
ブライダル業界では、結婚式場をはじめとし、写真や動画撮影、演出など幅広いサービスでLINE公式アカウントの導入が進んでいます。
「リクルートブライダル総研」が行った2024年の調査では、披露宴やウエディングパーティー会場を探す際にSNSを利用したカップルは29.1%と、2020年の21.0%から着実に増えています。
また、余興や映像演出を検討する際には62.8%がSNSを利用しており、いまや情報収集の中心となる存在です。
こうした背景を踏まえ、この記事ではブライダル業界におけるLINE公式アカウントの活用法を紹介します。
目次
ブライダル業界でLINE公式アカウントを活用する5つの方法
LINE公式アカウントは、無料で開設し、手軽に導入できるビジネス用アカウントです。
自社調査では、もっとも利用されているメッセージツールは「LINE」との結果がでており、日常的に使われるため情報を届けやすい点が魅力です。
ブライダル業界でLINE公式アカウントを活用する方法は、主に以下の5つです。
- 定期的な配信でお客様と関係づくり
- チャットで24時間予約を受付
- 応答メッセージやチャット機能でお客様の疑問を解消
- お客様情報や担当者とのやりとりを一元管理
- 挙式後もつながりを維持

それぞれの使い方を順に解説します!
1.定期的な配信でお客様と関係づくり
LINE公式アカウントを使えば、友だち追加したお客様に直接メッセージを届けられます。
テキストだけでなく画像やスタンプ、動画なども送信可能です。
一斉配信を活用すると、多くのお客様にフェアやキャンペーン、式場の最新事例などを効率よく伝えられます。
配信を重ねることで接触回数が増え、親近感や式場の具体的なイメージにつながります。
売り込みばかりではなく、結婚準備に役立つ豆知識を交えると、距離を縮めやすいでしょう。
2.チャットで24時間予約を受けられる
LINE公式アカウントなら、チャット機能で24時間いつでも予約を受けられます。
仕事と並行して結婚式の準備を進めるお客様にとって、空いた時間に気軽に連絡できるのは、契約を検討する際にもプラスに働きます。
たとえば、以下のメッセージを送れば「名前」「イベントへの参加希望日程」「連絡先」などの情報収集も可能です。
定型文として登録しておくと、【吹き出しマーク】から数クリックでメッセージを呼び出せるため、スタッフの負担も減らせます。
お客様にとって利用しやすく、スタッフにとって効率的な仕組みがつくれます。
3.応答メッセージやチャット機能でお客様の疑問を解消
LINE公式アカウントの応答メッセージなら、よくある質問に自動で返答できます。
駐車場の場所や営業日などを登録すれば、スタッフが繰り返し説明する必要がありません。
また、LINEはメールや電話に比べて、「ちょっと聞きたい」と思ったときに気軽に送れるハードルの低さも魅力です。
お客様の悩む時間を減らすことで満足度が高まるだけでなく、スタッフが電話のように時間を拘束されず、空いたタイミングで返信できるのもメリットです。
4.お客様情報や担当者とのやりとりを一元管理
LINE公式アカウントでは、チャットタグで友だちの特徴を整理したり、やりとりの履歴を振り返ったりできます。
ノートにメモを残しておくことも可能です。
複数のスタッフが関わってもスムーズに引き継ぎができ、チーム全体で統一感のある対応をしやすくなります。
5.挙式後もつながりを維持
LINE公式アカウントのセグメント(絞り込み)配信を使えば、挙式後のお客様だけに記念日イベントを案内して、再来場を促すことも可能です。
口コミ依頼や紹介キャンペーンを案内すると、新たなお客様の集客にもつながります。
ただし、誤って“挙式前”の方に向けた内容を送ると、ブロックされるリスクが高まるため注意しましょう。
自社調査でも、ブロックの理由として「不要な情報が多かった」が最多でした。
お客様の状況に合わせた情報を届けることが、長く関係を保つポイントです。
ブライダル業界でLINE公式アカウントを活用するメリット
LINE公式アカウントは、集客から成約後のフォローまで幅広く活用できるツールです。
具体的には次のメリットがあります。
- お客様が簡単に友だち追加・利用できる
- 自動化でスタッフの負担を軽減できる
- やりとりや顧客情報を残せる

ブライダル業界では、準備から当日までお客様とのやりとりが多く生じるため、効率的かつ丁寧に対応できる仕組みづくりがとくに重要です。
お客様が簡単に友だち追加・利用できる
LINE公式アカウントは、国内で月間約9,800万人が利用しており、人口の約8割にあたります。※2025年3月末時点
新たにアプリをインストールしたり会員登録をしたりする手間がなく、友だち追加だけで利用できるお客様が多い点が魅力です。
さらに、多くのお客様がLINEの基本操作に慣れているため、使い方の説明を簡略化しつつ、忙しい方にも負担をかけず案内できます。
自動化でスタッフの負担を軽減できる
LINE公式アカウントには、スタッフの業務を自動化する機能もあります。
応答メッセージなら、よくある質問に自動で返信し、スタッフが対応する手間を減らせます。
ステップ配信を使えば、友だち追加をきっかけに、次のような段階的なフォローを自動で進めることも可能です。
- 1日後の19〜20時:式場見学フェアを案内
- 3日後の20〜21時:挙式の事例を紹介
- 5日後の20〜21時:過去のフェア参加者の声を紹介
- 7日後の19〜20時:再度、式場見学フェアを案内
適切なタイミングに自動で情報を届けられるため、スタッフの負担を抑えつつ接客の質を保てます。
やりとりや顧客情報を残せる
ブライダルでは打ち合わせの回数が多く、情報を記録しておける仕組みが欠かせません。
LINE公式アカウントなら、やりとりを一定期間保存できるため、相談内容を振り返りやすくなります。
打ち合わせの経緯やお客様の希望を正確に把握できれば、安心感のある接客につながるでしょう。
ブライダル業界でLINEの導入を成功させる6つのコツ
ブライダル業界でLINEを活用するメリットは大きいですが、アカウントを開設しただけでは友だちが増えず、効果を実感しにくいケースもあります。
そこで、ブライダル業界でLINEを活かすための6つのコツを紹介します。
- お客様に見つけてもらいやすくする
- リッチメニューを工夫する
- 初回予約のハードルを下げる
- お客様との関係を育てる
- LINEとSNSを連携して集客の幅を広げる
- 集めたデータを改善や提案に役立てる

コツを理解し、集客から顧客フォローまで幅広く活用しましょう!
①お客様に見つけてもらいやすくする
せっかくLINE公式アカウントを開設しても、お客様に見つけてもらえなければ利用されません。
結婚式を検討中のカップルが友だち追加できるよう、SNSやブライダルフェアの案内にQRコードを掲載しましょう。
最近では、公式サイトのポップアップに「LINEの追加で診断ができます」といった導線を設け、友だち数を増やしている事例もあります。
ブライダルに応用するなら、「和婚」「神前式」といった挙式スタイル診断や「マーメイド」「プリンセス」などのドレス診断に誘導する方法も効果的です。
さらに、来館時にスタッフが直接友だち追加を案内すれば、登録率はより高まります。
②リッチメニューを工夫する
リッチメニューを工夫すれば、お客様が知りたい情報にすぐアクセスし、情報を逃さず確認できるため、行動につながりやすくなります。
たとえば、フォトスタジオなら以下のような項目を設定するのも一案です。
結婚式場なら、
- フェア予約
- 会場ギャラリー
- プラン・特典紹介
といったボタンを設置すると、挙式を検討中のカップルが迷わず行動できるでしょう。
リッチメニューは「入口」の役割を果たすため、会場やサービスの雰囲気に合わせたデザインに整えることも重要です。
- アットホームで自然豊かな会場:自然光を感じる明るい色使い
- 上質で高級感のある会場 :シャンデリアや料理の写真を活用
- モダンで今っぽい会場 :モードな色味をおしゃれに使用
魅力が一目で伝わるデザインにすれば、LINEを開いた瞬間に式場やサービスのコンセプトが直感的に伝わります。
③初回予約のハードルを下げる
ブライダル関連のサービスでは、初めて利用するお客様が予約にハードルを感じることがあります。
LINEで簡単に予約できる仕組みを整えると、迷わず気軽に行動してもらいやすいでしょう。
LINEのチャットで申し込めるほか、ワンタップで見学・撮影予約フォームにアクセスできる導線をつくる方法も有効です。
さらに、以下のようなリッチメッセージの配信も効果的です。
入場体験や試食などの参加特典を案内すれば、お客様の行動をあと押しできます。
④お客様との関係を育てる
ブライダル関連のサービスはお客様と関わる期間が長く、そのぶん信頼関係の深さも満足度に影響します。
式場やスタジオのファンをつくれば、再来館・紹介・家族の記念撮影などの二次利用にもつながりやすくなります。
信頼関係を育てるためには、単なる宣伝に偏らず、
- 季節ごとの演出アイデア
- ドレスの最新トレンド
- 撮影前の準備チェックリスト
など、カップルが思わず開きたくなる情報を定期的に配信しましょう。
一斉配信やステップ配信を活用すれば、手間をかけずにお客様との関係を育めます。
⑤LINEとSNSを連携して集客の幅を広げる
LINE公式アカウントとSNSの組み合わせで、さらに多くのお客様にアプローチできます。
自社調査によると、男性は「YouTube」女性は「Instagram」の利用が多いことがわかりました。
InstagramとYouTubeでも式場の雰囲気がわかる写真や動画を紹介し、
- LINE追加で無料の試食会に招待
- ドレス・タキシードを試着し、フォト1枚プレゼント
といった特典を案内すると、自然にLINEへと誘導しやすくなります。

LINE×Instagramを活用するポイントは、以下の対談も参考にしてください!
⑥集めたデータを改善や提案に役立てる
LINE公式アカウントでは、友だち追加数やブロック数を確認できます。
これにより、以下の分析が可能です。
- どのSNS広告で友だち追加数が増えたか
- どんなキャンペーンが反応を得やすいか
- ブロックにつながる配信メッセージはどれか
データをもとに配信内容やキャンペーンを改善すれば、集客力アップにつながります。
ブライダル業界でLINE公式アカウントを使うときの注意点
LINE公式アカウントは、多くのお客様にアプローチできる一方で注意点もあります。
とくに押さえておきたいのは、次の2つです。
- 予約機能は利用できない
- 顧客情報は手動で管理する必要がある

注意点を踏まえて活用の仕方を考えると、思わぬトラブルを防ぎやすくなります。
予約機能は利用できない
「LINEで予約する」と聞くと、カレンダー画面から空いている日を選ぶイメージを持つ方も多いでしょう。
「LINEで予約」と呼ばれる機能は、飲食店向けの利用に限定されています。
引用:LINEで予約(飲食店対象)|LINEヤフー for Business
そのため、ブライダル関連の予約はチャット機能を通じて行うのが一般的です。

「Lステップ」のような拡張ツールを使えば、ブライダル業界でもカレンダー形式で予約を管理できます!詳細はのちほど紹介します。
顧客情報は手動で管理する必要がある
LINE公式アカウントでの顧客管理は、基本的に手動対応が前提です。
友だちごとにタグ・ノート・ステータスでお客様情報を残せますが、付与や更新はすべてスタッフが対応しなければなりません。
お客様の人数が増えると管理が煩雑になりやすいため、担当者を増やすなどの工夫が必要です。

情報収集やタグ付けも自動化したい場合は、「Lステップ」のような拡張ツールの導入も検討してみてください。
ブライダル業界でLINEを効果的に使うなら「Lステップ」
LINE公式アカウントを有効活用するなら、「Lステップ」との併用がおすすめです。
Lステップは、LINE公式アカウントの機能を拡張するツールで、ブライダル業界ならではのニーズにも対応しています。
Lステップでできることは、主に以下の5つです。
- 予約管理やリマインドを自動化できる
- 料理やドレスなどの好みをアンケートで収集・保存できる
- 契約前後で表示するリッチメニューを変更できる
- お客様の興味・状況にあわせて配信を出し分けられる
- スタッフ間でスムーズに進捗を共有できる

スタッフの作業を自動化しながら接客の質も高めたい方は、Lステップの機能の詳細もチェックしてみてください。
①予約管理やリマインドを自動化できる
ブライダル関連のサービスではスケジュール管理が多く、スタッフの負担を増やす要因のひとつになっています。
Lステップを使えば、予約の受付からリマインドまでの自動化が可能です。
LINE上のカレンダーから予約を受けられる仕組みで、営業時間のほか、担当者やコースの選択有無も設定できます。
また、予約を思い出させることを目的とする「リマインダ配信」も設定できます。
実際に、リマインダ配信を活用してから、無断キャンセルが減ったという事業者は少なくありません。
自社調査でも、95.7%の方が「リマインドはあった方がよい」と回答しています。
ブライダル業界では、見学予約や打ち合わせ、撮影など予約内容が複数に分かれることも多く、手作業でのリマインドは大きな負担です。
自動化すれば、予約忘れを防ぎつつ、スタッフが準備や接客に集中できる環境が整います。
②料理やドレスなどの好みをアンケートで収集・保存できる
結婚式の準備は、式場選びやフォト撮影、映像演出、衣装、料理など多岐にわたります。
Lステップの回答フォームを使うと、新郎新婦の要望を好きなタイミングで聞き取れます。
友だち追加時やフェアの申し込み時に、挙式の時期・希望プランなどを聞いておけば、予算とスタイルに合った的確な提案が可能になり、打ち合わせを効率化できるでしょう。
アンケート内にドレス写真を添付すれば、好みに合わせて試着用のドレスを絞り込むことも可能です。
LINE上で気軽に回答できてお客様の負担になりにくいうえ、回答は自動保存されるため、いつでも簡単に見返せます。
お客様の好みに合わせた「先回りの提案」を行えば、打ち合わせの満足度やサービス体験の質が高まり、自然に好印象を残せます。
③契約前後で表示するリッチメニューを変更できる
結婚式の準備は、見学や相談から契約、さらに当日の打ち合わせへと進むにつれて、必要な情報が変わっていきます。
Lステップならリッチメニューを好きなタイミングで切り替えられるため、契約前と契約後で表示内容を変え、お客様の状況に応じた案内が可能です。
【契約前】
【契約後】
式場の場合は、以下の項目に切り替えるのもよいでしょう。
タイミング | 表示する項目 |
契約前 |
|
契約後 |
|
状況に応じた情報を簡単に確認できる仕組みを整えれば、お客様の満足度を高めつつ、問い合わせ対応の手間も減らせます。
④お客様の興味・状況にあわせて配信を出し分けられる
Lステップでは、アンケートや行動履歴をもとに配信内容を自動で出し分けられます。
「結婚は決まっているが時期は未定」というカップルには、押し売り感のない豆知識を配信し、接触回数を増やす戦略が有効です。
さらに、「結婚式で重視するものは?」といったアンケートを行い、回答に応じて案内を変えると興味を引きやすくなります。
- 料理を重視 :試食会を案内
- ドレスを重視:試着会を案内
- 会場を重視 :模擬挙式・模擬披露宴を案内
- 演出を重視 :演出・コーディネート体験会を案内
お客様の状況と興味に合わせた情報提供で、フェアへの参加や相談へスムーズに誘導できます。
⑤スタッフ間でスムーズに進捗を共有できる
結婚式の準備では、会場見学の予約や打ち合わせ、資料送付など、スタッフが複数のタスクを同時に進める場面が多くあります。
そんなときに役立つのが、Lステップの対応マークです。
たとえば、次のような名称を設定し、各タスクの進捗を可視化できます。
- 〇〇フェア参加済み
- 参加のお礼メッセージ送信済み
- 見積書送付済み
- 契約手続き完了
- 装花・装飾打ち合わせ完了
- 衣装フィッティング完了
名称は自由に設定できるため、担当者別や優先度別に運用することも可能です。
チーム全体で進捗を把握しながら対応すれば、準備の抜け漏れ防止にも効果的です。
ブライダル業界でLINEを活用し、成約率や顧客満足度を高めよう
ブライダル業界でLINE公式アカウントを活用すると、配信でお客様との関係を築き、チャットで予約や疑問解消をスムーズに行えます。
さらに、情報や進捗を一元管理できるため、準備の効率化にもつながります。
挙式後もフォローを続ければ、お客様との関係を長期的に維持することも可能です。
活用法や注意点を押さえながらLINEを効果的に運用し、成約率と顧客満足度の向上に役立てましょう。