連携して、擬似ライブ配信をより効率的に実施できます。
例えば、コメントの内容や視聴状況を視聴者ごとに記録できるので、見込み客が興味・関心を感じている項目の記録が可能です。
詳細な顧客情報によって、最適な訴求方法が判断できるようになり、洗練された企画を作れるようになります。
擬似ライブ配信は録画した動画と比較して、高い滞在率も大きなメリットです。資産を最大限活用したい方は、Lキャストの擬似LIVE機能を利用してみてください。
まとめ
セミナーのライブ配信は、特別な機材や技術は必要ありません。
企画段階から視聴者のニーズを想定したコンテンツ作りが大切です。
オンライン配信のメリットである録画の再利用は、擬似ライブ配信がおすすめです。
擬似ライブ配信が気になった人は、LINEを利用した Lキャストをぜひ検討してください。