美容サロンを経営していて、こんなお悩みありませんか?
- プラットフォームに頼り切りで新規集客が減っている
- リピートしてもらうための方法がわからない
- DX化して業務全般をもっと効率化したい
今回は、このようなお悩みを解決するために、プラットフォーム依存からリスクなく脱却して集客口を増やす方法について解説します。
美容業界でのLINEやLステップの活用方法についてもご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
目次
美容サロンの厳しい現状
コロナの影響で多くのサロンが売上を減らし、厳しい経営状況に陥って倒産を余儀なくされる店舗も増えました。
しかし、実はコロナ前から危機的状況が始まっていたのをご存じでしょうか。
なぜ危機的状況に陥っているのか、その理由について美容室を例に挙げて解説します。
理由①美容室の数が圧倒的に多い
まずは店舗数です。コンビニ53,930店舗に対して美容室はその4倍で250,000店舗以上。
さらに、年間10,000店舗が出店し、8,000店舗が廃業を繰り返している業界です。
競合は増える一方で、お客様の取り合いになることが容易に想像できます。
理由②人手の確保が難しい
美容室1店舗あたりの従業員数は、下記表のとおり2名です。
従業員数(人) | 店舗数(件) | 1店舗あたり(人) |
509,279 | 243,360 | 2.09 |
新規で美容師免許を登録した数を見てみても、1年で17,936名(令和3年度)と店舗数に対して決して多いとはいえません。
そもそも、従業員の確保が難しいことがわかります。
理由③組織化できている美容室が少ない
美容室は個人経営をしている方が多いので、組織化がなかなか進まない現状があります。
具体的に見てみると以下のとおり、67.7%が個人経営です。
経営主体別の構成割合(%)
個人経営 | 67.7 |
株式会社 | 3.0 |
有限会社 | 29.1 |
その他 | 0.2 |
組織化が進まないと事業の拡大には繋がりにくく、売上は頭打ちになりがちです。
美容サロンの今後の課題
コロナ禍を経た今、美容サロンが抱える今後の課題について解説します。
コロナが美容サロンに及ぼした影響
コロナ禍で美容サロンに行かずに、一時的に自宅ケアをする方が増えました。
そこで気になるのは、一度離れたお客様が戻ってくるかどうかです。
ホットペッパービューティーアカデミーの調査によると、例えば白髪染めの場合、自宅ケアに切り替えたのは43.9%で、その中で今後も自宅ケアを続けると答えた人は1.4%。
90%以上は元の美容室に戻る意向を示しています。
このことから、お客様はプロの技術力に価値を見出していることがわかります。
技術力だけでは限界がある
技術力さえあれば、お客様も売上も増え続けると考える方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、今の時代、技術力だけで差別化するのは難しくなっています。
SNSを使って自社集客するサロンが増えているので、その中で戦っていくためには、DX化が不可欠とも言えます。
美容サロンのDX化において、まず検討したいのが、プラットフォーム依存からの脱却です。
プラットフォーム依存から脱却するべき理由
なぜプラットフォーム依存から脱却した方がいいのか、その理由について解説します。
プラットフォームと自社集客の特徴
まず、プラットフォームと自社集客の特徴について、ホットペッパーを例に挙げて見ていきましょう。
ホットペッパーのメリット・デメリット
ホットペッパーを利用するメリット・デメリットは以下のとおりです。
- 圧倒的な集客力
- ホームページなどなくてもネットや電話予約が取れる(サロンボード)
- ネット集客のように毎日の投稿などがなく、基本何もしなくて良い
- 掲載費用などランニングコストが高い
- 高い掲載費用を払っている大手サロンに有利
- 新規クーポン目当ての客が多く、リピーターになりにくい(他店のクーポンを配っているため、回遊されやすい)
- 自社サイトとは違い、差別化できず、客単価が安くなる
- サロンボードでは、お客様との関係性構築が難しい
自社集客のメリット・デメリット
自社集客にした場合のメリット・デメリットは以下のとおりです。
- 無料でも集客できる
- 顧客単価を上げられる
- リピート率が高い
- クチコミ紹介が増える
- ビジネスを自分でコントロールでき安定してくる
- SNS集客やMEO対策(Googleマップ検索対策)に時間や手間がかかる
- 集客できるホームページやLPが必要
- SNS集客のやり方やネット集客のやり方がわからない
一つの手段に頼るのは危険
プラットフォームからの集客だけに頼っていると、費用対効果が悪くても使い続けるしかない状況に陥ります。
例えばホットペッパーでは、高い費用がかかる上位プランの方が、お客様の目につきやすい場所に表示されます。
そうすると、前述したとおり、高い予算をかけられる大手企業に有利になる傾向にあります。
ホットペッパーだけに頼りきるのではなく、他の集客口を持っておくことが、今後生き残る上で大切です。
リスクなく依存から脱却することが重要
プラットフォームから脱却したいからといって、突然、ホットペッパーの掲載を中止するのはやめましょう。
急に掲載を止めてしまうと、経営難に陥る可能性があります。
重要なのは、あくまで「自分のサロンに合った使い方を探ること」です。
1つのツールに頼るのでなく、各ツールの役割や得意分野を認識して、使い分けましょう。
例えば、〇〇はLINEを使う、△△はホットペッパーを使うといったイメージです。
目標は、集客口を増やしてプラットフォームの掲載費用を下げること。長期的な目線で、各サービスを上手く活用するようにしましょう。
プラットフォーム依存から脱却する3ステップ
プラットフォーム依存から脱却するための手順は以下のとおりです。
プラットフォーム依存から脱却する3ステップ
- :2回目以降の来店を自社アプリで予約できるようにする
- :新規顧客を囲い込むことを徹底してファン化させ、回遊させない(リピート対策)
- :1、2をやりながら自社で新規顧客を集める仕組みを作る
よくある間違いが、2と3の順番が逆になるケースです。
2のリピート施策をしていない状態で、3の新規集客の仕組み作りをしても、新規顧客は他店に流出していくばかりです。
新規顧客が減ったから「すぐに新規の集客・・・」ではなく、まずはリピート施策をしっかり行いましょう。
2のリピート対策と3の自社集客の仕組化ができたら、プラットフォームを脱却する、もしくはプランを下げて両立させましょう。
プラットフォーム依存から脱却|1:再来を自社アプリで予約
プラットフォーム依存から脱却の「ステップ1:2回目以降の来店を自社アプリで予約できるようにする」について解説します。
自社アプリの問題点
自社アプリを取り入れる際、注意したいのが下記の問題点です。
自社アプリの問題点
- お客様にインストールさせないといけない
- 多くのアプリが不使用アプリになる(70%)
- 時間とお金がかかる(100万以上かかるケースも)
せっかく自社アプリを開発してもお客様に使ってもらえないと意味がありません。
これらの問題を解決してくれるのが、LINEです。
LINEは日本の人口の約8割が利用
LINEの国内月間利用者数は9,700万人(2024年3月末時点)以上で、日本の人口の約8割が利用していることになります。
無料で利用でき、アプリを改めてインストールさせる必要も、不使用アプリになって消される心配もありません。
LINEユーザーの属性から、幅広い年齢層にアプローチができる点や開封率の高さ(メルマガの最大20倍)など、LINEならではのメリットも享受できます。
しかし、LINE公式アカウントには予約管理機能がありません。
LINEでの予約管理を実現してくれるのが、「Lステップ」です。
Lステップとは、LINE公式アカウント専用の拡張ツールで、より細やかなマーケティング施策を実現できます。
LINE公式アカウントにはない様々な機能が備わっており、予約管理機能もその一つです。
Lステップの予約管理機能
Lステップには、予約管理機能があります。
Lステップの予約管理機能を使うメリットは、
- 画面がホットペッパーに似ていて、お客様が違和感なく使用できる
- 月5,000円から使用できて、契約後すぐに利用が可能
- 開封率の高いLINEで、予約日前に自動リマインドが送れる
- ホットペッパーの予約手数料数万円分が0円
- Googleカレンダーと連携できるから、シフトの共有がスムーズ
友だちから見た画面
などが挙げられます。
Lステップの予約管理機能を使えば、自社アプリを改めて入れる必要もなく、LINE上で予約管理が行えます。
プラットフォーム依存から脱却|2:ファン化でリピート対策
リピート対策は、初回来店から2〜3回目来店までの対策が特に重要です。
例えばホットペッパーの場合、来店後に別店舗のオファーが届く仕組みになっているので、顧客の流出は避けては通れません。
新規顧客をファン化させて回遊させないためには、お客様とコミュニケーションを取りながら、信頼関係を構築することが重要です。
コミュニケーションの質が重要
ホットペッパービューティーアカデミーの「美容センサス2020年下期」によると、同じヘアサロンに継続する理由は「施術者・スタッフを信頼しているから」が62.2%で最も多くなっています。
このことから、コミュニケーションの質を上げることが、いかに大切かがわかります。
LINEを使ってファン化するためには、お客様について知り、パーソナルな提案ができることが不可欠です。
LINEでコミュニケーションの質を担保【診断コンテンツ】
LINEでパーソナルカウンセリングをする場合の事例で解説します。
お客様の要望 | 自分に合ったデザイン・サービスを提案してほしい |
問題点 | スタッフによってカウンセリング力に差があり、ニーズに応えられずリピートされないケースがある |
解決策 | 熟練スタッフと若手スタッフでカウンセリング技術の差が出たとしても、最低限の水準を担保する |
Lステップの診断コンテンツ(アンケート)を利用すれば、この一連の流れを自動化できます。
診断コンテンツとは、お客様の属性や課題を見える化するコンテンツです。
- お客様のニーズを的確に把握できる
- カウンセリング力を補える
- 来店前LINEカウンセリングで時間短縮ができる
- 見込み客獲得のオファーにもなる
- 属性情報も取得できるので、今後の配信に活かせる
例)目元診断(アンケートの回答+診断オファー)
- 【アンケート】お客様がまつ毛の質問に答える
- 【診断】アンケートを基に、好みのまつ毛デザインを診断
- 【サービスの提案と予約動線の設置】診断結果を基に、好みのまつ毛になれるメニューを提案し、予約まで誘導
アンケートで取得した情報を基に、お客様の好みを的確に把握して、お客様のニーズに合ったまつ毛デザインを提案できます。
目元診断
質問はカルーセルで作成。タップするだけで回答できるので、お客様の負担を減らせます。
LINEでコミュニケーションの質を向上【セグメント配信】
紙カルテではなくLINEでカウンセリングを行うと、お客様の情報を活用した配信が実現できます。
Lステップの回答フォームでアンケートに答えていただくと、アンケート項目は自動で保存され、タグ付けも可能です。
集めた属性情報をもとに、お客様によって配信の内容を分けて送れる(セグメント配信)ので、一人ひとりに合った有益な情報を発信できます。
その結果、ブロック率の低下や配信数の削減、成約率の向上に繋がります。
分け方は、例えば、「男性と女性」「新規顧客と常連客」「お客様からの反応」など様々なケースが挙げられます。
ご自身のビジネスに適した分け方で配信しましょう。
LINEとLステップの機能を使ったその他のリピート対策
LINE公式アカウントとLステップの様々な機能を用いたリピート対策をご紹介します。
新規顧客からリピーターになるまでを自動化
次の来店に繋げるための施策として、下記のような配信を自動化できます。
- 来店前日リマインド
- 来店後リマインド
- thank youメッセージ+次回クーポン
- 2回目来店オファー
- 2回目来店前リマインドなど
より来店率を高めるために、例えば、2回目来店促進のクーポンを抽選にすると、受け取った側も特別感を得られるのでおすすめです。
アフターフォローを自動化
施術後にアフターフォローの説明をすると思いますが、その場ですべての説明を覚えているお客様はほとんどいらっしゃいません。
したがって、お客様が帰られた後に、タイミングを見計らってアフターフォローのメッセージを配信すると、お客様の満足度アップに繋がります。
例えば、まつエク施術の場合、
- 末永くきれいに長持ちさせるための大切なアフターケア
- 施術後から日常生活で気を付けること
- 洗顔の仕方のポイント
- 次回来店の目安
などの配信を自動化します。
自動化しておけば、業務負担を減らしつつ、適切なタイミングで配信できます。
誕生日クーポンの自動化
回答フォームで誕生日を登録しておいてもらうと、お客様の誕生日に自動で誕生日クーポンを送ることができます。※プロプラン以上で行える設定です。
スタートプランやスタンダードプランでも手動であれば、誕生日配信はできますが、業務負担が大きくなります。
スタート・スタンダードプランの場合は、誕生日ではなく「誕生月」で自動配信しましょう。
セグメントリッチメニュー
回答フォームの情報を基に、セグメントを分けてリッチメニューを表示(セグメントリッチメニュー)できます。
例えば、男性と女性でリッチメニューを分けるとこのようになります。
女性用(左)と男性用(右)リッチメニュー
ポイントカード(ショップカード)
リッチメニューを利用して、ショップのポイントカードを作成できます。
ランクUP式のポイントカードを取り入れてみると、LTV(顧客生涯価値)の向上にも繋がるのでぜひお試しください。
※LTV:自社の商品を利用し始めてから終了するまでの期間にどれだけの利益を生んでくれたか表す指標
来店回数により会員ランクがUP(シルバー会員→ゴールド会員→プラチナ会員)
担当者別に個別返信
タグとオペレーター機能を利用すれば、各スタッフが自分のお客様とだけ個別トークでやりとりをできる設定が可能です。
例えば、スタッフAさんのお客様に「Aさん担当」とタグをつけておくと、Aさんは、「Aさん担当」のタグがついたお客様の個別トーク画面のみ操作できるようになります。
誤送信や情報漏洩のリスクを減らせるので活用してみましょう。
LINEで店販をEC化
LINEで店頭販売のEC化も実現できます。
店販商品についての情報を、ステップ配信やリマインダ配信に組み込むことで、LINEで販売を自動化できます。
回答フォームで得た情報を基に、お客様の趣向に合った商品を提案できるため、売上の向上が期待できます。
月4回の配信で、月80万の売上が上がった事例も。
配信は、お給料日前など適切なタイミングで流すことが重要です。
マネタイズポイントを増やして売上アップを目指しましょう。
プラットフォーム依存から脱却|3:自社集客できる仕組み作り
「ステップ3:1(2回目以降の来店を自社アプリで予約)、2(リピート対策)をやりながら自社で新規顧客を集める仕組みを作る」について解説します。
オンラインとオフライン両面から友だちを集める
自社集客をするためには、LINEに登録してもらう仕組みを作らなくてはなりません。
LINEの友だち集めに有効な施策としては、
- チラシ
- 店内pop→声かけ(フローの作成からスタッフ教育まで)
- LINE広告
- インスタ広告
- MEO対策
- 検索エンジン広告
などがあります。
オンラインとオフライン両面からの施策を考えてみましょう。
友だち集めの公式で考える
友だち集めの際に、参考にしたい公式があります。
【友だち集めの公式】
ターゲットの数×気づく率×なりたいと思う率
各項目の数値を上げるためには、例えば、
- ターゲットの数・・・告知する数を増やす
- 気づく率・・・店内POPを見たお客様に積極的にLINE登録の声かけをする
- なりたいと思う率・・・魅力的なオファーやキャンペーンを準備する
などが挙げられます。
ご自身のサロンに合った方法を、ぜひ取り入れてみてください。
美容サロンのLINE・Lステップ活用でよくある質問
美容サロンでLINEやLステップを活用する際、よくある質問について回答します。
Q.何から手をつけていいのかわかりません・・・
メールで配信しているお知らせや連絡を、開封率の高いLINEに変更するだけでも来店率や売上をアップさせる効果が期待できます。
メールで送っている内容をLINE用にリライトして送信してみましょう。
Q.来店客を100%LINEに登録させる方法はありますか?
A.紙カルテではなく、LINEでカウンセリングを行うことで、100%登録してもらえます。
Q.紹介キャンペーンをLINEで配信するのは効果的ですか?
A.紹介キャンペーンは、すぐに誰かを紹介してもらうというより、キャンペーンを認知してもらう目的で配信しましょう。
一度認知してもらえると、紹介したい人が現れた際に、思い出してもらえる可能性が上がります。
まとめ
今回は、美容業界におけるプラットフォーム依存について、その危険性からリスクなく脱却する手順まで解説しました。
アフターコロナで生き残るためには、お客様の希望に合ったパーソナルな提案が求められています。
ぜひ積極的にLステップを活用して、業務の効率化や成約率のアップを実現してください。