日本人の生活に欠かせないLINE。美容室業界でも、お客様とのコミュニケーションにLINE公式アカウントを活用する動きが広がっています。
- 予約業務をもっと効率化したい
- 問い合わせの電話対応で施術に集中できない･･
- 新メニューのお知らせとか、もっと手軽に発信したい
こうした課題を抱える美容室オーナーやスタッフの方々に、LINE公式アカウントは大きな効果を発揮しています。
この記事では、美容室におけるLINE公式アカウント活用の基礎知識からLINEでの予約の受付方法、すぐに活かせる成功事例までわかりやすく解説します。
目次
LINE公式アカウントとは？
LINE公式アカウントとは、企業や店舗がお客様から情報を発信できる、ビジネス用のLINEアカウントです。
個人向けLINE（LINEアプリ）とは異なり、メッセージの一斉配信、クーポン発行、リッチメニュー設定など、ビジネスに特化した機能が利用できます。
美容室のような店舗ビジネスでは、予約受付やお知らせ配信、顧客とのコミュニケーションツールとして活用されています。
アカウントのタイプは3種類
LINE公式アカウントは、「プレミアムアカウント」「認証済アカウント」「未認証アカウント」の3種類に分けられます。
引用元：LINEプロダクト媒体資料「LINE公式アカウント」LINEヤフー株式会社 MSカンパニー 2025/04/09更新
基本は「未認証アカウント」ですが、本格的な運用を検討している場合は、認証済アカウントを取得しておくとよいでしょう。
認証済みになるとバッジが青色になり信頼性が高まるほか、友だち追加後すぐにチャットが送れるなどのメリットがあります。
認証申請は無料で行え、審査に通過すれば追加料金なしで利用できます。
無料プランと有料プランの違い
LINE公式アカウントには無料プラン（コミュニケーションプラン）と有料プラン（ライトプラン・スタンダードプラン）があります。
引用元：LINEプロダクト媒体資料「LINE公式アカウント」LINEヤフー株式会社 MSカンパニー 2025/04/09更新
無料プランでも基本機能は使えますが、月間配信数が200通までと制限されています。もっと多くの配信を実施したい場合は、有料プランを検討しましょう。
美容室がLINE公式アカウントを開設すると、お客様は普段使っているLINEアプリで友だち追加するだけでお店とつながれます。
美容室がLINE公式アカウントを活用するメリット
美容室がLINE公式アカウントを活用するメリットについて解説します。
予約管理の効率化
LINE公式アカウントで予約管理を行えば、電話対応に追われる時間が減るので、業務が効率化します。
お客様はLINEから24時間いつでも予約でき、美容室側は施術の合間や営業時間外にまとめて予約確認が可能です。
また、予約の変更やキャンセルもLINE上で完結できるため、スムーズなやり取りが実現できます。
特に外部予約システムと連携すれば、自動で予約受付から確認、リマインド送信までを一元管理できるようになるので、かなりの工数削減につながります。
顧客とのコミュニケーション強化
LINEは開封率が高く、日常的に使われているアプリなので、お知らせや伝えたい情報が届きやすいのが大きな特徴です。
したがって、LINE公式アカウントを活用すれば、お客様とのコミュニケーションを向上させることができます。
例えばチャット機能（LINEチャット）では、ヘアスタイルの相談を写真付きで行ったり、予約内容の確認ができたりと、気軽なやり取りが可能です。
こうした密なコミュニケーションが、お客様との信頼関係を深めます。
集客・リピート率向上
LINE公式アカウントは新規集客とリピート率向上の両方に効果的です。
友だち追加してくれたお客様に限定クーポンを配信して、新規来店のハードルを下げることができます。
リピート率の向上には「ショップカード」機能が便利です。
紙のポイントカードと違って紛失の心配がなく、来店ごとにポイントが貯まる仕組みを簡単に導入できます。
お客様はスマホを忘れることはほとんどないため、ポイントカードの持ち忘れによる機会損失を防げ、お客様がカードを管理する手間を減らせます。
また、画像と短いメッセージで構成されている「カードタイプメッセージ」を活用すれば、カットやカラー、パーマなど複数のメニューを分かりやすく表示して提案できます。
こうした機能を組み合わせることで、新規顧客の獲得とリピート客の定着を効率的に実現できます。
キャンセル率の低減
美容室経営の悩みの一つが予約のキャンセル、特に当日の無断キャンセルです。
LINE公式アカウントを活用して、予約日の前日や当日にリマインドメッセージを送信すれば、キャンセル率を低下させることが可能です。
LINEメッセージは開封率が高く、お客様の目に留まりやすいため、予約忘れの防止につながります。
LINE公式アカウントにリマインド配信専用の機能はありませんので、個別トークを活用します。
リマインドメッセージには日時、担当スタッフ、予約メニューなどを記載し、お客様が予約内容を再確認できるようにしましょう。
無断キャンセルが減れば、空き時間が減少し、結果的に美容室の収益向上につながります。
業務時間の削減
LINE公式アカウントの導入により、美容室の日常業務にかかる時間を大幅に削減できます。
例えば、従来の電話予約がLINE上で完結するため、施術中の電話対応を減らすことが可能です。
よくある質問への回答を自動応答メッセージに設定したり、営業時間や料金案内をリッチメニューに設置したりして、定型的な問い合わせ対応も自動化できます。
さらに、外部予約システムやMAツールと連携すれば予約管理もすべて自動化可能です。
これにより、スタッフは施術や接客など本来の業務により集中でき、サービス品質の向上にもつながります。
他店との差別化
美容室の競争が激化する中、LINE公式アカウントの活用は他店との差別化にも効果的です。
まだLINE活用を本格的に始めていない美容室も多く、いち早く導入することで、競合との差をつけられるからです。
クーポンやポイントカードをLINE上で手軽に利用でき、画像を用いたスタイル相談など電話予約では不可能なサービスを提供できるのも差別化につながります。
特にスマホ世代のお客様にとって「LINEで手軽に予約できる美容室」という利便性は、店舗選びの際、大きなポイントになるでしょう。
こうした時代のニーズに応えることが、長期的な競争力につながります。
美容室におけるLINE公式アカウント予約の受付方法
LINE公式アカウントで予約を受ける主な方法について解説します。
チャット機能を活用した手動での受付
LINE公式アカウントの基本機能である「チャット機能」を使った予約受付方法です。
お客様がLINEでメッセージを送ると、美容室側がチャットで予約内容を確認し、手動で予約を受け付けます。
この方法のメリットは、初期費用がかからず、LINE公式アカウントを開設すればすぐに始められることです。
お客様との親しみやすいやり取りができ、ヘアスタイルの相談など細かな要望にも柔軟に対応できます。
しかし、手動対応のため営業時間外の予約受付ができず、スタッフの対応負荷が高いといったデメリットもあります。
小規模な美容室や、お客様との個別対応を重視したい美容室におすすめの方法です。
外部予約システム連携による自動予約管理
外部の予約システムとLINE公式アカウントを連携させる方法です。
専用の予約システムを導入し、LINE公式アカウントのリッチメニューやメッセージから予約フォームに誘導する仕組みになっています。
この方法の最大のメリットは、予約の受付から管理まで、全ての工程を自動化できることです。
デメリットとしては、利用料金や初期設定が必要になることです。
しかし、24時間予約を受け付けられるため、機会損失を減らせる上、スタッフはサービス提供に集中できるので、顧客満足度アップにもつなげられます。
LINE公式アカウント専用のMAツールでの自動予約管理
LINE公式アカウント専用のMAツール（マーケティングオートメーションツール）を活用して、LINE上で予約管理を完結する方法です。
予約受付から確認、リマインド配信、変更・キャンセル対応まで、すべての予約業務をLINE上で自動で行えます。
24時間365日の予約を受け付けられ、顧客データの蓄積と管理、スタッフごとの予約枠管理など、高度な機能を備えているものもあります。
さらに蓄積された顧客データを活用したセグメント配信など、予約管理だけでなく、売上アップを目的としたマーケティング機能まで備えているのが大きな魅力です。
LINE上で予約管理を完全自動化しながら、売上アップにもつなげたい方におすすめの方法です。
「LINEで予約」機能は飲食店限定
LINE公式アカウントのオプションで「LINEで予約」という予約機能があります。
お客様はLINE公式アカウントのプロフィールページから「予約する」ボタンをタップし、希望日時や人数を選択して予約できます。
この機能は現在、ぐるなびなどの飲食店サービスとパートナー提携をしており、飲食店向けに提供されています。
したがって、美容室などその他の業種では、チャットでの手動対応か、外部の予約システムとの連携など、別の方法を検討する必要があります。
美容室に最適な予約システム選びの3つのポイント
外部予約システム選びの3つのポイントについて解説します。
自動化で手間を削減できるか
予約システムを選ぶ際は、どこまで自動化できるか、しっかり確認しましょう。
基本的な予約受付だけでなく、予約確認メッセージの自動送信、前日や当日のリマインド配信など、幅広い業務を自動化できるシステムが理想的です。
特に美容室では、予約忘れによる無断キャンセルが売上に大きく影響します。また、弊社の調査ではお客様の95.7％が「リマインドはあった方がいい」と回答しています。
美容室とお客様双方にとってメリットがある、リマインド機能は必須ともいえます。
また、予約が埋まった際の自動受付停止や、空きが出た際に自動でキャンセル待ち顧客への通知ができると、機会損失を防げます。
さらに、Googleカレンダー連携のように外部ツールとの連携機能があれば、さらに予約管理の効率化が可能です。
自動化機能が充実していれば、スタッフは予約管理に時間を取られることなく、施術や接客に集中できます。
導入を検討する際には、どの業務まで自動化できるかを具体的に確認するようにしましょう。
毎日の運用がスムーズに進むか
予約システムを日常的に使うスタッフにとって、操作の分かりやすさは非常に重要です。画面が見やすく、直感的に操作できるシステムを選びましょう。
また、美容室の運営スタイルに合わせた柔軟な設定ができるかも大切なポイントです。
例えば、
- 営業時間や定休日の設定
- スタッフごとの予約枠管理
- 予約の即時確定か承認制かの選択
など、細かな調整が簡単にできるシステムが理想的です。
無料お試しや無料プランなどを活用して、実際に操作性を確認するとよいでしょう。
顧客データを効果的に活用できるか
予約システムを選ぶ際は、顧客情報をどこまで管理し、蓄積できるかも重要です。
基本的な連絡先だけでなく、来店履歴、施術内容、担当スタッフなどの詳細データを自動で保存できるシステムがおすすめです。
蓄積された顧客データは、リピート施策など売上アップにつながるさまざまな施策に活用できます。
例えば、前回の施術から一定期間が経過したお客様への自動メッセージ配信や、お客様の好みに合わせたメニュー提案などが可能になります。
ただし、個人情報の取り扱いには十分な注意が必要です。セキュリティ対策がしっかりしているシステムを選び、適切なデータ管理を心がけましょう。
美容室で活用したいLINE公式アカウントの機能
美容室で活用したいLINE公式アカウントの機能について解説します。
リッチメニューで店舗の魅力をアピール
リッチメニューは、LINEのトーク画面下部に常時表示される固定メニューです。
視覚的で分かりやすいデザインにより、お客様が求める情報に素早くアクセスできるのが、リッチメニューの大きなメリットです。
設置項目としては、予約ボタン、施術メニュー、スタッフ紹介、スタイル写真、店舗情報、ショップカードなどが挙げられます。
さらに、商品のオンライン販売導線をおくことで、客単価の向上も期待できます。
表示内容は自由に変更できるので、キャンペーンや季節に合わせて設置項目を変更するのもよいでしょう。
自動応答メッセージで効率的な顧客対応
「自動応答メッセージ」を活用すれば、よくある質問への対応を自動化できます。
営業時間、料金、駐車場の有無、予約方法などの基本的な問い合わせに24時間自動で回答できるため、スタッフの負担を軽減しながら顧客満足度を向上させられます。
LINE公式アカウントの自動応答メッセージは、設定したキーワードと送信されたメッセージが完全に一致した場合に反応します。
ひとつの回答につき複数のキーワードを設定できるので、例えば「営業時間」というキーワードを設定した場合、「営業時間は」「営業時間を教えて」など、想定されるキーワードを網羅的に設定しておけば、対応漏れを軽減できるでしょう。
より柔軟な自動応答を実現したい場合は、部分一致での応答や高度な条件設定が可能な拡張ツールの活用も検討してみましょう。
自動応答を活用すれば、お客様に知りたい情報をスムーズに提供でき、工数削減につながります。
クーポン・ショップカード機能でリピート促進
LINE公式アカウントの「クーポン機能」では、友だち限定の割引クーポンを簡単に配信できます。
初回来店割引や前回から一定期間経過後の来店割引などを設定し、新規顧客の獲得とリピート促進を図ることが可能です。
「ショップカード機能」では、デジタルポイントカードを作成でき、来店回数に応じた特典を自動提供できます。
紙のポイントカードと違って紛失の心配がなく、お客様の再来店を促してリピート率向上につなげられます。
LINE公式アカウントの効果を高める拡張ツール
LINE公式アカウントの基本機能だけでも、工数削減や売上アップなどの効果を期待できます。
しかし、より高度な自動化や詳細な顧客管理を実現したい場合は、LINE公式アカウントの拡張ツールと組み合わせるのがおすすめです。
特に予約管理の完全自動化、顧客属性に応じたセグメント配信、高度なリマインド機能などは、拡張ツールを活用することで実現可能になります。
初期設定などは必要ですが、業務効率化による人件費削減や売上向上効果を考慮すると、中長期的に大きなメリットが期待できるでしょう。
成功事例から学ぶ美容室のLINE活用法
実際に、LINE公式アカウントの拡張ツール「Lステップ」を活用して、成果を上げている美容室の事例をご紹介します。
これらの事例から、LINE活用の具体的なメリットとその効果を確認してみましょう。
事例1：たった2通の配信で売上203万円を記録した美容室
群馬県前橋市の美容室「ReSPEC by personalSALON」では、LINE公式アカウントとLステップの活用により、大きな成果を上げています。
従来メールで行っていたキャンペーン案内を、LINEに切り替えて到達率が向上。わずか2通のメッセージ配信で203万円の売上を記録しました。
また、事前のLINEコミュニケーションにより、来店時のカウンセリング時間が短縮され、スタッフがより施術に集中できる環境も実現しています。
事例2：リマインダ配信で予約のドタキャンがほぼゼロになったヘアカラー専門店
大阪と兵庫に店舗を構えるヘアカラー専門店「ベイコローレ」では、パーソナルカラー診断の自動化と予約管理の改善を目的としてLINE公式アカウントとLステップを導入しました。
従来は紙ベースでの診断により対応工数が多く、予約のドタキャンも課題となっていました。
導入後は、LINE上でパーソナルカラー診断ができる仕組みを構築し、1時間あたりの対応人数は3人から4人に増加。
さらに、アナログ業務の自動化により、高額商品の訴求に注力できるようになったことで、客単価を2,700円から約5,000円に向上させました。
特に注目すべきは予約管理の改善効果です。
予約日の前日、当日、直前にLステップでリマインド配信を自動配信してドタキャンがほぼゼロに。月約8万円の経費削減も実現しています。
これらの事例からもわかるように、LINEをビジネスに活用すれば、売上向上と業務効率化の両方を実現できます。
美容・エステ業界での具体的な成功事例については「美容・エステサロンのLステップ導入事例9選」もあわせてご覧ください。
美容室でLINE公式アカウントを最大限に活用するならLステップ
LINE公式アカウントで予約や顧客管理の自動化、工数削減を実現したい美容室は、LINE公式アカウントの機能を拡張するツール「Lステップ」がおすすめです。
Lステップの予約管理機能は、すべてのプランで利用可能。LINE上ですべての予約業務を自動化できます。
豊富な予約設定項目
Lステップの予約管理機能には、美容室経営に必要な設定項目が豊富にあります。以下は設定できる項目の一例です。
| 営業時間や定休日 | 曜日ごとに柔軟に設定可能
例）平日9:00-19:00、土日9:00-18:00、月曜定休など |
| 予約受付開始と締め切り | 例）1ヶ月前から予約開始、予約時間の1時間前まで受付 |
| 予約変更・キャンセル期限 | 例）予約変更は前日まで、キャンセルは2日前まで |
| 同時予約数の制限 | 例）同じ予約枠に最大2名まで |
| 予約承認設定 | 予約承認の有無 例）新規の予約は「全承認」 |
| 店舗別スタッフ表示 | 例）予約時にA店のスタッフのみ表示（複数店舗運営に対応） |
| 担当者別の対応コース表示 | 例）担当者Aさん：①～⑦までの全コース、担当者Bさん：①、③、⑤コースのみ表示 |
など、多彩な設定ができるため、ご自身のサロンにぴったりの予約システムを構築できます。
予約日程に合わせて自動でリマインド配信
Lステップのリマインダ配信機能は、リマインドをいつ、何回送るか自由に設定可能。予約日から逆算して自動で配信されるので、個別の配信設定は不要です。
なお、Lステップの構築方法については、真似するだけでできる「美容室専用の構築手順の動画」もご用意しています。
電話対応や予約管理の負担を減らし、売上アップと業務効率化を同時に実現したい美容室は、ぜひLステップの活用を検討してみてください。
まとめ
LINE公式アカウントの導入は、業務の工数削減だけでなく、お客様の利便性の向上にも大いに役立ちます。
予約管理もできる拡張ツールなどと併せて活用することで、これまでアナログで行っていた業務の多くを自動化できます。
無料プランや無料お試しなどを上手く活用して、ぜひ一度ご自身で体験してみましょう。
